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Bulanov, S. V.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 48(12B), p.B29 - B37, 2006/12
被引用回数:21 パーセンタイル:56.68(Physics, Fluids & Plasmas)超高強度レーザーの発達は物理学の新たな分野を切り拓き続けている。レーザー加速器の開発は今や新たな成熟段階に突入しつつあり、加速された荷電粒子のパラメータを制御可能な手段で操作できるようになってきた。臨界密度以下のアンダーデンス・プラズマに入射されたレーザーパルスが通過して生ずる航跡場の破砕による電子入射は、準単色高エネルギービームの生成をもたらす。適切に作られた多層構造の薄膜ターゲットにより、高品質イオンビーム加速の条件が与えられる。アンダーデンス・プラズマ中での同一方向に、あるいは対向して伝播する2つのレーザーパルスの非線形相互作用により超高強度電磁波パルスの生成が可能となる。本講演では、荷電粒子入射器,高エネルギー物理,高エネルギー電磁放射やポジトロンの高輝度線源を含め、数多くの顕著な応用に言及する。
井戸村 泰宏; 井田 真人; 徳田 伸二; Villard, L.*
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
ジャイロ運動論的シミュレーションはトカマクプラズマにおける乱流異常輸送を研究するうえで必要不可欠なツールとなっており、乱流輸送の評価及び予測に向けて、開放系の駆動乱流の長時間・大域的シミュレーションが必要とされている。しかしながら、従来のジャイロ運動論的シミュレーションにおける脆弱な保存特性はそういった長時間シミュレーションにおいて問題になっていた。この問題点を克服するために、もともとは中性流体乱流の保存系シミュレーションのために開発された森西スキームを用いて新しい保存系ジャイロ運動論的シミュレーションを開発する。このコードでは、厳密な粒子数保存に加えて、エネルギー保存も劇的に改善され、また、スキームは長時間シミュレーションにおいてロバーストである。スラブ配位イオン温度勾配駆動論流のシミュレーションにおいて新しいコードと従来の粒子コードの比較を示す。
武井 奈帆子; 牛込 雅裕*; 鈴木 隆博; 中村 幸治; 高瀬 雄一*
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
国際熱核融合実験炉ITERの定常運転モードとして有望な負磁気シアプラズマではMHD不安定性が起き易く、小規模なMHD変動と自律的な回復を繰り返すマイナー・ディスラプション現象がしばしば観測されている。JT-60Uの負磁気シアプラズマでは、外部駆動電流が消失した後、メジャー・ディスラプションには至らなかったものの小規模なMHD変動と自律的な回復を繰り返す未解明な現象が観測されている。このようなプラズマ内部で強い分布構造を持つ非誘導的な自発電流と外部駆動電流挙動を明らかにすることは、特に、ディスラプションを回避しながらプラズマ電流を立ち下げる際の制御手法を検討するうえで重要となってくる。本研究では、プラズマの輸送改善モデルや外部導体との電磁相互作用を組み込んだMHDシミュレーションによって、外部駆動電流が消失した後の非誘導電流駆動プラズマ挙動を考察する。
吉田 麻衣子; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 浦野 創; 大山 直幸; 神谷 健作; 坂本 宜照; 鎌田 裕; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
トロイダル回転速度分布は圧力分布や電流分布とともに、輸送特性及びMHD安定性を決定する重要なパラメータであり、プラズマ回転の駆動機構と制御性の解明はプラズマの高性能化にとり重要な研究課題である。本研究の目的は、JT-60Uにおいてフェライト鋼設置により低減したトロイダル磁場リップルのトロイダル回転速度への影響を明らかにすることである。フェライト鋼設置によるトロイダル磁場リップルの減少で、NB入射時のプラズマ周辺部での逆方向回転は緩和し、順方向への回転制御が可能になった。また、逆方向回転の駆動源となっている高速イオンの損失は、計測結果から周辺部で起きていることが示唆するデータが得られており、このことは粒子軌道追跡モンテカルロ・シミュレーションの結果と一致した。以上のことは、リップルによる高速イオン損失が、径電場形成を介してプラズマ回転の一つの駆動機構となっていることを示している。また、摂動運動量輸送解から求めた輸送係数(拡散項)と対流項を導出し、リップル損失の少ない領域では、運動量の輸送でトロイダル回転分布を説明できることを見いだした。
松永 剛; 武智 学; 栗田 源一; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 相羽 信行; 小関 隆久; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
抵抗性壁モード(RWM)は自由境界限界値を超えた領域で発生し到達値を制限するため、このモードの安定化は高定常維持に向けて重要なテーマである。このモードの安定化にはプラズマと壁との距離又はプラズマ回転が重要であることが予想されている。JT-60Uにおいて導体壁の安定化効果を調べるために電流駆動RWMに対する壁距離スキャンを行い、壁をプラズマに近づけるとRWMの成長率が小さくなることを確認した。またプラズマ回転による安定化効果を調べるために、値を一定に制御しプラズマ回転のみを接線入射NBの組合せで変化させた実験を行い、q=2の有理面の回転が減速するとn=1のRWMが発生しプラズマ崩壊に到ることを観測した。これらの実験結果は、壁距離又はプラズマ回転がRWMの安定化に有効であることを示唆している。本会議ではこれらの実験の詳細な結果について発表する。
浦野 創; 滝塚 知典; 鎌田 裕; 大山 直幸; 竹永 秀信; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
軽・重水素放電のHモード実験を実施することによって、ペデスタル幅の無次元パラメータ依存性を調べた。従来、このペデスタル幅の無次元パラメータ依存性は装置ごとに異なる結果が示されてきた。この相違が生じる原因の1つは、プラズマ境界近傍での規格化ポロイダルラーマ半径とポロイダルベータ値の強い正相関にあると思われる。そこで、本研究では規格化ポロイダルラーマ半径の質量依存性に着目し、軽水素及び重水素での実験を比較することによって、両無次元パラメータの分離を行った。もしペデスタル幅が規格化ポロイダルラーマ半径に依存する量であれば、軽・重水素の両放電において同一の周辺圧力勾配を維持しつつ、ペデスタル幅を一致させることは不可能であるが、実験結果は軽水素放電において重水素放電時の約2倍の加熱パワーでほぼ同一の周辺プラズマ分布を得、単純にペデスタル幅が規格化ポロイダルラーマ半径で評価できないことを示した。
大山 直幸; 浦野 創; 吉田 麻衣子; 竹永 秀信; 篠原 孝司; 櫻井 真治; 正木 圭; 神谷 健作; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
トロイダル磁場リップル低減のため、JT-60Uではフェライト鋼を真空容器内に設置した。その結果、加熱用中性粒子ビームの損失低減やトロイダル回転分布の変化が観測されるとともに、改善閉じ込めモードの性能を大幅に向上することに成功した。リップル低減効果の大きい体積の大きな配位では周辺部輸送障壁の圧力が1015%上昇し、閉じ込め改善度も1015%上昇した。周辺部輸送障壁の幅と勾配をフェライト鋼設置前後で比較して見ると、幅が広くなるとともに勾配も大きくなっており、輸送とMHD安定性の両方が改善していることを示唆している。また、中性粒子ビームの損失低減による実効的な加熱パワーの増加とトロイダル回転の変化に伴う閉じ込め性能改善の結果、高い規格化ベータ値()と高いthermal成分の閉じ込め性能()の維持時間を伸張することができた。が1程度でが2.3以上の放電をにおいて23.1秒間(電流拡散時間の12倍程度)維持した。このとき達成したは2.2以上であり、ITERの標準運転シナリオでの値である1.8を上回っている。
河野 康則; 近藤 貴; 波多江 仰紀
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
トカマクプラズマのディスラプション時に発生する高エネルギーの逃走電子は、その衝突によりトカマク構成機器に損傷を与える恐れがあることから、逃走電子の制御を的確に行うことが重要な課題となっている。そのためには、逃走電子の挙動の理解を深めることが必要であり、この目的で、われわれは、レーザ逆コンプトン散乱に基づく能動的な逃走電子計測法に関する研究を進めている。この計測法により、特に逃走電子のエネルギー分布に関する詳細な情報を得られるものと考えている。本講演では、エネルギー分布が異なる逃走電子を対象にした場合の、レーザ逆コンプトン散乱光子のスペクトルの変化について議論を行う。また、逃走電子と密接に関連する光放射(制動放射,シンクロトロン放射、及び逆コンプトン散乱)について議論を行う。これらの光放射は、レーザ逆コンプトン散乱計測における背景光となる一方、逃走電子の情報を含み有用であることから、そのスペクトル,強度,計測における課題に関して検討を行う。
竹永 秀信; 大山 直幸; 浦野 創; 神谷 健作; 三代 康彦; 西山 友和; 笹島 唯之; 正木 圭; 平塚 一; 市毛 尚志; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
核融合炉では、高密度にて高閉じ込め状態を実現することが必要であり、そのためには高効率・高信頼性の粒子供給システムの確立が重要である。本発表では、ペレット入射及びガスパフによる粒子供給時のプラズマ閉じ込めとペデスタル特性、及び新粒子供給装置(改良ペレット入射装置,ガスジェット装置)の開発について報告する。高磁場側ペレット入射では、ペレットの侵入長は、=0.1-0.3と評価された。この侵入距離は、中性ガス遮蔽モデルによるペレット溶発の計算結果より長く、ペレット溶発雲のドリフトを考慮したSMARTモデルの計算と一致した。高モードプラズマに高磁場側からペレットを入射した結果、 0.7で 2を得た。一方、ガスパフを使用した場合は、0.6では1.6以下に低下した。ペデスタル圧力もペレット入射時の方が高い。ガスパフの有無に対しては、ペレット入射によるコールドパルスの伝搬にも違いが見られた。ガスパフ無しの場合は、内部輸送障壁で温度低下量の増加が観測されたが、その内側にはコールドパルスが伝搬しなかった。ガスパフ有りの場合は、中心部までコールドパルスの伝搬が観測され、温度分布の硬直性が強い。さらに、ペレット入射装置の長時間化,カダラッシュ研究所との研究協力にて設置したガスジェット装置の開発について報告する。
永島 芳彦*; 伊藤 公孝*; 伊藤 早苗*; 藤澤 彰英*; 星野 克道; 永岡 賢一*; 江尻 晶*; 高瀬 雄一*; 矢木 雅敏*; 篠原 孝司; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
JFT-2MトカマクとCHS装置でのプラズマ乱流の非線形過程についての解析結果を報告する。いずれの装置でも、揺動測定は、静電プローブで行い、測定データをバイスペクトル解析で調べた。JFT-2Mのジュールプラズマのポテンシャルのデータ解析から得られた、測地的音波モードと乱流揺動の三波相互作用によるバイコヒーレンスとバイフェイズは、帯状流とドリフト波の相互作用の理論モデルから得られる値と一致することがわかり、観測された揺動の解析から明らかになった非線形相互作用は、この帯状流とドリフト波の相互作用によるものと推定される。また、CHSプラズマのHモード中の揺動解析から、特徴的に見られるMHD磁場揺動と密度乱流揺動に顕著な非線形相互作用を観測した。この密度揺動とポテンシャル揺動の相互バイスペクトラムから、揺動粒子束とMHD揺動は関連を持つことを明らかにした。以上のように両装置の揺動データ解析により、周辺プラズマの非線形過程の解明を進めた。
Koga, J. K.; 山極 満
no journal, ,
超高強度レーザーパルスと高エネルギー電子との相互作用において、電子からの放射は電子自身の運動に大きな影響を与える。本研究では、そのダイナミクスを正確に取り扱うために、多数の電子の間の相互作用を直接解くことを試みる。電子に作用する場は、レーザー場と他の電子からのLienard-Wiechert場の寄与の和になる。放射の反作用力については、すべての場の時間及び空間についての高次微分の履歴を保持することにより求める。これにより、超高強度レーザーパルスと多数電子との相互作用における放射の反作用の効果を解析する。