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論文

A Scalable and deformable stylized model of the adult human eye for radiation dose assessment

El Basha, D.*; 古田 琢哉; Iyer, S. S. R.*; Bolch, W. E.*

Physics in Medicine and Biology, 63(10), p.105017_1 - 105017_13, 2018/05

 パーセンタイル:100(Engineering, Biomedical)

眼の水晶体に対する年間線量限度の推奨値の引き下げが国際放射線防護委員会より発表されて以降、眼の詳細構造に対する線量予測システムの構築に関心が高まっている。これを受けて線量評価に用いる詳細な数値眼球モデルがいくつか開発されたが、いずれのモデルも典型的な球形・通常サイズの正常視眼球モデルであった。そこで、サイズおよび形状の変更が可能で放射線被ばく及び眼疾患の放射線治療のシミュレーションに使用できる解析関数眼球モデルを開発した。この眼球モデルを利用したシミュレーションの一例として、前方照射条件での電子および光子の放射線輸送計算を実行し、入射エネルギーを変化させた場合の眼球内詳細構造に対する線量応答を調べた。前方照射条件のため、各構造の深さ位置が重要で、眼球サイズが大きい場合や近視のために眼球が扁長変形を持つ場合は、通常サイズの正視の場合に比べて各構造が深い位置にずれるため、エネルギー応答が少し高エネルギー側にシフトする傾向があることがわかった。

論文

Multi-threading performance of Geant4, MCNP6, and PHITS Monte Carlo codes for tetrahedral-mesh geometry

Han, M. C.*; Yeom, Y. S.*; Lee, H. S.*; Shin, B.*; Kim, C. H.*; 古田 琢哉

Physics in Medicine and Biology, 63(9), p.09NT02_1 - 09NT02_9, 2018/05

 パーセンタイル:100(Engineering, Biomedical)

輸送計算コードGeant4, MCNP6, PHITSのマルチスレッド並列計算の実行性能について、異なる複雑さを持つ三体の四面体メッシュファントムを用いて調査した。ここでは、光子と中性子の輸送計算を実行し、初期化にかかる時間、輸送計算の時間及び、メモリ使用量と並列スレッド数の増加に対する相関関係を評価した。初期化にかかる時間は、ファントムの複雑化に伴い増加するものの、並列スレッド数にはあまり依存しないという傾向が三つ全ての計算コードで見られた。輸送計算の時間については、マルチスレッド並列計算に独立タリーの設計を採用しているGeant4では高い並列化効率(40並列で30倍の高速化)が見られたのに対し、MCNP6及びPHITSではタリー共有化による遅延のために、並列スレッド数増加に対する高速化の頭落ちが見られた(40並列でもMCNPは10倍、PHITSは数倍の高速化)。その一方で、Geant4は計算に必要なメモリ容量が大きく、並列スレッド数増加に対するメモリ使用量の増加もMCNP6やPHITSに比べて大きいことが分かった。また、PHITSの特筆すべき点として、メモリ使用量はファントムの複雑さやスレッド数によらず、他の二つの計算コードに比べて、顕著に小さいことも分かった。

論文

Implementation of tetrahedral-mesh geometry in Monte Carlo radiation transport code PHITS

古田 琢哉; 佐藤 達彦; Han, M. C.*; Yeom, Y. S.*; Kim, C. H.*; Brown, J. L.*; Bolch, W. E.*

Physics in Medicine and Biology, 62(12), p.4798 - 4810, 2017/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:35.05(Engineering, Biomedical)

モンテカルロ輸送計算コードPHITSに、ポリゴン体系の一種である四面体メッシュ体系を利用できる機能を導入した。四面体メッシュは自由な形状を記述することに優れており、曲面を含む様々な複雑な体系を記述することができる。また、形式変換をすることでCAD等のソフトウェアを利用した三次元体系の設計も可能となった。本機能の導入に際し、初期段階で四面体メッシュ体系に対する分岐マップを準備し、輸送計算の計算時間を短縮する工夫を加えた。この工夫により、同数のメッシュ数であれば、ボクセルメッシュと同程度の計算時間で、四面体メッシュ体系の輸送計算を可能にした。四面体メッシュでは、異なるサイズおよび形状の四面体を組み合わせることで、より少ないメッシュ数で人体ファントム等の複雑体系を表現できる。人体ファントムに対する線量計算では、四面体メッシュを採用することで、計算時間をボクセルメッシュの計算に比べて4倍短縮できることが分かった。

論文

Comparison between Monte Carlo simulation and measurement with a 3D polymer gel dosimeter for dose distributions in biological samples

古田 琢哉; 前山 拓哉*; 石川 顕一*; 福西 暢尚*; 深作 和明*; 高木 周*; 野田 茂穂*; 姫野 龍太郎*; 林 慎一郎*

Physics in Medicine and Biology, 60(16), p.6531 - 6546, 2015/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:62.14(Engineering, Biomedical)

現在の粒子線がん治療の治療計画に用いられている簡易的な線量解析では、軟組織と骨の境界等の不均質な領域で線量分布の再現性が低いことが知られており、より高精度なモンテカルロ計算による治療計画の実現が求められている。そこで、現状のモンテカルロ計算による線量解析で、治療に即した状況での精度を検証することを目的として、生体物質中での線量分布を実験により比較検証した。具体的には、生体物質として骨付き鶏肉を用意し、これを挿入した容器の背後にPAGATゲル線量計を配置し、炭素線ビームを前方から照射することで、不均質な生体物質を通り抜けた炭素線によってゲル線量計内に形成される複雑な線量分布の比較を行った。シミュレーションではCTイメージから再構成された生体物質を含む実験環境を模擬し、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて炭素線の輸送を計算することで、ゲル線量計内の線量分布を導出した。その結果、実験での炭素線の飛程端が作る複雑な線量分布の構造について、シミュレーションにより2mm程度の違いの範囲でよく再現できることを示した。

論文

Extension of TOPAS for the simulation of proton radiation effects considering molecular and cellular endpoints

Polster, L.*; Schuemann, J.*; Rinaldi, I.*; Burigo, L.*; McNamara, A. L.*; Steward, R. D.*; Attili, A.*; Carlson, D. J.*; 佐藤 達彦; Ramos M$'e$ndez, J.*; et al.

Physics in Medicine and Biology, 60(13), p.5053 - 5070, 2015/07

 被引用回数:29 パーセンタイル:5.42(Engineering, Biomedical)

TOPASとは、陽子線治療計画に幅広く利用されているソフトウェアである。本研究の目的は、TOPASに陽子の生物学的効果比(RBE)を計算する機能を追加することである。その目的のため、8つの生物物理モデルをTOPASに組み込んだ。それらモデルのうち4つは、RBEの指標となる物理学的なパラメータとしてLETを用い、残りの4つは、それぞれDNAダメージ数、平均z値, y値,飛跡構造を用いる。その中で、y値を指標としたモデルには、原子力機構が開発したマイクロドジメトリ機能が使われた。導入した8つのモデルの精度は、実験的に求めた陽子のRBEと比較することにより検証した。本研究は、陽子線治療を臨床診療へと近づけるための治療計画の最適化に重要な成果である。

論文

ICRP Publication 116; The First ICRP/ICRU application of the male and female adult reference computational phantoms

Petoussi-Henss, N.*; Bolch, W. E.*; Eckerman, K. F.*; 遠藤 章; Hertel, N.*; Hunt, J.*; Menzel, H. G.*; Pelliccioni, M.*; Schlattl, H.*; Zankl, M.*

Physics in Medicine and Biology, 59(18), p.5209 - 5224, 2014/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:82.83(Engineering, Biomedical)

様々な放射線による外部被ばくに対して、フルエンスあたりの臓器吸収線量、実効線量の換算係数データ集ICRP Publication 116(ICRP116); "外部放射線被ばくに対する放射線防護量のための換算係数"を取りまとめた。ICRP116はこれまで用いられてきたICRP74に置き換わるもので、放射線の種類及びエネルギー範囲を拡張したデータ集である。換算係数は、標準の成人男性及び女性を表したICRP/ICRUコンピュータファントムとファントム中における放射線の挙動を模擬するモンテカルロコードを用いて計算され、様々な方向からの平行ビーム、回転ビーム、等方照射等による全身の照射に対して提供されている。実効線量の換算係数を、放射線モニタリングに使われている実用量の換算係数と比較した結果、実用量は光子,中性子,電子に対して、ICRP74で考慮されていたエネルギー範囲においては実効線量の評価に適用できるが、それ以上のエネルギーでは実効線量を適切に評価できないことが分かった。

論文

Comparison of internal doses calculated using the specific absorbed fractions of the average adult Japanese male phantom with those of the reference computational phantom-adult male of ICRP publication 110

真辺 健太郎; 佐藤 薫; 遠藤 章

Physics in Medicine and Biology, 59(5), p.1255 - 1270, 2014/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:82.83(Engineering, Biomedical)

国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年基本勧告では、実効線量の評価において、標準的なコーカソイドの体格特性に基づくファントムを用いることとしている。内部被ばく線量評価に用いられる比吸収割合(SAF)は、その算出に使用するファントムの体格特性に依存する。そこで、コーカソイドに比べて小柄で、脂肪量が少ない日本人の体格特性が内部被ばく線量評価に及ぼす影響を解析した。まず、平均的成人日本人ファントム(JM-103)を放射線輸送計算コードMCNPXに組み込み、内部被ばくの線量評価で重要な光子及び電子に対するSAFを計算した。ICRP標準成人男性ファントムの電子SAFは文献値を参照し、光子SAFはJM-103と同様に計算した。各ファントムのSAFを用いて、923の放射性核種の2894の摂取ケースに対する実効線量係数相当量(以下、実効線量係数と呼ぶ)を算出し、相互に比較した。その結果、両者の違いは最大で約40%となったが、97%のケースでは違いが10%以内であることが明らかになった。また、体格、臓器・組織の質量等の違いが実効線量係数に与えた影響を解析した。本研究により得られた知見は、コーカソイドの体格特性が反映されたICRPの実効線量係数を、異なる体格特性を持つ人種に適用する際に有用となる。

論文

Preparation of polymer gel dosimeters based on less toxic monomers and gellan gum

廣木 章博; 佐藤 裕一*; 長澤 尚胤; 太田 朗生*; 清藤 一; 山林 尚道*; 山本 幸佳*; 田口 光正; 玉田 正男; 小嶋 拓治

Physics in Medicine and Biology, 58(20), p.7131 - 7141, 2013/10

 被引用回数:15 パーセンタイル:32.48(Engineering, Biomedical)

New polymer gel dosimeters consisting of 2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA), triethylene glycol monoethyl ether monomethacrylate (TGMEMA), polyethylene glycol 400 dimethacrylate (9G), tetrakis (hydroxymethyl) phosphonium chloride as an antioxidant, and gellan gum as a gel matrix were prepared. They were optically analyzed by measuring absorbance to evaluate a dose response. The absorbance of the polymer gel dosimeters that were exposed to $$^{60}$$Co$$gamma$$-rays increased with increasing dose. The dosimeters comprising HEMA and 9G showed a linear increase in absorbance in the dose range from 0 to 10 Gy. The dose response depended on the 9G concentration. For others comprising HEMA, 9G, and TGMEMA, the absorbance of the polymer gel dosimeters drastically increased above a certain dose, and then leveled off up to 10 Gy. The optical variations in these polymer gel dosimeters were also induced by X-irradiation from Cyberknife radiotherapy equipment. Furthermore, the exposed region of the latter polymer gel dosimeter exhibited a thermo-responsive behavior.

論文

A Comparative study of space radiation organ doses and associated cancer risks using PHITS and HZETRN

Bahadori, A. A.*; 佐藤 達彦; Slaba, T. C.*; Shavers, M. R.*; Semones, E. J.*; Baalen, M. V.*; Bolch, W. E.*

Physics in Medicine and Biology, 58(20), p.7183 - 7207, 2013/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:73.36(Engineering, Biomedical)

NASAが宇宙放射線被ばく影響を評価する際に標準的に利用している1次元の決定論的コードHZETRNと、原子力機構が中心となって開発している3次元のモンテカルロ計算コードPHITSを用いて、宇宙放射線被ばくによる臓器線量を計算し、それに伴う発ガンリスクを比較した。両者の結果は概ね一致するものの、銀河宇宙線を模擬した特定の計算条件の場合には有意な差が見られることが分かった。この差は、両コードが採用する核反応モデルの違いに起因すると考えられる。本結果は、宇宙線被ばく線量評価の不確定性を議論する際、極めて重要となる。

論文

Beam range estimation by measuring bremsstrahlung

山口 充孝; 鳥飼 幸太*; 河地 有木; 島田 博文*; 佐藤 隆博; 長尾 悠人; 藤巻 秀; 国分 紀秀*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; et al.

Physics in Medicine and Biology, 57(10), p.2843 - 2856, 2012/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:47.86(Engineering, Biomedical)

We describe a new method for estimating the beam range in heavy-ion radiation therapy by measuring the ion beam bremsstrahlung. We experimentally confirm that the secondary electron bremsstrahlung process provides the dominant bremsstrahlung contribution. A Monte Carlo simulation shows that the number of background photons from annihilation $$gamma$$ rays is about 1% of the bremsstrahlung strength in the low-energy region used in our estimation (63-68 keV). Agreement between the experimental results and the theoretical prediction for the characteristic shape of the bremsstrahlung spectrum validates the effectiveness of our new method in estimating the ion beam range.

論文

Measurement of microdosimetric spectra with a wall-less tissue-equivalent proportional counter for 290 MeV/u $$^{12}$$C beam

津田 修一; 佐藤 達彦; 高橋 史明; 佐藤 大樹; 遠藤 章; 佐々木 慎一*; 波戸 芳仁*; 岩瀬 広*; 伴 秀一*; 高田 真志*

Physics in Medicine and Biology, 55(17), p.5089 - 5101, 2010/09

 被引用回数:13 パーセンタイル:48.16(Engineering, Biomedical)

重粒子線に対する生物効果を実験的に評価するうえで、重粒子線の飛跡及びその近傍における詳細なエネルギー付与分布データは重要である。本研究では重イオンの飛跡沿いに生成される高エネルギー電子を含む線エネルギー分布($$y$$分布)の計算モデルの精度検証に必要なデータを取得するために、壁なし型の組織等価比例計数管(TEPC)を製作し、放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置HIMACの重粒子線を利用し実験を行った。核子あたり290MeV炭素ビームに対する$$y$$分布データを取得し、計算モデルによる分布と線量平均の$$y$$値に関して比較した結果、測定した$$y$$の線量平均値と入射炭素ビームの水中での線エネルギー付与の比は0.73であり、原子力機構で開発した計算モデルで得られる値と一致することがわかった。また得られた線量平均値は、一般の壁ありTEPCで得られる値よりも小さく、炭素ビームの飛跡沿いのエネルギー付与を厳密に測定するためには壁なし型TEPCが不可欠であることを定量的に示した。

論文

Fluence-to-dose conversion coefficients for heavy ions calculated using the PHITS code and the ICRP/ICRU adult reference computational phantoms

佐藤 達彦; 遠藤 章; 仁井田 浩二*

Physics in Medicine and Biology, 55(8), p.2235 - 2246, 2010/04

 被引用回数:16 パーセンタイル:42.02(Engineering, Biomedical)

国際放射線防護委員会(ICRP)の新勧告に基づき、幅広い原子番号及びエネルギーを持つ重イオンのフルエンスから実効線量及び実効線量当量への換算係数を計算した。計算は、粒子輸送計算コードPHITSにICRP/ICRUの標準人体模型を組合せて実施した。その結果、宇宙飛行士などの線量評価で用いられる実効線量当量換算係数は、通常の線量評価で用いられる実効線量換算係数と比較して、高エネルギーかつ軽いイオンにおいて顕著に小さくなることがわかった。以上の結果から、高エネルギー重イオンに対する線量評価では、放射線加重係数を適用するより、イオンの種類及びエネルギーに応じた線質を考慮した評価が必要であることが示された。

論文

Fluence-to-dose conversion coefficients for neutrons and protons calculated using the PHITS code and ICRP/ICRU adult reference computational phantoms

佐藤 達彦; 遠藤 章; Zankl, M.*; Petoussi-Henss, N.*; 仁井田 浩二*

Physics in Medicine and Biology, 54(7), p.1997 - 2014, 2009/04

 被引用回数:47 パーセンタイル:14.75(Engineering, Biomedical)

原子炉・加速器施設の作業員や航空機乗務員の被ばく線量を評価するためには、フルエンスから実効線量への換算係数が不可欠となる。国際放射線防護委員会(ICRP)は、その2007年勧告で、最新の科学的知見に基づき実効線量の定義を変更した。これに伴い、フルエンスから実効線量への換算係数の計算が新たに必要となった。そこで、われわれは、ICRP第2専門委員会の協力の下、放射線輸送計算コードPHITSとICRP/ICRU標準人体模型を組合せ、熱エネルギーから100GeVまでの中性子・陽子に対する実効線量換算係数を計算した。また、PHITSのマイクドジメトリ量に対する計算機能を活用し、2種類の線質係数を用いた実効線量当量に対する換算係数も計算した。これらの成果は、ICRP2007年勧告に基づく放射線防護体系の確立のみならず、宇宙空間や医療被ばくなどにおいてより洗練された放射線防護体系を構築するうえで極めて重要となる。

論文

Analysis of effects of posture on organ doses by internal photon emitters using voxel phantoms

佐藤 薫; 遠藤 章

Physics in Medicine and Biology, 53(17), p.4555 - 4572, 2008/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:71.88(Engineering, Biomedical)

国際放射線防護委員会は、2007年3月の新勧告において、線量換算係数の評価に成人男女のリファレンスボクセルファントムを導入した。このボクセルファントムは、臥位姿勢の西欧人男女のCT画像を用いて開発されている。一方、放射線被ばくは、さまざまな姿勢で生じるが、姿勢による線量の変動については明らかにされていない。そこで本研究では、同一人物の異なる姿勢のCT画像をもとに開発した日本人成人男性ボクセルファントムJM2(立位)及びJM(臥位)を用いて、光子に対する比吸収割合を計算した。また、計算した比吸収割合を用いて、8種類の体内光子放出放射性核種について、摂取による臓器吸収線量を評価し、姿勢による影響を検討した。その結果、各核種の光子スペクトル,体内動態特性を考慮すると、実効線量への寄与割合が高い骨髄,結腸,肺,胃等の吸収線量における姿勢による違いは小さいことが明らかになった。以上のことから、放射線防護の線量評価に、臥位姿勢のレファレンスボクセルファントムを用いて計算された線量換算係数を適用しても支障はないと結論できる。

論文

In-phantom two-dimensinal thermal neutron distribution for intraoperative boron neutron capture therapy of brain tumours

山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 柴田 靖*; 能勢 忠男*

Physics in Medicine and Biology, 47(14), p.2387 - 2396, 2002/07

 被引用回数:17 パーセンタイル:50.75(Engineering, Biomedical)

この研究は術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)用の中性子ビームに対するファントム内熱中性子分布を明らかにすることを目的としている。内部に円筒形の発泡スチロールを取り付けた円筒水ファントム(Void-inファントム)と取り付けていない円筒水ファントム(標準ファントム)に中性子計測用の金線を配置し、JRR-4の熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)と熱外中性子ビーム(ENB)で、これらを照射した。Void-inファントム内の分布ではENBとTNB-1のどちらの中性子ビームに対しても、熱中性子分布が改善されていることを確認し、Void側面に2つの高線量領域が形成されることを明らかにした。ENBとVoid-inファントムの組合せによってVoid周りの熱中性子分布の平坦化が観察される。浸潤している周辺組織に対してENBが線量分布を平均化し、線量を増強できるという臨床的優位性を実験データは示している。将来、ENBとIOBNCTの結合は脳腫瘍のための臨床成績を改善することになるであろう。

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