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渡邉 友章; 植木 太郎; 須山 賢也
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/04
原子力機構が開発中のモンテカルロソルバーSolomonは、燃料デブリの臨界性評価を目的とした複数の物質の乱雑体系における臨界性の計算が可能である。本研究では、Solomonを用いて燃料乱雑体系の臨界量計算を実施することにより、燃料デブリの臨界量計算へのSolomonの適用性を検討した。臨界量計算では、燃焼度の異なる燃料と水が乱雑に分布するような燃料乱雑体系に対してSolomonの不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF)モデルあるいはボクセル形状によりモデル化された。また、単純な均質系及び不均質系の臨界量計算を行い、燃料乱雑体系の臨界量と比較した。その結果、燃料の乱雑化によって臨界量が大きく変化することが分かった。得られた臨界量は正規分布に近い分布をしており、臨界量の不確かさをSolomonにより得られた標準偏差により推定できる見通しが得られた。また、燃料の乱雑さによる不確かさを考慮した場合、Solomonによって得られた臨界量は単純な非均質体系のものよりも小さくなるケースが見いだされた。この結果から、Solomonが燃料デブリの臨界安全評価において妥当な安全裕度の推定などに有用である可能性が示された。
多田 健一; 近藤 諒一; 神谷 朋宏; 永武 拓; 小野 綾子; 長家 康展; 吉田 啓之
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), p.1488 - 1497, 2024/04
原子力機構は核計算コードや熱流動計算コードなどのシングルフィジクスコードを結合するため、高忠実なマルチフィジクスプラットフォームJAMPANを開発している。JAMPANは、HDF5形式のデータコンテナとシングルフィジクスコードの入力作成及び出力読み取りのためのモジュールから構成されている。ユーザーは結合する計算コードに適合した入出力取り扱いモジュールを実装することで、簡単に計算コードを追加・変更することができる。JAMPANの最初の目標は、炉心解析コードの参照解を提供するための核熱結合計算である。現行のJAMPANでは、核計算コードMVPと熱流動計算コードJUPITER、ACE-3D、NASCAに対応した取り扱いモジュールを実装し、結合を可能としている。ユーザーは計算規模や計算性能などに応じて熱流動計算コードを選択することが可能である。本発表では、JAMPANの概要と核計算と熱流動計算の結合計算の結果を示す。
藤田 達也
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), p.718 - 727, 2024/04
ランダムサンプリング法に基づく不確かさ評価における中性子無限増倍率の不確かさの収束過程を、複数の効率化サンプリング手法間で比較した。中性子無限増倍率の不確かさは、JENDL-5の断面積共分散データに基づく摂動ACEファイルを用いたSERPENT 2.2.1計算を多数回実施し、これを統計処理することにより評価した。本論文では、対称サンプリング(AS)、ラテン超方格サンプリング(LHS)、制御変量法(CV)及びこれらの併用手法に着目した。既往研究で議論されたように、PWR-UO
燃料集合体体系においてAS及びLHSはこれらを用いない通常のサンプリングよりも高効率の収束を示した。CVについては、単独での適用時は中性子無限増倍率の不確かさの収束過程に大きくは影響しなかったが、既往研究で示されるとおり、ASと併用することで収束性能が改善した。また本論文では、LHSとCVによる新たな併用手法(CV+LHS)を提案した。CV+LHSは、中性子無限増倍率の不確かさの収束傾向を改善し、これはCV+ASよりも高効率であった。当該改善傾向の主な理由は、LHSを適用することにより、CVにおける代替パラメータの平均値の収束性が向上したためであると考えられる。以上から、本研究ではCV+LHSを新しい併用手法として提案し、PWR-UO
燃料集合体体系におけるランダムサンプリング法に基づく不確かさ評価においてその効率性を確認した。CV+LHSの核種燃焼計算への適用性については、今後の研究で確認する予定である。
郡司 智; 荒木 祥平; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), p.227 - 236, 2024/04
東京電力福島第一原子力発電所事故では大量の燃料デブリが発生したと考えられている。特に、溶融炉心-コンクリート相互作用(MCCI)の生成物であるコンクリート成分を含む燃料デブリの臨界特性はこれまで十分に調査されていない。本研究では、コンクリートを含む模擬燃料デブリ試料を用いた臨界集合体での臨界実験を計画するため、コンクリート成分におけるSi断面およびCa断面の実効増倍率に対する感度を、試作試料の元素分析に基づき計算解析を用いて評価した。これらの感度計算は、試料の装荷方法および組成ごとに実施・評価された。我々は、
Ca捕捉反応の感度のエネルギープロファイルに注目し、試料組成や中性子減速条件によって感度エネルギープロファイルの形状が変化することを確認した。異なる実験ケースで得られた感度の傾向を明らかにすることで、各実験法の特徴を知見として得た。試料中のコンクリートの量を増やし、実験炉心構成における中性子減速条件を変更した場合にも、同様に感度エネルギープロファイルの形状に変化が生じることがわかった。この結果は、核分裂性物質を含まないコンクリート試料を用いた実施可能な臨界実験により、MCCI製品の核的特性を再現できる可能性を示す。