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諫山 明彦; 大山 直幸; 藤田 隆明; 稲垣 滋*; 渡邊 清政*; 東井 和夫*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2003 - March 2004, P. 23, 2003/10
一般にヘリカル系ではプラズマ電流がトロイダル磁場と逆方向に増加するとメルシエ安定性が増加すると考えられている。しかし、LHD実験において逆方向NB入射で負方向のプラズマ電流が大きいとき、に局在した不安定性が観測された。この不安定性の特性を明らかにするため、NB入射方向の切替や密度スキャンの実験および計算コードによる安定性解析を行い、以下の結果が得られた。(a)NBを逆方向から順方向に切り替えた場合、プラズマ電流が負に大きい場合でも不安定性は現れなかったが、順方向から逆方向に切り替えると、逆方向NB入射後数100ms後に不安定性が現れた。このことは、不安定性の発生原因がプラズマ電流の値ではなく逆方向NB入射であることを示唆している。(b)不安定性は、正弦波状振動,鋸歯状振動、両者が混合した振動に大別できる。正弦波状振動はより高い密度領域(
m
)で現れ、鋸歯状振動は低密度領域(
m
)で現れる。(c)この不安定性は低磁場領域(
T)でも現れた。不安定性の周波数は1-2kHzで
に局在していて、
Tの場合と同様の特性を示す。(d)実験時の分布を用いてメルシエ安定性の解析を行った結果、一般的に考えられているように負方向に電流が増加するほど安定性が向上することがわかった。
仲野 友英; 藤本 孝*; 後藤 基志*; 畑山 明聖*; 門 信一郎*; 加藤 隆子*; 季村 峯生*; 久保 博孝; 村上 泉*; 大野 哲靖*; et al.
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2003 - March 2004, P. 414, 2003/10
核融合科学研究所共同研究「境界層プラズマの分光診断」の概要について報告する。本共同研究では研究会形式の作業会を平成15年12月に開催した。研究協力者以外にも学生を含めた聴講者が10人を超え、活発な議論が行われた。講演者はデータ生産,モデリング/解析コード作成及び実験データ解析に携る研究者の3グループに分類され、それぞれの立場から研究の進展状況・課題などがまとめて報告された。各人の研究内容は学術的な観点から有機的に結びつくものであり、参加者においては相互横断的な知見が得られ、関連する原子分子データの必要性が改めて認識された。
竹永 秀信; 大山 直幸; 藤田 隆明; 山田 弘司*; 西村 清彦*; 田中 謙治*; 坂本 隆一*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2003 - March 2004, P. 12, 2003/10
JT-60UとLHDにおいて、高密度領域での閉じ込め劣化及び粒子輸送について比較した。高密度領域での閉じ込め劣化に関しては、回転変換から求められる等価的なヘリカル系でのグリーンワルド密度とISS95スケーリングからの改善度との関係を磁気軸3.6mのLHDプラズマにおいて調べた。LHDでは最外殻磁気面近傍で回転変換が急激に増加するため、LHDでの密度限界スケーリング近傍のデータでもグリーンワルド密度比(f)は0.6程度にとどまっている。閉じ込め改善度は、f
0.1ではf
が大きくなるにつれて低下する傾向にある。JT-60UのELMy Hモードプラズマでは、f
0.3-0.4でLモードからの閉じ込め改善度の低下が同様に観測される。粒子輸送に関しては、磁気軸3.9mのLHDプラズマにNBとEC加熱を行った場合とJT-60UプラズマにEC加熱のみを行った場合の比較を行った。LHDではホローな密度分布が観測されており、外向きの対流速度があるものと思われる。ガスパフモジュレーション実験から粒子輸送係数の導出を試みたが、変調成分の振幅と位相の両方の分布を満足する拡散係数と対流速度は得られなかった。一方、JT-60Uではピークした密度分布が観測されており、中心部に粒子源がないために内向き対流速度が存在していると考えられる。