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正木 圭; 児玉 幸三; 森本 将明*; 笹島 唯之; 高橋 昇竜*; 細金 延幸; 西堂 雅博
Fusion Technology 1998, p.67 - 70, 1998/00
W型ダイバータへの改造後初の真空容器内点検が1997年11月に行われた。改造からこの点検までの5ヶ月間で、合計1753ショット行っており、プラズマ電流は最大2.5MA、NB加熱パワーは最大22MW、トロイダル磁場は~4T、ディスラプション回数は270回程度であった。この11月に行われた真空容器内調査の結果、外ダイバータ、外ドーム及びドーム頂部タイルに損耗が見られた。また、外ドームタイル2枚が熱衝撃により破断しているのが確認された。内ダイバータ、内バッフルには付着物(カーボン)が確認されており、特に内ダイバータに厚く堆積していた。この堆積物総重量(内ダイバータのみ)を評価すると、約25gにもなった。しかし、外ダイバータと比較して、内ダイバータには顕著な損耗跡は見られないことから、この堆積物の主な発生源は外ダイバータタイルと思われる。アルミナ溶射絶縁板(シール部)は健全に保たれており、W型形状(構造物)にも変形は見られなかった。
吉田 清; 飯田 文雄*; R.Gallix*; S.Sadakov*; R.Vieira*; J.Stoner*; C.Sborchia*
Fusion Technology 1998, 1, p.807 - 810, 1998/00
ITER用超電導コイルのような巨大なインダクタンスでの地絡や短絡は大事故の可能性がある。そのため、エポキシ樹脂を用いた複合材料である固体電気絶縁を採用した。また、クライオスタットを貫通した給電線の電気絶縁を監視する方法を提案する。
前川 藤夫; 和田 政行*; 池田 裕二郎; U.Moellendorff*; H.Tsige-Tamirat*
Fusion Technology 1998, 2, p.1465 - 1468, 1998/00
IEA国際協力研究のサブタスク「中性子工学」の一環として、d-Be中性子場におけるステンレス鋼-316(ITER仕様)と低放射化フェライト鋼F82Hの放射化積分実験を行った。ドイツ・カールスルーエ研究所のサイクロトロンを用いて19-MeVに加速した重水素ビームをベリリウムターゲットにあて、d-Be反応により生成する中性子を試料に照射した。その後、試料中に生成した誘導放射能を高純度ゲルマニウム検出器で測定した。その結果、ステンレス鋼-316と比較した時のF82H鋼の低放射化特性が実証された。また、生成する誘導放射能をACT4コードとFENDL/A-2.0及びJENDL放射化ファイル、またFISPACTコードとEAFライブラリを用いて計算した。計算結果は実験値と比較的良く一致し、これらのコード及び放射化断面積ライブラリが妥当であることが分かった。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 前川 藤夫; 和田 政行*; 春日井 好己; M.A.Abdou*
Fusion Technology 1998, 2, p.1469 - 1472, 1998/00
ITER R&Dタスクとして、これまでにSS-316,Cu及び黒鉛体系を用いたD-T核融合中性子核発熱実験を実施してきた。得られた実験データを基に、主要構造材料(Be,C,Al,Si,Ti,V,Cr,Fe,Ni,SS-316,Cu,Zr,Nb,Mo,W)の核発熱計算に用いる計算コード及び核データの妥当性を検証し、ITER核設計における不確定性を明らかにした。検討した発熱に直接係わる中性子核データはFENDL-1,2及びJELDL-3.2であった。実験値と計算値を比較した結果、以下のことが示された。(1)黒鉛、Ti,Cr,Ni,Nb及びMoについては全ての計算は概ね妥当である。特に黒鉛については、JENDL/PKA-KERMAファイルが最も良い。(2)Al,Si及びVのFENDL-1に関しては、過大評価が顕著で修正が必要。(3)JENDL-3.2のBeの過小評価、JENDL-3.2及びFENDL-1のWの過大評価については、KERMAデータの再評価が必要である。以上、実験誤差は10%以内であるので本実験解析により有意な計算上の不備と、その原因のほとんどはKERMAデータに問題があることが判明した。
今野 力; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 宇野 喜智; 和田 政行*; 前川 洋; 池田 裕二郎; 竹内 浩
Fusion Technology 1998, 2, p.1263 - 1266, 1998/00
ITERの遮蔽設計計算の妥当性を検証するために、SUS316遮蔽実験、SUS316/水遮蔽実験、ボイド効果実験、超伝導コイル模擬実験を原研FNSで実施した。実験体系は、直径1.2m,厚さ1.2mのテスト領域と厚さ0.2mのSUS316でできた中性子源反射体からできている。テスト領域の物質は実験毎に変更した。テスト領域内の0.91mの深さまで、ほぼ全エネルギーにわたる中性子スペクトル、線スペクトル、様々な反応率、
線発熱率等の実験データを取得した。実験解析は、MCNP-4A,DORT3.1コード及びFENDL/E-1.1,JENDL Fusion Fileライブラリーを用いて行った。その結果、ITERの基本性能段階でのバルク遮蔽設計計算の精度が30%以下であることがわかった。
今野 力; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 宇野 喜智; 春日井 好己; 和田 政行*; 前川 洋; 池田 裕二郎
Fusion Technology 1998, 2, p.1473 - 1476, 1998/00
ITERのブランケットモジュール間のギャップによる中性子のストリーミングがブランケットモジュールとバックプレートの溶接部や超伝導コイルに対する遮蔽性能に及ぼす影響を調べるために、ITERのブランケットモジュール間のギャップを模擬した大型の鉄の実験体系(縦1.6m,横1.4m,奥行き50cm~80cm)を用いたギャップストリーミング実験を原研FNSで行った。中性子のギャップストリーミングにより、14MeV中性子束は最大約20倍増加したが、1MeV以下の中性子束及び線は数10%以下の増加にとどまった。このことから、ギャップストリーミングの影響は
線による核発熱よりも高速中性子によるヘリウム生成、放射線損傷に対し大きいことがわかった。
星 有一*; 片岡 良之*; 伊東 光義*; 堀切 仁*; 小佐野 勝春*; 大川 慶直; 丸山 創; 伊藤 一芳*; V.Tanchuk*; R.Haange*; et al.
Fusion Technology 1998, 2, 4 Pages, 1998/00
ITERではブランケット構造体、ダイバータ等に蓄積されるエネルギーを加圧水を使用して除去する。しかし、システムの沸騰防止、高熱流速機器の除熱機構等の理由からパルス運転中のプロセス量(温度、圧力、流量)の監視ならびに制御が重要な問題になっている。本論文は厳しいプロセス制御巾への要求に答えて、入口温度、系統圧力に対してフィードバック制御系を設計し、これを用いて計画されている標準パルス運転時の制御性について検討したのでその結果について報告する。またITERが実験炉であることを考慮して、想定される標準パルスからの人為的または制御精度によるずれに対して、標準パルスにセットされた制御系がプロセス量をどの程度の範囲に抑えられるかについても検討した。何れの場合も簡単なフィードバック制御系によって、プロセス量を所定の許容変動巾内に制御可能であることが判明した。
片岡 良之*; 伊藤 光義*; 堀切 仁*; 小佐野 勝春*; R.Haange*; Johnson, G.*; 星 有一*; H.W.Bartels*; Y.Petrov*
Fusion Technology 1998, 2, p.1721 - 1724, 1998/00
ITERの真空容器冷却系は、他の冷却系が不動作な場合にも、容器内構造物からの崩壊熱除去を担保する安全系である。この崩壊熱徐去を動的機器に依存しないで達成するため、異常時の自然循環を促進する沸騰管と自然通風冷却の熱交換器を用いた系統構成である。通常時は、ポンプで冷却水を駆動し、真空容器出口側の沸騰管上部に設けた気水分離器の圧力を0.1MPaに制御し、容器入口水温100Cを維持する。異常時の自然循環特性は、1.5MWの熱負荷時に45kg/s、3.0MWの熱負荷時に65kg/sの流量であることを解析的に確認した。また、異常事象発生後3日間で、自然循環のみで、真空容器の温度を約80
Cまで低下させられることを確認した。
原 重充*; 佐藤 聡; 榎枝 幹男; 高津 英幸; 吉田 利司*; 佐藤 克利*; 関根 勝久*
Fusion Technology 1998, 2, p.1333 - 1336, 1998/00
トリチウム増殖材及び中性子増倍材のペブル充填構造及び充填特性の把握は、ペブル充填型増殖ブランケットの開発において、重要課題の一つである。本研究では、増殖ブランケットのペブル充填層を模擬した容器を製作し、これに増殖材模擬ペブル及び増倍材模擬ペブルを加振充填して、そのペブル充填率、増殖材キャンの位置変動及び充填率分布の変化を高エネルギーX線CT装置により測定し、ペブル充填特性を評価した。
秦野 歳久; 黒田 敏公*; 岩立 孝治*; 大崎 敏雄*; 榎枝 幹男; 高津 英幸
Fusion Technology 1998, 1, p.97 - 100, 1998/00
核融合炉内構造物はプラズマ対向壁として銅の熱シンク上にベリリウムアーマを接合することが提案されている。本研究ではアーマと熱シンクの接合において熱間静水圧法(HIP)の適用を試みた。ベリリウムとアルミナ分散強化銅接合体のHIP条件を選定するために行ったスクリーニング試験では、金相観察と機械試験の結果より接合条件としてTi/Cu中間層でHIP温度580CとAl/Ti/Cuの中間層でHIP温度550
Cを選定し、その結果をもとに小型第一壁モックアップを試作した。製作したモックアップは10mm厚さのベリリウムタイル4個と肉厚1mmのステンレスの冷却管をもつ20mm厚さの銅の熱シンクで構成される。HIP後の外観検査よりベリリウムと銅の接合部は健全であった。
井上 多加志; 柴田 圭一郎*; E.DiPietro*; 藤原 幸雄; R.S.Hemsworth*; E.Hodgson*; 飯田 浩正; A.Krylov*; P.L.Mondino*; 奥村 義和; et al.
Fusion Technology 1998, 1, p.411 - 414, 1998/00
ITER EDA開始当初から中性粒子ビーム(NB)システムの放射線解析を行い、適当な遮蔽を組み込んで設計を行ってきた。その結果、(1)超伝導コイルに与える熱負荷は設計許容値以下、(2)クライオスタット内の炉停止後線量は300Sv/h程度であり、緊急時には人のアクセスも可能、(3)絶縁材・永久磁石等機能材料の機械・電気・磁気特性劣化はITERの寿命中には起こらない、ことが判明した。現ITER NBシステム設計の問題点の1つは、高電位(1MV)上におかれるイオン源と加速器を絶縁するガス中に流れる放射線誘導電流(RIC)である。放射線解析の結果、イオン源・加速器周囲の絶縁ガス中で約100kW、高電位給電管中で10kW程度のパワーロスがあることが明らかになった。この結果から、イオン源・加速器周囲の電気絶縁を真空絶縁方式とすること、また給電管中のガスを循環冷却することを提案する。
三浦 友史; 松川 誠; 木村 豊秋
Fusion Technology 1998, 1, p.743 - 746, 1998/00
将来のトカマク型核融合装置には、超伝導磁石システムが不可欠である。これらの超伝導磁石用電源は、プラズマ着火時に高電圧を出力するが、定常時は比較的低電圧で運転されるという特徴をもつ。従来のサイリスタ電源では、電力の力率が低下してしまうため、力率1の運転を実現し、低次の高調波を低減するPWMコンバータが、将来の核融合装置用電源の候補のひとつとして考えられている。そこで、本開発では、スイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いたPWMコンバータを試作し、核融合装置用電源への応用に対する妥当性を検討した。その結果、装置の定格出力200V-500Aを実現し、その基本的性能を確認することができた。また、低電圧出力時の運転では、通流率指令値が小さくなり、アナログ回路によるPWMパターン発生回路では、PWMパターンを適切に発生できないという問題が生じることを明らかにした。
後藤 正宏*; 宇野 三佐子*; 斉藤 正克*; 秦野 歳久
Fusion Technology 1998, 1, p.177 - 180, 1998/00
ブランケット設計において第一壁と遮蔽体はHIP(熱間静水圧)法を用いて接合されることになっている。本研究では、その結合部の破壊挙動評価を目的として弾塑性破壊靱性試験と疲労き裂伝播試験を行い、その結果を報告する。弾塑性破壊靱性試験で、HIP温度の違う3種類の接合材を用いて試験した。試験結果からHIP温度1050Cが最も高い靱性値を示した。これは日本が提案しているブランケットモジュール製作時のHIP温度の妥当性を示した。そのHIP接合材を用いて各種のき裂伝播試験を行い、設計に寄与するデータが得られた。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; H.Liquen*; et al.
Fusion Technology 1998, 1, p.391 - 394, 1998/00
JT-60では、高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動研究を目的として500keV負イオンNBIの開発を進めている。本負イオンNBIは、平成8年3月の装置完成以来、負イオン源、ビームライン、イオン源用高電圧電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めてきた。イオン源単体でのビーム出力として、これまでに水素負イオンビームで360keV、18.5A、重水素で380keV、14.3Aまで得ている。また、JT-60への入射パワーとして重水素中性ビームで5.2MW,350keVを達成している。本報告では、負イオンビーム出力増大のためのイオン源運転パラメータの最適化、及び負イオンNBIの技術的課題の解決策等について発表する。
大森 憲一郎; 薄井 勝富; 大島 克己*; 大賀 徳道; 河合 視己人; 渡邊 和弘; 伊藤 孝雄; 栗山 正明; 小野 要一*; 川島 秀一*
Fusion Technology 1998, 1, 4 Pages, 1998/00
JT-60負イオンNBI装置(N-NBI)は、1996年よりビーム出力の増大を図りながらJT-60プラズマへの入射実験を行っている。これまでの運転において、N-NBIの主要構成機器の一つであるイオン源用電源でもいくつかの問題が発生した。これらの多くは、ビーム出力の増大に伴い発生頻度が増したイオン源におけるブレークダウンが原因であると推定された。そこで、これらに対処するため、加速電源制御系のディジタル制御化改造、フィラメント電源電圧検出回路へのフィルタ増設、あるいは、アーク電源の過電流に対する保護レベルの見直しといった改造が行われた。また、その他の電源においても、ビーム入射の最適化を目指し、いくつかの改造・調整等が実施された。本シンポジウムでは、N-NBIの運転時に電源において発生した問題点、それに対する対処(改造)、そしてその結果について報告する。
三木 信晴*; 伊尾木 公裕*; F.Elio*; 児玉 徹彦*; S.Chiocchio*; D.Williamson*; M.Roccella*; P.Barabaschi*; R.S.Sayer*
Fusion Technology 1998, 2, p.1389 - 1392, 1998/00
本論文では、ブランケットモジュール、バックプレート、ダイバータモジュールの電磁石解析結果をまとめる。プラズマディスラプション時は、約1msの熱消滅に続いて、50~100msの電流消滅が生じる。熱消滅時に、プラズマ中のトロイダル磁束が増加する。この磁束変化により、バックプレート、ダイバータには2.5MAのポロイダル電流が誘起され、約0.7MPaのプラズマ方向電磁力荷重が生じる。電流消滅時には、プラズマ電流は21MAから0に減少し、ポロイダル磁束が変化する。バックプレートには、トロイダル方向渦電流が誘起され、最大0.6MPaの電磁石荷重が生じる。ブランケットモジュールには半径方向とポロイダル方向の2つの渦電流ループが誘起され、2方向の回転トルクが問題となる。VDE(プラズマ上下方向変位事象)時は、約7.4MAのハロー電流が流れ、下側モジュールの電磁力が問題となる。
米川 出; J.Journeaux*; 松本 雄二*
Fusion Technology 1998, 1, 4 Pages, 1998/00
複雑で大規模なITERプラント制御系は、全体を統括制御する上位系と、各々のプラントを制御する下位レベル制御系の階層構成を採る。このような大規模系においてはその制御系の設計、運転など、統一された思想、及び手法を取り入れることが重要である。この考え方を実現するための手法の一つとして、国際的な基準(IEC標準)で定められたSFC(Sequential Function Chart)を用いて、各制御系の設計を行うこととした。このSFCによる記述形式を用いて、各プラントの運転手順を記述することにより、各プラントの定常的な運転状態を、それを表わすパラメータと共に定義し、複数の定常運転状態間の遷移と、それに必要な動作、及び制御系を明確化できた。本報告では、その結果と、現在の制御系の設計の進展状況を報告する。
佐藤 和義; 鈴木 哲; 江里 幸一郎*; 中村 和幸; 荒木 政則; 秋場 真人
Fusion Technology 1998, p.109 - 112, 1998/00
原研におけるITERプラズマ対向機器、特に、ダイバータ板の開発の成果について報告する。ITER7大R&Dプロジェクトの1つとなっているダイバータ板の開発は、ITERを実現する上で最重要項目の1つであり、参加各極の協力のもと精力的に開発が進められている。今回は、特に、実規模大のダイバータ試験体の製作及びイオンビームによる加熱試験の結果について報告する。試験体は設計寸法と同等の1.3m長であり、高熱負荷部には除熱性能と熱応力抑制効果の高い鞍型のCFCタイルを有し、高スパッタリング領域にはタングテスンを使用している。この内、特にタングステンについては、接合部の応力を緩和するため5mm厚さのCVDタングステンをコーティングした。イオンビームによる加熱試験を実施した結果、ITERの定常熱負荷条件(5MW/m,1000回)に耐えることを実証しタングステン接合の見通しを得た。
高橋 幸司; 坂本 慶司; 春日井 敦; 恒岡 まさき; 池田 幸治; 今井 剛; 假家 強*; 満仲 義加*
Fusion Technology 1998, 1, p.415 - 418, 1998/00
最近、高周波伝送時の誘電損失が従来の窓材と同レベル、あるいは最大1/10以下、高熱伝導率(1800W/m/K)のCVDダイアモンドで大口径ディスク製作が可能となり、そのダイアモンド(周辺水冷却)搭載の170GHz大電力ジャイロトロンを開発し実験を行い、0.52MW-6.2sec,0.45MW-8.0secの発振に成功した。また、0.52MW-6.2sec時の窓の中心温度は150Cまで上昇したが、その上昇は飽和状態にあり、周辺冷却で除熱可能ということを実験的に確かめ、1MW、cwジャイロトロン開発に向け大きく進歩した。また、D-T炉用ECH/ECCDシステムでは、安全上、真空及びトリチウム隔壁が必要で、真空窓及びゲートバルブがその役目を担う。ITERでは0.5MPaの圧力上昇に耐え得る隔壁の設計が要求されており、そのデータベース蓄積を目的とした真空窓(黒ダイアディスク)の圧力破壊試験を行った。ディスク厚0.8mm、有効径71mmで破壊圧力0.474MPaという結果が得られた。実際の窓の厚さ、有効径はそれぞれ2mm、50mm程度であり、隔壁の設計条件を満たすことが期待できる。
宇田 実*; 石塚 悦男; 佐藤 和義; 秋場 真人; 山村 千明*; 竹林 修市*; 河村 弘
Fusion Technology 1998, 1, p.161 - 164, 1998/00
核融合炉のプラズマ対向材の候補である炭素繊維強化炭素複合材(CFC材)は、これまで熱衝撃試験の中性子照射データが取得されていない。このため、JMTRホットラボ内に設置したインセル加熱試験装置(OHBIS)を用いて、中性子照射したCFC材の熱衝撃試験を行った。試験の熱衝撃エネルギーは、ディスラプション時に対向材へ吸収される量に相当する20MJ/mである。試験の結果、損耗重量は中性子照射量の増加とともにほぼ直線的に増加し、5.6
10
n/cm
(照射温度283
C)で照射した2次元CFC材に500MW/m
40msの熱衝撃を与えた場合の損耗重量は、未照射材の約2倍になること、及び損耗深さは中性子照射量の増加とともに微増することが明らかとなった。これは中性子照射による熱伝導率の低下が試料の加熱部分を拡大させたことにより、損耗重量及び深さが増加したと考えられる。