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下条 晃司郎; 長縄 弘親; 久保田 富生子*; 後藤 雅宏*
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.370 - 373, 2007/10
N,N,N',N'-tetrakis(2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPEN)を配位子としてランタノイドのイオン液体への抽出挙動と逆抽出を検討した。その結果、イオン液体を用いた場合、一般有機溶媒であるクロロホルムを用いた系より大幅に高い抽出能を示すことが明らかとなった。また、逆抽出操作についても酸性水溶液を用いることで可能であった。さらに、逆抽出の際、クロロホルム系では抽出相のすべてのTPENが水相へ溶出するが、イオン液体系では全く溶出が起こらなかった。
佐々木 祐二; 木村 貴海; 小熊 幸一*
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.354 - 359, 2007/10
多様なジアミド化合物を合成し、アクチノイドイオン(An(III), (IV), (V)、及び(VI))抽出のために利用した。3座配位子として働くジグリコールアミド(DGA)化合物は非常に高いAn抽出特性を示した。疎水性を高めるため、より長いアルキル基を修飾したDGA化合物を合成し抽出性能を調べた。その結果、TODGA(tetraoctyl-diglycolamide),TDDGA(tetradecyl-diglycolamide)は無極性溶媒に高い溶解度を示す一方で水中にほとんど溶解しない。TODGAを用いたさまざまな金属の溶媒抽出結果は、イオン半径90120pmの2, 3, 4価金属に高い分配比を示した。幾つか置換基を交換した化合物の特性を調べた結果に基づき、優れた抽出性能を示すDGA化合物を提案する。
植木 悠二; 瀬古 典明; 保科 宏行; 玉田 正男
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.214 - 219, 2007/10
放射線グラフト重合技術を用いて作製したイオン交換繊維は、環境水や大気中に含まれる溶存金属を効率的に回収・除去することができる。これまでの金属吸着材は、石油由来の繊維や不織布を基材としたものが主流であり、石油資源への依存や産業廃棄物の生成などの問題を含んでいる。そこで本研究では、植物由来の天然高分子であるポリ乳酸製不織布を基材とする金属吸着材の開発を試みた。メタクリル酸グリシジル(GMA)のグラフト重合条件の最適化を図った結果、不織布の目付を120g/m,照射線量を50kGy,GMA濃度を4wt%,Tween20濃度を0.1wt%,反応温度を40
Cとした場合、4時間以上の反応時間でグラフト率が200%程度となるグラフト重合体(4.7mmol-GMA/g-吸着材)を得ることができた。さらにこのグラフト重合体にイミノジ酢酸(IDA)基の導入を試みたところ、官能基量が500
mol-IDA/g-吸着材となるポリ乳酸を基材とする金属吸着材の作製に成功した。この吸着材の金属選択性は、Cu
Pb
Ni
Zn
Cd
Co
Ca
Mg
の順となり、また、各種金属イオンの飽和吸着量は、488, 418, 423, 317, 284, 244, 207, 111
mol/g-吸着材となった。
Awual, Md. R.*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.422 - 427, 2007/10
ホスホン酸イオンとスルホン酸イオンの双方を交換基として有する二官能性陽イオン交換繊維にZr(IV)を担持して繊維状ヒ酸イオン吸着剤を調製した。この二官能性陽イオン交換繊維は前駆体繊維へホスホン酸基とスルホン酸基を導入して合成した。前駆体繊維はポリエチレン被覆ポリプロピレン繊維へクロロメチルスチレンとスチレンを共グラフト重合して得た。Zr(IV)を担持した繊維のヒ酸イオン吸着剤としての性能はカラム法によって評価した。Zr(IV)担持繊維を充填したカラムは0.016mM(1.2mg of As/dm)のヒ酸イオンを含む酸性溶液を流速200h
で通液した場合でもヒ酸イオンを除去できた。塩化物イオン,硝酸イオン並びに硫酸イオンのナトリウム塩はヒ酸イオンの吸着を妨害しないのみならず、ヒ酸イオンの吸着を10%程促進した。吸着されたヒ酸イオンは水酸化ナトリウムによって定量的に溶離された。
浅井 志保; 間柄 正明; 桜井 聡; 篠原 伸夫; 斎藤 恭一*; 須郷 高信*
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.486 - 491, 2007/10
A diethylamino (DEA) group as an anion exchanger was introduced into a polymer chain grafted onto the pore surface of a porous sheet. The resultant porous sheet was cut into disks to fit a cylindrical cartridge (DEA cartridge) and the adsorption-elution behaviors for actinides were investigated. U and Pu in 10 HCl-0.1
HNO
were adsorbed on the DEA cartridge, and quantitative recoveries were achieved with 7
HNO
and 1
HCl, respectively. The elution curves of Pu with 10
HCl-0.1
HNO
and 1
HCl overlapped irrespective of its flow rate. The flow rates of the loading and stripping solutions permeating through the pores of the DEA disk were 6-10 times higher than those through the interstices of an anion-exchange-resin-bead-packed column.
石原 量*; 梅野 太輔*; 斎藤 恭一*; 浅井 志保; 桜井 聡; 篠原 伸夫; 須郷 高信*
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.480 - 485, 2007/10
A novel method of preparing for an extractant-impregnated porous sheet with high values of adsorption rate and capacity for metal ions is described. First, an epoxy-group-containing polymer chain was appended onto a commercially available porous sheet by radiation-induced graft polymerization of glycidyl methacrylate (GMA). Second, -octadecylamine was introduced into the graft chain via an epoxy-ring opening reaction. Third, bis(2-ethylhexyl)phosphate (HDEHP) was impregnated onto the
-octadecylamino group. An yttrium solution was forced to permeate through the pores of the HDEHP-impregnated porous sheet. The higher permeation rate of the yttrium solution led to the higher adsorption rate of yttrium ions because of a negligible diffusional mass-transfer resistance of the metal ions to the HDEHP impregnated.
瀬古 典明; 植木 悠二; 保科 宏行; 玉田 正男
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.232 - 235, 2007/10
金を回収するための方法として青化法やキレート樹脂ビーズを用いたイオン交換法などがあるが、それぞれ毒性の強いシアン化物の発生やキレート樹脂ビーズ内で金属イオンの拡散が律速になり、濃縮率が低い等の欠点があった。そこで、放射線グラフト重合によりアリルアミン(AAm)とN-ビニルアセトアミド(NVA)を共重合させて得られる金回収用の吸着材を合成し、その吸着特性を評価した。その結果、AAmとNVAの導入量を各々50%共重合させた吸着材の性能が最も高く、100ppbの金溶液中に24時間浸漬させた際に6万倍に濃縮することがわかった。この値は市販のアミン型のキレート樹脂ビーズと比較して15倍の性能であった。さらに、カラムを用いた吸着試験では、空間速度(流量を吸着材体積で割った値)が各々260h, 520h
, 1040h
のときに、破過点(カラム出口濃度/入り口濃度が5%の時点)の通液倍率は、163, 150, 144で、それに対応する吸着材の吸着容量は、それぞれ2.7, 2.1, 1.9mmol/gと若干低下する傾向が見られた。しかし、この1040h
という通液速度は、市販の樹脂ビーズと比較して、100倍の速度で通液できたことになる。
保科 宏行; 瀬古 典明; 植木 悠二; 玉田 正男
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.236 - 239, 2007/10
N-メチル-D-グルカミン(NMDG)を官能基に持った吸着材は選択的にホウ素を吸着することで知られている。本研究ではグラフト重合法を用いて、ポリエチレン製不織布にグリシジルメタクリレート(GMA)を導入したのち、NMDGを反応させ、ホウ素を高速処理できる吸着材を開発した。グラフト重合法によって作製した吸着材はカラム吸着試験にて評価を行った。ホウ素吸着性能について市販粒状樹脂と比較した結果、通液速度10, 50, 100hにおけるグラフト吸着材の破過吸着容量は209, 162, 110mmol/Lであり、通液速度10, 50h
における市販粒状樹脂の破過吸着容量は119, 32mmol/Lであった。これは、通液速度50h
におけるグラフト吸着材の破過吸着容量が市販粒状樹脂の5倍の値であることを示している。また、通液速度100h
におけるグラフト吸着材の破過吸着容量は、通液速度10h
における粒状樹脂の破過吸着容量と同等であったことから、粒状樹脂と比べてグラフト吸着材は10倍の速さでのホウ素処理が可能であることがわかった。