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上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
Thermal Science and Engineering, 25(4), p.65 - 74, 2017/10
福島第一原子力発電所事故において、炉心冷却維持のために海水が注入された。炉心が海水に晒されたことはこれまで経験がないことから、海水の沸騰熱伝達特性や、海水塩析出の可否、またその析出海水塩の冷却熱伝達に及ぼす影響についての理解が求められている。本研究では、海水プール核沸騰熱伝達実験を実施し、孤立気泡域,合体気泡域,伝熱面焼損時の局所の沸騰伝熱挙動を高速度ビデオカメラによる発泡挙動の撮影や赤外線カメラによる伝熱面温度分布の計測を実施し、海水と蒸留水の核沸騰素過程の違いについて議論した。その結果、海水沸騰では蒸留水に比べて、発泡数が少なくなるとともに、発泡する気泡の径が大きくなるなど、発泡挙動に違いが見られた。また、析出物が伝熱面上に形成された場合は微細な気泡が大量に発生することが確認された。さらに10.0wt%人工海水実験では海水塩析出物によって伝熱面温度が上昇し続け(伝熱面温度の逸走)、伝熱面平均温度が1000Cを超えたところで、伝熱面が焼損した。ただし、その伝熱面焼損は蒸留水実験のように局所の伝熱面温度の急上昇によって起きる現象ではなく、比較的緩やかな温度上昇を経て焼損した。このように海水の沸騰熱伝達は蒸留水とは異なっており、本実験結果は海水を使用した伝熱機器の安全性を考える上で重要な結果である。
上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
Thermal Science and Engineering, 25(2), p.17 - 26, 2017/04
東京電力福島第一原子力発電所事故時の海水注入が伝熱流動へ与える影響を理解するため、伝熱面上の海水塩析出物が沸騰熱伝達へ与える影響の把握を目的とした海水プール核沸騰熱伝達実験を実施した。また、伝熱面に析出物が伴うという共通点を持つナノ流体のプール核沸騰熱伝達実験も実施し、両流体の熱伝達機構の共通点と相違点について議論した。その結果、海水では特定の熱流束を境に一定の熱流束であるにもかかわらず、伝熱面温度が非定常に増加し、限界熱流束の低下が示された。ナノ流体については蒸留水よりも高い熱流束で伝熱面焼損を起こしており、既存研究と同様に限界熱流束の向上を示唆した結果が得られた。この違いは伝熱面上の析出物の構造の違いによるものと考えられる。海水の場合、析出物は熱伝導率の低い硫酸カルシウムであり、時間とともに析出層が厚くなることを確認された。その析出層厚さが増加することで熱抵抗が増加し、熱伝達率ならびに限界熱流束が低下したと考えられる。ナノ流体の場合には、伝熱面上にナノ粒子層が析出したが、その表面は、海水塩析出物とは異なり、多数のマイクロスケールの溝が形成されていることが確認された。その溝を通して液が伝熱面に供給されることで、限界熱流束が向上したと推定される。このように、海水とナノ流体では、共に析出物を伴う流体であっても、その析出物の構造の違いによって沸騰熱伝達へ与える影響は異なる。
江連 俊樹; 伊藤 啓; 上出 英樹; 功刀 資彰*
Thermal Science and Engineering, 24(3), p.31 - 38, 2016/07
Vortex cavitation behavior is studied using a 1/22 scaled upper plenum water model of advanced loop-type sodium-cooled fast reactor. Vortex cavitation occurrences are quantitatively grasped through visualization measurements including its transient behavior under various conditions of inlet velocity of suction pipe, water temperature and system pressure. In addition, the relation between local velocity around vortex and vortex cavitation occurrences are investigated based on results from visualization and Particle Image Velocimetry measurements. Experimental results show the difficulty of evaluation of vortex cavitation occurrences simply based on cavitation factor. And also, vortex evaluation with local circulation shows the effectiveness to organize the vortex cavitation occurrences via the evaluation of pressure decrease using vortex model.
久保 真治; 秋野 詔夫; 田中 周*; 中野 文彦*; 長島 昭*
Thermal Science and Engineering, 5(1), p.9 - 13, 1997/01
本研究は、試作した高性能熱媒体であるマイクロカプセル化相変化物質スラリーを作動熱媒体として用いた自然対流熱伝達実験である。実験は、容器内に熱媒体を注入し、水平円柱状の加熱体で加熱することにより行った。濃度を実験のパラメータにし、直接測定可能な熱伝達率を評価した。MCPCMスラリーを用いた場合で相変化が生じる温度レベルでの熱伝達率、相変化しない温度レベルでの熱伝達率、さらに実験条件が同等で熱媒体に純水を用いた場合の熱伝達率、の3者を比較することで、MCPCM添加が熱伝達率の増減に寄与する効果について明らかにした。