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野村 幹弘*; 小平 岳秀*; 池田 歩*; 名嘉 康人*; 西嶋 陽之*; 今林 慎一郎*; 澤田 真一*; 八巻 徹也*; 田中 伸幸; 久保 真治
Journal of Chemical Engineering of Japan, 51(9), p.726 - 731, 2018/09
被引用回数:3 パーセンタイル:10.95(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの主要反応の一つで、硫酸およびヨウ化水素(HI)酸を生成するブンゼン反応におけるヨウ素過剰添加量を削減する手法として、プロトン透過選択性のイオン交換膜を用いた電解反応(膜ブンゼン反応)の導入が提案されている。反応効率向上のためには、イオン交換膜性能である、膜を透過する水の移動量を抑制することが有効である。本報では、水透過の抑制を狙いとし、放射線グラフト法を用いて作成したイオン交換膜のグラフト鎖に架橋剤としてジビニルベンゼン(DVB)を添加することにより架橋構造を導入したイオン交換膜(架橋グラフト膜)を試作した。架橋グラフト膜を用いた膜ブンゼン反応試験により、硫酸およびHI酸が生成することを確認し、本膜が膜ブンゼン反応に適応可能なことを示した。また、架橋グラフト膜を用いた水透過試験では、未架橋のグラフト膜と比較して、水透過速度が最大で56%減少する結果となり、本膜が水の透過抑制効果を有することを見出した。これらの結果から、DVBにより架橋構造を導入した架橋グラフト膜が膜ブンゼン反応における水透過抑制に有効であることを示した。
井岡 郁夫; 栗木 良郎*; 岩月 仁; 久保 真治; 稲垣 嘉之; 坂場 成昭
no journal, ,
水素は将来の有望なエネルギー源である。熱化学水素製造法(ISプロセス)は、太陽熱による大量水素製造システムの候補の一つである。ISプロセスには、硫酸の熱分解を行う高温、高酸化性の厳しい環境が含まれている。ISプロセスを工業レベルのシステムに拡張するには、耐食性を有する構造用材料の開発がキーファクターの一つである。我々は、プラズマ溶射レーザー処理により、耐食性と延性を有する材料を開発し、良好な耐食性を確認した。プラズマ溶射レーザー処理材の構造用材料としての適応性を確認するため、曲面を持つプラズマ溶射レーザー処理材を作製して、その耐食性を320
Cの98wt%沸騰硫酸腐食試験により調べた。曲面の表面層にクラックが確認されたが、クラック先端の腐食は認められなかった。腐食速度は小さく、沸騰硫酸中でも円柱状開発材は十分な耐食性を有することを確認した。