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本岡 隆文; 永石 隆二; 山岸 功
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 95, 2017/03
福島第一原発での汚染水処理で炭酸塩スラリーが発生し高性能容器(HIC)に保管されている。HIC上のたまり水発生原因を推察するため、高崎量子応用研究所のコバルト照射施設で模擬炭酸塩スラリーに実機HICよりも高吸収線量率で線を照射した。炭酸塩濃度95g/Lのスラリーに
線を8.5kGy/h照射すると、水位上昇、スラリー内の気泡発生、上澄液の出現、ガス放出を観察した。本試験結果より、水位上昇の原因はスラリー内のガス蓄積による体積増加と推察された。HIC上のたまり水発生に、ガス蓄積によるスラリーの体積増加が示唆された。
伊藤 義之; 佐藤 史紀; 小島 順二
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 89, 2017/03
東海・再処理施設の低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、低レベル放射性廃液の処理により発生する炭酸塩廃液をセメント固化し廃棄体を作製することを計画している。本研究では、作製したセメント固化体からの水素発生量を検討するため、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所のコバルト60線照射施設にて、セメント試料の
線照射試験を行い、水素生成G値(G(H
))を測定した。G(H
)は、セメント固化試料から生成する水素ガスの濃度を分析することによって求め、セメント剤であるBFSとOPCの配合条件及び炭酸塩含有量によるG(H
)への影響を調査した。その結果、セメント剤配合条件の影響確認では、セメント中のOPC含有量の増加とともにG(H
)は、高くなる傾向であることが分かった。セメント中のOPC含有量が増加するとCaO成分が多くなることから、この影響でG(H
)は高くなったと示唆される。また、炭酸塩含有量の影響確認では、G(H
)は、炭酸塩を充てんすることで減少し、さらに炭酸塩充てん割合の増加とともにわずかに減少した。炭酸塩中には、硝酸ナトリウムが含まれており、この影響でG(H
)は低下したと考えられる。
小川 達彦; 八巻 徹也*; 佐藤 達彦
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 46, 2017/03
放射線施設安全や産業利用等の分野で、放射線照射による材料の物性変化は非常に重要となるため、様々な角度から研究が進められている。放射線による物性変化は、入射粒子のエネルギーが材料内に付与され、材料の化学結合がナノメートルからマイクロメートル程度の空間で局所的に変化することで起こる。従来、吸収線量が照射効果の指標とされてきたが、吸収線量や線エネルギー付与(LET)が同じでも、入射粒子の線種によって物性変化が異なる事例も知られている。放射線輸送計算コードPHITSは、ナノメートルからマイクロメートル程度の空間におけるエネルギー付与を計算する機能を持ち、LETの他に比エネルギー沈着(Specific energy deposition)などを計算できる。そこで、この機能を用いて計算した各線種ごとのエネルギー付与が起こす化学変化を理論的に予測して、線質による物性変化の違いを説明することを試みた。ポリエーテルスルホン膜に、10MeV陽子・50MeV He・
Cを照射した際の引っ張り破断伸び低下を推定したところ、同じ吸収線量でも炭素照射による引っ張り破断伸びの低下は、陽子やヘリウム照射による低下の半分になるという実験結果を再現した。また、分子鎖の破断がランダムな位置で起こり、100eVの沈着でその領域が引っ張り強度を失うという仮定から、線量に対する引っ張り破断伸びの低下の飽和性も説明できた。
徳安 佳代子; 安江 健一; 小松 哲也; 田村 糸子; 堀内 泰治
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 189, 2017/03
日本の山地では、一般的に隆起による高度増大に伴い侵食速度が増大する傾向がある。侵食速度が隆起速度と動的平衡状態にある山地では、時間が経っても平均高度が一定に保たれるため、山地から平野にかけての地下水流動は時間経過によって変化しないと考えられる。一方、隆起開始から時間が十分に経過しておらず動的平衡状態に至っていない山地は、今後、高度の増大に伴って地下水流動が変化する可能性がある。放射性廃棄物の地層処分においては、このような地形変化に伴う地質環境を把握することが重要な検討課題となるため、本研究では、砕屑粒子をその周辺の基盤岩中の石英の電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance: ESR)信号特性を比較し、石英の供給源を推定する手法の有効性について検討した。ESR測定の結果、堆積物とその起源となり得る基盤岩のESR特性が類似していたことから、石英粒子のESR信号特性を用いる方法は堆積物の供給源推定に有効であると考えらえる。
武内 伴照; 大塚 紀彰; 上原 聡明; 熊原 肇*; 土谷 邦彦
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 80, 2017/03
水中でも伝送可能かつ耐放射線性をもつ可視光無線伝送システムの構築を目指して、発光素子の候補である発光ダイオード(LED)の線照射効果の評価を行った。照射劣化を評価するため、電流電圧特性及び全光束を測定した。その結果、照射後に、LEDは全光束が減少するとともに樹脂レンズ部が着色したが、電流電圧特性はほとんど変化は無かった。結果から、両素子の特性劣化の主因は半導体部分の劣化ではなく、樹脂の着色によるものであることが示唆された。一方、砲弾型よりも表面実装型LEDのほうが、照射量に対する全光束の減少速度が小さかったことから、開発中の無線伝送システムの発光素子に適することが分かった。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司*; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 目黒 義弘; 中澤 修
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 87, 2017/03
福島第一原子力発電所における汚染水処理に伴い、多核種除去設備(以下、ALPS)から発生する廃吸着材は線放出核種を含む多量の放射性核種を含有しており、処分のため作製する固化体への放射線影響が懸念されている。したがって、処分時の安全性の観点から、固化体中の水の放射線分解による水素ガスの発生を評価しておくことが重要である。本件では、ケイチタン酸塩とSb吸着材の模擬物を対象に、無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC),高炉スラグセメント(BB)及びジオポリマー(GP))を用いて固化試料を作製し、
線を模擬した電子線照射を行い、水素ガスの発生量を調査した。結果、模擬廃棄物の種類が電子線照射時の水素ガス発生量に影響を与えていることが示唆された。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司*; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 目黒 義弘; 中澤 修
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 88, 2017/03
福島第一原子力発電所における多核種除去設備(以下、ALPS)から発生している廃吸着材は、多量の放射性核種を含有しており、処分のために発生した固化体への放射線影響が懸念されている。本件では、ケイチタン酸塩及びSb吸着材の模擬物を対象に、無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC),高炉スラグセメント(BB)及びジオポリマー(GP))を用いて固化試料を作製し、線の照射試験を行い、水素ガス発生のG値及び固化試料の含水率を調査した。結果、固化した模擬廃棄物の違いによるG値への影響が観察された。このことから、廃棄物に含まれる構成成分が固化試料の水素ガスの発生に寄与していることが示された。
阿部 智久; 嶋崎 竹二郎; 中山 卓也; 大曽根 理; 大杉 武史; 中澤 修; 百合 庸介*; 山田 尚人*; 佐藤 隆博*
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 83, 2017/03
本研究では、有害物質の溶出を抑制した焼却灰のセメント固化技術を開発するために、焼却灰をセメント固化した際の固化時における焼却灰からセメントへの有害物質の移動及び固化されたセメント固化体から溶出する有害物質の移動を明らかにすることを目指す。研究の第一段階として、マイクロPIXEにより焼却灰粒子を測定し、その違いを検出することを試みた。試料には模擬灰を使用し、粒子を樹脂材に包埋することで、測定試料として作製した。マイクロPIXE測定の結果、焼却灰粒子の数十マイクロメーターの範囲で2つの粒子の組成の違いを検出することができた。セメント固化に影響を与える硫黄等の軽元素についても検出できたため、焼却灰と固化の影響について今後検討したいと考えている。
川妻 伸二; 中井 宏二; 鈴木 義晴; 加瀬 健
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 81, 2017/03
原子力施設の緊急時対応や廃止措置のためのロボットに使用される市販半導体素子の耐放射線性を評価した。福島第一原子力発電所事故の直後、市販半導体の耐放射線性評価と管理方法に関するガイドラインの作成が試みられた。その際に用いられたデータは、高放射線量かつ高汚染環境下で使用される力フィードバック型サーボマニピュレータ開発の一環として開発された古いデータベースであった。耐放射線性はかなり保守的に評価された。その理由は、主としてシリコンを母材とする古い半導体のデータであったためである。現在、ガリウム・ヒ素を簿在とする半導体が主流になりつつあり、耐放射線性もより高いと期待される。そのため、現在、市販されている半導体の照射試験を行い、耐放射線性の評価を行った。
芹澤 弘幸; 山本 春也*; 安永 和史*
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 68, 2017/03
これまでの研究で、FCCタイプのセラミックス中にヘリウムが析出すると、ガスバブルが形成され、更にガスの放出に伴い、その内圧が減少すると、負結晶ができることが分かっている。本研究では、二酸化セリウム薄膜中にヘリウムを析出させた場合の析出状況を、STEMによって観察した結果を報告する。本研究により、ガスバブルの分布状況とその形状、及びガス放出に伴い膜表面にブリスタが発生することが判明した。
安倍 弘; 西塚 雄介*; 佐野 雄一; 内田 直樹; 飯嶋 静香
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 90, 2017/03
東京電力福島第一原子力発電所に貯槽されている使用済み燃料は、海水注入により、海水環境に曝されている。このため、当該燃料を再処理する場合には、海水成分が工程に同伴することが予想され、その影響について調査する必要がある。我々は、高放射性廃液貯槽材料に対する線照射環境における腐食評価を実施し、海水が腐食に大きな影響を及ぼさないことを明らかにした。