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森林 健悟; Zhidkov, A. G.; 佐々木 明; 周藤 佳子; 鈴木 慎悟*
Proceedings of 2nd International Conference on Inertial Fusion Sciences and Applications (IFSA 2001), p.1182 - 1185, 2001/00
短パルス高強度レーザーを数nmの大きさの巨大クラスターに照射することにより高温高密度電子状態を生成することが予測されている。この電子の衝突電離により内殻励起状態を形成し、X線を発生する。特に、クリプトンやゼノンのような高い原子番号の原子のクラスターの場合は、短波長X線が発生し、短波長X線源やX線レーザー源として注目されている。ここでは高温高密度状態でのクリプトン,ゼノンイオンの多価イオン及び、内殻励起状態の生成過程,内殻励起状態から発生する短波長X線発生に関して考察する。電子温度を数keV,電子密度を10~10
/cm
とする。考慮した原子過程としては電子衝突励起・電離,自動イオン化,輻射遷移である。この条件のもとでニッケル様イオンを初期状態とし、電子衝突で電離し、数100fs後の内殻励起状態などのポピュレーションを計算し、それからのX線発生のスペクトルを求める。ゼノンイオンに対して内殻(1s,2s,2p,3s,3p)電離過程を含む場合と含まない(3d電子だけが電離する)場合を計算した結果、前者のポピュレーションの方が三桁程度大きくなり、高温高密度電子状態では内殻電離過程が多価イオンに重要な役割を演じることがわかった。クリプトンクラスターの場合は、ナトリウム様やネオン様イオンのポピュレーションが大きくなることが観測されているが、基底状態のナトリウム様クリプトンイオン(1s
2s
2p
3s)では内殻2p電子の電離断面積は最外殻3s電子の電離断面積よりも非常に大きく、ネオン様イオンでは2pの内殻励起状態と基底状態の間に反転分布を形成する可能性がある。
鈴木 将之; 山神 晋; 長井 圭治*; 乗松 孝好*; 三間 圀興*; 村上 陽一*; 中山 斌義*; Yu, W.*; Fiedorowicz, H.*; Choi, I. W.*; et al.
Proceedings of 2nd International Conference on Inertial Fusion Sciences and Applications (IFSA 2001), p.1252 - 1255, 2001/00
レーザープラズマX線源は、縮小転写型の(EUV)リソグラフィー,X線顕微鏡,LIGAプロセスなどに応用が可能である。レーザープラズマX線源をこれらに応用するためには、発生するX線の特性評価を行う必要がある。このことからわれわれのグループでは、デブリフリーでかつ高密度状態を維持することが可能なダブルノズルガスパフターゲットを用いたときのX線放射の特性評価を行った。アルゴン,クリプトン,キセノンをターゲットに用いたときの8-20nmのX線は、斜入射型回折分光器(1200 grooves/mm)を用いて分光した像を背面照射型のCCDカメラを用いて結像を行った。また、0.3-0.4nmにおける波長域の硬X線は、ADP結晶を用いて波長分解を行った。結果、8-20nmの波長域では、固体ターゲットを用いたときと同程度のX線放射が得られた。また0.3-0.4nmの波長域では、アルゴンのK線からのX線放射がみられた。このことから、ガスターゲットを用いたときでも高輝度な硬X線の発生が見られることがわかった。