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論文

Evaluation of multiaxial low cycle creep-fatigue life for Mod.9Cr-1Mo steel under non-proportional loading

中山 雄太*; 小川 文男*; 旭吉 雅健*; 橋立 竜太; 若井 隆純; 伊藤 隆基*

ISIJ International, 61(8), p.2299 - 2304, 2021/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

高温において多軸負荷を受ける改良9Cr-1Mo鋼のクリープ疲労強度について述べる。中空円筒試験片を用いて、さまざまなひずみ波形での低サイクル疲労試験を実施した。低サイクル疲労試験は、軸ひずみを固定した比例負荷と、軸ひずみとせん断ひずみの位相差が90度の非比例負荷の下で実施した。応力緩和とひずみ保持が破壊寿命に及ぼす影響を検討するために、さまざまなひずみ速度での低サイクル疲労試験とさまざまな保持時間でのクリープ疲労試験も実施した。2種類の多軸クリープ疲労寿命評価方法を提案した。第一の方法は、非比例負荷係数とクリープ損傷を考慮したマンソンのユニバーサルスロープ法を使用してひずみ範囲を計算する。第二の方法は、線形損傷則を用いて非比例負荷係数を考慮して疲労損傷を計算し、修正延性損耗則からクリープ損傷を計算する。第二の方法は精度が優れ、第一の方法はそれより精度は劣るが、実用性が高い。

論文

Hydrogen permeation property of bulk cementite

足立 望*; 上野 春喜*; 尾上 勝彦*; 諸岡 聡; 戸高 義一*

ISIJ International, 61(8), p.2320 - 2322, 2021/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

This study investigated the hydrogen permeation property of cementite by fabricating bulk cementite sample using the process combining the mechanical ball milling and subsequent pulse current sintering. The bulk cementite sample having a 96 vol% of cementite was successfully fabricated. The prepared bulk cementite showed no signal of hydrogen permeation during the 3.5 day of electrochemical hydrogen permeation test. The morphology of blister formed in the sample indicated that diffusion coefficient of hydrogen in cementite is very small.

論文

Hydrogen absorption mechanism into iron in aqueous solution including metal cations by laser ablation tests and first-principles calculations

五十嵐 誉廣; 大谷 恭平; 加藤 千明; 坂入 正敏*; 富樫 侑介*; 馬場 和彦*; 高木 周作*

ISIJ International, 61(4), p.1085 - 1090, 2021/04

水溶液中の金属カチオン(Zn$$^{2+}$$, Mg$$^{2+}$$, Na$$^{+}$$)が鉄への水素透過に及ぼす影響を明らかにするために、鉄表面からの水素透過量をレーザーアブレーションを用いた電気化学試験により測定した。また、金属カチオンによる水素透過の基本的なメカニズムを得るために、第一原理計算を使用して金属カチオンの吸着ポテンシャルと鉄表面周辺の電子状態を取得した。実験解析から、溶液中のZn$$^{2+}$$によって鉄表面の陽極反応が抑制されることがわかった。また量子解析から、ZnイオンはNa, Mgイオンよりも鉄表面に強く結合することがわかった。これより、鉄の溶解反応はZn層の形成により抑制され鉄への水素透過の抑制につながることが示唆された。

論文

Relation between intergranular stress of austenite and martensitic transformation in TRIP steels revealed by neutron diffraction

Harjo, S.; 川崎 卓郎; 土田 紀之*; 諸岡 聡; Gong, W.*

ISIJ International, 61(2), p.648 - 656, 2021/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

${it In situ}$ neutron diffraction measurements of two low-alloy steels and a 304-type stainless steel during tensile and creep tests were performed at room temperature. Changes in the diffraction pattern, the integrated peak intensities of austenite ($$gamma$$), and the peak positions of $$gamma$$ were analyzed and discussed to elucidate the relationship between intergranular stress in $$gamma$$ and the occurrence of martensitic transformation during deformation. Tensile loading experiments revealed that the susceptibility to martensitic transformation depended on the $$gamma$$-(hkl) grains, where $$gamma$$-(111) grains underwent martensitic transformation at the latest. The $$gamma$$-hkl dependence of the susceptibility to martensitic transformation was found to be controlled by the shear stress levels in $$gamma$$-(hkl) grains, which were affected by the intergranular stress partitioning during deformation.

論文

Mechanism of improved ductility of 1500 MPa-class ultra-high strength cold-rolled steel sheet produced by rolling and partitioning method

細谷 佳弘*; 松村 雄太*; 友田 陽*; 小貫 祐介*; Harjo, S.

ISIJ International, 60(9), p.2097 - 2106, 2020/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:26.63(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

In this paper, the microstructure formation during the R&P process and the deformation mechanism that would bring about the excellent strength-ductility balance are discussed based on the results obtained from the in situ neutron diffraction measurement. The results have revealed that the typical Luders-like stress-strain curve of R&P steel is caused by competitive plastic flow between austenite and martensite, and an effective transformation induced plasticity phenomenon.

論文

Role of metal cations on corrosion of coated steel substrate in model aqueous layer

Islam, M. S.*; 大谷 恭平; 坂入 正敏*

ISIJ International, 58(9), p.1616 - 1622, 2018/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.45(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

亜鉛めっき鋼板の腐食挙動には溶出した亜鉛イオンが寄与していると考えられるため、炭素鋼の腐食に及ぼす亜鉛イオンの影響および他の金属カチオンの影響を浸漬腐食試験および電気化学的手法を用いて調査した。浸漬腐食試験で得られた外観写真や質量変化から実験に用いたNa$$^{+}$$, Mg$$^{2+}$$, Zn$$^{2+}$$, Al$$^{3+}$$のなかで亜鉛は最も炭素鋼の防食に寄与することがわかった。XPS測定より亜鉛イオンは鋼の表面に結合していることが分かり、更に電気化学インピーダンス測定から亜鉛イオンが溶液に存在していると炭素鋼の腐食抵抗が大きくなるため耐食性の高い表面状態になっていることがわかった。実験結果より、亜鉛イオンは炭素鋼表面に亜鉛の金属カチオン層を形成して塩化物イオンによる攻撃を防いでいたと推察できる。すなわち、亜鉛めっき鋼板の防食作用は犠牲防食だけでなく溶出した亜鉛イオンによる防食作用も大きく寄与していると考えられる。

論文

Distribution and anisotropy of dislocations in cold-drawn pearlitic steel wires analyzed using micro-beam X-ray diffraction

佐藤 成男*; 菖蒲 敬久; 佐藤 こずえ*; 小川 博美*; 我妻 一昭*; 熊谷 正芳*; 今福 宗行*; 田代 仁*; 鈴木 茂*

ISIJ International, 55(7), p.1432 - 1438, 2015/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:51.23(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

冷間延伸されたパーライト鋼ワイヤにおける転位の分布および異方性を特徴付けるために、X線回折線プロファイル解析をシンクロトロン放射マイクロビームを用いて行った。一般に、塑性せん断ひずみはワイヤの中心よりも表面近くでより激しかったが、中心から表面まで転位密度分布はほぼ一定であった。一方、転位の再配列は、転位の細胞構造を進化させ、表面に近づくほど進んだ。異方性転位密度によって、軸方向および横断方向の硬さの差異が説明できることも明らかになった。高温での回折データに基づく線プロファイル解析を行った。セメンタイトの回収率は一定の速度で進行したが、フェライト相の回収率は温度依存性を示し、フェライト相の回収率はセメンタイト相の回収率とはあまり関係していなかった。

論文

Process evaluation of use of High Temperature Gas-cooled Reactors to an ironmaking system based on Active Carbon Recycling Energy System

林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎

ISIJ International, 55(2), p.348 - 358, 2015/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:34.67(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価により、iACRESへの高温ガス炉(HTGR)の適用性を評価した。高温電解で高炉ガス中のCO$$_{2}$$をCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したH$$_{2}$$による逆シフト反応でCO$$_{2}$$をCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。逆シフト反応で消費されない分のH$$_{2}$$が高炉で鉄源の還元に使われたことが、RWGSシステムの方が原料炭節約とCO$$_{2}$$排出削減への効果が大きくなった原因であった。どの機器の改良がHTGR熱の効率的利用のために有用化を示すために、HTGR, SOEC, RWGSの熱収支解析を行った。SOECについては、ジュール熱の削減のためにCO$$_{2}$$電解温度の最適化が求められ、RWGSについては高いISプロセス水素製造効率が要求された。HTGR単位熱量当たりCO$$_{2}$$排出削減量の比較から、SOECシステムの方がより効率よくHTGR熱を利用できることが示された。

論文

Quantitative evaluation of CO$$_{2}$$ emission reduction of active carbon recycling energy system for ironmaking by modeling with Aspen Plus

鈴木 克樹*; 林 健太郎*; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; 笠原 清司

ISIJ International, 55(2), p.340 - 347, 2015/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:43.85(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

製鉄におけるCO$$_{2}$$排出量削減のために炭素循環製鉄(iACRES)が提案された。iACRESの効果を定量的に評価するために、化学プロセスシミュレータAspen PlusによりiACRESのプロセスフローモデルを作成し、熱物質収支からCO$$_{2}$$排出量とエクセルギー収支の解析を行った。高温ガス炉(HTGR)のエクセルギーを用いた固体酸化物電解(SOEC)と逆シフト反応をCO再生法として想定し、SOECではCO$$_{2}$$回収貯蔵の有無も考慮した。iACRESによってCO、H$$_{2}$$が高炉に循環されたことによりCO$$_{2}$$排出量は3-11%削減されたが、CO再生のためにHTGRからのエクセルギーを投入したためエクセルギー有効率は1-7%低下した。

論文

Numerical analysis of influence of hydrogen charging method on thermal desorption spectra for pre-strained high-strength steel

海老原 健一; 岩本 隆*; 松原 幸生*; 山田 紘樹*; 岡村 司*; 漆原 亘*; 大村 朋彦*

ISIJ International, 54(1), p.153 - 159, 2014/01

 被引用回数:10 パーセンタイル:53.03(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

応力腐食割れの原因の1つである水素脆化の機構の理解には、鋼材中における水素の偏析位置(水素存在状態)を同定する必要がある。鋼材試料の一定割合での加熱で脱離する水素の量と試料温度との関係である水素熱脱離曲線は、水素存在状態を同定する有効なデータである。本論文では、実験室でよく用いる方法と実環境での水素侵入を模擬した方法の2通りで予ひずみを与えた高強度鋼に水素を添加した場合、両者の間で見られる水素熱脱離曲線の違いを数値解析で考察した。その結果、両者の違いは添加水素量による初期水素分布の違いに起因することが分かった。また、添加水素量が少ない場合、熱脱離曲線が初期水素分布に影響されやすいことが分かった。尚、本研究は、日本鉄鋼協会における「水素脆化研究の基盤構築」研究会(2009年-2013年)において実施された。

論文

Static tensile deformation behavior of a lean duplex stainless steel studied by in situ neutron diffraction and synchrotron radiation white X-rays

土田 紀之*; 川畑 拓司*; 石丸 栄一郎*; 高橋 明彦*; 鈴木 裕士; 菖蒲 敬久

ISIJ International, 53(7), p.1260 - 1267, 2013/07

 被引用回数:17 パーセンタイル:68.86(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

二相ステンレス鋼の引張変形挙動を明らかにするため、中性子と放射光白色X線を利用したその場測定を行った。放射光白色X線の結果から、引張変形中でS32101の硬い相がフェライトからオーステナイトに変化した。これはより大きな力により後半の相へ変化したためであるといえる。中性子実験からは、S32101中のより高い応力下での$$gamma$$相の応力分配が見つかった。ゆえに、S32101中の加工硬化率は$$gamma$$相と$$alpha$$相の応力分配により説明することができる。

論文

Development of high chromium steel for fast breeder reactors with high-temperature strength, ductility, and microstructural stabilit

鬼澤 高志; 浅山 泰; 菊地 賢司*

ISIJ International, 53(6), p.1081 - 1088, 2013/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:26.28(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究は、V, Nb添加量を調整した高クロム鋼に対して、クリープ試験を実施し、FBR使用条件(最高使用温度550$$^{circ}$$Cで約50万時間)におけるクリープ特性とV, Nbそれぞれの関係を明らかにした。また、特にMX粒子やZ相に着目した組織観察・分析により長時間クリープで生じる強度低下の原因を考察し、FBR用高クロム鋼に最適なV, Nb添加量を提示した。

論文

Effect of oxidation state of iron ions on the viscosity of alkali silicate melts

大杉 武史; 助永 壮平*; 稲富 陽介*; 権田 義明*; 齊藤 敬高*; 中島 邦彦*

ISIJ International, 53(2), p.185 - 190, 2013/02

 被引用回数:15 パーセンタイル:66.82(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

鉄イオンの酸化状態の違いによって引き起こされる粘性の変化を理解することは、溶融スラグに関係するシミュレーションや鉄含有シリケート融体の構造を理解する上で重要である。しかしながらこれらの粘性変化はいまだよくわかっていない。そこで酸素分圧を変化させることでFeイオンの酸化状態を変化させながらR$$_{2}$$O-SiO$$_{2}$$-FexO(R=Li, Na, K)の粘性を1773Kで測定した。鉄イオンの酸化状態だけでなく、Fe$$^{3+}$$の配位構造も粘性を考える上で重要であることを示した。

論文

Flow sheet model evaluation of nuclear hydrogen steelmaking processes with VHTR-IS (Very High Temperature Reactor and Iodine-Sulfur process)

笠原 清司; 稲垣 嘉之; 小川 益郎

ISIJ International, 52(8), p.1409 - 1419, 2012/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.38(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

VHTR-IS(超高温ガス炉-ISプロセス)による原子力水素還元製鉄プロセスのフローシートモデル解析を行った。評価対象は投入熱量とCO$$_{2}$$排出量である。原料製造,輸送,発電を含めた原子力水素還元製鉄(NHS)プロセスの投入熱量は28.4GJ/t-HQS(高品位鋼)であリ、この値は高炉製鉄(BFS)プロセスの17.6GJ/t-HQSより大きい値であった。効率化のために、水素消費量の削減と電気炉投入電力量の低減が求められる。原子力水素部分還元製鉄(NHPRS)プロセスの投入熱量は31.9GJ/t-HQSであり、部分還元鉱石の還元率と、高炉投入割合の最適化が必要になる。NHPRS, NHSのCO$$_{2}$$排出量はBFSの50%, 9%であった。還元物質が石炭から水素に変わったことと、原料輸送量が低減されたことで、CO$$_{2}$$排出量が削減された。製鉄規模を100万t/年にそろえたとき、NHSはBFSやMidrex法製鉄に近い製鉄コストであった。特に、原料コストが高価なとき、NHSが有利となった。

論文

Merit assessment of nuclear hydrogen steelmaking with very high temperature reactor

稲垣 嘉之; 笠原 清司; 小川 益郎

ISIJ International, 52(8), p.1420 - 1426, 2012/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:14.29(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

製鉄プロセスのCO$$_{2}$$排出削減に有効と考えられる超高温ガス炉を用いた原子力水素製鉄について、そのメリットを評価した。原子力水素製鉄プロセスは、原子力水素製造プロセスと水素還元製鉄プロセスから構成され、水素製造は、超高温ガス炉から供給される高温熱で水を分解するISプロセスで行われる。超高温ガス炉は、他の炉型に比較して優れた安全性を有しており、電源喪失により冷却材の流れが停止しても、原子炉圧力容器の外部から熱放射や自然対流で炉心を冷却して原子炉を安全に停止できる。したがって、製鉄プラントの近傍に超高温ガス炉を設置して、鉄鉱石の還元を行うシャフト炉へ直接水素を供給することができる。この原子力水素製鉄により、既存の高炉による製鉄プロセスに対してCO$$_{2}$$排出量を約9%まで大幅に低減するとともに、経済性が既存の高炉やシャフト炉に競合可能であることを明らかにした。

論文

Numerical modeling of thermal desorption spectra of hydrogen; A Review of thermal desorption models

海老原 健一; 蕪木 英雄

ISIJ International, 52(2), p.181 - 186, 2012/02

 被引用回数:15 パーセンタイル:41.67(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

原子炉やその他の構造材等の水素脆化研究において、鋼材中の水素存在状態の同定は必要不可欠である。水素存在状態の同定には、昇温脱離分析によって得られる、一定割合で熱せられた試料からの放出水素量と試料温度との関係である水素熱放出曲線が有用であるが、放出曲線には、試料の大きさ,昇温速度,水素拡散の速度,欠陥による水素のトラップ効果などのさまざまな因子が影響するため、水素放出過程のモデル化が必要となる。本論文では、水素放出曲線を数値的に再現できる既存のモデルを、水素放出の律速条件によって分類し、モデルの歴史的背景を含めて概観した。またそれぞれのモデルの適用範囲についても言及した。

論文

Enhanced lattice defect formation associated with hydrogen and hydrogen embrittlement under elastic stress of a tempered martensitic steel

土信田 知樹*; 鈴木 啓史*; 高井 健一*; 大島 永康*; 平出 哲也

ISIJ International, 52(2), p.198 - 207, 2012/02

 被引用回数:45 パーセンタイル:91.61(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

欠陥のプローブとして、水素昇温脱離と陽電子プローブマイクロアナライザーを用い、弾性応力下における焼戻マルテンサイト鋼中における水素の挙動、及び水素による格子欠陥成長を、転位と空孔に関して明らかにした。水素脆化に及ぼす、水素による格子欠陥成長の影響についても調べた。水素存在下では、弾性応力範囲内においても、格子欠陥量は応力を負荷している時間とともにゆっくりと増大し、試料は脆性破壊する。弾性応力下でも、転位と水素の相互作用によって空孔が導入され、延性低下し、その影響は水素が抜けた後でも残存すると考えられる。以上のことから水素脆化において空孔の形成と蓄積が重要な要因であると結論できる。

論文

A Numerical study on the validity of the local equilibrium hypothesis in modeling hydrogen thermal desorption spectra

海老原 健一; 蕪木 英雄; 鈴土 知明; 高井 健一*

ISIJ International, 49(12), p.1907 - 1913, 2009/12

 被引用回数:23 パーセンタイル:74.51(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

水素熱放出スペクトルを解析する異なる数値モデルについて、モデルにおける局所平衡仮説の採用に注目し、系統的なベンチマーク研究を行った。この結果、局所平衡仮説を取り入れたモデルは、実験で得られる純鉄の薄い試料片の水素熱放出スペクトルの振る舞いを予測することができず、拡張した質量保存方程式の直接数値解法が、唯一予測可能な方法であることが明らかとなった。

論文

Modeling of hydrogen thermal desorption profile of pure iron and eutectoid steel

海老原 健一; 鈴土 知明; 蕪木 英雄; 高井 健一*; 竹林 重人*

ISIJ International, 47(8), p.1131 - 1140, 2007/08

 被引用回数:20 パーセンタイル:72.79(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

昇温脱離解析(TDA)では、水素を含む試料をある一定の割合で加熱することによって、温度と水素放出量の関係を表す水素放出プロファイルが得られる。このプロファイルから、試料内の水素のトラッピングサイト、例えば、転位や空孔,相界面の量を見積ることができる。われわれは、TDAによって得られた純鉄と共析鋼に対する水素放出プロファイルを再現する数値モデルを開発した。このモデルは、水素拡散項を除いたMcNabbとFosterの式(レイト方程式の一種)と、水素のトラップ状態を記述するOrianiの局所平衡理論を用いて作られている。開発した数値モデルは、純鉄と共析鋼の水素放出プロファイルをうまく再現した。さらに、水素のトラッピングサイトの密度及び水素拡散の影響を考察することによってモデルの検証を行った。

論文

Macroscopic stress measurements by neutron diffraction and the part played by the "stress-free" reference

Holden, T. M.*; 鈴木 裕士; Carr, D. G.*

ISIJ International, 46(7), p.959 - 965, 2006/07

 被引用回数:11 パーセンタイル:39.22(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

ここ10年の間に、中性子回折法により測定した格子ひずみから巨視応力を計算する方法について研究開発が行われてきた。ある回折について測定した格子ひずみには、巨視応力場に一致する応力成分だけでなく、第二種あるいは粒内応力に一致する応力成分が含まれている。後者は不均一塑性変形に起因して発生し、方位の異なる結晶粒ごとに異なる格子ひずみを示す。この第二種応力成分を把握する手段には、測定試料の応力分布場よりも小さい領域からクーポン試料を切り出す方法がある。クーポン試料を切り出すことにより巨視応力場は除去されるが、結晶粒スケール程度の粒内応力場や組織変化状態は変化しない。したがって、クーポンを切り出す前の試料とクーポン試料の格子面間隔を比較することで、巨視応力に関連した格子ひずみを求めることが可能となる。粒内ひずみ(応力)及び巨視ひずみ(応力)が重畳した例として、曲げ蒸気発生配管や変形圧力配管について解説した。溶接試料においても、冷却過程において塑性変形が発生することがある。さらに、溶融に伴い、微視構造や組成が変化することもある。そのため、溶接部近傍では、測定位置ごとにクーポン試料を作製して標準格子定数を明らかにする必要がある。ここでは、オーステナイト系ステンレス鋼やZr合金溶接試料を例に挙げて解説した。

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