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奥村 雅彦; 小林 恵太
no journal, ,
氷は日常にありふれた物質であるが、極限状態における氷は我々のよく知っている氷とは異なる物性を持つ。高圧下において粘土鉱物の一種であるカオリナイトの層間に水分子が入り込み、その水分子はカオリナイト中に存在する酸素原子との相互作用によって氷のような配置を取ることが知られているが、その物性は未知のままである。また、星間塵は、珪酸塩からなるコアの周りを非晶質の氷が覆う構造を取り、その氷は有機物生成に重要な役割を果たすと考えられているが、その詳細な物性は不明である。本研究では、カオリナイトの層間氷に対して、大量の第一原理計算の結果を人工ニューラルネットワークで学習して高精度かつ低計算コストを実現した機械学習分子動力学法を適用し、物性を評価した。また、星間塵のコアは複雑な構造をとると考えられるため、原子スケールで平坦なカオリナイトの表面を理想化した星間塵コア表面に見立てて、古典分子動力学法シミュレーションでアモルファス氷生成過程を考察した。本講演では、これらの結果について発表する。
山口 瑛子; 高橋 嘉夫*; 奥村 雅彦
no journal, ,
元素の環境動態においては、吸着、沈殿、酸化還元などの化学反応が重要な役割を果たしており、その挙動変化を理解するためには、化学状態と局所構造の理解が必要である。X線吸収端近傍構造(XANES)法は元素選択性が高い利点があるが、その分解能や解析法には課題がある。これらを解決するため、本研究では高エネルギー分解能蛍光検出(HERFD)-XANES測定および第一原理計算を利用した。人工的に風化させた黒雲母試料を分析したところ、風化によってFe(II)からFe(III)への系統的な酸化が明らかになった。さらに、セシウムが吸着した風化黒雲母の詳細な微細構造も得られた。
Zwingmann, H.*; Berger, A.*; Todd, A.*; 丹羽 正和; Rahn, M.*
no journal, ,
本研究では、イライトK-Ar年代測定法の断層活動性評価への適用性検討の一環として、鉱物の破壊・変形がイライトK-Ar年代に及ぼす影響を評価するため、異なる出発物質・粉砕装置・時間・温度設定で粉砕した試料のAr分析を実施した。その結果、出発物質の違い(Rochester shale and Opalinus clay)が粉砕に伴うAr離脱に大きく影響することが判明した。この要因として、出発物質に含まれる石英や長石といった相対的に硬い鉱物の量比が、イライトの損傷に及ぼす影響が大きいためであると考察した。
小林 恵太; 山口 瑛子; 奥村 雅彦
no journal, ,
カオリナイトは、酸化アルミニウムとシリカで構成される基本的な粘土鉱物であり、陶磁器製造や汚染物質の吸着剤として利用されている。カオリナイトは、高圧下で構造相転移を起こし、また含水状態で安定化することが報告されている。本発表では、高圧下でのカオリナイトの物性を機械学習分子動力学(MLMD)を用いて解析した。MLMDシミュレーションは、高圧下でのX線回折や赤外線スペクトルなどの実験データを再現できた。これは、MLMDが極限環境下での鉱物の複雑な挙動を理解する上で有効であることを示している。
平口 敦基; Zheng, X.*; Underwood, T. R.*; 小林 恵太; 山口 瑛子; 板倉 充洋; 町田 昌彦; Rosso, K. M.*; Bourg, I. C.*; 奥村 雅彦
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物を安全に地層処分するためには、放射性核種の拡散現象を理解することが重要である。特に、粘土鉱物-水系における拡散現象は、ベントナイトからなる人工バリアの性能にとって重要である。数値シミュレーションは、この現象をミクロなレベルで理解するための最も重要な研究手法の一つである。近年、粘土鉱物粒子と水分子を含む系の大規模分子動力学(MD)シミュレーションが可能となっている。本発表では、MDを用いた大規模な系におけるセシウムの拡散の数値シミュレーション結果を示す。計算の結果から、セシウムはナトリウムよりも拡散性が低いことが示唆された。