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論文

流路長の長い矩形スリットのコンダクタンス測定

荻原 徳男; 引地 裕輔*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計; 吉田 肇*; 新井 健太*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 60(12), p.475 - 480, 2017/12

In order to achieve stable operation of J-PARC accelerator, we studied the conductance of a slit used for a gas sheet monitor. The flow rate of a rarefied gas through a long rectangular channel with a very small height (H) to width (W) ratio was experimentally investigated using N$$_{2}$$ and Ar for the wide range of the Knudsen number Kn, which is defined as a ratio of H to the mean free path. Here the dimensions of the channel are as follows: H=0.1 mm, W=50 mm, and the length L=100 mm. The conductance, which is proportional to the dimensionless flow rate, decreases from the value in free-molecular regime and reaches the Knudsen minimum at Kn $$sim$$ 1.2, as the inlet gas pressure increases. Then, assuming fully developed gas flow, the reduced flow rate G has been estimated as a function of the local rarefaction parameter using the experimental data.

論文

J-PARC RCS入射ビーム荷電変換用薄膜の昇温脱離特性

神谷 潤一郎; 金正 倫計; 山崎 良雄; 吉本 政弘; 柳橋 亨*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 60(12), p.484 - 489, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおいては、入射ビームと周回ビームのマッチングをとるためにマルチターンH$$^{-}$$入射方式を用いている。この方式は、リニアックからのH$$^{-}$$ビームの2つの電子を入射点の薄膜を通過することでストリップし、残った陽子を周回させ次のバンチと合わせることでビームの大強度化を図るものである。入射点にはカーボン薄膜があり、ビームのエネルギーロスによりフォイルは発熱し、放出ガスを発生する。そのためこの薄膜の放出ガス特性を調査することは、ビームラインを超高真空に保ちビームと残留ガスによるビーム損失を低減することにつながるため、加速器の安定運転維持に必須である。本調査では、フォイル発熱時の放出ガスを昇温脱離分析により測定した。試料として実際に3GeVシンクロトロンで用いているもしくは候補である数種のフォイルを用いた。その結果、PVD蒸着薄膜は多層グラフェン薄膜に比べ放出ガスが多く、特に低温での水蒸気成分が多いことがわかった。講演では、各種カーボンフォイルの昇温脱離分析結果及び加速器安定運転のための実機フォイルの脱ガス処理の展望について述べる。

論文

Vacuum technologies in high-power proton accelerators

神谷 潤一郎

Journal of the Vacuum Society of Japan, 59(8), p.213 - 221, 2016/08

従来の加速器における真空システムの役割は、ビームと残留分子の相互作用によるビームロスを引き起こさないために、ビームラインを十分に低い圧力に保つことである。大強度陽子ビーム加速器においては、大口径・大容積のビームラインをそのような低い圧力に保つこと自体が大きな開発要素である。加えて、大強度ビームを起因とする付加的ガス放出を抑えるための処理、さらに耐放射線性、低放射化性能をもつ機器等は、大強度陽子ビーム加速器に特徴的な開発要素である。J-PARC 3GeVシンクロトロンは世界的にも最大級のビームパワーを出力する陽子ビーム加速器であり、そのような開発を真空システムへ適用し、安定したビーム供給を実現している。本報告では、J-PARC 3GeVシンクロトロンの設計思想、及びそれに基づいて開発された構成機器と真空システムの性能等を通して、最新の陽子シンクロトロンにおける超高真空システムを総覧することを目的とする。

論文

ガスシートを用いた電子ビームの検出

荻原 徳男; 引地 裕輔; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 59(4), p.79 - 82, 2016/04

In order to demonstrate the function of the gas sheet for measuring the 2 dimensional profiles of the accelerated beams, the following experiments were carried out: (1) The gas sheet with a thickness of 1.5 mm and the density of 2$$times$$10$$^{-4}$$ Pa was generated by the combination of the deep slit and the thin slit. Here, the gas sheet was produced by the deep slit, and the shape of the sheet was improved by the thin slit. (2) For the electron beam of 30 keV with a diameter greater than 0.35 mm, the position and the two-dimensional profiles were well measured using the gas sheet.

論文

全反射高速陽電子回折法(TRHEPD)による最表面構造解析

深谷 有喜

Journal of the Vacuum Society of Japan, 59(2), p.35 - 39, 2016/02

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)は、物質表面で起こる陽電子の全反射現象を利用した表面敏感な構造解析手法である。陽電子に対する物質のポテンシャルは電子とは逆のプラスとなるため、陽電子ビームを物質表面にすれすれの角度で入射させると全反射が起こる。全反射条件下での陽電子ビームの侵入深さは数${AA}$程度であるため、全反射した陽電子ビームは物質の最表面のみの情報を含む。また全反射の臨界角をわずかに超えた視射角で入射した場合、陽電子ビームは表面直下まで侵入することができる。したがって、入射陽電子ビームの視射角を適切に調整することにより、物質内部の情報を含むことなく、最表面から表面直下までの構造の情報を選択的に得ることができる。このため、TRHEPD法は物質表面や物質表面上に保持された二次元原子層物質の構造決定に非常に有用となる。本論文では、TRHEPD法の表面敏感性と、グラフェンのシリコン版であるシリセンの最近の構造解析の成果について報告する。

論文

回転円板から放出される気体分子の指向性に関するシミュレーション

荻原 徳男

Journal of the Vacuum Society of Japan, 58(5), p.168 - 172, 2015/05

ギャップの十分狭い円板型スリットにおいて、気体分子を内側から外側に通過させるとき、円板に回転を与えることにより気体分子の放出特性が静止している場合と比較して、どのように変わるかを調べた。(1)両円板に回転を与えると、気体分子が回転円板から速度を付加される効果により、より円板の接線方向に放出されるようになる。速度比$$eta$$(回転により獲得しうる最大速度と分子速度の比)が3.8では、接線と0.4rad以内に放出される割合は75%を超える。規定平面となす角度に関する分布については、ピーク位置を変えずに、山高さが高く、半値幅が小さくなっていく。(2)片面のみを回転させると、回転円板を最終衝突面とするものが、放出される気体分子の大半を占めるようになる。この分子群に対する角度分布の形状は、規定平面および接線方向のどちらに対しても、両面回転時に得られたものと、ほぼ同一の回転依存性を有する。一方、規定平面近傍に等方的に放出される(主として静止円板由来)成分は、回転数に伴う増加率は大きくない。この特性を利用することにより、両面回転を用いるよりも規定平面への平行度が高いガスシートを生成することが可能となる。

論文

J-PARC RCSキッカー電磁石のin-situでの脱ガス

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 引地 裕輔; 柳橋 亨; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 58(4), p.134 - 139, 2015/04

真空容器中の構造物を脱ガスする際は、真空容器の大気側に設置したヒーターで真空容器を加熱し、容器からの輻射や伝導で構造物を昇温する手法が一般的である。しかしこの手法では真空容器の熱伸びが発生するため、適用できる環境が制限される。特に加速器では、真空容器が隣のビームラインと締結されているため、この手法がとれない場合がある。真空容器を加熱することなく、内部構造物のみを昇温することができれば、そのような問題は解決できる。そのためには、ヒーターを真空容器内部へ導入し、熱源と真空容器の間を熱遮蔽し、熱流量を構造物へ向ければよい。われわれはこのヒーター導入式の手法を、J-PARC RCSビーム出射用キッカー電磁石の脱ガスに適用した。キッカー電磁石はフェライトをコアとして用いている。フェライトは多孔質であり気孔に水が吸着するため放出ガスが多い。キッカー電磁石をビームラインに設置した状態で(すなわちin-situで)昇温し、フェライトや他の構成部品からの放出ガスを低減することが目的である。フェライトを100$$^{circ}$$C以上へ昇温すること、及び真空容器の温度上昇を30$$^{circ}$$C以下へ抑えることを目標としてヒーター導入式の脱ガス手法の開発を行った。まず、原理実験を行い、本手法で真空内のキッカー電磁石を昇温できることを確認した。その後、実機への適応を見据え、ヒーターの選択、昇温試験を行ったので報告する。

論文

硬X線光電子分光による酸化膜の評価

小畠 雅明; 小林 啓介*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 58(2), p.43 - 49, 2015/02

大きな検出深さを持つ硬X線光電子分光装置を利用した界面反応領域の深さ方向分析手法、及びこれを活用した金属電極/絶縁膜/半導体ゲートスタック構造などの多層構造に埋もれた界面の化学結合状態と電子状態について紹介する。

論文

ビーム軌道補正用四極電磁石の真空ダクトの設計

神谷 潤一郎; 金正 倫計; 林 直樹; 發知 英明; 荻原 徳男; 谷 教夫; 渡辺 泰広

Journal of the Vacuum Society of Japan, 57(4), p.131 - 135, 2014/04

J-PARC RCSにおいて、ビーム軌道を不安定にする要素として、入射バンプ電磁石の入口/出口でのエッジフォーカスと、加速途中のベータトロン振動数の変化が挙げられる。それらの補正のため、直線部の両端に計六台の補正用四極電磁石を設置することとした。本電磁石に設置する真空ダクトは以下のように設計検討を進めた。(1)金属製ダクトの場合、渦電流による影響を検証する。(2)(1)で問題がある場合は、発熱・ダクト内部磁場の乱れの恐れがないセラミックスダクトを採用する。(3)(2)でセラミックスダクトを採用した際、大気圧によるダクトの変位及びダクトへかかる応力に問題がないかの検証をする。本講演では上記設計検討結果及びダクトの性能について詳細を示す予定である。

論文

$$gamma$$線イメージング技術を駆使した植物研究の展開

河地 有木

Journal of the Vacuum Society of Japan, 57(2), p.37 - 44, 2014/02

$$gamma$$-ray imaging technologies based on the use of radiotracers enable us to clearly determine the physiological function of an organ not only during pre-clinical and clinical studies but also in the field of plant science. Serial time-course images can be used to indicate the changing spatial distribution of a radiotracer within a living plant system and to describe the dynamics and kinetics of a substance in an intact plant. $$gamma$$-rays almost completely penetrate a plant body, and the image data obtained using them can potentially be used to quantitatively analyze physiological function parameters. This paper briefly reviews recent progress in the field of plant science to explore the use of positron emission tomography, a gamma camera, and the positron-emitting tracer imaging system, which is one of the most advanced $$gamma$$-ray imaging systems available for studying plant physiology, for solving problems in the field of environment and agriculture.

論文

大型負イオン源における大面積多孔多段電極の真空耐電圧

小島 有志; 花田 磨砂也; 井上 多加志; NB加熱開発グループ; 山納 康*; 小林 信一*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(12), p.502 - 506, 2013/12

JT-60NNBIの負イオン源は加速ギャップを調整することにより加速器の低耐電圧を克服し、500keVビームを3Aまで生成することに成功した。しかし、JT-60SAに利用する次期負イオン源では、ビーム光学と耐電圧の両方に最適な加速ギャップ調設計するため、ギャップ長と耐電圧の関係を決定する隠れた物理パラメーターを理解する必要がある。その一つとして、実機負イオン源の大面積多孔電極及び小型電極を用いて、平坦部の3倍近い局所高電界が生成している加速電極孔の数の-0.15乗に従って耐電圧性能が変化することを明らかにした。さらに、電極孔周りのエッジを平滑化することにより、局所高電界分布を緩和し、耐電圧性能が改善できることを明らかにした。これらの結果、真空長ギャップ放電に支配されている真空耐電圧に対する電界分布の影響という新たな知見を得て、JT-60SA用負イオン源加速電極の設計データを取得することに成功した。

論文

大強度陽子加速器における真空(J-PARC 3GeVシンクロトロンでのチャレンジ)

神谷 潤一郎

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(11), p.440 - 448, 2013/11

本研究会は真空科学技術分野の研究に携わり、今後の真空科学の発展を支えていくことが期待されている若手研究者らによる講演及び議論を行うことを目的としている。自身の発表では、大強度加速器の真空の役割や特徴を、これまでのJ-PARC及びCERNにおける実績や経験をベースに述べる。加速器真空システムの特徴は、(a)規模の大きさ、(b)粒子(ビーム)の存在、(c)放射線などがあるが、これら特徴がさらに大強度ビーム加速器では際立ってくる。これらの特徴はお互い独立ではない。結果真空の果たす役割も多岐に渡ってくる。放射化はビームの存在により発生する。また低放射化材料と真空特性の両立が開発要素となる。さらに粒子と壁との相互作用は壁の処理法にかかわってくる。講演は自分自身が実際にかかわった真空装置である、J-PARCキッカー電磁石、大口径チタン製真空容器、強磁性体真空容器、CERNでのコリメーターに関する実験等を紹介することで、大強度ビーム加速器における真空の役割の重要性や面白さを伝えることを狙いとする。また、講演及び議論を通してJ-PARC加速器の安定運転のための真空システムの役割について理解を深めることを目的とする。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトンにおけるキッカー電磁石フェライトコアの脱ガス処理

荻原 徳男; 菅沼 和明; 引地 裕輔; 西川 雅章; 柳橋 亨; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(5), p.159 - 162, 2013/05

Kicker magnets are used to kick out the accelerated beam to the transport lines in the RCS of the J-PARC. A high voltage is applied to kickers for a short period, so they must be installed in a vacuum to prevent discharge. Therefore, it is important to reduce the outgassing of water vapor from the ferrite cores. This time, we have decided to construct the reserve magnets with very low outgassing at high-voltage discharge. First of all, the thermal desorption behavior of the ferrite was investigated by thermal desorption spectroscopy (TDS). TDS spectra show two peaks of water vapor: at 150$$^{circ}$$C and 300$$^{circ}$$C. Carbon dioxide is rather largely emitted with the peak around 275$$^{circ}$$C and then decreases with the temperature. From these results, the ferrite cores were vacuum-fired at 450$$^{circ}$$C for 48 h. Then the good properties for the magnetic cores were confirmed. And now the performances of the kicker magnet are examined.

論文

チタン合金の低放射化真空材料としての可能性について

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 金正 倫計; 鎌倉 恵太*; 濱谷 紀彰*; 畑中 吉治*; 福田 光宏*; 高久 圭二*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(5), p.167 - 171, 2013/05

高エネルギー粒子加速器や核融合装置における真空装置の特徴の一つはそれらが放射線環境下におかれるということである。これまで低放射化材料として、アルミ合金,純チタン材等が用いられてきた。それらは低放射材料であるとともに真空特性も良好である。しかし両者とも機械強度は一般のステンレス鋼に対して劣る。そのためより機械強度の高い材料について低放射化真空材料としての可能性を調査することは有意義である。われわれは低放射化真空材料としてチタン合金Ti-6Al-4Vを調査することとした。Ti-6Al-4Vは優れた機械強度を持つ材料であり、純チタンの利点であった低放射能や低ガス放出率が期待できる。われわれは低放射化材料をJ-PARC RCSの真空装置に適用することを想定していることから、中間エネルギー陽子ビームを照射しその残留線量を測定した。結果、Ti-6Al-4Vは純チタンと同等な放射化特性を示していることがわかった。本講演ではTi-6Al-4Vの真空特性も合わせて、低放射化真空材料としての可能性について述べる。

論文

モンテカルロ法による成形ベローズ管の通過確率

祐延 悟*; 正木 健太郎*; 大釜 一真*; 荻原 徳男

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(4), p.142 - 145, 2013/04

Monte-Carlo method is useful for the transmission probability calculation of a complicated shaped tube under molecular flow conditions. However the shape data should be fed into the computer for each simulation. In the present study, transmission probability was calculated by KPCalc, which is the Monte-Carlo simulation software. KPCalc can calculate the transmission probability from the 3D-CAD data without preparing the source code of the shape data. Therefore, KPCalc is easily applied even for the complicated shape which the conventional Monte-Carlo method was hardly applied because of much labor. Calculation was carried out for cylindrical tubes, conical tubes, and bellows-shaped tubes. Results are in good agreement with previous results within the data scattering. As an example, transmission probabilities of formed bellows tubes with a complicated shape were calculated.

論文

スリットを用いた平面状気体ターゲットの生成に関するモンテカルロシミュレーション

荻原 徳男

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(4), p.146 - 150, 2013/04

Monte Carlo simulations of a molecular flow regime demonstrate the generation of large-scale gas-sheet targets in a vacuum by two typical gas inlet systems. One inlet system consists of a set of identical narrow rectangular slits; they are placed in rotational symmetry around an axis in a manner such that all the slits have the same plane that is orthogonal to their short sides. This plane divides all the slits into halves. The other inlet system consists of a thin concentric circular slit with a large aperture. In both these systems, gas is introduced from the outside toward the center, leading to the appearance of a large-scale gas sheet around the center. In the case of the circular slit, with inner and outer diameters of 200 and 400, respectively, and a gap of 0.1, the generated gas sheet had a diameter of 130 and thickness of less than 0.4 (half width), where all the valuables are expressed in ratio. The uniformity of the gas density, which is the ratio of the minimum to the maximum peak value of gas density, was more than 85%.

論文

SUS430製真空容器の放出ガス速度測定

加藤 新一*; 神谷 潤一郎; 山本 風海; 吉本 政弘; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 55(4), p.160 - 163, 2012/04

加速器では粒子を安定に加速するために、ビームに擾乱を与える外部磁場を遮蔽する必要がある。粒子は通常真空容器内に存在するために、この真空容器に磁気遮蔽効果をもたせればよい。そこでわれわれは、磁性材料であるSUS430で真空容器を開発することとした。この材料はこれまで真空の用途で利用された実績がないため、真空性能、特に放出ガス速度を測定した。結果、真空容器として使用できるだけ十分小さい放出ガス速度であることがわかった。

論文

キャピラリー及びスリットからの放出ガスの指向性シミュレーション

荻原 徳男; 神谷 潤一郎

Journal of the Vacuum Society of Japan, 55(4), p.152 - 155, 2012/04

In order to develop the gas sheet target, angular distribution of molecular flux at the exit of narrow tubes and slits was simulated with Monte Carlo method. For the tubes, the greater part of the flux is collimated near the polar angle. However, for the length-diameter ratio $$L$$/$$d$$ ($$L$$: length, $$d$$: diameter) greater than 10, angular distribution is almost independent of the value of $$L$$/$$d$$. Even at the $$L$$/$$d$$ of 100, the fraction of outgoing molecules with the polar angle less than 0.01 rad is limited to be less 0.5%. On the other hand, the emitted molecules from the slit can be shaped into the sheet. To do so, the following 2 conditions are required; $$L$$ $$gg$$ $$b$$ and $$a$$ $$gg$$ $$b$$. Where, the marks $$a$$, $$b$$ and $$L$$ refer to the long and short sides, and the depth of the slit, respectively. With the parameter set of $$L$$ : $$a$$ : $$b$$ = 100 : 50 : 0.1, the fraction of outgoing molecules collimated within the azimuth of 0.01 rad becomes to be 25% of all the molecules.

論文

キッカー電磁石に組込まれたフェライトのin situでの脱ガス処理

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 西川 雅章; 引地 裕輔; 柳橋 亨; 菅沼 和明

Journal of the Vacuum Society of Japan, 55(4), p.156 - 159, 2012/04

真空容器中の大型構造物を脱ガスする際は、大気側に設置した熱源で真空容器を昇温しその輻射や伝導で構造物を昇温することは一般的に行われる手法である。しかしこの手法には膨大な容量の熱源が必要となる。また、容器の熱のびがあるため使用できる環境が制限される。真空容器を加熱することなく内部の構造物だけを昇温する手法こそが、省エネルギーで最も効率が良い手法といえる。そのためには、熱源を真空容器内部に持ち込み、熱源と真空容器の間を断熱し、構造物への輻射の熱流量を真空容器への熱流量よりも大きくすればよい。加速器においても真空容器内の構造物のみを脱ガスしたいという要求は多々ある。われわれは前述の手法をJ-PARC 3GeVシンクロトロンビーム出射用キッカー電磁石プロトタイプの脱ガスに適用した。電磁石のコアであるフェライトは多孔質な材料であり、気孔に水が吸着し続ける。そのためキッカー電磁石の放出ガスの主成分は水である。このフェライトをin situで水が脱離する温度まで昇温することが重要となる。そこで熱源を真空中に持ち込む手法をキッカー電磁石の脱ガスに適用し、検証実験を行ったので報告する。

論文

ビームロス低減のための3GeVシンクロトロンの漏洩磁場遮蔽の概要

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 林 直樹; 發知 英明; 吉本 政弘; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 55(3), p.100 - 103, 2012/03

ビームパワーの大強度化が進む粒子加速器において、ビームロスを低減することは必須である。ビームロスの原因の一つとして、ビームラインの電磁石からの漏洩磁場が、シンクロトロン周回ビームの進行方向を変え、ビームパイプ壁に衝突し消失することがあげられる。ビームに対してそのような漏洩磁場を最も効果的に遮蔽をするということは、最もビームに近い場所でビームの周りを磁性材料で完全に覆うことである。つまりビームパイプやベローズ等のすべての真空容器を磁性材料化することが、完全な磁場遮蔽であるといえる。われわれは、現在漏洩磁場によりビーム軌道に影響がでているJ-PARC 3GeVシンクロトロン出射直線部の真空容器に対し、磁性材料化を適用することとした。しかしながら、磁気性能及び真空性能を併せ持つ真空容器の実績はない。そこで該当場所で必要な磁気性能及び真空性能を満たすための課題を洗い出し、それに対する検証を行うこととした。本発表では、上記漏洩磁場遮蔽の概要及び課題とそれに対する取り組みについて発表する。

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