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若井 栄一; 菱沼 章道; 阿部 弘亨; 三輪 幸夫; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Proc of Ultra-High-Purity Metallic-Base Materials (UHPM-98), p.35 - 45, 1998/00
高純度Fe-50Cr-5W、8W合金を用い、照射下の相変態挙動を550C~800
Cの温度領域で調べた。照射は300keVのFe
イオンを0.16dpa/sの欠陥生成速度で、最大約300dpaまで照射を行った。ラーベス相は550~700
Cまで形成したが、照射温度の上昇に伴い、その数密度が減少した。また、シグマ相は670
C以上の温度で粒内に均一に形成した。670
Cと700
Cでは、それ以外に微細な結晶(サイズは約100nm)が形成した。一方、非照射材を時効した場合(700
Cで1000hrまたは82%圧延した後に700
Cで10hr時効)、シグマ相は形成されず、ラーベス相のみが形成した。したがって、600
C以下の温度では照射によって、ラーベス相の形成が促進されるが、温度の上昇とともに、その形成はだんだん抑制される傾向にあることが分かった。またシグマ相の形成は、照射によって誘起されたものである。照射下でのラーベス相とシグマ相の形成は照射誘起偏析と密接な関係があることが判明した。
菱沼 章道; 若井 栄一; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Proc. of Int. Conf. on Ultra-high purity base metals (UHPM-98), p.27 - 33, 1998/00
高クロム合金は、耐食性、高温強度特性に優れていることから、その合金の開発が待たれている。そのためには、この合金の最大の欠点である脆さを克服する必要がある。本研究では、高純度化の観点から脆さを克服すること及び不純物に大きく影響される照射挙動を明らかにし原子力材料としての開発基盤を確立することの一環として、純度の異なるFe-9Cr合金のシャルピー及び引張特性に及ぼす中性子照射効果を調べた。シャルピー試験によるDBTTの変化に関しては、高純度材の照射による上昇が大きく、また、引張強度の上昇も大きいことがわかった。この原因は照射中に生じる転移ループと析出物の挙動とも密接に関連している。