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武田 全康; 中村 充孝; 加倉井 和久; 壬生 攻*; Lelivre-Berna, E.*
Physica B; Condensed Matter, 397(1-2), p.56 - 58, 2007/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)非磁性元素であるSnの単原子層を数十原子層の厚みを持つCr層と交互に積層したCr(001)/Snエピタキシャル膜では、ネール点以下でバルクの金属Crと同様にスピン密度波が形成される。しかし、この多層膜のなかに実現するスピン密度波は、バルク中に存在するものに比較してかなり異質である。それは、金属CrのFermi面が本来持つネステイングベクトルで決まる周期性と、Sn層を周期的に挿入したことによる人工的な周期が競合するためである。われわれは、この多層膜に対する従来の偏極中性子解析法に加えて3次元偏極中性子解析法を加えて、磁気構造を詳細に調べた。
奥 隆之; 山田 悟; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 三島 賢二*; 広田 克也*; 佐藤 広海*; 清水 裕彦
Physica B; Condensed Matter, 397(1-2), p.188 - 191, 2007/07
被引用回数:6 パーセンタイル:30.62(Physics, Condensed Matter)四極磁石を用いた中性子偏極装置の開発研究を行っている。中性子が四極磁石内に入射すると、磁石が形成する磁場勾配により、正極性成分と負極性成分が空間的に分離する。そこで、そのうちの一成分を抽出することにより、偏極中性子ビームを得るものである。この方法では、中性子が物質により散乱されたり、吸収されたりすることがないため、非常に高い偏極度の中性子ビームを高効率で得ることが可能である。これまでに、四極永久磁石を用いて冷中性子ビームの偏極実験を行った結果、偏極度P0.999を達成することに成功した。会議では、実験結果の詳細について発表するほか、この偏極装置の中性子散乱実験への応用方法について議論する予定である。
Lelivre-Berna, E.*; Brown, P. J.*; Tasset, F.*; 加倉井 和久; 武田 全康; Regnault, L.-P.*
Physica B; Condensed Matter, 397(1), p.120 - 124, 2007/07
被引用回数:23 パーセンタイル:66.69(Physics, Condensed Matter)先端3次元中性子偏極解析装置CRYOPADはフランスのラウエ-ランジュバン研究所(ILL)のD3中性子回折計、同じくILLにCEA-グルノーブルが設置したIN22 3軸型中性子分光器、そして原子力機構のJRR-3に設置されているTAS-1 3軸型中性子分光器で使われている。これらの分光器で得られた生データを適切に扱って中性子スピンの方向を精度よく決定するための定式化を行った。
松田 雅昌
no journal, ,
フラストレート反強磁性体は、磁性と構造の自由度が相互に深く関わり合い、興味ある現象を示すことが大きな特徴である。われわれは、JRR-3の三軸型中性子分光器TAS-1に設置された三次元偏極解析装置(CRYOPAD)を利用して、これらフラストレート反強磁性体の複雑な磁気構造の詳細解析を行っている。今回は、過去2, 3年間に得られた新しい結果の報告を行う。一つがスピネル磁性体CdCrOに関する研究であり、Crモーメントが面内で楕円スパイラル構造を示すことを示した。もう一つはマルチフェロイック物質TbMnOに関する研究であり、MnモーメントがSDW相からスパイラル相へ連続的に変化することが、偏極度の非対角成分の測定により初めて明らかにした。
加倉井 和久; 大沢 明*; 西脇 洋一*; 加藤 徹也*
no journal, ,
偏極中性子非弾性散乱実験によりイジング的反強磁性鎖TlCoClの従来の横揺らぎの成分S(Q,)に加え連続スピン波励起の縦揺らぎS(Q,)の観測に成功した。この両磁気揺らぎの観測結果を石村・斯波による純イジング反強磁性鎖の理論結果と比較し、議論する。