Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
佐藤 聡; 川崎 信夫*; 久米 悦雄; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.62 - 65, 2004/03
DT核融合炉において、遮蔽体を貫通するダクト周囲の崩壊線線量率評価が重要課題である。崩壊
線線量率を精度よく評価するには、3次元モンテカルロ計算が必要である。誘導放射能の空間分布が崩壊
線輸送計算には必要であり、それらはACT-4やCINAC等の放射化計算コードを用いて中性子束分布から得られる。本研究では、モンテカルロ計算コードMCNPと放射化計算コードを結合し、崩壊
線線量率を評価するための系統的な計算システムを開発した。本システムでは、連続する3つの計算(モンテカルロ中性子輸送計算,放射化計算,モンテカルロ崩壊
線輸送計算)が系統的に行われる。本計算システムを検証するために、原研FNSを用いて森本らによって行われた崩壊
線線量率実験の測定結果と、計算値を比較した。本計算システムによって得られた結果は、測定結果と実験誤差(10%)の範囲内でよく一致している。本計算システムによって、核融合炉の崩壊
線線量率を高精度で評価可能であることが実証できた。また計算時間の飛躍的な短縮を計るため、発生線源へのバイアス化システムを開発し、本システムに組み込んでいる。単純な体系でのテスト計算の結果、2桁以上計算時間が短縮でき、開発したシステムの有効性を実証した。
佐藤 聡; 森岡 篤彦; 金野 正晴*; 落合 謙太郎; 堀 順一; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.66 - 69, 2004/03
DT核融合炉では、運転停止後メンテナンスのために、コンクリート製の生体遮蔽体に近づく。したがって崩壊線線量率を最小化させることが重要である。本研究では、標準コンクリート及び低放射化コンクリートを準備し、DT中性子照射実験により誘導放射能を評価した。ここで用いた低放射化コンクリートでは、Si, Al, Fe等の量が標準コンクリートに比べて1
3桁小さい。長寿命核種を生成するCo及びEuの微量元素もまた著しく減少させている。加えて、用いた低放射化コンクリートは、熱中性子を減少させるために1
2wt%のホウ素を含んでいる。照射は原研FNSの80
ラインで合計で12時間行った。照射後、1日
数か月後の誘導放射能を高純度Ge検出器による
線分析機を用いて測定した。照射後10日後の低放射コンクリートの誘導放射能は標準コンクリートより1桁小さいことがわかった。Na-24の誘導放射能が減少したためである。標準コンクリートではZrとRbの微量元素が観測されたが、低放射化コンクリートでは観測されなかった。また、低放射化コンクリートではCoが劇的に減少されていることが実験的に確認できた。本研究で用いた低放射化コンクリートは核融合炉の遮蔽材として非常に有用であると結論できる。
津田 修一; 遠藤 章; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.132 - 135, 2004/03
中性子線量測定用の物理ファントムを開発するために、人体軟組織等価材料を合成し、その特性試験を行った。0.565から65MeVの中性子源を用いて、材料内の吸収線量分布を測定し、モンテカルロ放射線輸送計算コードによる計算結果と比較した。同様の計算手法を用いて、0.1100MeVの中性子に対する吸収線量分布のエネルギー特性を評価した結果、開発した材料は100MeVまでのエネルギー範囲において人体軟組織に等価な特性を有することがわかった。
遠藤 章; Kim, E.; 山口 恭弘; 佐藤 達彦; 吉澤 道夫; 田中 進; 中村 尚司; Rasolonjatovo, A. H. D.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.510 - 513, 2004/03
原研・大学プロジェクト共同研究「陽子加速器施設における放射線安全性に関する研究」において実施した、広帯域エネルギー対応中性子モニタ用検出器の開発について報告する。中性子スペクトル測定に用いられる有機液体シンチレータの発光量を、線量に換算するスペクトルを計算し、これを用いて数MeVから100MeVの中性子線量を評価する方法を開発した。また、液体シンチレータとLi-6ガラスシンチレータを組合せ、熱エネルギーから100MeVまでの中性子線量測定に適用可能な複合型検出器を開発した。開発した評価手法の妥当性及び検出器の特性を、TIARA等における照射試験によって確認した。その結果、開発した検出器は、中性子モニタ用検出器として利用可能であることを明らかにした。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; 吉田 茂生*; 田中 良平*; 脇坂 雅志*; 中尾 誠*; 佐藤 聡; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.58 - 61, 2004/03
核融合施設の天井から漏洩した放射線が空気と散乱して、施設周辺の地上に到達する、いわゆるスカイシャンは、核融合施設周辺の放射線安全に最も重要な項目の一つである。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャインの実験を2002年3月と2003年3月の2回にわたって実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次
線の分布を測定した。2002年3月の実験ではHe-3レムカウンタを用いて線源から550mまでの中性子線量率分布と200mまでの2次
線スペクトルを大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器で測定した。2003年3月の実験ではFNS建屋周辺において、NE213シンチレーション検出器を用いた中性子スペクトル測定とBGOシンチレータ検出器を用いた2次
線スペクトル測定を実施した。測定された結果は、JENDL-3.3を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4C)とよく一致し、MCNPによる計算がスカイシャインによる線量を十分な精度で評価できることを確認した。
佐藤 達彦; 津田 修一; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 仁井田 浩二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.287 - 290, 2004/03
放射線防護の観点から、重イオン照射による人体内のエネルギー沈着の特徴をモンテカルロシミュレーションにより解析した。その結果、入射エネルギーが非常に高い場合でも、高LET粒子がエネルギー付与に重要な役割を果たしていることが判明した。この結果は、高エネルギーの陽子及び中性子入射に対する解析結果と異なった特徴を示しており、重イオン被ばくによる放射線医学的影響をより詳細に評価する際に極めて有用となる。
森本 裕一*; 落合 謙太郎; 西尾 隆志*; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.42 - 45, 2004/03
ITERには計測やRF加熱のために複雑な屈曲ダクトが数多く設けられており、これらのダクトを通してストリーミングする放射線による周辺線量率への影響評価は遮蔽設計上重要な課題である。これまでFNSでは多くのストリーミング実験が実施されてきたが、屈曲ダクトについては検討がまだ不十分であり、本研究では実験とその解析により中性子挙動を解明し、モンテカルロ輸送計算法の信頼性を評価した。実験体系は170140
180cmの寸法で、30
30cmの断面の屈曲ダクトを設け、放射化箔でダクト内の中性子束分布とエネルギースペクトルを測定した。計算では線源構造,ターゲット室及び実験体系を詳細にモデル化し、MCNPコードとFENDLライブラリーを用いたモンテカルロ計算により解析を行った。それにより、放射化反応率の実験値と計算値の差はおおよそ30%以内に収まることがわかった。結論として、MCNPコードによる屈曲ダクトのストリーミング計算は、ITERの遮蔽設計に充分適用可能であると考えられる。
甲斐 哲也; 原田 正英; 前川 藤夫; 勅使河原 誠; 今野 力; 池田 裕二郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.172 - 175, 2004/03
J-PARC核破砕中性子源では大強度陽子(3GeV,1MW)がビーム窓を通過してTRMA(target-moderator- reflector-assembly)の水銀ターゲットに入射する。TMRA周辺の機器は1次陽子や2次粒子(中性子が主)により高度に放射化される。SS316製のターゲット容器が最も放射化されるが、デカップラー材であるAIC(Ag-In-Cd)合金も高度に放射化される材料である。反射体はベリリウムとアルミ被覆鉄からなり、中性子取出孔はAICで覆われている。またTMRA外側にはSUS316遮蔽が設置される。これら全ての機器は軽水,または重水で冷却されている。本論分では、メンテナンスシナリオ構築と施設設計基準を得るため、NMTC/JAM,MCNP4,DCHAIN-SPを使用してTMRA機器と冷却水の放射化を評価した結果を示す。結果から、遠隔操作メンテナンスの必要性、及び必要遮蔽厚さが示された。例として、反射体集合体に対して、表面線量を1mSv/h以下にするために、厚さ30cmの鉄キャスクが必要であり、キャスクを含めた機器の操作に130トンクレーンが必要となった。反射体のAl被覆鉄をSS316の代替として採用した結果、SS316中のニッケルの放射化を除去することができ、キャスク重量も軽減された。このような結果に基づき、施設の遮蔽壁が設計され、高放射化物のメンテナンスシナリオを構築した。
木名瀬 栄; Zankl, M.*; 船曳 淳*; 野口 宏; 斎藤 公明
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.136 - 139, 2004/03
本研究では、C-14,Na-24,P-32,Co-60,Sr-89,Sr-90,Y-90,Y-91,Cs-137,Pm-147,Tl-204 のベータ線放出核種について、モンテカルロ法により、MIRD5型ファントムの膀胱壁のS値を評価した。また、原研で開発したボクセルファントムについても同様にS値を評価し、MIRD5型ファントムのS値と比較した。さらに、それぞれのS値は、ICRP30の簡易仮定法から算出したS値とも比較した。その結果、膀胱壁の吸収線量は、膀胱内容物の吸収線量の半分にはならないこと,膀胱壁の重量に大きく依存することがわかった。また、簡易仮定法から算出したS値は、膀胱内ベータ線放出核種に対し保守的な値になることがわかった。
山口 恭弘; 平山 英夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.498 - 501, 2004/03
2000年4月から3年間、高エネルギー陽子加速器施設の放射線安全に関して、原研・大学プロジェクト共同研究が実施された。このプロジェクトには、2研究機関及び5つの大学から10の研究グループが参加し、原研高崎研究所のTIARAの準単色中性子場を用いて、次の3つのテーマに関する研究開発が実施された。また、研究の進捗状況を把握し協力体制を促進するために、研究会が開催された。(1)中性子線量評価のための物理データに関する研究,(2)数10MeV中性子用のモニタ・線量計の開発,(3)内部被ばく線量評価のための放射性エアロゾル・ガスの生成に関する研究。
森岡 篤彦; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 逆井 章; 堀 順一; 山内 通則*; 西谷 健夫; 神永 敦嗣; 正木 圭; 櫻井 真治; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.109 - 112, 2004/03
定常炉心試験装置(JT-60SC)のポート部分の中性子遮へいは、ポリエチレンよりも温度特性に優れたレジン(商標名: KRAFTON)を使用した設計となっている。超伝導コイルの核発熱量低減のための遮へい性能を保ちつつ、ポート重量を軽減させるため、筆者らはレジンに天然ボロンを添加した、ボロン入りレジンを開発した。ボロン添加量を変えた数種類の試料に、DD反応で発生する2.45MeV中性子を照射し、透過中性子を測定し、ボロン入りレジンの遮へい性能を比較した。高速中性子の遮へい性能はボロン添加量に依存せず同じであった。一方、低エネルギー中性子の遮へい性能はボロン2重量%の試験体がボロン1重量%の試験体より約25%良く、ボロン添加の効果が観測された。
佐々 敏信; 大井川 宏之; 田山 隆一*; 林 克己*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.30 - 33, 2004/03
日本原子力研究所では、加速器駆動核変換システム(ADS)の概念検討を進めており、ADSの技術開発を進めるため、大強度陽子加速器施設J-PARC計画の下で核変換実験施設の建設を計画している。核変換実験施設のうち、ADSターゲット試験施設(TEF-T)では、出力200kWの液体鉛・ビスマスターゲットを設置するが、ターゲット外周部には被曝防止のための遮蔽体を設置する必要がある。このため、必要かつ合理的な遮蔽体構成をMCNPXコード及びATRASコードを用いて解析した。両者の結果はよく一致し、鉄及びコンクリートを組合せた約6mの遮蔽厚が必要であることがわかった。遮蔽体には、貫通孔が存在するため、これらの貫通孔からのストリーミング解析をMCNPX及びDUCT-IIIコードを用いて実施した。この結果、加速器ビームライン貫通孔には追加遮蔽が必要なこと、また、一次冷却系配管は直線部の長さと屈曲部を最適化することで、十分にストリーミング量を低減できることがわかった。
小栗 朋美*; 中島 宏; 田中 進; 加速器遮蔽・原研・大学プロジェクト共同研究グループ
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.54 - 57, 2004/03
陽子加速器施設放射線遮蔽設計において、通路やダクトにおける放射線ストリーミング評価では、簡易計算式やモンテカルロ計算法が用いられる。これらの、中間エネルギー領域における精度評価を行うために、TIARA第1重イオン室への迷路状通路を用いて、放射線ストリーミング実験が行われた。ここでは、その実験データに基づき、モンテカルロコードMCNP-4Bと簡易計算式の計算精度評価を行った。モンテカルロ計算では、断面積データとしてHILO86群定数セットとLA150を用いた。中性子線量分布についてはモンテカルロ計算値は第3脚以外誤差50%以内で測定値と一致した。第3脚ではLA150による計算値はよく一致し、HILO86では約ファクター3過大評価した。簡易計算式は全体にファクター3以内で一致した。熱中性子束分布は両者ともファクター3過大評価した。線量分布は誤差約50%で一致した。以上よりモンテカルロ計算は全体に50%の精度が、簡易計算手法はファクター3の精度があることが示され、これら手法の中間エネルギー領域における適用性が検証された。
中根 佳弘; 坂本 幸夫; 津田 修一; 田中 進; 平山 英夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.506 - 509, 2004/03
J-PARC施設の放射線遮蔽設計で重要な、数10MeV領域中性子に対する線量評価法の精度検証を目的として、TIARAの65MeV準単色中性子場における、鉄及びコンクリート遮蔽体の後方に設置したプラスチックファントム内での線量分布を組織等価型比例計数管を用いて測定するとともに、J-PARC施設の遮蔽設計で用いている線量評価法による解析を行った。解析には、MCNPX及びNMTC/JAM-MCNPの2種類の粒子輸送計算コードを用いて中性子束を計算し、これらの結果にJ-PARC施設の遮蔽設計で用いている実効線量への換算係数を乗じて線量分布を計算した。実験値との比較から、2種類の計算コードによる解析結果はいずれも実験値をおおむね20%以内で再現することが確認され、現在設計に用いている遮蔽設計法が線量評価の観点から十分な精度を有していることを検証できた。
中野 秀生*; 増川 史洋; 中島 宏; 笹本 宣雄*; 田山 隆一*; 半田 博之*; 林 克己*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.50 - 53, 2004/03
陽子加速器施設における迷路,貫通孔等の中性子ストリーミングに関する種々の評価手法に対する精度検証を行うために幾つかの計算コードを用いたベンチマーク実験解析を実施した。これにより、NMTC/JAM,MCNPX及びDUCT-IIIはJ-PARCの遮蔽設計及び安全評価における中性子ストリーミングの計算に充分適用可能であることを確認した。
松田 規宏; 中島 宏; 春日井 好己; 笹本 宣雄*; 金野 正晴*; 北見 俊幸; 市村 隆人; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.74 - 77, 2004/03
高強度の陽子加速器施設において、トンネル内遮へいコンクリートの放射化することが予想されるため、加速器機器メンテナンス作業時の作業員の線被ばく線量は低減対策をとる必要がある。そこで、大強度陽子加速器施設(J-PARC)では、トンネル内遮へいコンクリート躯体の一部に、石灰石を骨材とする低放射化コンクリートを採用することとし、低放射化コンクリートの性能指標として新たに
Na当量を導入した。低放射化コンクリートの有効性を検証するため、低放射化コンクリートと普通コンクリートの粉末試料について、中性子照射実験を原研FNSで行った。J-PARC用に整備した遮へい設計詳細計算コードシステムを用いて計算解析を行い、その結果はファクター2以内の良い一致を示した。また、J-PARCを模擬した体系での検証は、加速器停止後1週間以内のメンテナンス期間において、低放射化コンクリートによる
線被ばく線量が普通コンクリートに比べて1/10以下であり、低放射化コンクリートの使用は有効であることが確認された。
増川 史洋; 中野 秀生*; 中島 宏; 笹本 宣雄; 田山 隆一*; 林 克己*; 秦 和夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.46 - 49, 2004/03
DUCT-IIIは、ダクト内の散乱線束の空間-エネルギー分布を表す秦の式に基づくもので、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の遮へい設計のために開発された高エネルギー中性子ストリーミング簡易計算コードである。本コードの精度検証の一貫として、DUCT-III を2回屈曲を持つTIARA迷路におけるストリーミング中性子スペクトル測定の解析に適用した。DUCT-IIIは測定された中性子スペクトル及びモンテカルロ計算を十分によい精度で再現し、線量評価には十分に適用可能であることを確認できた。ただし、DUCT-III,モンテカルロ計算ともに、熱中性子に関してはファクタ2, 3で測定値を過大評価した。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.395 - 398, 2004/03
流水を用いた中性子モニター法はO(n,p)
N反応に基づいている。本研究ではシンチレーション
線検出器を用いたITERの中性子モニターシステムを著しく改善する新しい手法を提案する。基本的概念は核融合炉の真空容器近傍の水中で生成される
Nからの
粒子によるチェレンコフ光を光ファイバーで外部に引き出し、光検出器で計測するものである。まず第1段階として、体積600ccのガラス窓付きの円筒容器を取付けた
N搬送用の水ループをD-T中性子源とよく遮蔽された測定室の間に設置し、FNSを用いて実験的に検討した。
Nの検出器として、BGOシンチレーション検出器をガラス窓付き円筒容器の一方に取付け、反対側のガラス窓にチェレンコフ光検出用の光電子増倍管を直接取付けた。測定された信号はエネルギースペクトルと減衰時間からチェレンコフ光によるものであると確認した。本研究により、水チェレンコフ検出器は応答時間が速く、計数効率が高く、さらにシンチレーション検出器を必要としないため、流水を利用した中性子モニター用検出器として有用であることを示した。また検出部の水の体積を変えることにより、検出効率を容易に調整することが可能である。さらに水ループを複数設置することによりプラズマの変動によらない核融合出力モニターが可能である。
栗原 治; 高崎 浩司; 百瀬 琢麿; 寺門 義則*; 高橋 幸嗣*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.243 - 246, 2004/03
内部被ばく線量評価技術の高度化の為、可動型のゲルマニウム半導体検出器を有する全身カウンタ(スキャニング型全身カウンタ)を開発した。本発表では、同機器の検出特性をモンテカルロシミュレーションコードMCNP-4Cによって検証し、計数効率において実験値と非常に良い一致を見た。
清水 義雄; 岡 努
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.105 - 108, 2004/03
Nuclear Criticality Slide Ruleに示される金属ウラン系及び硝酸ウラニル系評価をSCALE4、MCNP4-ANISNの接続計算、MCNP4-MCNP4の接続計算により実施し、比較・検討することにより、それぞれの手法の妥当性及び施設設計への適用性を検討する。
辻村 憲雄; 金井 克太; 百瀬 琢麿
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.203 - 206, 2004/03
1982年から放射線業務従事者の中性子被ばく管理に使用しているアルベドTLDについて、過去20年間にわたる研究開発成果を紹介する。単色中性子場でのエネルギー特性試験、モンテカルロ法による応答関数の計算、実作業現場における中性子スペクトルの測定と線量計のフィールド照射試験、個人線量計国際相互比較における線量評価性能の検証、さらにプルトニウム燃料施設におけるTLDと固体飛跡検出器線量計の同時着用試験等を実施し、アルベドTLDの特性を十分に把握するとともに、エネルギー依存性を補償する線量評価法を構築した。