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新村 信雄
Journal of the Physical Society of Japan, 70(Suppl.A), p.396 - 399, 2001/05
原研では生体高分子用中性子回折装置(BIX-3)の建設を完了した。これにより、ミオグロビン、ルブレドキシンの中性子構造解析を行い、分解能1.5Aが得られた。これは世界で始めて達成された新記録であり、これにより、タンパク質内の水素結合の詳細、H/D交換が分子のダイナミクスや分子中での立体配置に直接関係すること、水和構造の詳細が明確に得られた。
元屋 清一郎*; 日置 敬子*; 鈴木 淳市
Journal of the Physical Society of Japan, 70(Suppl.A), p.139 - 141, 2001/05
濃厚スピングラスFe(NiMn)の長時間緩和現象を時間発展小角散乱法により解析した。20時間に及ぶ緩和過程の解析より、以下の点が明らかとなった。高温強磁性相より低温スピングラス相に試料を急冷すると長距離磁気秩序は消失する。しかし、時間の経過とともに5nm程度の短距離秩序を持つ領域の割合が発達して行く。この結果は、スピングラスの長時間緩和現象は、数nmの磁気クラスターの成長に支配されることを示唆する。
鈴谷 賢太郎; 柴田 薫*; 梅咲 則正*; 北村 直之*; 小原 真司*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.256 - 258, 2001/05
ガラス・非晶質物質の(結晶と比しての)特異性は、その動的構造・ダイナミックスにあると言われる。しかし、周期構造を有していない非晶質物質のダイナミックスの構造的起源を解明することは難しい。そこで、われわれは、配化物ガラスに高圧力を加えて圧縮し高密度ガラスを作製し、高密度化することによって中性子非弾性散乱スペクトルが、ノーマルなガラスからどのように変化したかを知ることによって、ダイナミクスの構造的起源を探った。その結果、E20MeVの領域の低エネルギー励起の強度が低下し、ピークが高エネルギー側にシフトすること、E20MeVの領域のGe-O-Geに対応する光学振動モードが、その角度(=LGe-O-Ge)が小さくなる方向にそれぞれシフトすることを見いだした。これらは、GeO四面体間の角度の減少によって圧縮がおこっており、同時に構造的な局所ゆらぎ(中距離構造)が小さくなったことを示している。
栗原 和男; 田中 伊知朗; Adams, M. W. W.*; Jenney, F. E. Jr.*; Moiseeva, N.*; Bau, R.*; 新村 信雄
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.400 - 402, 2001/05
生体物質中性子回折装置BIX-3(日本原子力研究所JRR-3M 1Gサイト)を用いてルブレドキシン(超好熱菌由来、分子量約6,000、鉄-硫黄タンパク質)の中性子構造解析を現在行っている。このタンパク質は熱安定性が高く、その安定性と立体構造の関係が注目されている。今回用いた結晶の大きさは2.02.01.0 mmであった。データはステップスキャン法で測定し、ステップ間隔は軸の周り0.3°とした。露出時間は1フレームにつき約60-77分であり、全体では正味約35日間測定を行った。この回折測定では、d=1.5Å付近まで(コンプリートネスは76.8%)回折点を検出することができた。構造の精密化では301個の水素原子を含めた。現在のところ、分解能=1.5ÅでR因子=24.0%, R-free因子=26.3%である。また40個の重水素原子と29個の水和水を決定している。
鈴木 淳市; 大沼 正人*; 松本 貴裕*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.303 - 305, 2001/05
光るシリコンとして注目されるポーラスシリコンの発光メカニズムを解明するため、中性子及びX線小角散乱実験を行った。その結果、以下のことを明らかにした。ポーラスシリコンは、約2nmのシリコン微結晶より構成される。微結晶表面には、約0.1nmの水素・重水素層がある。微結晶サイズは、ポロシティーの増大に伴い、線型的に減少する。微結晶表面終端水素の種類は、微結晶の構造に影響を及ぼさない。ポーラスシリコンの発光特性は、これらの構造特性に対応し、シリコンの量子サイズ効果と表面フォノンを考慮したエネルギーバンドモデルにより説明できる。
生嶋 健司; 青木 大*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 神戸 振作; Walstedt, R. E.
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.31 - 33, 2001/05
金属間化合物UGaは、AuCu構造(立方晶)でT=67Kの反強磁性体である。われわれはGa NQRを用いて、この反強磁性転移近傍を詳細に調べた結果、以下のことが明らかになった。(1)転移点直上の70.5KでNQRラインが急激に変化し、Gaサイトが、2サイトであることを示唆している。(2)このときNQR周波数(電場勾配)も激変している。(3)63Kから70Kの間で、内部磁場が顕著に観測されていない。これらの結果は、明らかにこのUGaの転移が通常の反強磁性転移ではないことを示しており、四極子自由度が関係している可能性がある。さらに、磁場中におけるスペクトルには上記のような現象は見つかっていない。したがって、磁場依存性について詳細に調べる必要があるだろう。
前田 満; 藤原 悟; 米澤 康滋*; 新村 信雄
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.403 - 405, 2001/05
タンパク質の機能、安定性を明らかにするためには、異なったpHでのタンパク質におけるアミノ酸のプロトネーションの状態を知ることが重要である。この問題に答えるために、異なったpHにおけるニワトリ卵白リゾチームの中性子結晶構造解析を行っている。本研究においては、pH4.9のニワトリ卵白リゾチームの中性子回折実験を日本原子力研究所の生体物質用中性子回折計(BIX-II)において行った。pH4.9のニワトリ卵白リゾチームの中性子結晶構造解析により、酵素活性部位において、グルタミン酸35(Glu35)のカルボキシル基に1つの水素がプロトン化され、アスパラギン酸52(Asp52)のカルボキシル基には、プロトン化されていなかった。この結果は、リゾチームの触媒機構のモデルと一致した。
皆川 宣明; 森井 幸生; 盛合 敦; 大友 昭敏; 菊地 賢司
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.517 - 519, 2001/05
アルミニウム合金A6063材を用いて、プラグとリングを設計製作し冷し填めによる境界部に発生する熱応力の内部分散を中性子回折法により測定し、設計値と実測値の比較を行い製作法の評価を行った。その結果設計応力値に等しい応力分布が測定され、標準試料として使用できると判断した。設計により予測された周方向の発生応力は、=280MPaであり、測定値は約150MPaであった。しかし、無ひずみ格子面間隔測定の誤差、及び工作寸法精度の誤差によるものであり、周方向,半径方向の内部応力分布は理論的形状となっている。
芳賀 芳範; 目時 直人; 小池 良浩; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.25 - 27, 2001/05
被引用回数:3 パーセンタイル:27.33(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体UPdAlの高純度単結晶を育成した。この試料は、ドハース・ファンアルフェン効果によって極めて重いフェルミ面を観測できることからも、純度の高さがわかる。これを用いて、超伝導状態の磁気励起を測定した。得られたスペクトルは、超伝導ギャップに対応した非弾性成分と、スピン波に対応した成分から成る。後者は、異方的な分散を示すが、前者は比較的等方的であり、強い反強磁性の異方性は反映されていないように見える。
山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 中村 彰夫; 常盤 欣文; 青木 大*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.37 - 39, 2001/05
被引用回数:22 パーセンタイル:69.64(Physics, Multidisciplinary)テトラアーク炉でチョクラルスキー法でUIrの純良単結晶育成に成功した。残留抵抗比/は150である。磁化はイジング的でキュリー温度が46Kの強磁性を示す。磁化容易軸はb-もしくは(010)面内の[10)]に近い方向にある。飽和モーメント0.5/Uであった。ドハース・ファンアルフェン効果の測定で、サイクロトロン有効質量が916mの比較的重いキャリアが観測された。これは電子比熱係数=48.5mJ/K・molに対応する。
石井 慶信; 片野 進; 鈴木 淳市; 相澤 一也; Child, H. R.*; 森井 幸生; Fernandez-Baca, J. A.*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.453 - 455, 2001/05
原研がHFIRに設置した広角中性子回折装置(WAND)はユニークな装置であり、単結晶をフラットコーン配置で測定することができ、また、粉末試料・多結晶体の回折計として使用できる装置である。新しい中性子実験に対応するためにWAND装置を改良した。本改良の中心は検出器の改良である。検出器は3Heガスを封入した湾曲1次元位置検出器である。この検出器は624本の独立した陽極及び電子回路を持っており、約125度の広い散乱角度範囲にわたっていちどに中性子を計測することができる。新WANDの性能試験の結果、検出器の分解能は0.24度であり、陽極あたりの最大中性子計数速度は2.010count/secであることなどがわかった。
西木 直己*; 目時 直人; 曽山 和彦; 小池 良浩; 鈴木 淳市; 藤原 悟; 芳賀 裕子*; 小泉 智
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.480 - 482, 2001/05
中性子を用いた研究は、固体物理、材料等の工学、そして生命科学の領域に至るまで、ますますその裾野が広がりつつある。にもかかわらず中性子フラックスはここ数十年間増加してないことから、中性子光学素子による集光技術の開発、そしてそれらを用いて中性子によるイメージングを行い、研究に用いる要求が高まっている。そこでこの黎明研究では、松下電器が開発したトロイダル曲面状に湾曲した黒鉛結晶を用いて中性子集光及び中性子結像そして顕微鏡の開発の目的で、この湾曲結晶を用いたX線中性子集光素子の中性子集光特性を調べた。このグラファイト光学素子は、原材料のポリイミドシートから予備処理工程で作成されたグラファイトの前駆体の熱硬化性を利用してトロイダル形状に仕上げた。1mmの点光源から発生した1.54Åの中性子を、256mm離れた中性子イメージングプレート上に約1.4mmのサイズに集光させることができた。集光倍率は約150倍であった。結像実験は行えなかったが、冷中性子源と組み合わせた光学デバイスとしての可能性を考察した。
目時 直人
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.11 - 13, 2001/05
重い電子系超伝導体UPdAlにおいて超伝導転移温度T以下で反強磁性ピーク強度が1%減少することを観察した。これは磁気及び超伝導秩序変数の結合によって理解できる。同じ現象をUPt,URuSi,及びUNiAlでも観察し、これが重い電子系超伝導体の特徴的な現象であること、またピーク強度の減少と磁気モーメントの大きさに相関があることを明らかにした。T以下で磁気励起スペクトルに0.4MeVのギャップが生じることを発見した。これは2kTに相当し、BCS理論の3.5kTより小さい。ギャップはT以下0から連続的に増加し、H以上の磁場で消失する。これらの結果から超伝導ギャップであると結論した。ギャップの大きさは波数に依存し、この化合物の異方的ギャップを反映していると思われる。より高エネルギーのスピン波励起(10kT)についてもT近傍で超伝導に関係する異常が観察された。またURuSiにおいて圧力下で磁気モーメントが増大することを発見した。
盛合 敦; 小野寺 昭史*; 網田 富士嗣*; 大友 昭敏; 皆川 宣明
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.531 - 533, 2001/05
極限条件下中性子散乱実験で使用される試料加圧装置(高圧セル)の加圧状態におけるシリンダー内部の応力分布を、中性子回折法によって非破壊的に調べた。高圧セルをはじめとする中性子散乱実験で用いられる試料環境を制御する補助機器の設計製作においては、その構造材料としてまず中性子をよく透過する材料を選択しなければならない。高圧セルでは、この条件に加えて、ギガパスカルオーダーの高圧力に耐える材料を選ぶ必要がある。一般的にこのような条件を満たす材料はほとんどないため、材料の選択のみによって高性能の装置を製作をすることは極めて難しく、応力解析がいっそう重要になる。応力解析は有限要素法などの数値シミュレーションが一般的であるが、本研究では近年材料内部の応力状態を非破壊で観察できる方法として注目されている上記の方法によって実測することを試みた。
松田 雅昌; Birgeneau, R. J.*; 遠藤 康夫*; 藤田 全基*; 平賀 晴弘*; Kastner, M. A.*; 白根 元*; 脇本 秀一*; 山田 和芳*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.46 - 48, 2001/05
最近の詳細な研究により、絶縁相におけるスピングラス相の静的磁気相関が非整合的であることが明らかになった。ただし、弾性磁気ピークの位置は、超伝導相で見られる位置と比べて45度回転している。水平ストライプモデルからの類推から、この構造はストライプが斜方晶の軸方向(正方晶の軸の対角線方向)に進む斜めストライプであると考えられる。また、絶縁相におけるスピンダイミクスの研究も行い、その結果、低温、低エネルギーでは磁気相関は斜めストライプであると考えられる。また、絶縁層におけるスピンダイナミクスの研究も行い、その結果、低温、低エネルギーでは磁気相関は斜めストライプであるが、高温、高エネルギーではLaCuOと定性的に同じ磁気相関が見られることがわかった。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 藤 健太郎; 中村 龍也; 高橋 浩之*; 中澤 正治*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.468 - 470, 2001/05
被引用回数:11 パーセンタイル:56.18(Physics, Multidisciplinary)イメージングプレートをTOF法に適用するため、CAMACシステムを用いたその高速読み取り法を考案した。本方法では、高速読み取りのために線状レーザーを採用し、イメージングプレートの裏面から信号を読み取っている。本方法の有効性を確認するため、回転ミラーを用いた読み取り装置を試作し、放射線の読み取り特性を調べた。その結果、読み取り方向の空間分解能は0.5mm,スキャン速度は0.53mm/msとなった。また、本方法によっての線源の強度分布を測定できることも確認した。この読み取り速度は、55mmのスキャン範囲の場合、10ms以内である。
畑 慶明; 喜多 英治*; 籠宮 功*; 近 桂一郎*; 白鳥 紀一*; 中島 健次*; 加倉井 和久*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.195 - 196, 2001/05
ZnCrOはAサイトにはいるZnが非磁性であるためA-Bサイト間に相互作用が存在せず、Bサイト最近接イオン間に反強磁性的相互作用を考えるとBサイトがフラストレートすることが知られている。また低温の秩序状態の磁気構造は複数の磁区に分かれており、いまだ磁気構造は未知である。そこで、中性子線散乱実験を通じて磁気構造決定を目的に実験を行った。実験の結果、ネール点10Kをはさんで、それより上で磁気散漫散乱が、それ以下で磁気ブラッグ反射が観測された。転移は一段であり、類似した物質のMgCrOとは全く異なる現象である。磁気的に単分域にするために、磁場中冷却を行い同様の測定を行ったが単分域にはできなかった。秩序相の磁気対称性がある条件を満足する場合、電気磁気効果がみられ、電場・磁場両方を印加して冷却することで単分域化することが可能であり、ZnCrOもこのような手法で単分域化できると考えられた。
常盤 欣文; 青木 大*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; Winiewski, P.*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.40 - 42, 2001/05
重い電子系の示すさまざまな物性は、準粒子のコヒーレンスの発達によって起こるため、わずかな不純物や格子欠陥などに極めて敏感である。それによって対象物質の本質的な振る舞いが隠されてしまうおそれがあるため、f電子系化合物においては純良単結晶育成は極めて重要である。われわれは3つの方法を使ってウラン化合物の単結晶育成を行った。1つはテトラマーク炉を用いた引き上げ法である。この方法によって、USi,UPt,UPdなどといった単結晶が育成された。これらの物質は、パウリ常磁性、重い電子系超伝導四重極秩序など変化に富んだ物性を示す。次に自己フラックス法ではUBi,USb,UNiGaといった2次元的なフェルミ面を持つ物質が育成された。最後に、ケミカルトランスポート法においては、上記の2つの方法では育成困難なUAs,UP,UAs,UPといった物質への単結晶を育成した。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 本間 徹生; 山本 悦嗣; 常盤 欣文; 青木 大*; Winiewski, P.*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.34 - 36, 2001/05
UX(X=Ga, P, As, Sb, Bi)はいずれも2次元原子配列を持つ磁性体であり、UGaは強磁性体、そのほかの化合物は反強磁性体である。de Haas-van Alphen効果測定によりUGaのフェルミ面は3次元フェルミ面だけで構成されているのに対し、その他の化合物のフェルミ面は2次元フェルミ面で構成されている。そこで本研究では、これらの化合物の原子配列、フェルミ面と5f軌道との相関を調べることを目的としてUメスバウアー分光測定を行った。これらの化合物ではすべて磁気秩序状態で電気四極子相互作用と磁気双極子相互作用が観測された。いずれの化合物も核位置の電場勾配の主軸と磁気モーメントの方向は平行である。電場勾配の符号は、UGaが正,ほかの化合物が負である。これらの結果は、これらの化合物においてフェルミ面の次元性が原子配列でなく、5f軌道や磁気構造と相関があることを示唆している。
眞榮平 孝裕; 樋口 雅彦*; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 長谷川 彰*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.43 - 45, 2001/05
相対論的APW法を用いて、UCとUGeの電子構造とフェルミ面を計算し、dHvA効果の測定結果と比較し、dHvAブランチの起源を解明した。UCは、最近、山本・大貫らにより純良な単結晶育成に成功し、これまで観測されていなかったdHvAブランチの測定に成功した。バンド計算から得られたdHvA角度依存の結果は、実験結果を良く説明する。特に、ホール面に比べ電子面がサイクロトロン有効質量が大きいのは、電子面を形成しているのがUの5f成分が大部分であるということに起因する。このように、ホール面と電子面で、形成している電子成分が大きく異なる事例は、今回のUCが世界で初めての事例である。同様にUGeについても、dHvA角度依存を良く説明した。