Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
植山 雅仁*; 岩田 拓記*; 永野 博彦; 田原 成美*; 岩間 千絵*; 原薗 芳信*
Agricultural and Forest Meteorology, 275, p.196 - 207, 2019/09
被引用回数:34 パーセンタイル:91.44(Agronomy)北米の北方林生態系において、森林火災は主要なかく乱要因であり、当該地域における炭素収支を決定する重要なプロセスである。本研究では内陸アラスカの2つの森林火災跡地において、合計13年間にわたり主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO)の交換量を渦相関法によって観測した。観測データから、火災後の生態系が植生の回復に伴ってCO
の放出源から吸収源になるためには13年かかることが分かった。さらに、観測データを基に火災後の初期植生遷移段階におけるCO
収支の広域評価を内陸アラスカ全土に対して行ったところ、1998年から2017年までの間に火災後の生態系から放出されたCO
量(35-48 Tg C)は、火災に伴う燃焼によって大気へ直接放出されたCO
量(156 Tg C)の1/3から1/4であると見積もられた。以上より、火災後に生態系から放出されるCO
量は、州スケールでのCO
収支に重要であることが示唆された。
堅田 元喜; 林 健太郎*; 小野 圭介*; 永井 晴康; 宮田 明*; 間野 正美*
Agricultural and Forest Meteorology, 180, p.1 - 21, 2013/10
被引用回数:20 パーセンタイル:65.37(Agronomy)多層大気-土壌-植生1次元モデル(SOLVEG)に、水田上の大気中アンモニア(NH)の交換フラックスを計算するための改良を施した。田面水での熱交換、SO
やNH
などの水溶性ガスの乾性沈着、及びイネの葉面と田面水面又は地表面のNH
の放出ポテンシャルをモデルに考慮した。改良したモデルは、湛水期及び非湛水期に観測された熱, CO
, SO
及びNH
フラックス,田面水温,地温,土壌水分量を良好に再現した。地表面で揮発したNH
のイネによる再吸収量を生育ステージごとに評価するために、「再吸収比率」というパラメターを全揮発量に対する再吸収量の比として定義した。改良したモデルを用いた数値計算によって、再吸収比率は、葉面積指数(LAI)とともに増加し、LAI
1のときに一定値になることが明らかになった。LAIに対する再吸収比率の関数は、光-光合成曲線に用いられる非直角双曲線で表されることがわかった。再吸収比率の概念は、さまざまな揮発性ガスの植生キャノピーによる吸収量を推定するうえでも有用である。
安藤 麻里子; 小嵐 淳; 石塚 成宏*; 平井 敬三*
Agricultural and Forest Meteorology, 152, p.149 - 158, 2012/01
被引用回数:36 パーセンタイル:81.98(Agronomy)放射性炭素(C)を用いた手法により、寒冷地のブナ林を対象として、土壌呼吸起源の季節変動を評価した。従属栄養呼吸と独立栄養呼吸では影響を与える因子が異なり、従属栄養呼吸では地温が、独立栄養呼吸では植物活性の影響が大きかった。また、地温に対する応答は土壌有機物の分解が表層のリターの分解よりも大きかった。
Cを利用することで土壌呼吸の各起源の寄与率を定量的に測定することができ、土壌呼吸をコントロールする主要な環境因子の把握に有効であることが明らかとなった。
堅田 元喜; 永井 晴康; 梶野 瑞王*; 植田 洋匡*; 穂積 祐*
Agricultural and Forest Meteorology, 150(3), p.340 - 353, 2010/03
被引用回数:32 パーセンタイル:76.52(Agronomy)本研究では、植生への霧水沈着を考慮した精緻な地表面モデルと気象モデルを用いて、乾燥地域における植生への霧水沈着と、その水・熱バランスへの影響を評価した。モデルによる霧水沈着の推定結果から、乾燥地域において霧水沈着が降水量よりも有効な水資源となりうることを示した。霧水沈着に伴う葉面水の蒸発は、蒸散を抑えることによって植物の水ストレスを軽減することがわかった。霧水沈着によって増加した葉面水及び土壌水の蒸発に伴う潜熱によって、日中の土壌及び葉面の温度が減少することを示した。さらに、葉面水の蒸発の増加に伴う蒸散の減少は、乾燥地域において強い水ストレスを受ける植物の光合成に利用される有効な水資源を供給することを明らかにした。
古野 朗子; 茅野 政道; 大塚 彰*; 渡邊 朋也*; 松村 正哉*; 鈴木 芳人*
Agricultural and Forest Meteorology, 133(1-4), p.197 - 209, 2005/11
被引用回数:21 パーセンタイル:54.87(Agronomy)高精度の大気拡散モデルにイネウンカの飛来特性を組み込むことにより、イネウンカ類の長距離移動の高精度シミュレーションを行った。モデルは気象場を計算する大気力学モデルと粒子拡散モデルから成っている。またモデルにはウンカの飛び立ちエリア及び飛び立ち開始時間を推定する機能もある。本研究では、このモデルと1998年6月中旬の西日本でのネットトラップデータを用いて、飛び立ち域推定のケーススタディを行った。このシミュレーションでは、それぞれ緯度経度方向に2の広さを持った56の領域を飛び立ち可能地域と仮定した。この中から実際の飛び立ち領域を確定するために、それぞれの飛び立ちエリアから西日本の各地点に到達した計算値と実際の観測データを、順位相関係数を用いて比較した。相関が高く、飛び立ち域として可能だと思われる領域は、福建省や台湾を含む北緯23
27
の領域だった。このシミュレーションにおいて、飛翔限界温度と連続飛翔可能時間がもっとも精度を左右するパラメータであることが示された。