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口頭

Si(001)表面酸化におけるSi原子放出過程,10; 歪みSi層と第2層酸化速度の相関

小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 寺岡 有殿; 高桑 雄二*

no journal, , 

本研究では、高輝度放射光を用いた光電子分光法でSi(001)表面酸化過程をリアルタイム観察し、第1層酸化膜形成後の界面歪みのアルファSiとベータSiの第2層酸化速度との相関を調べた。実験はSPring-8のBL23SUに設置してある表面化学反応分析装置で行った。n型Si(001)基板を酸素で酸化させた。O1s光電子スペクトルは2つの成分を用いて大変によくフィッティングできた。一方、Si2p光電子スペクトルをフィッティングするために、Si基板からのピーク(SiB)と酸化状態に対応したピーク(Si$$^{1+}$$, Si$$^{2+}$$, Si$$^{3+}$$, Si$$^{4+}$$)、さらに、アルファSiとベータSiのピークを設定した。第1層酸化温度を300$$^{circ}$$Cから600$$^{circ}$$Cまで変化させたとき、第1層酸化完了後のベータSi強度は温度増加とともに減少したが、アルファSi強度はほとんど変化しなかった。この結果は、第1層酸化温度の増加とともに界面第1層の歪みが減少していることを示している。界面歪みが高温で減少することは、吸着酸素の格子位置で説明でき、この格子歪みの減少により点欠陥発生も減少するため第2層酸化速度が減少すると考えられる。

口頭

超短パルスレーザーによるコリメートされたsub-MeVエネルギー領域のプロトンビーム発生

高井 満美子; 大道 博行; 匂坂 明人; 小倉 浩一; 織茂 聡; 加道 雅孝; 余語 覚文; 森 道昭; 林 由紀雄; Bulanov, S. V.; et al.

no journal, , 

チタンサファイアテラワットレーザーと金属薄膜ターゲットとの相互作用により、非常に直進性のよい、広がり角度10度程度のサブメブ領域のプロトンビームが得られた。このプロトンビームを使って、ミクロンサイズのメッシュ構造の影絵を取得することに成功した。この影絵を使うことにより、プロトンビームの定量的な評価を行い、横エミッタンスが0.1$$pi$$mm mrad以下であることがわかった。

口頭

超高強度場科学における電離箱の応答特性評価

林 由紀雄; 神門 正城; 小瀧 秀行; 大東 出; Chen, L.-M.; 福田 祐仁; 近藤 修司; 森 道昭; 小倉 浩一; 大道 博行; et al.

no journal, , 

近年、RALのVulcanレーザーで43mSv、LULIで0.5mSvの線量がそれぞれ3$$times$$10$$^{20}$$W/cm$$^{2}$$, 1-3$$times$$10$$^{19}$$W/cm$$^{2}$$の集光条件で線量が観測されるに至った。これらの値は人体への線量限度に比べて無視できない量であり、超高強度場科学における放射線管理の重要性が認識されつつある。超高強度場科学の分野では受動型線量計がおもに使われてきた。ただし受動型線量計はリアルタイム線量確認が困難であるため、実験中の被曝に気づかずしばらく放置される可能性がある。放射線をリアルタイムで確認できる線量計が極めて有用である。そこでCWの放射線に対しリアルタイム線量確認が可能な電離箱を今回、超高強度場科学実験で利用することをわれわれは試みた。受動型線量計と電離箱を同一場所に同時に設置し、JLITE-Xレーザー(300mJ, 70fs, Heガス(3-5MPa), 5$$times$$10$$^{17}$$W/cm$$^{2}$$)の条件でテストした。その結果、40ショット積算で受動型線量計が1.16mSvで、電離箱は0.60 0mSvを示した。電離箱は受動型線量計に比べて多少検出感度は低いが、超高強度場科学でのリアルタイムモニターとして有用であると考えている。

口頭

高強度レーザーとプラズマとの相互作用による高品質電子ビーム発生

小瀧 秀行; 大東 出; 神門 正城; 福田 祐仁; 林 由紀雄; Chen, L.-M.; 本間 隆之; Bolton, P.*; Ma, J.-L.; 森 道昭; et al.

no journal, , 

高強度レーザーにより生成されるプラズマ中のウェーク場を用いて小型超短パルス高品質電子ビーム源をつくることができる。本電子ビームは、高品質でパルス幅が短いため、高品質電子ビーム源や構造変化測定等への応用が考えられる。15TW, 25fsのチタンサファイアレーザーを用いて実験を行い、最大75MeVの準単色エネルギーの電子ビーム発生に成功した。しかし、1パルスでの電子発生は不安定である。そこで、2パルス衝突型の高品質電子ビーム発生実験を、3TW, 70fsのレーザーを用いて、衝突角45$$^{circ}$$で行い、15MeVの高品質電子ビーム発生に成功した。2パルスの使用により、ウェーク場への電子トラップと加速とが分離でき、レーザーやプラズマ密度等のパラメーターを最適化することにより安定な高品質電子ビーム発生が可能であることを示した。

口頭

分子線エピタキシャル法による半導体ナノ構造成長のその場X線回折

高橋 正光; 海津 利行; 水木 純一郎

no journal, , 

分子線エピタキシャル法は、原子レベルで制御された結晶成長を実現する代表的な手法であり、半導体ナノ構造の作製においても重要な役割を果たす。近年、半導体ナノ構造は、多層膜構造を基本とする量子井戸構造から、量子細線・量子ドット構造へと低次元化が進んでいる。これらはもはや平面的な膜構造ではなく、三次元的な構造であるため、平均膜厚・界面ラフネスなどの測定にとどまらない新しい構造評価法が必要とされている。シンクロトロン放射光を用いたX線回折法は、静的な構造評価法として、半導体表面構造のほか、量子ドットなどの三次元的な形状・ひずみ分布の決定に用いられるようになってきている。われわれは、これらの手法をもとに、半導体ナノ構造成長中のその場・リアルタイムX線測定を実現するため、放射光施設SPring-8のBL11XUにおいて、X線回折計とMBE成長槽とを一体化した装置を用いた研究を進めている。本講演では、従来の方法ではその場測定が難しい、ナノ構造の実空間における形状・格子定数分布及び組成について、GaAs上のInAs成長,Sbで覆われたGaAs(001)表面を例に、放射光X線回折による研究を紹介する。

口頭

薄膜ターゲットを用いた高エネルギープロトン発生

匂坂 明人; 大道 博行; 余語 覚文; 小倉 浩一; 織茂 聡; Ma, J.-L.; 森 道昭; Pirozhkov, A. S.; 高井 満美子; 大石 祐嗣*; et al.

no journal, , 

高強度レーザーと物質との相互作用により生成される高エネルギーのX線,イオン,電子は、テーブルトップの量子ビーム源として注目されさまざまな応用が提案されている。特に高エネルギーイオンについては、医療用としての小型加速器への利用が期待されている。今回、レーザー励起の高エネルギーイオン発生を目的とし、薄膜ターゲットからのプロトン発生実験を行った。電力中央研究所設置のチタンサファイアレーザー(中心波長800nm,パルス幅50fs)を用いて、銅とポリイミドの薄膜ターゲットに照射した。厚さ3$$mu$$mの銅ターゲットを用いた場合、プロトンの最大エネルギーは1MeV程度であった。一方、厚さ7.5$$mu$$mのポリイミドターゲットを用いた場合、プロトンの最大エネルギーは2MeVを超えて発生した。ポリイミドターゲットを用いた場合、銅ターゲットよりもプロトンの最大エネルギーが2倍程度増加することがわかった。講演では、得られた実験結果の詳細について報告する予定である。

口頭

$$gamma$$線照射誘起界面準位によるSiC MOSFETの特性劣化

大島 武; 菱木 繁臣; 岩本 直也; 河野 勝泰*; 伊藤 久義

no journal, , 

$$gamma$$線照射によりpチャンネル炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)中に発生する界面欠陥(界面準位や酸化膜中固定電荷)及びこれら欠陥の熱安定性を調べた。実験にはn型6H-SiCエピタキシャル膜上に800$$^{circ}$$Cでのアルミニウム(Al)注入及び1800$$^{circ}$$Cでの熱処理によりソース・ドレインを、1100$$^{circ}$$Cでの水素燃焼酸化によりゲート酸化膜を形成したpチャンネルMOSFETを用いた。$$gamma$$線照射は室温にて0.87$$sim$$8.70kGy/hのドーズ率で行った。電気特性劣化を調べたところ、$$gamma$$線照射量の増加に従い界面準位濃度が増加し、それに伴ってチャンネル移動度が低下すること見いだされた。さらに、照射後にアルゴン中で30分間の熱処理を行ったところ、熱処理温度の上昇とともに界面準位密度が減少することが見いだされ、それに対応するように、$$gamma$$線照射後に初期値の40%程度まで減少したチャンネル移動度が熱処理温度の上昇とともに回復し、400$$^{circ}$$C熱処理後に65%程度となることが見いだされた。また、$$gamma$$線照射により3.8Vから13.5Vまでシフトした「しきい値電圧」に関しても、熱処理により5.4Vまで回復することも観測された。

口頭

酸素分子のSi(111)-7$$times$$7表面での室温吸着における準安定吸着種とSi酸化状態の関係

吉越 章隆; 寺岡 有殿

no journal, , 

これまでO$$_{2}$$のSi(111)-7$$times$$7表面で室温吸着にて観測される準安定分子状吸着種は、バックボンドに酸素原子が存在するSiアドアトムへの分子状吸着種で、清浄表面での前駆的吸着状態と異なることを示唆する結果を得た。しかし、O1s XPSでは、バックボンドに酸素原子が幾つ存在するか不明である。そこで、Si2p XPSによるSi酸化数の情報も加味して初期吸着過程の詳細を調べたので報告する。実験は、SPring-8のBL23SUのSUREAC2000で行った。超高真空中の加熱(1150$$^{circ}$$C)で清浄表面を作成し、バリアブルリークバルブにより酸素圧力を制御(5.3$$times$$10$$^{-7}$$Pa)した。O1s及びSi2pの交互スキャンリアルタイムXPS測定を行った。準安定分子状吸着種の観測される条件では、Si2p XPSスペクトルにおいてSi$$^{2+}$$までの酸化状態が観測されたことから、バックボンドに1つ酸素原子が解離吸着したSiアドアトム表面上に酸素が分子状で吸着する(${it ins-paul}$)ことが裏付けられた。さらに準安定分子状吸着種が存在しない条件では、Si2p XPSスペクトルにおいてSi$$^{3+}$$以上の酸化状態が観測された。この結果は、${it ins$times$2-paul}$ではなく${it ins-paul}$の吸着酸素分子が解離して、一方の酸素原子がアドアトム上に残り、他方がバックボンドに移った${it ins$times$2-ad}$構造が形成されたことを示している。

口頭

軟X線光電子分光によるカーボンナノチューブへの原子状水素照射の影響の解析

登倉 明雄*; 前田 文彦*; 高木 大輔*; 本間 芳和*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 渡辺 義夫*; 小林 慶裕*

no journal, , 

われわれはカーボンナノチューブ(CNT)の化学的表面修飾の観点で水素化処理に注目している。細いCNTが大きな曲率に起因する歪みによって化学的に活性となると、選択的表面修飾による電子物性制御が期待される。そこで、実際に表面水素化反応に径依存性があるのか検証する目的で単層ナノチューブ(SWNT)と多層ナノチューブ(MWNT)の垂直配向膜を試料として、活性化した水素を照射したCNTの表面化学状態を、SPring-8のBL23SUにおいて表面敏感で化学的な反応を解析できる軟X線放射光を用いた光電子分光により分析した。細く曲率の大きいCNTほど表面の反応性が高いことを示唆する結果を得た。

口頭

Si(111)表面上でのNO解離吸着過程における分子配向効果の解明

橋之口 道宏*; 岡田 美智雄*; 盛谷 浩右*; 寺岡 有殿; 笠井 俊夫*

no journal, , 

われわれは、NO分子の持つ並進エネルギーや内部状態がSi表面での酸窒化過程にどのような影響をもたらすのかに着目した。特に表面に衝突する際のNO分子の配向は、酸窒化反応の速度や反応生成物の組成に大きく影響することが予想されるが、これまで分子配向に依存する表面反応生成物を直接観察して反応過程を評価した研究例はない。そこで、配向分子ビーム法並びにX線光電子分光法を組合せて、Si(111)表面における解離吸着反応に対する分子配向効果を調べた。Si(111)清浄表面は、Arイオンスパッタリングと加熱を繰り返して作製した。六極不均一電場法により回転状態J$$Omega$$Mがそれぞれ1/2の状態を選別したNO分子ビーム(衝突エネルギー:0.058eV)を400KのSi表面に照射し、反応後の表面組成をXPSにより測定した。分子配向はサンプル直前に配置した配向電場の極性を変化させることにより制御した。N端からの衝突の方がO端からよりも解離吸着反応が効率よく進むことがわかった。

口頭

超熱原子状酸素によるシリコン直接表面酸化反応における運動エネルギーの効果

田川 雅人*; 十河 千恵*; 横田 久美子*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿

no journal, , 

数eVの運動エネルギーを持つ酸素原子をSi(001)に照射した場合の線型膜成長領域における酸化曲線の原子状酸素運動エネルギー依存性について報告する。実験にはレーザーデトネーション原子ビーム装置を用いた。今回の実験では1.8-5.0eVの並進エネルギーを持つ酸素原子を水素終端したSi(001)表面上に室温で照射し、形成された酸化膜厚をエリプソメトリによりその場測定した。並進エネルギー1.8, 2.7, 3.8, 5.0eVの酸素原子を照射した場合の初期酸化膜成長曲線から、いずれの場合も酸化膜成長初期には原子状酸素の強度に対して直線的に酸化膜厚が増大することがわかった。初期酸化直線の傾きは並進エネルギーの増加に伴い増大した。また、膜成長が直線則から外れる酸化膜厚は1.8eVでは約0.35nm、それ以上では0.7nmであることがわかった。SPring-8のBL23SUで測定した放射光光電子分光の解析から、酸化膜厚が0.6nmの状態でもSiの状態は主としてSi$$^{3+}$$, Si$$^{4+}$$であり、それ以上の酸化膜厚ではSi$$^{4+}$$のみが増加していくことが示された。これらの結果より並進エネルギー2.7eV以上の場合には、サブサーフェイスのSi原子のバックボンドが直接酸化されると考えられる。

口頭

Si(110)-16$$times$$2表面への酸素室温吸着過程のSTMとSR-XPSによる観察

富樫 秀晃*; 高橋 裕也*; 加藤 篤*; 今野 篤史*; 末光 眞希*; 朝岡 秀人; 吉越 章隆; 寺岡 有殿

no journal, , 

Si(110)面は正孔移動度がSi(001)面と比較して1.5倍以上大きく、3次元構造のトランジスタの活性面としても重要であるため、次世代高速デバイスへの適用が期待される本研究ではSi(110)-16$$times$$2表面への室温酸素吸着過程をSTMを用いて観察し、SR-XPSと比較した。室温のSi(110)-16$$times$$2清浄表面を0.1Lだけ酸素供給した後のSTM占有状態像では、Siのペンタゴンペアと、その上にランダムに散在する輝点が観察された。この輝点は非占有状態像では通常の清浄表面と変わらないため、Bright-Normalサイト(BNサイト)と呼ばれる。BNサイト密度が酸素供給量とともに増加することは、同サイトが吸着酸素原子に関連することを示唆している。室温酸化表面では酸素供給量が増大してもBNサイト以外は観察されなかった。一方、SPring-8のBL23SUで行った同条件で酸化したSi(110)-16$$times$$2表面のSR-XPS測定では、Si2pスペクトルにSi$$^{1+}$$とSi$$^{2+}$$のサブオキサイドがほぼ同密度観察され、さらにSi$$^{3+}$$も観察された。このように低酸素供給量においても高次酸化状態が観察されることからBNサイトは酸素原子2個以上が関与する構造であると示唆される。

口頭

Si(110)-16$$times$$2面の急速初期酸化過程のリアルタイムSR-XPS観測

山本 喜久*; 富樫 秀晃*; 今野 篤史*; 加藤 篤*; 末光 眞希*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆

no journal, , 

Si(110)面はその高いホール移動度及びマルチゲートトランジスタ活性面としての必要性から、次世代CMOSデバイスの高速化・高集積化・低消費電力化の鍵を握る面方位として注目されている。われわれは同面上への高品質極薄ゲート酸化膜の作製を基礎づけるべくSi(110)面の初期酸化過程をリアルタイム放射光光電子分光(SR-XPS)を用いて調べ、Si(110)面酸化では酸素導入直後に急速に酸化が進行する急速初期酸化現象が生じることを見いだした。今回われわれはSi2p光電子スペクトルの詳細な解析を行った結果、この急速初期酸化がSi(110)-16$$times$$2再配列構造に関連付けられることを見いだした。酸素圧力1.2$$times$$10$$^{-6}$$PaでSi(110)-16$$times$$2面を酸化した場合、バルク成分付近に見られる3本のサブピークのうち、Si(110)面16$$times$$2再配列構造に起因すると考えられるアルファピークが急速初期酸化と同期して減少したことから、急速初期酸化現象はSi(110)-16$$times$$2清浄表面に存在するアドアトムクラスタへの酸素原子の優先吸着によって生じると結論した。

口頭

6H-SiCダイオードの電荷収集効率に及ぼすオージェ再結合の影響

小野田 忍; 大島 武; 平尾 敏雄; 菱木 繁臣; 岩本 直也; 三島 健太; 河野 勝泰*

no journal, , 

これまで酸素イオンやニッケルイオンにより6H-SiC中で発生する電荷の収集効率(Charge Collection Efficiency: CCE)の測定結果の報告を行ってきた。その結果、原子番号が大きくなるに従い、電荷収集効率が低下する現象が明らかとなった。本研究では、電荷収集効率が低下する原因の一つと考えられているオージェ再結合が電荷収集量に及ぼす影響を、デバイスシミュレータ(Synopsys TCAD ver.10)による数値解析から検討した。オージェ再結合はキャリア密度に依存するため、重イオンが誘起する電子・正孔(プラズマ)分布を精度よく見積もる必要がある。そのため、Kobetich-Katzモデルに基づいてプラズマ分布の計算を実施した。その結果、プラズマ分布の中心におけるキャリア密度は、酸素の場合に10$$^{22}$$cm$$^{-3}$$を超え、ニッケルの場合に10$$^{23}$$cm$$^{-3}$$を超えることがわかり、電荷収集効率が低下する原因は、高密度キャリアによるオージェ再結合であることがわかった。

口頭

イオンビームスパッタ蒸着法で作製した$$beta$$-FeSi$$_2$$のPL特性に対するスパッタエッチ効果

Zhuravlev, A. V.; 山本 博之; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 社本 真一; 北條 喜一; 寺井 隆幸*

no journal, , 

イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法によりSi基板上に$$beta$$-FeSi$$_2$$薄膜を作製する際、Si基板のスパッタ処理というイオン誘起効果を伴う。このことが薄膜からの発光スペクトルの解釈を困難にしている。本研究では、発光測定を用いてIBSD法による$$beta$$-FeSi$$_2$$薄膜作製におけるスパッタエッチ過程を調べ、Si基板への照射効果という観点から測定結果の解釈を試みた。実験では、973 KにてSi(100)基板上に鉄(Fe)を蒸着させ$$beta$$-FeSi$$_2$$薄膜を作製した。蒸着の前に、基板は室温で1-10keVのNe$$^+$$イオンでスパッタ処理されている。発光測定は10-300Kの温度範囲で行った。実験の結果、試料は、IBSDの各作製過程において特徴的なスペクトルを示すことがわかった。特に、スパッタ処理直後のSi基板は、1073Kにて(真空中で)アニールされているにもかかわらず、D3, D4バンドといった欠陥(転位)に起因する発光を示すことがわかった。さらに、講演では、薄膜の発光特性とスパッタ処理時のイオンエネルギーの関係についても報告する予定である。

口頭

Si(110)-16$$times$$2表面・高温初期酸化過程のSTMとSR-XPSによる観察

高橋 裕也*; 富樫 秀晃*; 加藤 篤*; 今野 篤史*; 末光 眞希*; 朝岡 秀人; 吉越 章隆; 寺岡 有殿

no journal, , 

Si(110)面はさらなるデバイスの高速化及び高集積化の観点から、次世代CMOSテクノロジーの活性面として注目を集めている。しかし同面上の極薄ゲート絶縁膜の作製に不可欠なSi(110)面初期酸化過程のカイネティクスはいまだ不明な点が多い。今回、われわれは走査型トンネル顕微鏡(STM)と放射光光電子分光法(SR-XPS)を用い、Si(110)-16$$times$$2清浄表面の酸素による高温初期酸化過程を調べたので報告する。Si(110)-16$$times$$2清浄表面を室温で酸化した後、300$$^{circ}$$Cで15分アニールした際のfilled stateのSTM像とemptystate像を観察することができた。Anらが報告するペンタゴンペア列上に、filled-state像でdark(bright, bright, bright), empty-state像でdark(dark, bright, normal)な点として観察されるDD(BD, BB, BN)サイトが観察される。基板温度635$$^{circ}$$Cで酸化した際にはBD, DDサイトが、基板温度660$$^{circ}$$Cで酸化した際にはBDサイトのみが観察された。同条件で酸化したSR-XPSとの比較から、BNサイトを初期酸化状態、DDサイトを最終酸化状態、BDサイトをDDサイトの前躯体と同定した。

口頭

H-Si(111)1$$times$$1, Si(111)7$$times$$7表面上のGeドット初期成長過程におけるストレスその場観察

朝岡 秀人; 山崎 竜也; 社本 真一; Arnoldo, A.*; 末光 眞希*

no journal, , 

Si, Geのヘテロ成長はその格子定数のミスマッチからストレスが発生し、ストレスは電子,ホールの移動度や、ナノドットを生成する成長モードに影響を及ぼす。また成長形態は表面エネルギーと、歪みエネルギーとの相関で決定されるので、表面を水素で終端することにより成長様式を制御できる可能性がある。われわれは原子層オーダーの成長過程でのストレスその場測定に成功し、成長モードの変化に伴う明確なストレスの緩和過程を見いだした。また、水素終端下での成長過程のその場観察を行い、成長形態,ストレスへの検討を行う。

口頭

陽電子消滅法による高温酸素イオン打ち込みSiC埋め込み酸化膜の評価

前川 雅樹; 河裾 厚男

no journal, , 

酸素イオン打ち込み法によるSiC-On Insulator(SiC-OI)構造の評価を陽電子消滅法により行った。試料は通常200keVの酸素イオンを600度で高温注入して作製される。これまでにも本方式により作成した試料の評価を行ってきたが、多数の空孔欠陥が検出され、熱アニールによっても完全には除去できないなど、照射損傷の影響が大きいことがわかった。これら照射の影響を抑制し、SiO$$_2$$の形成を促進させるため、照射温度を800$$^{circ}$$Cに高温化した試料を作成した。800$$^{circ}$$C注入では、600$$^{circ}$$C注入と同様にSiC基板、SiO$$_2$$/SiC界面、埋め込みSiO$$_2$$層、表層SiC層に対応したSパラメータ変化が現れた。しかし800$$^{circ}$$C注入では、埋め込みSiO$$_2$$層領域がより明確に現れ、高温照射によるSiO$$_2$$層の形成促進が示唆されたほか、SiO$$_2$$/SiC界面領域においてはSパラメータが全体的に低下し、稠密な構造が形成され界面構造が改善されたものと考えられる。以上より、イオン注入法によるSiC-OI構造作製には、高温度での注入が有効であると考えられる。

口頭

酸化タングステン膜の着色性能と水素含有量の関係

井上 愛知; 高野 勝昌; 山本 春也; 永田 晋二*; 四竈 樹男*

no journal, , 

水素と反応して着色する酸化タングステン(WO$$_{3}$$)膜による光学式水素センサーの開発を行うため、反応性マグネトロンスパッタ法を用いて酸化タングステン膜を作製し、その元素組成比と着色性能の関係を調べた。成膜雰囲気中のアルゴン分圧を150mPaに保ち、酸素分圧を90mPaまでの範囲で変化させながら金属タングステンターゲットをスパッタして作製した試料に対して、ラザフォード後方散乱法(RBS)及び反跳粒子検出法(ERDA)を用いて組成を調べた結果、膜の酸素組成比が増加するに伴って含有水素量は増加し、WO$$_{3}$$膜では最大約0.8H/Wまで水素を含有していることが明らかになった。また、石英基板上に同様な条件で堆積させた酸化タングステン膜表面に約15nmのパラジウムを堆積させた試料に対して着色性能を調べたところ、組成がH$$_{0.8}$$WO$$_{3}$$に近づくほど光の透過強度が低下する傾向にあり、イオンビーム分析の結果が裏付けられた。

口頭

Siイオンを注入した石英板からの青色発光帯の観測と発光強度のアニール温度依存性

三浦 健太*; 種村 豪*; 花泉 修*; 山本 春也; 高野 勝昌; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

溶融石英板にSiイオンを注入し、その後アニール処理を行うことでSiナノ結晶を作製した。Siイオンの注入実験は、イオン照射研究施設(TIARA)にて行った。Siイオン照射条件は、エネルギー80keV,照射量1$$times$$10$$^{17}$$ions/cm$$^{2}$$とし、室温で照射した。イオン注入後のアニール処理は、群馬大学内の電気炉により空気中で25分間行った。アニール温度は、1100$$^{circ}$$C, 1150$$^{circ}$$C, 1200$$^{circ}$$Cの3種類とした。これらの試料をHe-Cdレーザ(波長325nm)にて励起し、室温におけるPLスペクトルを測定したところ、すべての試料において、波長400nm付近をピークとする青色発光スペクトルが観測された。今回作製した試料においてはアニール温度1200$$^{circ}$$Cでピーク強度が最大になり、その強度は、アニール温度1100$$^{circ}$$Cの試料でのみ観測される長波長側のピークに対し、約4.2倍であった。この発光は、Siナノクリスタルと溶融石英基板界面の遷移層からの発光であると考えられた。

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