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市村 真*; 檜垣 浩之*; 柿本 真吾*; 山口 裕資*; 根本 健樹*; 片野 誠*; 石川 正男; 森山 伸一; 鈴木 隆博
Nuclear Fusion, 48(3), p.035012_1 - 035012_7, 2008/03
被引用回数:47 パーセンタイル:84.79(Physics, Fluids & Plasmas)本論文では、JT-60Uにおけるイオンサイクロトロン周波数帯の自発的励起波動の実験的観測に関して報告する。磁場閉じ込めプラズマ中では、非等方速度分布に起因して不安定性が駆動される。中性粒子入射による高エネルギーDイオンによる励起波動と核融合反応イオン(He, T)による2つのタイプの揺動が観測されている。これらの揺動は、JET, TFTRで観測されるイオンサイクロトロン放射(ICE)と呼ばれるものと同じものと考えられる。本論文では、初めてこれらの励起波動の空間構造を明らかとした。ICRF加熱用のアンテナを磁気プローブとして用い、ポロイダル方向の空間構造を測定し、観測される波動が揺動磁場成分を持つことが明らかとなった。また、トロイダル方向の空間構造からDイオンに起因する揺動は磁場方向の波数が零付近、核融合反応イオンに起因する揺動は有限な波数を持つことが明らかとなった。さらに核融合反応イオンのHeとTに関しても異なる構造が観測され、異なるアルベン波動が不安定になることが示唆された。
谷川 博康; 芝 清之; 廣瀬 貴規; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 香山 晃*
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/03
ITER-TBMの具体的設計を基準として、製作及び許認可取得に向けた準備状況についてF82H鋼を対象にレビューを行い、F82H鋼の優位性を示すとともに、他の低放射化フェライト鋼との共通課題の分析を行い、近々に行われるべき共同研究の提案を行った。本論文ではITER建設活動の本格化を見込んで、より具体的なTBM設計に対応した材料問題についてITER運転条件から材料課題の分析を行った。原型炉に向けた課題として、最近の成果から明らかになった析出物安定性,熱処理効果,Ta効果について報告する。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 林 孝夫; 洲 亘; 近藤 恵太郎; Verzilov, Y.*; 佐藤 聡; 山内 通則; 西 正孝; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 7 Pages, 2007/03
核融合炉におけるプラズマ対向壁表面の粒子挙動は、プラズマ制御や燃料リサイクリングを考えるうえで重要であり、特にDT燃焼炉においてはトリチウムインベントリ評価のうえでも重要となる。本研究では、イオンビーム核反応分析法,イメージングプレート法,燃焼法及び放射化分析法を用いて、DT放電実験で使用したTFTRプラズマ対向壁に保持されている水素同位体,リチウム同位体及び不純物の定量分析結果について報告する。トリチウムと重水素では深さ分布が異なることがわかり、トリチウムの多くは表面に保持されていることがわかった。また、リチウムについてはリチウム-6が多く、これは、リチウムコンディショニングの際、リチウム-6濃縮ペレットも使用されているためであると考えられる。さらに、その他の不純物の分析を行ったが、有意な量は検出されなかった。これらの実機対向壁表面分析によって、プラズマ制御やインベントリー評価にとって重要な元素分布や保持量を明らかにすることができた。特に、トリチウムは対向材深部へ拡散せず、表面付近に保持されており、これはトリチウム除去の点でよい見通しを与えるものである。
土谷 邦彦; 星野 毅; 河村 弘; 三島 良直*; 吉田 直亮*; 寺井 隆幸*; 田中 知*; 宗像 健三*; 加藤 茂*; 内田 宗範*; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
原型炉用増殖ブランケットに必要な「高温・高照射環境に耐えうる先進トリチウム増殖材料及び中性子増倍材料」の開発を全日本規模の産学官連携のもとで実施した。それらの開発に関する最近の成果について報告する。トリチウム増殖材料に関しては、LiTiOに酸化物を添加した材料の開発を行い、少量(約1mol%)の酸化物(CaO等)を添加することで、水素を添加したスイープガス中でもTiの還元を抑制することができる材料の開発に成功した。中性子増倍材料に関しては、ベリリウム金属間化合物であるBeTiに着目し、各種特性を定量的に評価し、比強度が高いこと、高い耐酸化特性を有していること、1%の水蒸気を含んだアルゴンガス雰囲気中における水素生成速度が1/1000以下になることなどを明らかにした。以上の知見により、原型炉用増殖ブランケットの開発に明るい見通しを得た。
朝倉 伸幸; 大野 哲靖*; 川島 寿人; 三好 秀暁*; 松永 剛; 大山 直幸; 高村 秀一*; 上杉 喜彦*; 武智 学; 仲野 友英; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
熱・粒子がダイバータ板及び第一壁へ輸送される機構を理解するため、JT-60Uの低磁場側赤道面とダイバータさらに高磁場側に設置した3台の可動静電プローブにより、ELMプラズマ及びプラズマ揺動を高速測定(500kHz)した。低磁場側赤道面でのイオン飽和電流の揺動レベルは、高磁場側SOL及びX点と比較して大きいことから低磁場側赤道面での揺動の理解が重要と考えられる。揺動の特性は確率分布関数(PDF)を利用した統計的手法により解析され、イオン飽和電流に正のバーストが特にLモードで多く発生し7-8cm外側まで観測された。さらに、ELMy HモードではELMプラズマの放出による熱・粒子の輸送が問題となるが、SOLでの粒子束の変化を高速測定した。ELMが発生したとき、静電プローブ位置において観測されたピークの(磁場揺動の増加からの)時間遅延を測定し、半径方向のELMプラズマの輸送速度が1.3-2.5km/sであることが明らかとなった。揺動及びELMによる粒子束の輸送について比較を行う。
松川 誠; 日欧サテライトトカマクワーキンググループ; JT-60SA設計チーム
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
ブローダーアプローチ計画の一環として、サテライトトカマク計画(JT-60SA)につき日本とEUが協力して検討を行った。これにより、装置本体を含む、プラズマ加熱・電流駆動及び電源などに大幅な設計変更が加えられた。本論文は、その概要を述べるものである。超伝導トロイダル磁場コイルは、磁場強度(2.7T@R=3m)とプラズマ断面形状のフレキシビリティ(アスペクト比2.63.1)を確保しつつ、ニオブアルミ導体から安価なニオブチタン導体に変更した。ITER模擬配位(プラズマ電流3.5MA,グリンワルド密度0.85)で100秒間のフラットトップ期間を維持するため、センターソレノイドは最大磁場10Tの導体に増強した。プラズマ追加熱の増大(41MW-100秒)に伴い1放電あたりの中性子発生量が210個に増加したが、真空容器とクライオスタットの遮蔽設計構造を強化して、トロイダル磁場コイルの核発熱を、インボード側で0.23mW/cc,アウトボード側で0.15mW/ccに抑制した。発表では、ダイバータや電源システムの設計変更についても言及する。
伊尾木 公裕; Chuyanov, V.*; Elio, F.*; Garkusha, D.*; Gribov, Y.*; Lamzin, E.*; 森本 将明; 嶋田 道也; 杉原 正芳; 寺澤 充水; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
ITERの真空容器と容器内構造物について2つの重要な設計改善が行われた。一つはプラズマ放電中に位置調整可能なリミタの導入であり、もう一つはトロイダル磁場リップルをさらに軽減するための、強磁性体挿入物の配置最適化である。新しいリミタ設計では、プラズマがダイバータ配置になると、リミタを約8cm引っ込ませることができる。これにより、デスラプションやELMなどによる熱負荷を軽減し、また、ICRHのカップリングを改善できる可能性がある。強磁性体挿入物については、真空容器水平ポートにおけるNB用と通常のものとの配置の相違による複雑さのため、この周辺で設置していなかった。しかしながら、そのため、1%という比較的大きいリップル,約10mmの磁力線の波打があることが明確となり、強磁性体挿入物を追加することとした。
久保 博孝; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 竹永 秀信; 都筑 和泰; 大山 直幸; 川島 寿人; 清水 勝宏; 浦野 創; 藤本 加代子; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
短時間放電では、第一壁が水素を吸収することにより、排気の役目を担っている(壁排気)。短時間放電ではこの壁排気はプラズマの密度制御に有効であるが、将来の長時間放電では壁の水素蓄積量が飽和に達するため壁排気が効かなくなると考えられている。JT-60では、30秒間のELMy Hモード放電を繰り返し行うと、放電中に壁飽和が観測された。この壁飽和状態における粒子制御及び粒子挙動に関して報告する。JT-60Uでは、壁が飽和し壁排気が有効でない場合、さらにはダイバータ板の温度上昇によりダイバータ板からガス放出がある場合において、ダイバータ排気を用いることにより高密度ELMy Hモードプラズマの密度制御が可能であることを実証した。粒子挙動に関しては、第一壁に水素が蓄積し飽和する過程,ダイバータ板の温度上昇によりガスが放出される過程,プラズマ壁相互作用の変化により壁からの粒子の入射と放出が変化する過程に関して議論する。
相羽 信行; 徳田 伸二; 滝塚 知典; 栗田 源一; 小関 隆久
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
トカマク周辺領域で現れる理想MHDモードは、H-modeプラズマにおいて発生するエッジローカライズモード(ELMs)の原因のひとつであり、周辺部のプラズマ閉じ込め性能に影響を与える。この理想MHDモードはピーリング・バルーニングモードと呼ばれる中間のトロイダルモード数n(5n30)を持つものであり、その安定性は楕円度,三角度と呼ばれるパラメータで表されるプラズマの形状に依存することが理論的・実験的に示されてきた。本研究では同モードの安定性に影響を与える新たな形状パラメータとして「プラズマ上部における尖り度」を最外殻磁気面の上端における曲率を用いて定義し、このパラメータに対するピーリング・バルーニングモードの安定性の影響を調べた。数値計算の結果、尖り度を大きくすることはトカマク周辺の理想MHD安定性を改善することを明らかにし、同パラメータが閉じ込め性能の良いH-modeプラズマを実現するうえで重要な形状パラメータであることを示した。
吉田 麻衣子; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 浦野 創; 大山 直幸; 神谷 健作; 坂本 宜照; 鎌田 裕; JT-60チーム
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
自律系を成す燃焼高プラズマの理解と制御には、プラズマ回転の分布,駆動機構,運動量輸送の解明が必要である。本研究の目的は、JT-60においてフェライト鋼設置により低減したトロイダル磁場リップルのトロイダル回転速度への影響を明らかにすることである。加えて、温度・密度等のプラズマ・パラメータへの運動量輸送の関数関係等を体系的に研究することである。本研究では、入射ビーム粒子のリップル損失による回転の誘起を初めて定量化した。また、さらに、独創による高速イオン損失に伴う負電場形成を駆動源とした運動量の摂動輸送解析手法を利用した実験をLモード及びHモードプラズマにおいてプラズマ電流や運動量入力等を変化させつつ系統的に行った。これにより、運動量輸送行列における対角項と非対角項を分離し、各々の依存性(特に回転分布との相関)を初めて示した。
井手 俊介; 竹永 秀信; 諌山 明彦; 坂本 宜照; 吉田 麻衣子; Gormezano, C.*; JT-60チーム
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
内部輸送障壁(ITB)はITER先進運転や定常トカマク炉を実現するうえで、重要な役割を果たすと考えられる。プラズマ中心での安全係数が1を少し上回る弱磁気シアプラズマはITERのハイブリッド運転等として考えられており、そこでもITBは重要な役割を担う。本論文では弱磁気シアプラズマにおけるイオン温度内部輸送障壁(Ti ITB)への電子サイクロトロン領域波(ECRF)の影響について詳細に調べ、ECRFのTi ITB抑制効果にプラズマ電流等への依存性があることを初めて明らかにした。また、ITB境界付近(0.4a)にECRFを入射した場合にもプラズマ中心付近のイオン温度やトロイダル回転(Vt)に同時に反応が現れることを見いだし、ITB特性の非局在性について新たな知見を得た。
坂本 慶司; 春日井 敦; 高橋 幸司; 南 龍太郎*; 假家 強*; 満仲 義加*; 小林 則幸
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
ITER用に開発を行っている170GHzジャイロトロンとランチャー開発の最近の成果を報告する。ジャイロトロンの発振モードをガウス型ビームに変換する内蔵型モード変換器の効率向上設計に成功したこと,電子銃の速度分散の抑制に成功し、発振の高効率化に成功したことにより、出力0.6MWでITERに必要な600秒の安定発振を達成した。ITERの目標である1MWでの1000秒クラスのジャイロトロン開発に向け、大きな進歩である。また、次数の高い発振モード(現状TEモードに対し、TEモード)の短パルス発振実験を行った。発振モードの次数を上げることにより、空洞共振器のサイズが大型化でき、電気抵抗損失による熱負荷を大きく下げることができるため、さらなる大電力化,長寿命化が可能となる。その結果、1ミリ秒ながら1.6MWの安定発振に成功した。円筒空胴におけるTEクラスの高次モードの安定発振は非常に難しいとの予測を覆すもので、モード競合理論の再構築を迫る結果である。一方、ITERの水平ポートに装着する電子サイクロトロン電流駆動用ランチャーの設計では、フロントシールド,RFビーム角度制御用可動ミラーとその駆動機構,ランチャー内RF伝送系の設計を行い、その実現可能性を示した。また、ランチャーのキーコンポーネントであるミラー駆動系,高安全性真空封じ窓の開発を行い、ランチャーに使用できることを示した。
堀池 寛*; 近藤 浩夫*; 中村 博雄; 宮本 斉児*; 山岡 信夫*; 松下 出*; 井田 瑞穂; 荒 邦章; 室賀 健夫*; 松井 秀樹*
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウムターゲットを模擬した高速リチウム流の自由表面の変動を実験的に研究した。大阪大学のリチウムループの水平流れに対して垂直に配置した触針の上下位置を変化させ、各位置における電気的な接触/非接触データを取得して時間平均された流れ厚さ及び時間による変動値(波高)を求めた。流速15m/sでは最大波高は2.2mmであったが、IFMIF仕様である1mmを超える波の割合は10%以下であった。この他、側壁沿いに発生する航跡の形状を測定したところ、それはLambの理論のものとよく一致した。これをIFMIFリチウムターゲットにあてはめて評価し、航跡の影響が流れ中心部の重陽子照射領域に及ばないことを明らかにした。
佐藤 聡; Verzilov, Y.*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
水冷却ペブル充填テストブランケットモジュールを模擬した2つの部分モックアップ体系を用いて、DT中性子照射による核特性実験を実施し、トリチウム生成率設計精度の基礎的な検証を行った。(1)多層構造核特性実験では、第一壁, 濃縮LiTiOブロック, Beブロック, 隔壁パネルから成るモックアップを構築し、濃縮LiCOペレットを用いて、トリチウム生成率の詳細な分布を測定した。最新の計算コード及び核データを用いて、トリチウム生成率を計算した。計算結果の実験結果に対する比(C/E)の平均値は、増殖材第一層で0.99、第二層で1.04であり、非常に高精度にトリチウム生成量を予測できることを明らかにした。(2)ペブル充填層核特性実験の解析は、均質化したモデルと、個々のペブルをモデル化した非均質モデルでモンテカルロ計算を行った。均質モデルでのC/Eの平均値は0.97、非均質モデルでは0.99であった。均質モデルによる計算では、非均質モデルと比較して、トリチウム生成率が有意に減少し、濃縮度が増加するとより減少することがわかった。核設計では、非均質モデルによる評価が必要であることを明らかした。
小林 和容; 磯部 兼嗣; 岩井 保則; 林 巧; 洲 亘; 中村 博文; 河村 繕範; 山田 正行; 鈴木 卓美; 三浦 秀徳*; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
トリチウム閉じ込め・除去は、核融合炉の安全性の要となる重要な課題である。本研究では、上記閉じ込め・除去システムの機器及び構造材料におけるトリチウムの挙動に関する基礎実験研究を行い、(1)トリチウムのコンクリート壁中の浸透挙動,(2)異常時の触媒性能における放出の恐れのあるSFガスのトリチウム除去設備に対する触媒被毒効果の影響,(3)除去設備の再生水を処理するシステムの主要機器である電解セルの対放射線耐久性を明らかにした。
諌山 明彦; 大山 直幸; 浦野 創; 鈴木 隆博; 武智 学; 林 伸彦; 長崎 百伸*; 鎌田 裕; 井手 俊介; 小関 隆久; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
新古典テアリングモード(NTM)はベータ値の高い運転領域で発生しプラズマの高性能化を阻害することから、能動的な制御手法を確立することが非常に重要である。JT-60では、プラズマ中心部にco方向の電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)を行うことによりのNTMの成長を能動的に制御できることを世界で初めて明らかにした(はポロイダルモード数,はトロイダルモード数)。また、安全係数が2の場所に局所的にECCDを行うことによりのNTMを完全に安定化することに成功するとともに、ECCD位置がの場所からずれたときの安定化効果に関して、(1)ECCD位置のずれが磁気島幅の半分程度(約5cm)以内のときのみ安定化効果が強く現れる、(2)ECCD位置が磁気島幅程度ずれたときには不安定化効果が現れるということを実験的に明らかにした。さらに、NTMを記述する修正Rutherford式を輸送コードTOPICSに組み込みシミュレーションを行った結果、上記実験結果と良い一致を示すことが明らかになった。
篠原 孝司; 櫻井 真治; 石川 正男; 都筑 和泰*; 鈴木 優; 正木 圭; 内藤 磨; 栗原 研一; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
JT-60Uでは、実効的な加熱パワーの増加,壁安定化の利用,RFアンテナとプラズマの結合の改善等に有効と考えられるトロイダル磁場リップルの低減を目指して、フェライト鋼を導入した。導入にあたっては、完全3次元磁場粒子追跡モンテカルロコード(F3D OFMC)を利用し、運転領域を広く確保しつつ、高速イオンの閉じ込めの改善が十分に得られる、経済的な導入案を引き出すことができた。フェライト鋼はトロイダル磁場だけでなく、プラズマの平衡にかかわるポロイダル磁場も生成する。フェライト鋼とプラズマの距離は数cm程度離れているため、フェライト鋼がプラズマ自身に与える影響は小さいが、磁気センサの幾つかはフェライト鋼と1cm程度の距離しかなく、精度よくプラズマを制御したり、平衡の再構築をしたりするためには、フェライト鋼の磁気センサへの影響を考慮する必要がある。JT-60Uでは実時間制御と平衡解析のコードにフェライト鋼の磁気センサとプラズマへの影響を考慮した補正を導入し、制御と再構築に初めて成功した。また、フェライト鋼の導入により期待された高速イオンの閉じ込めの改善をF3D OFMCを用いた数値計算との比較により明らかにした。
鈴木 隆博; 井手 俊介; 及川 聡洋; 藤田 隆明; 石川 正男*; 関 正美; 松永 剛; 武智 学; 内藤 磨; 濱松 清隆; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
モーショナルシュタルク効果偏光計を用い、中性粒子ビーム(NB)による周辺部駆動電流密度分布を初めて測定し、空間的に局在化していることを明らかにした。電流駆動位置は中性子分布計測と合致し、全駆動電流は表面の周回電圧の減少と合致する。周辺部での電流駆動はプラズマ中心部の安全係数を上げプラズマの性能を制限する不安定性を抑制することができる。LH波による周辺部電流駆動を用い、安全係数最小値(qmin)の実時間制御システムを開発した。本システムを高プラズマ(N=1.7, p=1.5)に適用し、qminを上昇させて不安定性を抑制した結果、蓄積エネルギーは16%上昇した。
大山 直幸; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 井手 俊介; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 武智 学; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
フェライト鋼を設置しトロイダル磁場リップルを低減したJT-60Uにおいて、長時間のELMy Hモード放電の閉じ込め性能を改善することができた。加熱用中性粒子ビームの損失低減による実効的な加熱パワーの増加とトロイダル回転の変化に伴う閉じ込め性能改善の結果、高い規格化ベータ値()と高いthermal成分の閉じ込め性能()の維持時間を伸張することができた。が1程度でが2.3以上の放電を安全係数が3.3程度のプラズマにおいて23.1秒間(電流拡散時間の12倍程度)維持した。このとき達成したは2.2以上であり、ITERの標準運転シナリオでの値である1.8を上回っている。これらの放電は、ITERの長時間運転モードとして提案されているハイブリッド運転モードとして適用することが可能である。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、810atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(610atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。