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湊 太志
Acta Physica Polonica B; Proceedings Supplement, 10(1), p.131 - 138, 2017/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)乱雑位相近似法(RPA)は原子核の集団運動を記述するうえで有用な方法の一つである。しかしながら、RPAは本質的に1粒子1空孔状態までしか考慮していないために、ガモフテラー遷移などで励起幅をうまく記述することができないことが知られている。さらに高い粒子空孔状態を取り入れるためには、Second RPA(SRPA)法が使われる。この手法は、RPAと同じように準ボソン近似を通して2粒子2空孔状態を取り入れたモデルである。しかしながら、そのモデルでもガモフテラー遷移の分布をうまく説明することはできないことがこれまでの研究で分かった。この問題の一因は準ボソン近似の使用にある可能性がある。SRPAにおいて準ボソン近似が妥当であるかどうかは、厳密解を得ることができるLipkinモデルを使って調べることができる。この研究では、Lipkinモデルを荷電交換反応を記述するproton-neutron SRPA (pnSRPA)に使えるように拡張をした。このとき、2種類の異なる粒子が持つ2つのレベルを考慮するために、モデルスペースをSU(4)基底に拡張した。第一、第二励起状態エネルギーをHamiltonianを対角化する厳密な解法とpnSRPAの解法で計算し比較した結果を議論する。