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論文

福島第一事故由来物質に対する環境モニタリング手法の最先端,3; 事故7年後の福島の放射線分布状況および環境モニタリング技術の最前線

眞田 幸尚

日本原子力学会誌, 61(6), p.453 - 456, 2019/06

福島県で実施されている大規模な放射線モニタリングの情報を整理するとともに、福島第一原子力発電所事故直後からの線量率の変化傾向の考察および住民のニーズに応えるための放射線計測技術の新技術について紹介する。

論文

厚板鋼材のレーザー切断技術; 廃炉の時代の先端技術開発

田村 浩司*; 遠山 伸一

日本原子力学会誌, 61(5), p.413 - 415, 2019/05

原子炉廃止措置では、原子炉構造物の切断解体が必要とされる。従来の切断法に加え、レーザー法は遠隔制御性が高くブレードなどの交換部品の必要性がないなど利点が多く、有力な選択肢となり得る。原子炉は圧力容器など100mmを超える板厚の大きい鋼材で構成されており、このような厚板鋼材の切断に関してレーザー法は知見や実績に乏しい。そこで、近年利用が進んでいる高出力ファイバーレーザーを用い、鋼材切断を様々な条件で試行した結果、原子炉に用いられるような厚板に関してもレーザー切断が可能であることを実証した。また、廃炉現場の厚板鋼材切断に適用するためロボットを用いた遠隔制御を用いた切断の技術開発を行った。本稿ではその開発成果について解説する。

論文

倫理委員会を持たない倫理的な学会を目指して

大場 恭子

日本原子力学会誌, 61(4), p.347 - 348, 2019/04

日本原子力学会60周年を記念した特集号において、同学会倫理委員会委員長として、「これまでをふりかえり、今後を展望する」記事をまとめた。

論文

将来の原子力を担うリーダーを育成

河野 裕子

日本原子力学会誌, 61(2), P. 150, 2019/02

IAEAは、将来原子力を計画・運営・管理するリーダーとなる人材の育成を目的としたマネジメントスクールを2010年より開催している。2014年から運営は日本主催となったことから、Japan-IAEAと冠することになり、平成30年度は7月17日から8月2日までの約3週間、東京(東京大学弥生アネックス、工学部3号館)及び福島県,茨城県において開催した。講義や施設見学を通して原子力を学び、3週間の生活におけるコミュニケーションを通して、参加者同士の国際的な人的ネットワークを構築する機会を得た。

論文

高速炉サイクルの経済性評価; 炉の建設コストと燃料サイクルコスト

向井田 恭子; 加藤 篤志; 紙谷 正仁; 石井 克典

日本原子力学会誌, 61(1), p.40 - 47, 2019/01

原子力機構は高速炉サイクルの開発当初から、軽水炉サイクルに対し経済的競合性を持つシステムとすることを開発目標の一つとして掲げその研究開発を進めてきた。本稿では、高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCT)フェーズIにおけるナトリウム冷却高速炉及び燃料サイクル施設の設計をベースに、追加的な安全対策費や社会的費用を考慮し、高速炉サイクルの発電コストを試算した結果を紹介する。

論文

第4世代ナトリウム冷却高速炉の系統別安全設計ガイドラインの構築

岡野 靖

日本原子力学会誌, 60(12), p.764 - 769, 2018/12

原子力機構は、第4世代ナトリウム冷却高速炉の系統別安全設計ガイドラインを、安全設計クライテリア及び安全アプローチに関する安全設計ガイドラインに引き続いて構築した。構築にあたっては日本原子力学会の研究専門委員会によるレビューが行われた。本稿は、SSC-SDG構築上の重要14項目、及び、安全設計ガイドラインに対する各国SFR設計の整合性について解説するものである。

論文

第4世代原子炉の開発動向,7; ナトリウム冷却高速炉(SFR)

上出 英樹; 伊藤 隆哉*; 小竹 庄司*

日本原子力学会誌, 60(9), p.562 - 566, 2018/09

ナトリウム冷却高速炉は、ウラン資源の利用率を飛躍的に向上させるとともに、プルトニウム他の長寿命TRU核種を効率的に燃焼させ、使用済み燃料の減容化・潜在的な有害度低減を可能にする優れたポテンシャルを持ち、実証段階へと進みつつある有望な高速炉概念である。ロシアのBN-800が2016年10月より商業運転を開始したことはその実用化に向けて大きな一歩であり、ロシアはこれにより商用段階に入ったとしており、次期炉であるBN-1200ではGIFの掲げる安全性, 経済性目標の達成を目指している。中国では600MWeの実証炉の建設を開始し、インドは原型炉PFBRの運開を目前に控え、これに続き実用炉6基の建設計画を有している。ここでは各国のナトリウム冷却炉の開発の進展を概観するとともに、日本における開発状況と今後の方向性をまとめた。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に; 第8回(最終回)核データライブラリJENDLの進化

岩本 修; 柴田 恵一; 岩本 信之; 千葉 豪*

日本原子力学会誌, 60(6), p.357 - 361, 2018/06

核データライブラリは、核データ研究の集大成となる成果物である。核データは利用されて初めて価値があり、核データ研究の最終的な出口が核データライブラリとなる。8回にわたる連載講座の最後として、日本の核データライブラリであるJENDLについて解説する。汎用ライブラリの変遷とJENDL-4.0、特殊目的ファイルの最近の進展、核データライブラリの国際的状況を紹介し、JENDLの展望と核データ研究について述べる。

論文

HOTLAB 2017; 第54回ホットラボ・遠隔操作会議

湊 和生

日本原子力学会誌, 60(6), P. 365, 2018/06

日本原子力研究開発機構は、日本原子力学会および国際原子力機関の共催のもと、HOTLAB 2017会議を開催した。この会議は、照射後試験技術、遠隔操作技術、およびホットラボ施設の安全運用などの情報交換および協力を目的に、1963年からほぼ毎年、開催されてきた。本会議には、21か国から155名(うち海外107名)が参加し、51件の講演および29件のポスター発表があった。本会議では、ホットラボへ新しい技術・設備を導入する技術者とそれらを利用する研究者との議論が活発に行われた。世界的にホットラボが老朽化してきている中、東京電力福島第一原子力発電所の燃料デブリの分析のための新たなホットラボ建設に期待が寄せられた。また、微小な燃料材料試料で精巧な分析・測定ができる施設・設備の必要性が強調された。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,7; 高エネルギー領域への挑戦

執行 信寛*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 達彦

日本原子力学会誌, 60(5), p.294 - 298, 2018/05

加速器駆動未臨界炉システム(ADS)等の核設計における中性子生成や照射損傷量等の計算、放射線がん治療における二次粒子による被ばく線量等の計算において、実測データに基づき評価された20MeV以上の高エネルギー核データライブラリを用いた放射線輸送シミュレーションが重要な役割を果たす。また、実測データが計算コードに組み込まれている核反応モデルの精度検証や改良のために必要となる。本稿では重粒子線がん治療装置HIMACにおける中性子生成断面積、大阪大学核物理研究センターRCNPにおける遮蔽体中の中性子減衰及び京都大学原子炉実験所FFAG施設における照射損傷量の測定を紹介するとともに、国内で開発されている粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの進展について概観する。

論文

原子力材料評価のための最新ナノミクロ分析技術の新展開,2; 中性子回折法による材料強度研究

諸岡 聡; 鈴木 裕士

日本原子力学会誌, 60(5), p.289 - 293, 2018/05

中性子回折法は、中性子線の優れた透過能を活かすことで、数センチメートルオーダーの材料深部の応力・ひずみを非破壊で測定できる唯一の測定技術であり、種々の機械構造物の製品開発や機械設計、材料開発や既存材料の信頼性評価に大きく貢献できる。本講座では、中性子回折法による応力・ひずみ測定技術の原理および工学回折装置の特徴について述べるとともに、その応用例として、溶接部の残留応力測定、およびステンレス鋼の変形挙動その場観察について紹介する。

論文

第4世代原子炉の開発動向,2; 高温ガス炉

國富 一彦; 西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受

日本原子力学会誌, 60(4), p.236 - 240, 2018/04

優れた安全性を有し、950$$^{circ}$$Cの高温熱が取り出せる黒鉛減速ヘリウム冷却型の熱中性子炉である高温ガス炉は、二酸化炭素の排出削減を目的に、発電以外の多様な産業における熱利用が期待されている。日本原子力研究開発機構では、高温工学試験研究炉(HTTR)により高温ガス炉の安全性を実証するとともに、熱利用系の実証に向けた研究開発を進めている。また、産官学と連携して我が国の高温ガス炉技術の国際展開に向けた活動を進めている。本報では、高温ガス炉に関する研究開発の状況及び国内外との協力について紹介する。

論文

熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2017; 軽水炉の継続的な安全性向上に向けたアプローチ

糸井 達哉*; 岩城 智香子*; 大貫 晃*; 木藤 和明*; 中村 秀夫; 西田 明美; 西 義久*

日本原子力学会誌, 60(4), p.221 - 225, 2018/04

日本原子力学会熱流動部会は福島第一原子力発電所(1F)事故の教訓を基にした分野のロードマップの改訂(ローリング)を進め、2018年3月に「熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2017(熱水力ロードマップ2017)」を策定した。世界最高水準の安全性の実現とその継続的改善を図るため、安全裕度向上策及び人材育成に必要なニーズとシーズのマッチングを考慮して選定・詳述された2015年版の技術課題を見直すと共に、主要な技術課題の実施状況の記載、「軽水炉安全技術・人材ロードマップ」との対応状況の明示、計算科学技術部会の協力による1F事故の原因ともなった外的事象対応の記述の改訂など、記載が大幅に充実された。その概要をまとめる。

論文

原子炉物理分野の研究開発ロードマップ2017; 次世代が考える炉物理の未来

山本 章夫*; 千葉 豪*; 桐村 一生*; 三木 陽介*; 横山 賢治

日本原子力学会誌, 60(4), p.241 - 245, 2018/04

日本原子力学会炉物理部会の傘下に設置された「炉物理ロードマップ調査・検討」WGにおけるロードマップ策定の概要を紹介する。本ロードマップの特徴は、(1)次世代を担う若手の技術者・研究者を中心に議論・策定を進めたこと、(2)現状から類推して課題を設定するフォアキャストアプローチに加え、原子炉物理分野のビジョンとミッションを検討し、これらを達成するために解決すべき課題をバックキャストアプローチにより設定したこと、にある。本ロードマップの詳細は、報告書として炉物理部会のホームページより閲覧可能である。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,6; 核データの利用のために; ミクロからマクロへの橋渡し

多田 健一; 小迫 和明*; 横山 賢治; 今野 力

日本原子力学会誌, 60(3), p.168 - 172, 2018/03

放射線輸送計算コードは評価済み核データを直接取り扱えず、コードが使える形式に変換する、核データ処理と呼ばれるプロセスが必要となる。核データ処理は単なる形式の変換だけでなく、放射線輸送計算で用いる物理量を求めるための様々な処理を含んでおり、評価済み核データ(ミクロ)と放射線輸送計算(マクロ)を繋ぐ重要な役割を担っている。本稿では、核データ処理の概要と核データの妥当性評価について解説する。

論文

シミュレーションの信頼性確保に関する取り組みの現状と課題

中田 耕太郎*; 工藤 義朗*; 越塚 誠一*; 田中 正暁

日本原子力学会誌, 60(3), p.173 - 177, 2018/03

国内外においてV&Vの重要性および必要性が広く認識され、シミュレーションの信頼性の確保に関わるガイドラインや標準を作成する動きが活発になっている。2016年7月に日本原子力学会標準「シミュレーションの信頼性に関するガイドライン:2015」が発行された。これは、シミュレーションの信頼性の確保に関する重要性が高まる状況に鑑み、モデルV&V(Verification and Validation)に基づいて、不確かさを考慮した予測評価、品質管理を加えたモデリング&シミュレーションの方法論の考え方をまとめたものである。このガイドラインの発行に至った背景及び経緯、ガイドラインの概説、取り組みの現状と課題について、発行後の講習会の報告と併せて紹介する。

論文

国際会議Actinides 2017

芳賀 芳範; 山村 朝雄*

日本原子力学会誌, 60(3), P. 181, 2018/03

2017年開催された国際会議Actinides 2017について、実行委員の立場から内容及び運営を紹介する。

論文

福島の環境回復に向けた取り組み,10; 線量評価とリスクコミュニケーション

斎藤 公明; 高原 省五; 植頭 康裕

日本原子力学会誌, 60(2), p.111 - 115, 2018/02

日本原子力研究開発機構では福島第一原子力発電所事故以来、放出された放射性物質に起因する外部被ばく線量、内部被ばく線量を評価するとともに、リスクコミュニケーション活動を継続して実施してきた。外部被ばくに関しては、統計的に被ばく線量分布を評価する手法、詳細な空間線量率の測定により個人線量を現実的に推定する手法をそれぞれ開発し評価を行った。内部被ばくに関しては、県民健康調査の中でホールボディカウンタによる多数の住民を対象にした測定と線量評価を実施した。約250回に及ぶ「放射線に関するご質問に答える会」を開催し、住民の不安に対応する活動を行った。

論文

材料挙動と計算機シミュレーションの接点,3; 粒界破壊における破壊力学試験と第一原理計算

山口 正剛

日本原子力学会誌, 60(1), p.30 - 34, 2018/01

原子炉圧力容器鋼における照射誘起リン偏析による粒界脆化、炉内構造物の(照射誘起)応力腐食割れ、高速炉及び核融合炉材料におけるヘリウム脆化など、原子力材料では粒界破壊がしばしば問題となる。粒界破壊の原因を探るための電子論計算が多数行われ、粒界における原子間結合(凝集)エネルギーの低下はその有力な原因の一つであるが、マクロな破壊現象へとつながる原子論的メカニズムについては、未知の部分が多い。本稿では粒界の原子間結合とマクロな粒界破壊との関係を、第一原理計算結果と破壊試験データを交えながら考察する。

論文

IAEA低濃縮ウランバンク; 国際管理構想の実現に向けて

玉井 広史; 田崎 真樹子; 須田 一則

日本原子力学会誌, 60(1), p.25 - 29, 2018/01

IAEAが低濃縮ウランの貯蔵・供給を管理する構想が実現の運びとなった。このIAEA低濃縮ウランバンクは、機微技術の拡散に加え今世紀に入ってテロリストによる悪用の懸念の増大を受け、核燃料の供給保証によって濃縮・再処理に係る技術開発のインセンティブを下げることを目指した様々な構想の一つであり、IAEAの場における議論を通じて核燃料供給及びバンクサイトの要件が規定され、2018年には正式に運用を開始する予定である。本構想の経緯、意義、今後の動向を紹介する。

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