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論文

Inelastic neutron scattering on iron-based superconductor BaFe$$_2$$(As,P)$$_2$$

石角 元志; 樹神 克明; 梶本 亮一; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 脇本 秀一; 伊豫 彰*; 永崎 洋*; 新井 正敏; 社本 真一

Physica C, 471(21-22), p.643 - 646, 2011/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:23.57(Physics, Applied)

鉄系超伝導体のなかで最も高い$$T_c$$を有する$$Ln$$1111系の超伝導ギャップ対称性は磁場進入長や中性子散乱実験などの結果からフルギャップ$$s_{pm}$$波だと考えられている。一方でBaFe$$_2$$(As,P)$$_2$$ではその比較的高い$$T_c$$(=30K)にもかかわらず、磁場進入長や熱伝導度の実験よりラインノードのギャップ対称性が提案されている。したがって、BaFe$$_2$$(As,P)$$_2$$の非弾性中性子散乱ではLa1111とは異なる$$Q$$位置の磁気励起,$$E$$依存性の共鳴モードが見えることが期待される。本研究でわれわれは、最適ドープBaFe$$_2$$(As$$_{0.65}$$P$$_{0.35}$$)$$_2$$の多結晶粉末試料(36g)の非弾性中性子散乱測定をフェルミチョッパー分光器,四季(J-PARC)を用いて行った。非弾性中性子散乱実験で得られる一般化動的スピン帯磁率は超伝導状態において異なるフェルミ面間のクーパー対の準粒子励起に対応し、超伝導ギャップ対称性に関する情報を得ることができる。講演では非弾性中性子散乱の結果をもとに、考えられる可能な超伝導ギャップ対称性について考察する。

論文

Theory of phase dynamics in intrinsic Josephson junctions with multigap superconducting layers

太田 幸宏; 町田 昌彦; 小山 富男*

Physica C, 471(21-22), p.760 - 762, 2011/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

超伝導デバイス分野では超伝導特性を鋭敏に反映するデバイスの研究開発が要求されている。本発表では、上記課題に関連し、多ギャップ超伝導固有ジョセフソン接合列の理論基盤を構築し、その代表例である鉄系超伝導体に特有の固有ジョセフソン効果の理論解析結果について報告する。課題解決にあたり、本システムの位相モードの精密な解析を実施し、その結果、従来の銅酸化物超伝導体における接合間相互作用に加え、新たな結合メカニズムの存在を示すことに成功した。固有ジョセフソン接合列は原子レベルでのクリーンな接合列が実現されているデバイスであり、量子デバイスやテラヘルツ発振において大きな役割を果たす。したがって、本成果は鉄系超伝導体の新規デバイス応用を拓く成果である。なお、本成果は科学技術振興機構・受託研究「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション研究開発にも資する成果である。

論文

Low-magnetic moment and strong anisotropy in non-doped iron-based superconductors

町田 昌彦; 中村 博樹

Physica C, 471(21-22), p.659 - 661, 2011/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.69(Physics, Applied)

鉄系高温超伝導体の超伝導発現機構を解明するため、測定された結晶格子や原子位置等を用いて第一原理計算を行い、実験事実をどこまで再現できるかを調べた。計算では、二つの量子状態が得られ、その1つは従来の計算通りの結果であり、実験事実との相違が目立つが、二つ目は計算例がほとんどなく知られていないが、より実験事実に近いことがわかった。そこで、本研究ではその二つ目の量子状態に着目し、最近観測されている対称な結晶軸に対する異常な異方性を再現できるかどうか調べたところ、ほぼ、その異常性を再現できることを突き止めた。この結果は、鉄系超伝導体の量子状態解明に一歩近づいたことを意味しており、超伝導が発現する舞台裏に迫る成果と言える。なお、この研究にて用いた精度の高い第一原理計算手法は、原子力材料にも容易に適用可能であり、高精度な量子状態計算が可能である。

論文

Magnetic and dielectric study of Bi$$_{2}$$CuO$$_{4}$$

吉井 賢資; 福田 竜生; 赤浜 裕士*; 狩野 旬*; 神戸 高志*; 池田 直*

Physica C, 471(21-22), p.766 - 769, 2011/11

 被引用回数:24 パーセンタイル:66.32(Physics, Applied)

ビスマス-銅複合酸化物Bi$$_{2}$$CuO$$_{4}$$は、高温超伝導体の母体物質R$$_{2}$$CuO$$_{4}$$(R:希土類)と化学式は同じであるが、結晶構造は異なることが知られている。前者はCuO$$_{2}$$面を有する2次元性が強い構造であるのに対し、本系は3次元的な結晶構造を持つ。本研究では、この系の磁性と誘電性について調べ、R$$_{2}$$CuO$$_{4}$$と比較した。磁化測定からは、Cu$$^{2+}$$スピンが40K付近で反強磁性転移することが観測され、既報と同様の結果であった。誘電率測定からは、室温近傍で100程度の誘電率が観測された。これはR$$_{2}$$CuO$$_{4}$$の誘電率10000程度より小さい。誘電応答の虚数部解析からは、誘電ドメインの回転の活性化エネルギーが0.1eV程度と求まった。このことから、この系の誘電応答はCu-3d電子の移動に由来するものと推測される。

論文

Low-lying excitations induced by non-magnetic impurities in $$d$$-wave superconductors

中井 宣之; 永井 佑紀; 町田 昌彦

Physica C, 471(21-22), p.743 - 746, 2011/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

超伝導研究では現在、不純物による超伝導のダメージがホットな課題であり、第一原理的な数値計算による評価や近似理論を用いた簡易的な手法による評価等、さまざまな異なる手法を用いて研究が行われており、結果の理解や解釈に大きな混乱がある。そこで、本研究では異なる代表的な理論手法に基づいて、$$d$$波超伝導体の非磁性不純物による低励起状態の数値計算を行い、両者の結果を比較した。1つは実座標空間のボゴリューボフ-ド・ジャン理論、もう1つは波数空間のボルン近似の計算である。その結果、それら2つの手法による低励起計算の結果は等価であることをフーリエ変換を用いて実証することに成功した他、等価性が破れる極限についての知見も得ることができた。今後、この成果により、課題ごとに研究手法を適切に取捨選択することが可能となる。なお、本成果はJST・受託研究「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション研究開発にも資する成果である。

論文

Emergence of non-equilibrium superconductivity originated from repulsive interaction; Demonstration using optical lattices and implication to solid-state matter system

山本 篤史; 山田 進; 町田 昌彦

Physica C, 471(21-22), p.751 - 753, 2011/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

レーザー冷却技術の発展により中性原子気体は数100nkという極低温まで冷却可能となった。この冷却原子をレーザーの定在波を用いて実現する人工の結晶"光格子"上におくと、全く不純物のないクリーンな系で固体と同等の量子相転移を観測することができる。また、この系は格子のポテンシャルの深さ,原子間の相互作用を操作することによって、超伝導や磁性等の発現が模擬可能であり、機能材料の機能発現のメカニズムを明らかにすることができる。本発表では、上記のような光格子系の制御性の高さに着目し、格子の形状を瞬間的に変調した際の系の時間発展について解析を行い、非断熱的な変調によって生じる時間変化に対し、極めてロバストな超伝導が現れることを報告する。なお、本成果は科学技術振興機構・受託研究「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション研究開発にも資する成果である。

論文

First-principles study of light-element doping effects on iron-based superconductors

中村 博樹; 町田 昌彦

Physica C, 471(21-22), p.662 - 665, 2011/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.69(Physics, Applied)

水素原子を混入した鉄系超伝導体で超伝導転移温度が上がることが発見されたが、その理由についてはまだ確定していない。本発表では、水素を混入させた鉄系超伝導体を第一原理シミュレーションすることにより、軽元素混入の影響を明らかにした。なお、問題解決にあたり、大規模結晶構造をシミュレーションする直接的な手法を原子力機構の大型計算機に用いることによって初めて実現し、軽元素混入効果を評価することに成功した。この得られた知見により、軽元素混入による超伝導開発が格段に進展することが期待される。なお、本成果は原子力分野の材料研究開発にも資する成果である。

論文

Neutron scattering of iron-based superconductors

社本 真一; 脇本 秀一; 樹神 克明; 石角 元志; Christianson, A. D.*; Lumsden, M. D.*; 梶本 亮一; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 新井 正敏; et al.

Physica C, 471(21-22), p.639 - 642, 2011/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

LaFeAsO$$_{1-x}$$粉末試料における低エネルギーのスピン励起について、中性子散乱を用いて調べた。超伝導体試料の動的スピン磁化率$$chi$$''($$omega$$)は、磁気的に秩序化した母相試料の磁化率と同程度であることがわかった。一方、$$chi$$''($$omega$$)は、x=0.158で消滅する。このとき、超伝導移送温度$$T_{c}$$は7Kまで抑圧される。このことは、低エネルギーでのスピン励起が高温$$T_{c}$$での超伝導現象と密接に関連していることを示唆している。低エネルギーでのスピン励起の消滅は、x=0.15におけるBaFe$$_{2-x}$$Co$$_{x}$$As$$_{2}$$の光電子分光測定結果のように、ホールフェルミ面の消滅と一致する可能性が高い。スピン励起とフェルミ面の関係について、他の鉄系超伝導体との比較の観点から議論する。

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