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論文

Absorption spectra and cyclic voltammograms of uranium species in molten lithium molybdate-sodium molybdate eutectic at 550 $$^{circ}$$C

永井 崇之; 上原 章寛*; 福嶋 峰夫; 明珍 宗孝; 藤井 俊行*; 佐藤 修彰*; 山名 元*

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.151 - 155, 2011/09

本研究では、550$$^{circ}$$Cの溶融Li$$_{2}$$MoO$$_{4}$$-Na$$_{2}$$MoO$$_{4}$$共晶塩中に溶存するウランの吸光分光測定及びサイクリックボルタンメトリを行った。吸光分光測定の結果、塩中のウランの吸光スペクトルは、溶融塩化物中のUO$$_{2}$$$$^{+}$$と同様なスペクトルが観察された。この状態で酸素を塩中に供給したところ、UO$$_{2}$$$$^{+}$$の吸収ピークが減少し、UO$$_{2}$$$$^{+}$$がUO$$_{2}$$$$^{2+}$$に酸化したと考えられる。純粋な溶融Li$$_{2}$$MoO$$_{4}$$-Na$$_{2}$$MoO$$_{4}$$共晶塩のサイクリックボルタモグラムでは、-0.7Vでアルカリ金属の析出を確認し、また-0.3Vで塩の還元反応による小さなピークを観察し。塩中にUO$$_{2}$$を溶存させた場合、ウランの還元反応が-0.2Vに観察された。これらのことから、塩中の溶存ウランは、電解によりウランとモリブデンの混合酸化物として回収される可能性がある。

論文

Sequential anion-exchange separation of trace U, Th, Pb and lanthanides in environmental samples

宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 間柄 正明; 木村 貴海; 臼田 重和*

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.209 - 212, 2011/09

比較標準岩石試料にナノグラムレベルで含まれるウラン,トリウム,鉛及びランタノイドを一本の陰イオン交換カラムで逐次分離した。酢酸,塩酸及び硝酸の混合溶液をこの分離の溶離液として用いた。分離した元素の回収率は95%を越え、ランタノイド元素間で回収率に分別は起こらなかった。アルカリ金属,アルカリ土類金属及び鉄は分離目的元素から効果的に除去できた。この分離技術を用いることで特殊な配位子,カラム及び装置を使うことなく複雑な今までの分離方法を単純化することが可能となる。

論文

Radiochemical study of sub-barrier fusion hindrance in the $$^{19}$$F+$$^{209}$$Bi reaction

西中 一朗; 笠松 良崇*; 谷川 勝至*; 後藤 真一*; 浅井 雅人

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.117 - 121, 2011/09

近年、重イオン核反応での融合障壁より低いエネルギー、サブバリアエネルギー領域において融合が阻害される現象が発見され、原子核反応研究分野でのトピックスとして注目されている。この阻害現象を調べるため、$$^{19}$$F+$$^{209}$$Bi反応におけるサブバリアエネルギー領域の核分裂断面積を放射化学的手法により求めた。理論計算や他の反応系での実験データの系統性との比較から重い質量系での融合阻害現象の機構について考察する。

論文

Study on cleaing solvents using activated alumina in PUREX process

荒井 陽一; 荻野 英樹; 竹内 正行; 加瀬 健; 中島 靖雄

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.71 - 74, 2011/09

本研究では、活性アルミナを用いた溶媒洗浄法について調査した。劣化させた30%TBP/$$n$$-ドデカンのサンプルは$$gamma$$線照射(1.6MGy)により調製した。劣化物はガスクロマトグラフ質量分析により定性分析を実施した。このサンプルを活性アルミナと接触させ、3M HNO$$_{3}$$との相分離試験によって溶媒劣化物の除去による洗浄効果について検討した。相分離試験は、分液ロート内に両相を加えて振とうし、分散相が界面から消失することにより行った。分析の結果、劣化物としてヘキサン,長鎖アルコール類等が生成することを確認し、また、活性アルミナとの接触により、TBP/$$n$$-ドデカンの劣化物の約70%が除去され、相分離特性が改善することを確認した。

論文

Water diffusion in fluoropolymer-based fuel-cell electrolyte membranes investigated by radioactivated-tracer permeation technique

澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.409 - 413, 2011/09

固体高分子型燃料電池において、電解質膜の水輸送特性は発電効率に多大な影響を及ぼす。具体的には、水の輸送量が多い電解質膜を用いた場合、アノード側の水が膜中を透過してカソード側に滞留してしまい(フラッディング)、燃料ガスの供給を阻害するので発電効率が低下すると言われる。そこで本研究では、高分子電解質膜の水輸送特性を調べるため、同位体トレーサーを用いた手法により、膜内の水の自己拡散係数Dwを求めた。電解質膜は、架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を基材とする放射線グラフト法によって作製した。得られた電解質膜で2室型のガラスセルを挟み、各室をトリチウム水(HTO)と純水で満たし、下流側のHTO濃度を経時測定することでDwを算出した。架橋PTFE電解質膜のDwは、イオン交換容量(IEC)が小さいほど低下し、IEC=1.2meq/gの膜では2.0$$times$$10$$^{-10}$$m$$^{2}$$/sとなった。この値は、従来膜NafionにおけるDw=4.9$$times$$10$$^{-10}$$m$$^{2}$$/sと比較して4割に過ぎない。水透過を抑制する低Dwの架橋PTFE電解質膜は、フラッディングを回避できる燃料電池膜として有望である。

論文

Isotope production for medical usage using fast neutron reactions

初川 雄一; 永井 泰樹; 金 政浩; 瀬川 麻里子; 原田 秀郎; 岩本 修; 岩本 信之; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 今野 力; et al.

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.327 - 329, 2011/09

核医学において最もよく用いられている$$^{99}$$Tcの供給は危機に面しており、新たな製造プロセスの開発は喫緊の問題である。本研究は$$^{rm 99m}$$TcをFNSより発生される14MeV高速中性子を用いて効率よく製造することを提案するものであり、試験的に作成したチタン酸ゲルを用いた$$^{rm 99m}$$Tc/$$^{99}$$Moジェネレータについても併せて発表を行う。

論文

Using soils for accident dosimetry; A Preliminary study using optically stimulated luminescence from quartz

藤田 博喜; Jain, M.*; Murray, A. S.*

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.45 - 48, 2011/09

単一分画再現光励起蛍光測定法を東海村周辺で抽出した石英粒子に適用し、そのバックグラウンド線量を測定するために、その測定法の開発を行った。この測定法の開発の目的は、緊急時の放射線漏えい事故の際にその線量を測定することである。ここで開発した単一分画法は、与えた線量及び繰り返し測定の再現性の両者とも良好であり、また、照射後の経過時間に伴う光励起蛍光量の減衰等も観測されなかった。さらに、この方法の検出下限値は、約0.1Gy程度であった。さらに、東海村周辺で採取した土壌の深度分布に関して、ここで開発した単一分画法を使用してそのバックグラウンド線量を測定した。その結果、抽出した石英粒子のバックグラウンド線量は、検出下限値未満$$sim$$数Gy程度であるという結果を得た。これらの結果から、単一分画法は、事故時の線量測定が可能であるという結論を得た。

論文

EXAFS analysis of uranium(IV) and thorium(IV) complexes in concentrated CaCl$$_{2}$$ solutions

上原 章寛*; 藤井 俊行*; 松浦 治明*; 佐藤 修彰*; 永井 崇之; 湊 和生; 山名 元*; 岡本 芳浩

Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.161 - 165, 2011/09

The coordination of U$$^{4+}$$ and Th$$^{4+}$$ in CaCl$$_{2}$$ hydrate melts was studied by U and Th $$L$$$$_{rm III}$$ edge extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) spectroscopy. It was confirmed that, with the decrease of concentration from 6.9 M CaCl$$_{2}$$ to 4 M CaCl$$_{2}$$, the Cl$$^{-}$$ ion coordination number $$N$$$$_{rm Cl}$$ in the U$$^{4+}$$ coordination sphere decreased from 3.4 to 1.3, while the hydration number $$N$$$$_{rm O}$$ in it increased from 4.5 to 6.7. The combined coordination number $$N$$$$_{rm O}$$ + $$N$$$$_{rm Cl}$$ of U$$^{4+}$$ in concentrated Cl$$^{-}$$ solution (8.0) was lower than that in 1.5 M perchloric acid aqueous solution (9.0). For Th$$^{4+}$$, with the decrease of concentration from 6.9 to 4 M CaCl$$_{2}$$, $$N$$$$_{rm Cl}$$ in the Th$$^{4+}$$ coordination sphere decreased from 1.9 to 1.5, while $$N$$$$_{rm O}$$ in it increased from 7.6 to 8.8. The $$N$$$$_{rm O}$$ + $$N$$$$_{rm Cl}$$ of Th$$^{4+}$$ in concentrated Cl$$^{-}$$ solution was 9.0 which was similar to that in 1.5 M perchloric acid. It was found that the bond distance of U-Cl was shorter than that of Th-Cl because of low $$N$$$$_{rm O}$$ to U$$^{4+}$$.

口頭

Application of triple $$gamma$$ coincidence in prompt $$gamma$$-ray analysis and neutron activation analysis

大島 真澄; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 初川 雄一; 金 政浩; 木村 敦; 中村 詔司; 小泉 光生; 古高 和禎

no journal, , 

当グループにおいては核データ測定の応用研究として、即発$$gamma$$線分析及び中性子放射化分析による微量元素分析法の開発研究を実施している。これまでは2重$$gamma$$線同時計数で得られる2次元マトリクス解析により、高感度分析を実証した。今回、新たに3重同時計数法を適用することによる定量限界の改善を試みた。現状のJRR-3に設置された多重即発$$gamma$$線分析装置による測定・解析の結果、S/N比は改善するものの、統計ロスによる効果により、3次元法での定量限界は2次元法とほぼ同等になるという結論を得た。今後STELLA装置の高効率化,バックグラウンド除去により、高感度化を図る。

口頭

Preliminary research for iridium in cretaceous-tertiary boundary clay using multi $$gamma$$ ray detection

大澤 崇人; 初川 雄一; 小泉 光生; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 古高 和禎

no journal, , 

6500万年前のK-T境界は隕石衝突による大量絶滅が起きた時である。衝突した隕石の種類を明らかにするために、デンマークのスティーブンスクリントにて採取した堆積物の予備分析を行った。結果、最大30ppbものイリジウムを検出した。

口頭

Development of an on-line isothermal gas chromatographic apparatus for Db and Sg

佐藤 哲也; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 笠松 良崇*; Li, Z.; 佐藤 望; 菊池 貴宏; 羽場 宏光*; 後藤 真一*; et al.

no journal, , 

超アクチノイド元素Db及びSgの化学的性質を調べるため、オンライン等温ガスクロマトグラフ装置の開発を行った。Db及びSgの模擬として、それぞれNbとTa、及びWの短寿命核種を用いて、5族,6族元素の等温ガスクロマトグラフ挙動を調べた。オキシ塩化物生成が見込まれる条件下での揮発性化合物の分離挙動を調べたところ、Nb及びWについてはこれまでの報告を再現することがわかった。一方、Taの挙動を本装置で初めて観測することができた。また、このときTaの揮発性はNbに比べて低いものであることがわかった。

口頭

Chemical investigation of Rf and Db at JAEA

永目 諭一郎; 浅井 雅人; 石井 康雄; 菊池 貴宏; Li, Z.; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; 塚田 和明; 笠松 良崇*; 羽場 宏光*; et al.

no journal, , 

原子力機構で進めてきた、超重元素ラザホージウム(Rf)並びにドブニウム(Db)のフッ化物錯形成に関する研究成果を報告する。化学的研究に使用する超重核種$$^{261}$$Rf並びに$$^{262}$$Dbは原子力機構のタンデム加速器を用いて、それぞれ$$^{248}$$Cm($$^{18}$$O, 5$$n$$)並びに$$^{248}$$Cm($$^{19}$$F, 5$$n$$)反応で合成した。Rf並びにDbのフッ化水素酸(HF)/硝酸(HNO$$_{3}$$)混合水溶液中でのイオン交換挙動を、周期表の同族元素と比較しながら迅速化学分離装置AIDAを用いて詳細に調べた。その結果、Rfのフッ化物錯形成が同族元素のフッ化物形成よりも著しく弱いことがわかった。一方、Dbのフッ化物形成についても同様な結果が得られた。超重元素で観測された特異的なフッ化物形成について議論する。

口頭

Chemical equilibrium in atom-at-a-time chemistry

永目 諭一郎; 浅井 雅人; 羽場 宏光*; 笠松 良崇*; Li, Z.; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; 塚田 和明

no journal, , 

超重元素は、天然には存在しないので、重イオン加速器を使って人工的に合成される。しかし生成量は極めて少なく1分間に1原子程度又はそれ以下である。しかも寿命が短く数10秒以下で放射壊変してしまう。このため化学操作で一度に扱える原子の数は1個しかない。このような化学をシングルアトム化学と呼ぶ。発表では、シングルアトムレベルでの分析手法について原子力機構グループが開発してきた迅速イオン交換分離装置とその概要を紹介するとともに、シングルアトムレベルでの化学平衡の問題について議論する。

口頭

Electrochemical studies on microbial U(VI) reduction

鈴木 義規; 大貫 敏彦

no journal, , 

Shewanella putrefaciensの細胞表面でのU(VI)の触媒還元及びフラビンモノヌクレオチド(FMN)を介した細胞外還元について電気化学的に調べた。細胞を含む膜電極を用いてサイクリックボルタモグラム(CV)を測定した。U(VI)がない条件では、還元電流はほとんど観測されなかった。U(VI)を含む条件では、-0.6V付近に還元ピークが観測され、還元電流はU(VI)濃度に比例して増加した。これらの結果は、細胞表面でU(VI)の触媒還元が起きていることを示唆している。また、金電極を用いてFMNのCVを測定したところ、同様にU(VI)を含む条件で還元電流がU(VI)濃度に比例して増加した。この結果はFMNを介してU(VI)の還元が起きていることを示している。以上の実験により、細胞表面での触媒還元とFMNを介した還元機構を電気化学的に示すことに成功した。

口頭

Novel magnetism and superconductivity in actinide-based intermetallic compounds

芳賀 芳範; 青木 大*; 池田 修悟*; 松田 達磨; 立岩 尚之; 山本 悦嗣; 中島 邦久; 荒井 康夫; 大貫 惇睦

no journal, , 

Actinide intermetallic compounds are known to show a variety of physical properties. Particularly the coexistence of superconductivity and long-range antiferromagnetic ordering in UPd$$_2$$Al$$_3$$, multiple superconducting phases in UPt$$_3$$, hidden-order and superconductivity in URu$$_2$$Si$$_2$$ have attracted attentions for years. Recently, experimental study has been extended to transuranium compounds. The discovery of several new materials showing superconductivity such as PuCoGa$$_5$$, PuRhGa$$_5$$ and NpPd$$_5$$Al$$_2$$ have demonstrated that new compounds with novel phenomena are still hidden in the actinide intermetallics.

口頭

Decay modes and a limit of existence of nuclei in the superheavy mass region

小浦 寛之

no journal, , 

われわれのグループでは、巨視的模型+平均場理論計算をもとにした、KTUY(小浦-橘-宇野-山田)原子核質量模型と呼ばれる手法を開発してきた。実験質量値に対する誤差は0.67MeV、また分離エネルギーに対しては0.4MeVと、他の同程度の模型と比べても優れた精度を与えている。また、中性子過剰軽核における核構造変化を予言し、$$N=20$$(又は$$N14$$)から16(実験実証済み), $$N=28$$から32(又は34), $$N=50$$から58への閉殻変化を予想している。この模型を用いて原子核の崩壊様式について、極めて大域的な核種領域に渡り計算を行い、そのデータを整備した。これにより、任意の核種の$$alpha$$崩壊,$$beta$$崩壊,自発核分裂,陽子放出の部分半減期理論値を提示することが可能となった。与えた有限寿命に対する核種数は、1秒以上で400核種,1ミリ以上で8000核種,1マイクロ秒以上で10000核種,1ナノ秒以上で11000核種程度という結果を得た。

口頭

Application of continuous heating method by thermal ionization mass spectrometry for measurement of isotope ratios of plutonium and uranium in trace amount of MOX sample

國分 陽子; 鈴木 大輔; Lee, C. G.; 間柄 正明; 篠原 伸夫; 木村 貴海

no journal, , 

保障措置環境試料のパーティクル分析では、今後使用が拡大されると考えられるMOX燃料を含む微小粒子中の同位体比測定法の開発が求められている。本研究では、原子力機構が開発した表面電離型質量分析の連続昇温法をこの同位体比測定に適用することを試みた。連続昇温法はウラン同位体比のみを測定する手法であったため、MOX中のウラン及びプルトニウム同位体比を同時に測定できるように、測定条件等を最適化した。ウラン及びプルトニウム同位体比標準を混合した試料(ウラン及びプルトニウムを1pg含む)を測定した結果、測定値は保証値と一致した。連続昇温法を適用することにより、ウラン及びプルトニウムを分離することなく、同時に測定することができた。

口頭

Plutonium of Nagasaki atomic bomb deposited around Nagasaki, Japan

國分 陽子; 間柄 正明; 桜井 聡; 臼田 重和*; 木村 貴海; 山崎 秀夫*; 吉川 周作*; 長岡 信治*

no journal, , 

長崎原爆により放出されたプルトニウムは世界中で最も古く人為的に放出されたものの一つであり、その放出起源が明らかなため、その挙動の解明はそれらの長期環境動態に関する知見を与える。本研究では、放出源の情報をもつプルトニウム同位体比,$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu比を用いて原爆由来成分と核実験由来成分を区別し、堆積物や土壌に含まれる原爆由来プルトニウムの分布を明らかにした。黒い雨が降ったとされる長崎市西山貯水池から採取した堆積物中の$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu比,$$^{239+240}$$Pu濃度及び$$^{137}$$Cs濃度の深度分布から、原爆由来のプルトニウム及び$$^{137}$$Csは原爆直後急激に蓄積し、現在でも貯水池に流れ込むプルトニウムの大部分は原爆由来であることが判明した。また、土壌の分析から、核実験由来のプルトニウムより低い$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu比が、島原半島、さらに熊本県阿蘇山付近でも検出された。したがって、長崎原爆由来のプルトニウムが爆心地より東2kmから約100kmまでの範囲に蓄積していることが明らかになった。

口頭

Instrumental development for measurement of elemental distribution on swipe samples for safeguards

安田 健一郎; 宮本 ユタカ; 間柄 正明; 木村 貴海

no journal, , 

IAEAにより、各国の原子力施設から保障措置環境試料がサンプリングされている。この試料は、クリーンルームで分析される前に、放射線計測によってスクリーニング分析が行われる。本研究では、保障措置環境試料上のウラン等の元素分布を分析する蛍光X線分析装置を開発したので報告する。この装置は、10cm$$times$$10cm角の保障措置環境試料を大気圧環境下で測定できる特徴を持っている。また、検出部及びX線管に空冷装置を採用することで、既存の蛍光X線装置に比べ小型化に成功した。この装置により、保障措置環境試料を280点に分けて測定することで、試料上の元素分布の測定を可能としている。ウランの検出下限は、管電圧50kV,管電流1mAにおいて約30ngであった。

口頭

Time-Resolved Laser Fluorescence Microscopy (TRLFM) for adsorption study of trivalent f-element on a heterogeneous surface

石田 圭輔; 木村 貴海; 斉藤 拓巳*; 田中 知*

no journal, , 

不均質な固液界面に吸着した3価f元素の量,位置及び化学状態を研究するための新たな実験ツールとして時間分解レーザー蛍光顕微鏡(TRLFM)を開発した。本報告では、天然の不均質な表面として花崗岩を対象に、Eu(III)の吸着挙動の研究にTRLFMを適用した結果を示す。Eu(III)は花崗岩及びその構成要素(黒雲母,斜長石,カリ長石及び石英)の表面上に異なる化学種で吸着し、黒雲母,斜長石及び石英には不均質に、カリ長石には均質に吸着した。また、黒雲母には単一の化学種が、斜長石とカリ長石には共通する二種類の化学種が存在し、花崗岩表面へのEu(III)の吸着は極めて不均質であることを明らかにした。

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