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更田 豊志; 中村 武彦; 草ヶ谷 和幸*; 笹島 栄夫; 上塚 寛
NUREG/CP-0172, p.191 - 203, 2000/00
NSRRにおける高燃焼度BWR燃料実験の最近の成果を報告するとともに、PWR燃料実験との比較を通じて、反応度事故条件下における高燃焼度燃料の破損機構について論じる。燃焼度56GWd/t以下のBWR燃料では、被覆管/燃焼ペレットの間隙がPWR燃料に比べて大きいこと、被覆管の水素吸収量が比較的小さいことなどから、破損に至るまでの裕度がPWR燃料に比べて大きいことを確認していたが、より燃焼度の高い燃料(61GWd/t)を対象とした2回の実験において、BWR燃料としては世界初の破損例を得た。両実験では燃料エンタルピが260J/g及び293J/g上昇した時点で燃料破損に至っており、燃料棒の分断、ペレットの微粒子化などが観察されている。この燃焼度範囲に至ると、被覆管内面と燃料ペレット表面との固着(ボンディング)が生じており、燃料ペレットの変形が直接的に被覆管に加わったことなどが、破損を生じた一因となっているものと推察される。