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Konovalov, S. V.; Mikhailovskii, A. B.*; 小関 隆久; 滝塚 知典; Shirokov, M. S.*; 林 伸彦
Plasma Physics and Controlled Fusion, 47(12B), p.B223 - B236, 2005/12
被引用回数:7 パーセンタイル:24.19(Physics, Fluids & Plasmas)新古典テアリングモード(NTM)は、トカマクプラズマにおいてプラズマ圧力を制限し、閉じ込めを劣化させるものとして知られている。NTM成長における鍵となる役割は、プラズマ流,温度,密度であり、熱伝導や粒子拡散や粘性による磁場に垂直方向と水平方向の輸送によって決まる。この発表は、垂直異常熱輸送とイオンの粘性効果のNTMへの影響を理論的に調べた。
仲野 友英; 都筑 和泰; 東島 智; 久保 博孝; 朝倉 伸幸
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
CH, CD
及びC
H
が解離,電離及び輸送により損失するまでにCH及びC
スペクトルバンド光を放出する確率をJT-60Uのダイバータプラズマを用いて計測した。取得されたデータは化学スパッタリングによって発生する炭化水素の発生量を分光計測により評価するために用いられる。1つのCH光子放出に対するCH
の損失事象の回数は電子温度30eVから70eVの範囲でおよそ200であった。CD
に対しても同様の計測を行ったところ、CH
と有意な差は観測されなかった。また、CH光子及びC
光子放出に対するC
H
の損失事象の回数はそれぞれ200-300及び600-1800であり、CHとC
スペクトルバンド光の強度比は3-6であった。化学スパッタリングによって発生する炭化水素のうちC
H
のみによってC
スペクトルバンドが放出されると仮定すると、求めたCHとC
の強度比からC
H
に由来するCHスペクトルバンド光の強度を求められる。その強度は観測されたCHスペクトルバンド光強度を超える強度となった。この結果は、C
H
は化学スパッタリングによって発生する炭化水素のうち少数でありCHとC
の強度比の小さな炭化水素(C
H
など)が多数を占めることを示唆する。
濱松 清隆; 滝塚 知典; 林 伸彦; 小関 隆久
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
ITER等の核燃焼プラズマでは、新古典テァリング・モード(NTM)の安定化が重要課題の一つとされ、電子サイクロトロン(EC)波による電流駆動(ECCD)の有効牲が注目されている。この安定化には、NTMによる磁気島内部での電流駆動が有効であるが、ECCDの数値解析は光線追跡法によってEC波の伝播・吸収を評価し、フォッカー・プランク(FP)方程式によって電子の速度分布関数の歪みを解析し駆動電流を評価する方法が一般的である。このFP方程式による解析では、磁場は軸対称であり磁気面が入れ子状であると仮定している。しかし、NTMによる磁気島が存在する場合には、上の仮定条件が破れ、通常の方法によるECCD解析の妥当性が疑問となる。このため、クーロン衝突並びにEC波の吸収過程をモンテカルロ法で模擬し、電子軌道を追跡する数値シミュレーションを行った。その結果、磁気島の無い場合の電流駆動効率と比較して磁気島内部での電流駆動効率は1桁以上大きいことを見いだした。
菊池 満; 鈴木 隆博; 坂本 宜照; 藤田 隆明; 内藤 磨; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
トカマクの磁場方向輸送は新古典理論の予測に従っているという結果が1995年頃までに確立された(菊池,安積、PPCFレビュー)が、実験的には、巨視的なパラメータ比較によっていた。その後のプラズマ計測技術の発展により、局所的な電流分布が計測可能となり、電気伝導度や自発電流の局所値を実測できるようになった。本論文では、JT-60で開発した電流分布比較解析手法とそれを用いた電気伝導度,自発電流の比較評価について報告する。
河野 康則; 仲野 友英; 諫山 明彦; 波多江 仰紀; 木島 滋; 大山 直幸; 近藤 貴; 玉井 広史; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
トカマクのディスラプション時に発生する逃走電子の緩和を目的として、不純物ペレット入射などの外部アクチュエータを用いた実験を実施した。その結果、不純物ペレット入射による逃走電子排出効果及び逃走電子電流減衰効果を見いだした。また、逃走電子電流の基本的な振る舞いが、逃走電子のアバランシェ過程による発生とシンクロトロン放射の効果を取り入れたAndersson-Helanderモデルに基づく減衰とのバランスで説明できる可能性を示した。他方、電流消滅時間が逃走電子により伸張されることに着目し、逃走電子を用いた電流消滅回避実験を実施した。実験では、発生した逃走電子により、電子温度が数10eV以下まで低下し、また不純物ペレットが入射された状態でも放電を維持できることが示された。このとき、プラズマ電流は指令値通りに継続及び停止を行うことが可能であった。逃走電子のダイナミクスを詳細に調べることを目的として、レーザ逆コンプトン散乱に基づく能動的,直接な診断法を新たに提案した。
井戸村 泰宏; 岸本 泰明; 徳田 伸二
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
ジャイロ運動論シミュレーションはトカマクの乱流輸送を研究するうえで必要不可欠なツールとなっている。PICコードあるいは粒子法は標準的な手法となってきたが、現実的な長時間の乱流シミュレーションにおいて重要となる熱源や衝突といった非保存系の効果の実装が難しい。一方、Vlasovコードあるいは格子法はこういった点でより柔軟な拡張性がある。本研究では新しいジャイロ運動論的Vlasovコードを最近の先進的なCFDスキームの一つであるCIP法を用いて開発した。ITG乱流シミュレーションにおいてジャイロ運動論的PIC/CIPコードの数値特性及び計算コストを比較した。
竹永 秀信; 大山 直幸; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 三浦 幸俊
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
強い内部輸送障壁(ITB)を有するJT-60Uの負磁気シアプラズマにおいて、ペレットを入射した直後に、密度揺動の低下を示す反射計スペクトルの変化を得るとともに、中心密度や蓄積エネルギーの増加が観測された。ペレット入射前後での粒子及びパワーバランス解析では、実効的粒子拡散係数とイオン熱拡散係数の低下が観測されたが、電子熱拡散係数の低下は観測されなかった。密度揺動と電子系熱輸送の関係を明らかにするために、ペレット入射から20msまでの過渡輸送解析を行った。ペレットの侵入位置はITBの外側(r/a=0.8近傍)であり、ペレット溶発によるコールドパルスがITB領域に到達した後に、反射計スペクトルが変化している。コールドパルスの伝搬による電子温度の時間変化を説明するためには、反射層近傍の内側ITB領域で熱拡散係数が減少、外側ITB領域で増加させる必要があることを明らかにした。内側ITB領域での熱拡散係数減少の時間スケールは、反射計スペクトル変化の時間スケールより緩やかであり、電子温度分布の変化の時間スケールと同程度である。この結果は、電子温度分布がペレット入射前と同程度に回復した時刻でのパワーバランス解析と矛盾しない。このことは、電子系の熱輸送が測定された波数領域の密度揺動と直接的に関連していないことを示していると思われる。
木島 滋; Peterson, B. J.*; 芦川 直子*; 三浦 幸俊; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
イメージング・ボロメータは広い視野が取れるなど核燃焼トカマク実験装置の放射損失計測法として有望である。2003-2004年に接線方向にも視野を持つ赤外イメージング・ボロメータをJT-60トカマクに設置した。2.5ミクロンの受光薄膜の耐久性はこれまで2年間の運転で確かめられた。測定装置としてはまだ未完成であるが、これまでの予備試験で幾つかの興味ある観測結果が得られた。ディスラプション時には受光膜に明瞭な温度上昇が観測され、温度分布は既存の抵抗型ボロメータの測定結果と矛盾しない。さらに、トーラスに沿って弧状に分布するダイバータ部の放射損失を初めてとらえることにも成功した。得られた温度上昇のアナログ画像データをディジタル処理し、既存のボロメータの結果との比較検討を開始した。放射損失のトロイダル分布など新しい知見も得られると期待している。
大脇 浩和; 杉原 正芳; 河野 康則; Lukash, V. V.*; Khayrutdinov, R. R.*; Zhogolev, V.*; 小関 隆久; 畑山 明聖*
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
ディスラプション時のトカマク装置への電磁力負荷を評価するうえで最も重要な、プラズマ電流の減衰過程を評価する数値モデルを構築した。このモデルでは、粒子の輸送とリサイクルを考慮した密度の微分方程式によって密度を評価し、ジュール加熱パワーと不純物の混入による放射パワーとのバランスによって電子温度とプラズマ抵抗を決定する。加えてプラズマ平衡・輸送・回路方程式を解くコードDINAを用いることで、プラズマ電流減衰の時間発展を矛盾無く求める。不純物混入量,粒子の閉じ込め時間,リサイクリング率は、おおよそ実験で想定される値をパラメータとして与えることで、JT-60Uのプラズマ電流波形を模擬できた。また、この3つの物理量がプラズマ電流の減衰過程に与える影響を調べた。
佐藤 正泰; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 長山 好夫*; 川端 一男*; 岩間 尚文*
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
磁場閉じ込めトーラス装置(トカマク,LHD)の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果について、数値計算を行った。トカマクにおいて、相対論的効果による非相対論的EC周波数からのずれを用いた電子密度分布測定を提案している。種々の密度分布に対してこの方法が適用可能であることを明らかにした。また、LHD装置のECE測定では、通常観測されている磁場に直角な視線では、視線に沿って磁場構造はベル型になり、プラズマ中心位置で磁場が最大になる。電子温度が高くなると相対論的効果が現れ、周波数のダウンシフトが起こり、プラズマ中心に対応する非相対論的EC周波数の位置に放射がなくなり、ECEで測定する電子温度が見かけ上小さくなる。プラズマ中心と磁場の最大位置が一致する場合と一致しない場合について、ECEを相対論的効果と吸収を考慮して計算した。プラズマ中心と磁場の最大位置が一致しない場合のECE測定では、プラズマ中心が磁場の最大位置よりも手前に来るように観測すれば、相対論的効果による中心付近のみかけ上の温度減少と周辺のみかけ上の温度増加を避け、精度の高い電子温度分布測定ができる。