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Constantini, J.-M.*; Seo, P.*; 安田 和弘*; Bhuian, AKM S. I.*; 小川 達彦; Gourier, D.*
Journal of Luminescence, 226, p.117379_1 - 117379_10, 2020/10
被引用回数:9 パーセンタイル:51.05(Optics)カソードルミネッセンスは結晶中の格子欠陥の検知に利用されているが、その強度の入射電子線エネルギーに対する依存性が試料温度によって異なることが示唆されており、測定結果の定量的な解釈の妨げとなっていた。本研究では、77Kと300KのCeO
試料へ400-1250keVの電子線を照射して酸素原子欠陥を作り、光ファイバープローブとCCDを組み合わせた検出器でルミネッセンスに由来する発光を観測し、さらにPHITSなどによる計算結果との比較により、発光強度変化の原因を解析した。その結果、300Kの試料での発光強度は電子線のエネルギーが600keV付近で最大となり、その前後で低下することが確認できた。その理由として、電子のエネルギー上昇に伴って欠陥生成効率が上昇する一方、電子のエネルギーが高すぎると電子が試料を貫通して、ルミネッセンスに寄与する電子が不足することが判明した。一方、77Kの試料では、発光強度は電子線のエネルギー上昇に対して一貫して増加することが明らかになった。これは、常温ではイオン化している不純物が低温環境では電子と結合し、入射電子エネルギー増加に従って強度が増すルミネッセンスに寄与するためと判明した。以上のように、カソードルミネッセンスを用いた欠陥の検知において、試料の温度等を考慮する必要があることを明らかにした。
Constantini, J.-M.*; 小川 達彦; Bhuian, A. S. I.*; 安田 和弘*
Journal of Luminescence, 208, p.108 - 118, 2019/04
被引用回数:5 パーセンタイル:30.51(Optics)カソードルミネッセンスは結晶中の格子欠陥の検知に利用されており、特に酸化物材料で電子線照射による酸素原子欠陥の定量に多くの適用例がある。しかし、カソードルミネッセンスが試料温度、入射電子のフラックス、エネルギーの各影響因子にどのように依存するかは明らかでなく、測定結果の定量的な解釈の妨げとなっていた。本研究では、単結晶のAl
O
, ZrO
:Y(イットリウム安定化ジルコニア), MgAl
O
, TiO
の4試料に400-1250keVの電子線を照射して酸素原子欠陥を作り、光ファイバープローブとCCDを組み合わせた検出器でカソードルミネッセンスに由来する発光を観測した。試料温度に対する発光強度の依存性はキャリアのトラッピング頻度と蛍光効率が影響し、入射電子フラックスに対しては、蛍光センターの生成・消滅速度に依存することを明らかにした。入射電子エネルギーに対する依存性について、放射線輸送計算コードPHITSで二次電子線エネルギースペクトルを計算したところ、欠陥生成に有効なエネルギー範囲の二次電子生成量によって説明できることが明らかになった。
越水 正典*; 岩松 和宏*; 田口 光正; 倉島 俊; 木村 敦; 柳田 健之*; 藤本 裕*; 渡辺 賢一*; 浅井 圭介*
Journal of Luminescence, 169(Part B), p.678 - 681, 2016/01
被引用回数:29 パーセンタイル:80.18(Optics)TIARAのAVFサイクロトロンを用いてパルスイオンビームを発生し、Liガラスシンチレータ(GS20)の発光を計測した。20MeV H
, 50MeV He
,および220MeV C
を照射した結果、400nm付近に、発光中心としてドープされているCe
イオンの5d-4f遷移に帰属されるバンドが観測された。発光のタイムプロファイル計測では、20MeV H
では顕著に立ち上がりが遅く、高LETほど立ち上がりが速くなった。一方、減衰挙動には顕著な相違はなかった。これは、高密度エネルギー付与によって誘起された励起状態間相互作用によって、ホストガラスからCe
へのエネルギー移動過程が促進されたことが原因と考えられる。
and KY
F
Wells, J. P.*; 杉山 僚; Han, T. P. J.*; Gallagher, H. G.*
Journal of Luminescence, 87-89, p.1029 - 1031, 2000/05
被引用回数:10 パーセンタイル:47.11(Optics)サイト選択によるレーザー誘起蛍光分光法を、サマリウム元素をドープしたLiYF
とKY
F
結晶に適用し、母結晶の違いによる分光特性の変化を測定した。LiYF
母結晶の場合には、ほとんどのサマリウム元素が3価のイオンとしてS
対称のイットリウムのサイトに置換されることが確認された。これに対して、KY
F
母結晶の場合には、3価のイオンとして置換される予想とは大幅に異なり、ほとんど2価のイオンとしてC
に近似したイットリウムのサイトに置換されることが測定された。これは、フッ素イオンの欠損による電荷補償効果によって、通常の結晶育成法においても形成されることを示す。さらにKY
F
母結晶の場合には、150K以下の低温状態において
D
第一励起準位を介在した2光子吸収により上準位へ励起された後に、
D
、
D
、
D
準位から基底準位へのアップコンバージョン(500~625nm)光を初めて観測した。
F
doped with samariumWells, T. P. R.*; 杉山 僚; Han, T. P. J.*; Gallagher, H. G.*
Journal of Luminescence, 85, p.91 - 102, 1999/00
被引用回数:31 パーセンタイル:77.71(Optics)アルゴンガス雰囲気ブリッジマン炉によりサマリウム元素(Sm)を添加したKY
F
レーザー結晶を育成したところ、予想に反して無色透明であるはずの結晶が黄色を帯びていた。これを解明するためにサイト選択レーザー分光法を用いて結晶の分光特性を測定した結果、SmはY(イットリア)のサイトに3価だけではなく2価のイオンとして置換されていることが明らかになった。Sm
については、46本の遷移レベル(4f)の結晶場解析からSm
はC
の対称性を持つYと同様の位置に配位することが示された。一方Sm
については、156本の遷移レベル(4f
-4f
5d)を同定した結果、3つの異なるサイトを占有してYの位置からずれた場所にフッ素イオンの欠損により電荷補償された状態で配位することを指摘した。さらに、Sm
の遷移では150K以下の低温領域で、5Dの各レベルを介在したアップコンバージョンが起こることを観測した。