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大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩; 山本 正弘
ECS Transactions, 75(27), p.51 - 57, 2017/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.59本研究では、電気化学水晶子マイクロバランス(EQCM)を用いてウランの原子価変化に伴う4価ウランの電解析出反応を調査した。弱酸性溶液中で6価ウランの還元反応のEQCM測定を行ったところ、4価ウランの析出物が電極表面に観測された。析出挙動、析出のpH依存性および析出物の酸化電位から、析出機構を推定した。析出は3段階で進行し、析出開始までの誘導過程では、不均化反応により生成した4価ウランが、4価ウラン水酸化物の核を形成する。核が形成すると析出物は成長し始める(成長過程)。この過程では、電極表面の析出物が5価から4価ウランへの反応を触媒し、還元電流と析出速度の一時的な増大が観測される。電極表面が析出で覆われると還元および析出反応が一定速度で進行する(状態変化過程)。この過程では、4価ウラン水酸化物がより安定な状態であるウラン酸化物へ変化する。
Cui, Y.*; 原田 慈久*; 畑中 達也*; 中村 直樹*; 安藤 雅樹*; 吉田 稔彦*; 池永 英司*; 石井 賢司*; 松村 大樹; Li, R.*; et al.
ECS Transactions, 72(8), p.131 - 136, 2016/10
被引用回数:1 パーセンタイル:50.59The electronic structures of Pt and Pt-Co nanoparticles with O adsorption and O
/H
O co-adsorption were investigated by in situ hard X-ray photoelectron spectroscopy (HAXPES) and in situ high resolution fluorescence detection X-ray absorption spectroscopy (HERFD-XAS) to clarify the effects of water adsorption on fuel cell cathode catalysis surface. The experimental results suggest that under the pressure of 1 mbar, the adsorption of H
O hinders the successive O
adsorption on Pt surface, while under the pressure of 1 bar, the adsorption of H
O enhances the adsorption of O
on Pt surface. This water effect is found to be more significant on Pt surface than on Pt-Co surface. These results would be helpful to understand how the water affects the fuel cell performance and why Pt-Co nanoparticles show higher oxygen reduce reaction (ORR) activity than Pt nanoparticles.
本岡 隆文; 小松 篤史; 塚田 隆; 山本 正弘
ECS Transactions, 53(21), p.25 - 32, 2013/05
被引用回数:3 パーセンタイル:85.69Pitting potentials of zircaloy-2 in artificial seawater were measured as a function of chloride concentration or solution temperature with and without -ray irradiation. The corrosion potentials of zircaloy-2 were also measured over 720 h. The pitting potential with
-ray irradiation was slightly greater than that without the irradiation. In both cases with and without the irradiation, the corrosion potentials of zircaloy-2 did not exceed the pitting potential. The pitting potential under irradiation decreased with increasing chloride concentration and/or solution temperature.
加藤 千明; 上野 文義; 山本 正弘; 伴 康俊; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
ECS Transactions, 53(21), p.45 - 55, 2013/05
被引用回数:2 パーセンタイル:77.88再処理プロセス溶液に含まれるネプツニウムイオンは、ステンレス鋼の腐食を加速するアクチノイドの1つである。しかし、沸騰硝酸中に含まれる微量のネプツニウムイオンがステンレス鋼の腐食を加速するメカニズムは不明な点がある。ネプツニウムには、硝酸水溶液でいくつかの原子価状態が存在することから、電気化学試験とスペクトル分析を同時に測定可な小型セルを用いて、ステンレス鋼の分極曲線とネプツニウムイオンの原子価状態を比較した。その結果、Npイオンの存在によりステンレス鋼のカソード反応が活性化された。またNp(V)は沸騰3M硝酸中で容易にNp(VI)となり、腐食反応が生じない限り還元されないことが明らかとなった。ネプツニウム(VI)は沸騰3M-HNOで再酸化することで、ステンレス鋼のカソード反応を維持し腐食を加速することが明らかとなった。
小柳津 誠; 磯部 兼嗣; 山西 敏彦
ECS Transactions, 50(50), p.63 - 69, 2013/00
被引用回数:3 パーセンタイル:82.49SUS304ステンレス鋼の不動態化挙動に及ぼすトリチウム水の影響に関し、電気化学手法のひとつであるアノード分極曲線測定及び開放電位の経時変化を測定することにより調べた。トリチウム濃度、溶存酸素濃度をパラメータとし、以前の研究にて発見したトリチウム水による自己不動態化抑制効果が最も顕著だった1N硫酸水溶液中にて実験を行った結果、SUS304ステンレス鋼の溶存酸素による自己不動態化は2段階の過程を経ており、1段階目の自己不動態化の開始の遅延と2段階目の反応速度の低下といったトリチウム水の影響が観測された。この結果より、トリチウム水中においては、不動態被膜の主成分の一つである3価クロムが放射線分解生成物によりさらに酸化され、溶出することにより不動態被膜の形成が妨げられる可能性が示唆された。
吉村 公男; 越川 博; 八巻 徹也; 前川 康成; 山本 和矢*; 猪谷 秀幸*; 朝澤 浩一郎*; 山口 進*; 田中 裕久*
ECS Transactions, 50(2), p.2075 - 2081, 2012/10
水加ヒドラジンなどの液体燃料を蓄電媒体とする白金フリー燃料電池自動車におけるアニオン伝導電解質膜は、強アルカリ中で使用されるため高いアルカリ耐性が要求される。本研究では、アルカリ耐性に優れたイミダゾール構造を直接基材膜にグラフトしたアニオン膜を作製し、アルカリ耐性の向上を図った。放射線グラフト重合により、ETFE膜にビニルイミダゾール-スチレン共重合グラフト鎖を導入した後、Nアルキル化反応、水酸化カリウムによるイオン交換反応を行い水酸化イミダゾリウムをグラフト鎖に含む共重合アニオン膜を得た。スチレンはイオン交換基間の正電荷反発を減少させるために導入した。1M水酸化カリウム中80Cの導電率の変化からアルカリ耐性を評価した結果、作製したアニオン膜は、初期の導電率28mS/cmに対し浸漬250時間後も10mS/cmの導電率を維持しており、数時間の浸漬で導電率が消失した従来型のグラフトアニオン膜と比較して高いアルカリ耐性を有することを実証できた。
吉田 実留*; Zhao, Y.; 藤田 正博*; 大平 昭博*; 竹岡 裕子*; 小泉 智*; 陸川 政弘*
ECS Transactions, 50(2), p.1045 - 1053, 2012/10
We employed the pulsed field gradient nuclear magnetic resonance (PFG-NMR) technique to investigate the self-diffusion coefficient of water, , in newly designed cation exchange membranes, made of sulfonated poly(
-phenylene)-poly(ether ketone) multiblock copolymers, which are denoted by S-6H (
)
:
. The
value was measured as a function of the gradient strength, g, from 0.1 to 11.0 T/m. S-6H (14) 1:1 showed the
value about 10 times lower than the value in bulk liquid water. Small angle neutron scattering (SANS) measurements showed two peaks in S-6H (14) 1:1. The low
peak is attributed to the formation of microdomains and the high
peak is due to the formation of ionic clusters in the swollen microdomains.
澤田 真一; 前川 康成
ECS Transactions, 41(1), p.2125 - 2133, 2011/10
被引用回数:5 パーセンタイル:76.11放射線グラフト電解質膜の高導電性,高耐久性の両立を図るためには、さまざまな構造の電解質膜のイオン導電性と膜構造の相関を理解することが重要である。そこで本研究では、全フッ素高分子の架橋ポリテトラフルオロエチレン(cPTFE)及び全炭化水素高分子のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とその構造が極端な2つの基材膜からなる電解質膜のプロトン伝導特性と膜構造を比較した。イオン交換容量(IEC)が小さくなるにつれて、cPTFE電解質膜はPEEK電解質膜よりもプロトン伝導度が急激に減少した。この結果を詳細に考察するため、ネルンスト-アインシュタインの式からプロトンの自己拡散係数Dを算出した。PEEK電解質膜のD
は広範囲のIECでほぼ一定値だったのに対し、cPTFE電解質膜のD
はIECとともに著しく増大した。低IECにおいてD
が小さかった理由として、プロトン伝導を担うグラフト鎖からなるイオンチャンネルネットワークがcPTFEの微結晶に阻害され、プロトン伝導パスの連結性が低下したためであると考察した。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*
ECS Transactions, 35(24), p.1 - 12, 2011/05
被引用回数:6 パーセンタイル:92.89従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、コンダクトメトリーによって穿孔形成過程を解析し、照射イオン種や測定セルへの印加電圧が及ぼす影響を調べたので報告する。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、高いLETを有する重イオンビームを照射するとともに、セル電圧を高く維持することによって大きく加速されるという興味深い現象を見いだした。後者については、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。
渡部 平司*; 桐野 嵩史*; 上西 悠介*; Chanthaphan, A.*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 箕谷 周平*; 中野 佑紀*; 中村 孝*; 細井 卓治*; et al.
ECS Transactions, 35(2), p.265 - 274, 2011/05
被引用回数:8 パーセンタイル:93.64The use of AlON gate insulator for SiC-based MOS power devices is proposed. Although direct deposition of AlON on 4H-SiC substrate causes electrical degradation, the fabricated MOS capacitor with AlON/SiO stacked gate dielectric shows no flatband voltage shift and negligible capacitance-voltage (C-V) hysteresis. Owing to the high dielectric constant of AlON, significant gate leakage reduction was achieved even at high temperatures. Moreover, in order to improve electrical properties of thermally grown SiO
/SiC interfaces, the impact of a combination treatment of nitrogen plasma exposure and forming gas annealing was investigated. Channel mobility enhancement of SiC-MOSFETs was consistent with the reduction in interface state density depending on the process conditions of the combination treatment, and obtained 50% mobility enhancement, while maintaining low gate leakage current.
渡部 平司*; 細井 卓治*; 桐野 嵩史*; 上西 悠介*; Chanthaphan, A.*; 池口 大輔*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 箕谷 周平*; 中野 佑紀*; et al.
ECS Transactions, 41(3), p.77 - 90, 2011/00
被引用回数:4 パーセンタイル:88.43It is well known that SiC-based MOS devices have suffered from degraded electrical properties of thermally grown SiO/SiC interfaces, such as low inversion carrier mobility and deteriorated gate oxide reliability. This paper overviews the fundamental aspects of SiC-MOS devices and indicates intrinsic obstacles connected with an accumulation of both negative fixed charges and interface defects and with a small conduction band offset of the SiO
/SiC interface which leading to the increased gate leakage current of MOS devices. To overcome these problems, we proposed using aluminum oxynitride insulators stacked on thin SiO
underlayers for SiC-MOS devices. Superior flatband voltage stability of AlON/SiO
/SiC gate stacks was achieved by optimizing the thickness of the underlayer and nitrogen concentration in the high-k dielectrics. Moreover, we demonstrated reduced gate leakage current and improved current drivability of SiC-MOSFETs with AlON/SiO
gate stacks.
澤田 真一; 八巻 徹也; 小沢 拓*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
ECS Transactions, 33(1), p.1067 - 1078, 2010/10
被引用回数:6 パーセンタイル:88.13燃料電池用電解質膜における水輸送現象を調べるため、散逸粒子動力学(DPD)シミュレーションを用いて膜内水の自己拡散係数Dを求めた。シミュレーションの対象としたのは、市販のNafion膜並びに放射線グラフト電解質膜である。(1)粗視化粒子(適当な原子集団に相当)を用いた分子モデリング,(2)水粒子の自己拡散係数D
の算出,(3)DPDシミュレーションにおける単位時間の決定,(4)DPD単位におけるD
からSI単位におけるD
への換算、という手順により電解質膜内のD
を得た。グラフト電解質膜はNafionよりも小さなD
を示すことがわかった。これは、水分子とスルホン酸基の相互作用がより強く働くからであると考えられる。またいずれの電解質膜においても、拡散時間tが長くなるほど、障害物効果のためにD
は低下した。そこでD
-tの関係を定量的に解析し、水輸送経路である膜内親水性領域の幾何学形状を検討した。
朝澤 浩一郎*; 山本 和矢*; 山田 浩次*; 田中 裕久*; 松村 大樹; 田村 和久; 西畑 保雄; Atanassov, P.*
ECS Transactions, 33(1), p.1751 - 1755, 2010/10
Coポリピロールカーボン(PPyC)をX線吸収分光法により構造解析を行った。この試料は酸処理により酸素還元活性が高くなる。酸処理前の近接構造は2つのピークからなり、1つはCo-O/Nからなる軽元素の配位であり、もう1つは水酸化コバルトに起因するピークであった。後者のピークのみが酸処理により消滅した。触媒活性の結果と合わせて、熱処理を施さずとも、活性に寄与すると推測されるCo-Nの配位が存在することがわかった。
山本 正弘; 本岡 隆文; 上野 文義; 加藤 千明
ECS Transactions, 25(40), p.23 - 30, 2010/00
被引用回数:1 パーセンタイル:36.84ステンレス鋼は再処理で用いられる沸騰硝酸溶液中で粒界腐食を起こすこと、また、CrやVなどの酸化性イオンが存在することにより、この腐食が加速されることが知られている。しかしながら、その腐食加速作用の詳細は明らかでない。そこで、この加速作用を詳細に解析した結果、CrイオンはVイオンに比べ加速作用が大きいが、その作用は短期間で減衰すること、これに対し、Vイオンは加速作用が定常的であることがわかった。また、CrとVイオンの硝酸溶液中での再酸化挙動を解析した結果、Vイオンは沸騰硝酸中で容易に再酸化され、腐食加速作用がCrに比べて大きいことを明らかにした。すなわち、ステンレス鋼の沸騰硝酸溶液中での腐食は、溶液中でのイオンの再酸化速度が重要な因子であることを示した。
八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝*; Gubler, L.*; Alkan Grsel, S.*; Scherer, G. G.*
ECS Transactions, 25(1), p.1439 - 1450, 2009/10
被引用回数:4 パーセンタイル:83.72本発表では、これまでに蓄積した燃料電池試験の結果をもとに、独自の放射線プロセスで高分子主鎖と側鎖の両方に橋架け構造を導入した"多重架橋"イオン交換膜の発電性能と耐久性に関する基礎的知見を報告する。発表で強調すべき興味深い結果は、95Cという高温下において耐久性加速試験(開回路電圧保持試験)により性能を強制的に大きく低下させても、セルのオーム抵抗に全く変化がなかったばかりか、試験後のイオン交換膜に何の化学分解も認められなかったことである。この結果は、本試験のような過酷な作動条件においても膜自体が極めて安定であり、その劣化が性能に影響を与えるほど大きくないことを示している。インピーダンス測定の結果から、電極との接触性低下に由来した分極抵抗の増大が性能低下の主原因であると考えられ、この推測に基づいた電極との接合体の設計指針についても発表では提案したい。
内田 俊介; 佐藤 智徳; 柿沼 永郎*; 宮澤 孝裕*; 佐藤 義之*; Mkel
, K.*
ECS Transactions, 2(25), p.39 - 50, 2007/00
沸騰水型原子炉の1次系における腐食環境は酸素,過酸化水素、もしくはほかの腐食性放射線分解生成種により決定される。共存酸素濃度を最小化した状態で過酸化水素濃度を制御可能な高温高圧水ループ装置を腐食環境における過酸化水素の役割を評価するために作成し、酸素及び過酸化水素を含む高温水中に浸漬させたステンレス鋼の腐食における静的挙動として腐食電位(ECP)を、動的挙動として周波数依存複素インピーダンス(FDCI)を測定した。同時に高温水中において試験片表面に形成される酸化被膜の電気抵抗を測定により同定した。高温水中における測定により、過酸化水素濃度がECP測定とFDCI測定の複合測定により決定可能であることを確認した。この過酸化水素濃度のデータは、原子炉の炉内構造材の応力腐食割れの発生や進展挙動の評価に役に立てることができる。
藤枝 信次*; 寺井 真之*; 西藤 哲史*; 戸田 昭夫*; 三浦 喜直*; Liu, Z.*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; Wilde, M.*; 福谷 克之*
ECS Transactions, 6(3), p.185 - 202, 2007/00
先端CMOSのバイアス温度不安定性に関する著者らの研究成果を招待講演で紹介する。25-nm SiOから1.8-nmプラズマ窒化SiON, 1.6-nm HfSiON high-k, 1.5-nm Ni-full-silicide/HfSiONまでというようにゲートスタックがスケーリングされるにつれ、負/正バイアス温度不安定性の原因として不純物,界面ストイキオメトリ,応力等の新しい化学的・物理的要因が現れてきたことを指摘する。
佐道 泰造*; 上田 公二*; 安藤 裕一郎*; 熊野 守*; 鳴海 一雅; 前田 佳均; 宮尾 正信*
ECS Transactions, 11(6), p.473 - 479, 2007/00
Ge基板上におけるFeSi層のエピタキシャル成長に関するわれわれの研究の最近の進展を報告する。低温(60
200
C)で成長条件を最適化することにより、Ge基板上に原子レベルで平坦な界面を持つFe
Si単結晶層が得られた。この積層構造は400
Cまでの熱処理プロセスでは劣化しないことを確認した。さらに、成長温度が400
Cのときには、Ge基板上にFe
Si, FeGe, FeSiからなる混合層がエピタキシャル成長することを報告し、最後に、Fe
Si/Ge/Fe
Si/Ge積層構造のエピタキシャル成長を議論する。今回の結果は、SiGe関連スピントロニクスへの展開のための強力な手段となるであろう。
熊野 守*; 安藤 裕一郎*; 上田 公二*; 佐道 泰造*; 鳴海 一雅; 前田 佳均; 宮尾 正信*
ECS Transactions, 11(6), p.481 - 485, 2007/00
Ge基板上でのFeSiの分子線エピタキシャル成長(MBE)に対するFe/Si組成比の効果を、広い範囲の成長温度(60
300
C)で調べた。X線回折による観測結果より、Fe
Si層は、Fe/Si組成比が化学量論比(Fe:Si=3:1)であっても非化学量論比(Fe:Si=4:1)であっても、成長温度が60
200
CでGe(111)基板上にエピタキシャル成長することが明らかになった。ラザフォード後方散乱法による観測結果からは、Fe
Si/Ge積層構造の界面における原子レベルのFeとGeのミキシングが、成長温度300
Cで始まることがわかった。組成比が化学量論比(Fe:Si=3:1)のときは、非化学量論比(Fe:Si=4:1)のときに比べてFe
Siの結晶性が著しく向上し、このとき
の値は広い成長温度範囲(60
200
C)で小さくなった。透過型電子顕微鏡による観測の結果、成長温度を低く(
200
C)して化学量論比をとるときに、原子レベルで平坦な界面を持つ高品位のDO3型Fe
Si/Ge積層構造を実現できることが明らかになった。
末光 眞希*; 加藤 篤*; 富樫 秀晃*; 今野 篤史*; 山本 喜久*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 遠田 義晴*; 成田 克*
ECS Transactions, 3(2), p.311 - 316, 2006/00
Si(110)表面の初期熱酸化過程を放射光を活用したリアルタイムX線光電子分光法で調べた。Si(110)表面の初期酸化は酸素ガス導入直後の急激な酸化の存在で特徴付けられる。O1s光電子ピークのピーク分離によると少なくとも二つの独立した酸化サイトの存在が示唆された。それらはSi(110)-162表面の複雑な構造を反映しているようである。
八巻 徹也; 小曾根 雄一; 廣木 章博; 浅野 雅春; 久保田 仁*; 吉田 勝
ECS Transactions, 3(1), p.103 - 112, 2006/00
日本原子力研究開発機構イオン照射施設が保有するサイクロトロン加速器からの重イオンビームを用いて、水電解システムや燃料電池に応用可能なフッ素系高分子電解質膜を作製した。このいわゆるナノ構造制御型電解質膜は、照射後の化学エッチングによって孔径100nmのポリフッ化ビニリデンイオン穿孔膜を作製し、次に得られた細孔への線グラフト重合によりプロトン伝導性基を導入する、という2段階のプロセスで得られた。イオン交換容量を制御した電解質膜では膜厚方向のみに異方的なプロトン伝導性を示したことから、イオンの入射により生成した潜在飛跡に沿って一次元的なプロトン伝導経路が形成されていることが明らかになった。市販膜ナフィオンと比較すると、含水や物質(メタノール)透過の抑制能において優位性が確認できた。