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佐野 亜沙美; 服部 高典
no journal, ,
地球の下部マントルに相当する高温・高圧力下で安定であると報告されている鉱物にはいくつかあるが、第一原理計算によりその全てにおいて水素結合の対称化がおきていると予言されている。このうち-AlOOHでは、高圧下におけるX線回折実験やブルリアン散乱により、圧縮挙動や音速の変化が報告されている。本研究ではこれらの物性変化と、水素結合の対称化の関連を探るために、J-PARC、物質・生命科学実験施設の超高圧中性子回折装置PLANET高圧下中性子散乱実験を行った。実験では、-AlOOHについて、021反射の強度が高圧下で弱くなっていくのが観察された。これはからへの相転移を示唆しており、以前の単結晶X線回折実験の結果と調和的である。一方、差フーリエ解析では、水素の分布が二つの山をもっているのが確認され、への相転移は水素がディスオーダーしたことによるものと考えられる。D化した試料では相転移圧が高圧側に移動することも明らかになった。
立岩 尚之
no journal, ,
高圧下の磁化測定は物質の圧力下の特性を調べる上で重要な実験手段である。最近、私達はセラミックアンビルを用いた高圧下磁化測定用圧力セルmCACの開発を行った。SQUID磁束計に装着させることで10GPa以上の超高圧下で磁化測定が可能になった。この会議では、mCACの基本的な特性と、幾つかの測定例:希土類化合物YbCuSiにおける圧力誘起強強磁性や、ウラン化合物UGeの圧力誘起型強磁性・非磁性転移についての結果を報告する。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*; 小松 一生*; 舟越 賢一*; 阿部 淳*; 町田 真一*; 大内 啓一*; 岡崎 伸生*
no journal, ,
PLANETはJ-PARCのMLFに最近建設された高圧中性子ビームラインである。最大の特長は、6軸型のマルチアンビルプレス「圧姫」により10GPa, 2000Kでの中性子その場観察ができる点である。また、パリエジンバラプレスや低温セルなどの小型プレスを用いることで、常温20GPaや高圧低温(5GPa, 77K)での実験もできるようになっている。ビームラインには、ファインな入射及びラジアルコリメータが搭載されており、試料周りからの物質を取り除きクリーンなパターンが得られるよう工夫がなされている。回折計の性能と、きれいなパターンが取得可能なため、結晶、液体の高精度な構造解析ができるようになっている。2013年から共用運転がなされている。本発表ではPLANETの性能と最近得られた結果に関して紹介する。