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中村 彰夫
Solid State Ionics, 49, p.9 - 15, 1991/00
被引用回数:3 パーセンタイル:26.65(Chemistry, Physical)高温超電導への一つの新しい化学的アプローチとして、筆者が提案している多重原子価共鳴凝縮モデル(MVRCモデル)について解説する。本モデルは、高温超電導が、化学結合力としての価電子の自己組織化プロセス(価電揺動価電秩序化共鳴凝縮)によって実現されたミクロな共鳴の巨視的なボーズ凝縮状態であることを示唆する。これが、様々の高温酸化物及び合金系超電導体の超電導状態の一つの可能な統一的描像を与えることを例証する。超伝導と物質の最も基本的な性質である化学結合との間の深い連関を明らかにしつつ、本モデルは、新超電導体の探索や新しい超電導の微視的モデルの構築に有用であると思われる。