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大西 弘明; 堀田 貴嗣
AIP Conference Proceedings 850, p.1075 - 1076, 2006/09
最近、三角格子コバルト酸化物の超伝導が見いだされ、その特異な性質が注目を集めている。また、関連物質では磁気相転移が観測されているが、そうした多彩な振る舞いの起源として、三角格子上での軌道自由度の効果が盛んに議論されている。本講演では、三角格子上の
軌道縮退ハバード模型の基底状態を、電子密度5.5の場合について、厳密対角化法によって解析した結果を報告する。まず、非磁性相では、三軌道のうち一軌道あるいは二軌道が完全に占有され、軌道自由度が部分的に抑制されることがわかった。また、隣接サイト間クーロン相互作用によって電荷秩序状態が安定化されるが、そこでは直線状に電化が整列したいわゆる電荷ストライプ構造を取ることがわかった。
石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 葛下 かおり; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 前川 禎通*; 増井 孝彦*; 田島 節子*; et al.
AIP Conference Proceedings 850, p.445 - 446, 2006/09
共鳴非弾性X線散乱により最適ドープにある高温超伝導体YBaCu
O
(
=93K)の研究を行った。非双晶の結晶を用いることでab面内における異方的なスペクトルを観測することができた。一次元CuO鎖からの励起は
方向のゾーン端で2eVあたりに強度が増大するのに対し、1.5-4eVにあるCuO
面からの励起は運動量にほとんど依存しない。一次元及び二次元ハバードモデルに基づく理論計算では、異なったクーロンエネルギーを取り入れることで、観測したスペクトルを再現することができる。CuO鎖のモットギャップの大きさはCuO
面に比べて小さいことが明らかになった。
石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 前川 禎通*; Hoesch, M.; 葛下 かおり; 稲見 俊哉; 坪田 雅己; 山田 和芳*; et al.
AIP Conference Proceedings 850, p.403 - 404, 2006/09
共鳴非弾性X線散乱(RIXS)による電子ドープ型高温超伝導体NdCe
CuO
の電荷励起の研究について報告する。低エネルギーにある電荷励起を観測できるように実験条件を適切にあわせることで、フェルミエネルギーを越えるバンド内励起とバンド間励起を初めて分離することができた。バンド内励起では幅に運動量(
)依存があるような分散関係が現れるのに対し、バンド間励起では強度がゾーン中央で2eV付近に集中する。これらの実験結果は、ハバードモデルに基づくRIXSスペクトルの理論的な計算と一致している。