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論文

Development of remote visualization and collaborative visualization system in ITBL grid environment

鈴木 喜雄; 松本 伸子*

Lecture Notes in Computer Science 2858, p.269 - 277, 2003/00

Information-Technology-Based Laboratory (ITBL)プロジェクトは、日本の研究機関に散在するコンピュータ,プログラム,データなどの知的資源を共有し、日本の研究者間の協力研究を支援するための仮想研究環境を構築することを目的としている。ITBL基盤ソフトウェアはITBLの体制の基礎を形成している。AVS/ITBLはITBL基盤ソフトウェア上の可視化システムの一つであり、商用の可視化ツールAVS/Expressを元にして開発されている。AVS/ITBLではWebブラウザを経由してITBLネットワーク上にあるスーパーコンピュータに置かれたデータを遠隔地からポスト可視化することが可能である。さらに、遠隔地の複数の研究者が同時に同じ可視化画像にアクセスし、表示することが可能であるコラボレーション機能も開発されている。本論文では、このようなAVS/ITBLの全体構成とパフォーマンスについて記述している。

論文

${it Ab initio}$ study of hydrogen hydrate clathrates for hydrogen storage within the ITBL environment

Sluiter, M. H. F.*; Belosludov, R. V.*; Jain, A.*; Belosludov, V. R.*; 安達 斉*; 川添 良幸*; 樋口 健二; 大谷 孝之

Lecture Notes in Computer Science 2858, p.330 - 341, 2003/00

「水素分子が氷に大量に吸蔵されメタンと同様のクラスレートを形成する可能性がある」という実験的報告がある。構造はメタン吸蔵クラスレートと同様であり、水素ガスの500倍もの濃度で吸蔵がなされるという。ところが、実験的にはX線や中性子線を使っても水素分子の吸蔵位置や結合状況の詳細を決定できていなかった。われわれは、この結果に興味を持ち、その構造と物性の詳細を第一原理シミュレーション計算によって研究することにした。しかしながら、その計算には大規模な計算能力が不可欠である。このため、原研が開発しているITBL基盤技術を活用することによって複数台のスーパーコンピュータを連携し、大規模な第一原理計算を実現した。

論文

Grid computing supporting system on ITBL project

樋口 健二; 今村 俊幸*; 鈴木 喜雄; 清水 大志; 町田 昌彦; 大谷 孝之; 長谷川 幸弘*; 山岸 信寛*; 木村 和幸*; 青柳 哲雄; et al.

Lecture Notes in Computer Science 2858, p.245 - 257, 2003/00

日本国内の研究機関共同によるグリッド・プロジェクトのためのミドルウェアのプロトタイプが開発された。このミドルウェアには、仮想研究室の構築に不可欠のいくつかのキーテクノロジが実装され、実際に運用されている計算機・ネットワーク・システム上でその技術検証がなされた。また、いくつかの科学技術計算の応用プログラムが当該ミドルウェア上で既に稼働している。これら一連の結果は、日本のサイエンス・グリッドの分野にとって大きな進歩である。

論文

A Visual resource integration environment for distributed applications on the ITBL system

今村 俊幸*; 山岸 信寛*; 武宮 博*; 長谷川 幸弘*; 樋口 健二; 中島 憲宏

Lecture Notes in Computer Science 2858, p.258 - 268, 2003/00

TME(タスクマッピングエディタ)は分散した計算資源の操作と分散する利用者プログラムの設計に寄与する目的で開発されたITBL(IT Based Laboratory)上での有用なツールである。TMEの画面上では、あたかもドローツールのような簡易な操作によって分散する複数のプログラムやデータの関係図が描画できる。これらの関係図は、アイコンと矢線による極めて単純ではあるものの、その関係を直感的に理解するのに役立つ。また、利用者が定義したプログラムを再利用したり、さまざまなアプリケーションを組み込みカスタマイズ可能な構造になっている。TMEはITBLの通信インフラ等を利用して、プログラムの起動並びにあらかじめデータフローによって定義されたファイルの自動転送などを行うため、利用者は計算資源が分散していることを特に意識することなく、単一計算機上でのプログラム操作を行う感覚で、分散する計算資源を使用することができる。さらに、ITBLの技術を利用することで複数の利用者によるプログラム実行環境や計算機実験のシナリオを共有する場として機能させることも可能である。このようにTMEは初心者ユーザから先進的な高度な利用を期待するユーザまでをカバーできる有用なツールとしてITBLの中核をなすものであり、昨今話題となっているグリッド技術に対して多大な貢献を行うものと考えられる。

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