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嶋田 道也; Campbell, D.*; Stambaugh, R.*; Polevoi, A. R.*; Mukhovatov, V.*; 朝倉 伸幸; Costley, A. E.*; Donn, A. J. H.*; Doyle, E. J.*; Federici, G.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
この論文では、物理基盤の最近の進展によって、ITERの性能予測がどのように影響されるかを要約する。これまで懸案であった課題についての進展、及びハイブリッド及び定常運転シナリオが新たに開発されたことによってITERの目標達成はより確実となった。安全係数が4付近において電流分布を調整することにより、標準のHモードよりも閉じ込めを改善し、壁無し条件でのベータ限界にまでベータを上昇させることが可能であることが実験で明らかになった。この結果をITERに適用すると、12MA程度の低いプラズマ電流で、ELMが小さく、Qが10以上で1000秒以上の長パルス運転が可能である。電流減衰時間及びハロー電流に関する指針を実験データベースから導出してディスラプションの解析を行った。保守的な仮定を用いても真空容器内機器の電磁力は設計目標を下回り、ITERの設計がディスラプションに伴う力に対して十分な耐性を持つことを明らかにした。
林 伸彦; 滝塚 知典; 小関 隆久
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
電流ホール配位トカマクプラズマの分布形成と維持を、1.5次元輸送コードを用いて調べた。輸送コードでは、電流ホール内に三磁気島平衡に基づく電流制限モデルを適用した。異常輸送が負磁気シア領域内で急に減衰する輸送モデルが、JT-60Uで観測された分布の時間発展を再現できることがわかった。つまり、負磁気シア領域内では輸送は新古典レベルになり、その結果、大きなブートストラップ電流を介して内部輸送障壁と電流ホールがある分布が自律的に形成される。新古典レベルの輸送で決まる内部輸送障壁幅は、JT-60U実験とよく一致する。また、内部輸送障壁内に閉じ込められるエネルギーは、JT-60U閉じ込め則と一致する。この閉じ込め則は、電流ホールプラズマでは閉じ込めエネルギーが自律的に制限されることを意味する。大きな電流ホールを持つプラズマは、ブートストラップ電流による完全電流駆動により維持される。一方、小さな電流ホールでブートストラップ電流割合が小さいプラズマは、誘導電流の染込みにより収縮してしまう。適切な外部電流駆動により、この収縮を妨げ、さらに電流ホールの大きさを制御することができる。電流ホールプラズマが、外部電流駆動に対して自律的に反応することを明らかにした。
Konovalov, S. V.; Mikhailovskii, A.*; 小関 隆久; 滝塚 知典; Shirokov, M. S.*; 林 伸彦
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
新古典テアリングモードの発生条件に対する異常垂直熱輸送と異常垂直粘性の影響を理論的に調べる。摂動温度分布における磁気島横断熱伝導と拮抗するいろいろな平行輸送機構を考慮する。輸送閾値モデルにおいて、有限の垂直熱輸送のために弱くなったブートストラップ駆動と同程度に、磁気曲率効果は重要である。垂直粘性により、輸送閾値モデルには磁気島回転周波数依存性が生じる。
小泉 徳潔; 竹内 孝夫*; 奥野 清
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
原研では、約750Cで熱処理を行えるNbAl導体を開発した。しかし、NbAl本来の性能を発揮し、16T程度の高磁場を発生するためには、約1900Cの高温で熱処理を行う必要がある。他方、1900Cでの熱処理を行った場合、核融合炉用超伝導導体で従来採用されている安定化銅を内部に含有するNbAl線を使用することができない。そこで、約1900Cの高温で一次熱処理を行った後に、NbAl線の外部に銅線を配置し、これにより安定化する構造を考案した。従来、このような外部安定化の構造では、常伝導転移時の銅線への電流の転流に時間を要し、安定化が困難と予想されていた。そこで、電流転流挙動と熱的挙動を数値的に解くコードを開発し、NbAl導体の外部安定化の可否について、定量的に評価した。その結果、外部安定化が可能であることを示した。これにより、高性能NbAl導体を使用したより効率の高い発電実証プラントへの可能性に道を開いた。
長崎 百伸*; 諫山 明彦; 林 伸彦; 小関 隆久; 武智 学; 大山 直幸; 井手 俊介; 山本 聡*; JT-60チーム
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
本論文では、JT-60Uにおける電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)によるの新古典テアリングモード(NTM)の安定化研究の成果を記述している。NTMの成長が飽和した後にECCDを行った場合とNTMの発生前にECCDを行った場合(早期入射)とで安定化効果の比較を行った結果、NTM発生前にECCDを行う方が安定化効果が大きいことが明らかになった。また、第2高調波XモードのECCDによりNTMを安定化しを5秒間維持することに成功した。さらに、NTMを記述する修正Rutherford方程式を1.5次元輸送コードTOPICSに統合することによりNTMの成長・消滅過程のシミュレーションを行った。その結果、シミュレーションはNTMの時間発展に関する実験結果をよく再現することが明らかとなった。同時に、早期入射の実験結果はシミュレーションでは再現できず、実験結果を説明するには早期EC波入射による自発電流やテアリングパラメータの変化を考慮する必要があることも明らかとなった。
藤堂 泰*; 中島 徳嘉*; 篠原 孝司; 武智 学; 石川 正男; 山本 聡*
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uにおける高エネルギーイオン駆動不安定性の線形性質及び非線形時間発展を磁気流体と高エネルギー粒子のためのシミュレーションコードを用いて調べた。不安定モードの空間分布は安全係数分布が平坦なプラズマ中心付近で最大値をとる。この不安定モードの実周波数は、実験における速い周波数掃引モードの開始周波数に近い値である。シミュレーション結果は、高エネルギーイオン軌道幅と高エネルギーイオン圧力が不安定モード動径方向分布幅を非常に大きくすることを示している。調べた高エネルギーイオン軌道幅の中で最小値の場合は、不安定モードは小半径の20%以内に局在している。これは、磁気流体効果のみで誘導できる空間分布幅の上限を与える。JT-60Uの実験条件においては、高エネルギーイオンは不安定モード空間分布の半径方向の幅を、最小軌道幅の場合と比較して3倍に広げている。この不安定モードは主として高エネルギー粒子によって誘導されているのである。非線形発展においては、速い周波数掃引モードに近い率で周波数が上下に変化することが示される。JT-60Uにおける高エネルギー粒子モードに加えて、ヘリカル座標系のためのシミュレーションコードによるLHD的プラズマにおけるTAEの研究が報告される。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 東島 智; 木島 滋; 仲野 友英; 大山 直幸; Porter, G. D.*; Rognlien, T. D.*; Rensink, M. E.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uの内部輸送障壁を有する先進トカマクプラズマの運転領域を、高閉じ込め及び高放射損失割合を達成しつつグリーンワルド密度(n)を超える領域まで拡大した。負磁気シアプラズマでは、/n=1.1においてHモードからの閉じ込め改善度HH=1.3を得た。この時、周辺ペデスタル密度はグリーンワルド密度の半分程度と低いにもかかわらず、強い密度内部輸送障壁を形成することにより高い平均密度を得ている。同放電では、金属不純物の蓄積が観測されており、主プラズマからの放射損失が加熱パワーの65%に達しているが、閉じ込めの劣化は観測されない。また、ダイバータでの放射損失を増大するために、ネオンを入射した放電では、/n=1.1にて、HH=1.1,総放射損失割合90%以上を達成した。高 ELMy Hモードプラズマ(弱正磁気シア)では、アルゴン入射と高磁場側ペレット入射により、/n=0.92,HH=0.96,放射損失割合90%を達成した。同放電でも、強い内部輸送障壁の形成により高平均密度が得られている。アルゴン輸送解析から、主プラズマ中心での放射損失はおもにアルゴンによること,ダイバータでのアルゴンの放射損失は20-40%程度であることが明らかになった。
鈴木 隆博; 諫山 明彦; 坂本 宜照; 井手 俊介; 藤田 隆明; 竹永 秀信; Luce, T. C.*; Wade, M. R.*; 及川 聡洋; 内藤 磨; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uは2003年に制御系の長放電時間化改造を行い、高プラズマの定常化を達成した。規格化圧力2.5のプラズマを不安定性の発生なしで、電流分布が定常に達する15.5秒間(電流拡散時間の9.5倍)維持した。また、不安定性の発生し易い位置と不安定性を引き起こす圧力勾配の大きな位置をずらすような電流分布を実現することで、さらに高い規格化圧力3を準定常(電流拡散時間の3.3倍)維持することに成功した。適切な電流分布を実現することが高性能プラズマにとって重要であるので、電流分布の実時間制御システムを開発し、安全係数分布を目標値まで制御することに成功した。
Joffrin, E.*; Sips, A. C. C.*; Artaud, J. F.*; Becoulet, A.*; Budny, R.*; Buratti, P.*; Belo, P.*; Challis, C. D.*; Crisanti, F.*; de Baar, M.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
2003年、JETではハイブリッドシナリオの運転領域を=2.8まで拡張し(=1.7T)、核融合増倍率の指標(/)が0.42のプラズマを定常的に維持することに成功した(=3.9)。また、高磁場(=2.4T),低ラーマー半径の運転領域においてもハイブリッドシナリオ運転を行いデータベースの拡充を図った。このデータベースを用い、輸送や閉じ込め特性に関して通常のHモード運転と比較を行った。さらに、トレース・トリチウムを入射し、核融合燃料の拡散係数・対流係数を評価した。閉じ込めや安定性を最適化した結果をITERに外挿すると、プラズマ電流を減らした場合でも高核融合利得のプラズマを2000秒間維持できる可能性が高いことがわかった。
稲垣 滋*; 竹永 秀信; 居田 克巳*; 諫山 明彦; 田村 直樹*; 滝塚 知典; 下妻 隆*; 鎌田 裕; 久保 伸*; 三浦 幸俊; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60UとLHDの内部輸送障壁有り、及び無しプラズマでの過渡輸送特性を調べた。非線形熱輸送モデルを用いて、電子系の熱拡散係数の電子温度T、及び電子温度勾配T依存性を明らかにした。内部輸送障壁無しプラズマでは、LHDでははTにおもに依存するのに対して、JT-60UでははTとTの両方に依存した。また、LHDでは周辺にコールドパルスを与えた場合に中心の温度が上昇する現象が観測された。JT-60Uでは、周辺部に与えられたコールドパルスに対して、パワーバランスから求めたでは説明できない非常に速い伝搬を観測した。これらは、熱輸送の非局所性を示していると思われる。ITB有りプラズマでは、LHD, JT-60UともにITB領域でコールドパルスによる温度減少が大きくなることを観測するとともに、のTに対する負の依存性を明らかにした。
Konovalov, S. V.; Mikhailovskii, A.*; Kovalishen, E.*; 小関 隆久; 滝塚 知典; Shirokov, M. S.*
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/00
反転磁気シアを持つトカマクにおけるアルヴェン固有モードのモード構造ついて、理論的に知られている全体的モード,運動論モード及びトロイダルアルヴェンモードの効果を取り入れて、理論的に調べる。特に熱化イオンの密度勾配がモード形成に及ぼす効果を調べる。固有モード方程式が局所解を持つための高速イオン密度と密度勾配の条件は、この効果により緩和される。有限ラーマ半径効果,連続減衰効果、及び高速イオンの密度勾配効果についても調べる。