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松岡 弘充; 橋本 和幸; 菱沼 行男*; 石川 幸治*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*; 内田 昇二*
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.189 - 191, 2005/12
レニウム-188は、高エネルギーの線を放出する等がん治療用として優れた核特性を持ち、さらに、
W(半減期69.4日)の娘核種として生成し、入手が容易であるため、がん治療用RIとして注目されている。しかしながら、得られる
Wの比放射能が低いため、アルミナカラムを使用した従来のジェネレーターでは、カラム容積が大きくなり、溶出した
Reの放射能濃度が低くなる問題点がある。
Reの放射能濃度の向上を目指して、原研と(株)化研が共同で開発したモリブデンの吸着容量がアルミナの100倍以上もあるジルコニウム系無機高分子PZCが
W/
Reジェネレーターへ応用可能かどうか、基礎的な検討を行った。
WのPZCカラムへの吸着収率,
Reのカラムからの長期溶離安定性,
WのPZCカラムからの脱離の確認、そして、PZCから溶離した
ReのHydroxyethylidene Diphosphonic Acid(HEDP)とMercaptoacetyltriglycine(MAG3)への標識を試みた結果、長期間における
WのPZCへの安定した吸着,
ReのPZCからの溶離安定性及び良好な標識率が確認でき実用化の可能性が示唆された。
橋本 和幸; Wan, K. W. H. B. B.*; 松岡 弘充
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.193 - 196, 2005/12
治療に有効な核的特性を有するラジオアイソトープ(RI)をがんへ集積する性質を有する生理活性物質(モノクローナル抗体等)に標識した化合物は、がんの内用放射線治療への応用が期待されている。メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)は、生理活性物質のRI標識に有用な二官能性配位子の一つである。本研究では、がん治療に有効な核的特性を有するジェネレータ製無担体ReによるMAG3標識について、直接合成法及び中間体を生成させるtransfer配位子(クエン酸及びグルコン酸)を用いた合成法による標識条件(Reの還元剤である塩化スズ濃度,pH,MAG3濃度,transfer配位子濃度,担体の有無等)の違いを詳細に比較検討した。最適条件下では、いずれの方法によっても90%以上の標識率が得られた。直接法とtransfer配位子法を比較すると、直接法は、反応を窒素気流中で行い、さらに溶媒の除去操作が必要であるが、transfer配位子法では必要がない。したがって、操作上は、transfer配位子法の方が簡便である。また、transfer配位子の違いにより、標識率のpH依存性の違いや室温での反応性の違いなどが観察された。今後は、transfer配位子の違いによる抗体標識及びtransfer配位子を利用した他の有用配位子の標識に関する検討を行う予定である。
橋本 和幸; 松岡 弘充
Radiochimica Acta, 92(4-6), p.285 - 290, 2004/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.81(Chemistry, Inorganic & Nuclear)リン酸基を含む有機配位子を放射性レニウムで標識した化合物は、骨へ集積するために、骨がんの疼痛緩和薬剤としての利用が期待されている。これまでの種々のリン酸基を含む配位子のRe標識化合物の研究から、Re担体の有無により、標識率や安定性及び骨の無機質の主成分であるヒドロキシアパタイトへの
Re-EDTMPの吸着挙動に違いがあることがわかった。この要因として、「担体の有無による化学形の違い」が考えられるが、Re標識リン酸化合物の化学形に関しては、無担体の化合物の知見が全くないため担体の有無による化学形の比較・考察ができない。そこで本研究では、
Re-EDTMPのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)及び限外ろ過膜を用いた分析を行い、化学形に対するRe担体の影響を調べた。その結果、
Re-EDTMPは、複数の化学種の混合物であり、担体の有無によりその化学種分布が異なること,その分子サイズの分布も、担体の有無により異なることなどがわかり、担体の有無による
Re-EDTMPの化学形が違いを実験的に初めて明らかにした。したがって、担体の有無による標識率,安定性及びヒドロキシアパタイトへの吸着挙動の違いの要因は、担体の有無による化学形の違いであると結論付けた。
アイソトープ専門部会
JAERI-Research 2004-001, 117 Pages, 2004/02
本研究は、アイソトープ専門部会の放射性レニウムに関する研究グループ(原研及び協力研究機関)の下で行われたものであり、1998年3月の第1次報告(JAERI-Research 98-015)以降に得られた放射性レニウムRe及び
Reの製造,放射性レニウムを用いた標識化合物の合成及びその標識化合物のマウス体内動態に関する成果をまとめたものである。放射性レニウムの製造に関して、原子炉を用いた
Re製造法の改良,加速器を用いた
W(d, 2n)
Re反応による無担体
Reの励起関数の測定及び
W/
Reジェネレータから得られる無担体
Reの濃縮法の検討を行った。次に、放射性レニウムの利用に関する研究の一環として、放射性レニウム標識化合物合成における穏和な条件の探索,腫瘍骨転移の疼痛治療に関する新規化合物の開発,放射性レニウム標識抗体・ペプチドにおける母体化合物となる有機レニウム化合物の開発,
Reを用いた放射免疫療法の効果に関して検討を行った。また、基礎的検討として、二官能性配位子として有用なMAG3, MAMAの
Re標識及び
Re標識アミノメチレンリン酸化合物のヒドロキシアパタイトへの吸着挙動に関する研究を行った。
Ferro-Flores, G.*; Garcia-Salinas, L.*; Paredes-Gutierrez, L.*; 橋本 和幸; Melendes-Alafort, L.*; Murphy, C. A.*
IAEA-TECDOC-1228, p.99 - 103, 2001/06
がん治療用RIのキャリアーとして注目されている数種の生体分子(モノクローナル抗体、そのF(ab')フラグメント、ペプチド等)の
Re標識化について、中間体を生成するための配位子(Weak competing ligand)を用いて検討を行った。配位子としては、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(EHDP)を用いた。標識条件として、pH、温度、配位子濃度、レニウムの還元剤である塩化スズ濃度等を変化させて、生体分子への
Re標識率の変化を詳しく調べた。その結果、90%以上の高い標識率を得るためには、レニウムを還元(Re(VII)
Re(V),Re(IV))するために還元剤の酸性条件(pH3)及び高濃度の塩化スズが必要であることが明らかになった。また、
Re標識生体分子の免疫活性は、標識後も保持されていることが確かめられた。さらに得られた標識生体分子の安定性及びマウスを用いた体内導態についても検討した。
小林 勝利; 本石 章司; 照沼 久寿男; Rauf, A. A.*; 橋本 和幸
Radiochemistry, 42(6), p.551 - 554, 2000/12
がんの診断・治療用に注目されているRe,
Reの供給のため製造技術を開発した。最初に、
W(p,n)
Re反応による製造法を述べるとともに、主として原子炉による
Re,
Reの製造工程(照射、化学分離・精製、放射能測定)、装置及び製品仕様などについて報告する。いずれも安定濃縮同位体である
Re及び
WO
を照射し、化学分離・精製後の過レニウム酸水溶液及び
W/
Reジェネレータとして調製した。高価な
WO
の再利用と廃棄物の放射能低減のため、
Re及び
Wをトレーサに用いた模擬ジェネレータを試作し、アルミナカラムからAlを溶離しないでWのみを脱離する条件を検討した。NH
OH及びNaOHを溶離剤とし、それぞれ90%または99%以上のWを回収しWO
として調製後、放射化分析法で純度を確かめた。使用済の
W/
Reジェネレータについて本法を適用し、ターゲットとして再利用できるこが明らかとなった。
橋本 和幸
Radioisotopes, 48(7), p.505 - 506, 1999/07
甲状腺癌,乳癌,前立腺癌などが進行すれば多くの場合骨転移を生じ、激しい痛みを患者に与える。この痛みを緩和するのに、高エネルギーの線を放出する放射性医薬品が注目されている。リン酸基を含む化合物は、骨へ集積することが知られており、そのRI標識化合物である
Tc標識化合物が骨疾患の診断薬として幅広く使用されている。そこで、治療に有効であると考えられる
線放出核種を用いてリン酸化合物を標識し、骨にこの核種を集積させることにより疼痛緩和を行おうというものである。本稿では、疼痛緩和を目指した
線放出核種によるリン酸化合物への標識について
Re,
Re,
Sm及び
Luの例を簡単に紹介した。
橋本 和幸
Applied Radiation and Isotopes, 51(3), p.307 - 313, 1999/00
被引用回数:12 パーセンタイル:65.61(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性レニウム(Re)で標識したリン酸系化合物は、骨への集積が認められ、骨がんの痛みの緩和薬としての利用が期待されている。これまでに、
Re-MDP及び
Re-HEDPの合成条件を明らかにしてきた。一方、サマリウム-153で標識したアミノメチレンリン酸化合物(EDTMP)も骨がんの痛みの緩和薬としての有効性が見いだされてきた。そこで本研究では、ジェネレータから得られる無担体の
Reを用いて、アミノメチレンリン酸誘導体(EDTMP,EDBMP及びNTMP)の標識条件の検討を行った。その結果、最適条件下では、95%以上の高い標識率が得られた。次に、得られた標識化合物のpH変化及び生理食塩水による希釈に対する安定性について調べた。その結果、
Re-NTMP
Re-EDBMP
Re-EDTMPの順で安定性が増大することが明らかとなった。
アイソトープ研究委員会
JAERI-Research 98-015, 197 Pages, 1998/03
本論文では、アイソトープの製造・標識専門部会の放射性レニウムに関する研究会の下で行われた放射性レニウムRe及び
Reの製造、放射性レニウムを用いた標識化合物の合成及びその標識化合物のマウス体内動態について得られた成果をまとめた。まず、原子炉を用いた
Re、加速器を用いた無担体の
Re及び
W/
Reジェネレータによる無担体
Reの製造法を確立した。次に、放射性レニウムを用いた二リン酸誘導体DMSA,DTPA,DADS,アミノメチレンリン酸誘導体及びモノクローナル抗体の標識条件(pH,試薬濃度等)を検討し、最適標識条件を決定した。さらに、その標識化合物のマウス体内動態を調べ、臨床応用への可能性について検討した。
橋本 和幸; Md.S.Islam*; 出雲 三四六
JAERI-Conf 97-003, p.313 - 317, 1997/03
タングステン-188/レニウム-188ジェネレータから得られる無担体のReを用いて、
Re-ジメルカプトコハク酸(
Re-DMSA)標識化合物の合成条件の検討を行った。還元剤である塩化スズの濃度、反応温度、酸化防止剤の添加、DMSAの濃度、pH、担体の添加などの反応条件を変化させて、Re-DMSAの標識率変化を調べた。その結果、無担体の場合及び担体を含む場合共に、最適条件下で、98%以上の高い標識率が得られた。さらに得られた
Re-DMSA錯体のpH変化に対する安定性についても検討を加えた結果、pHを変化させてから(pH1
3~12)48時間後でも分解は認められず、非常に安定であることがわかった。
橋本 和幸; S.Bagiawati*; S.Islam*
Radiochemistry, 39(5), p.389 - 393, 1997/00
放射性レニウム(Re、
Re)は、その優れた核的性質及びテクネチウムと類似した化学的性質から、核医学の分野の治療の分野で有望視されている放射性核種である。本研究では、
W/
Reジェネレーターから得られる無担体の
Reを用いて、核医学の分野での利用が期待される標識化合物の合成条件の検討を行った。配位子としては、二リン酸誘導体(MDP、HEDP)及びジメルカプトコハク酸(DMSA)を用いた。還元剤である塩化スズの濃度、反応温度、酸化防止剤の添加、配位子濃度、pH、担体添加などの反応条件を変化させて、各々の標識率の変化を調べ、最適条件を決定した。さらに、得られたレニウム化合物のpH変化及び希釈に対する安定性についても調べ、安定性に影響を及ぼす条件についても検討した。
G.Ferro-Flores*; 橋本 和幸
Radiochimica Acta, 79(1), p.63 - 70, 1997/00
がん治療用RIのキャリアー(運び屋)として注目されているモノクローナル抗体(IOR CEAI)及びそのF(ab')フラグメントの
Re直接標識について、中間体を生成させるための配位子(Weak competing ligand)を用いて検討を行った。Weak competing ligandとして、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)を用いた。標識条件として、反応時間・温度、溶液のpH、HEDP濃度、レニウムの還元剤である塩化スズ濃度等を変化させて、抗体の
Re標識率の変化を詳しく調べた。その結果、最適条件下において、1~2時間の反応時間で95%以上の標識率が得られた。さらに、この標識法は、抗体のフラグメントの標識についても有効であることが示された。
橋本 和幸; S.Bagiawati*; 出雲 三四六; 小林 勝利
Applied Radiation and Isotopes, 47(2), p.195 - 199, 1996/00
被引用回数:23 パーセンタイル:85.39(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性レニウム(Re、
Re)は、その核的性質から診断と治療が同時にできる核種として注目されている。また、
Tc-methylene diphosphonate(
Tc-MDP)は、骨疾患の診断に有効な放射性医薬品として幅広く用いられている。本研究では、
W/
Reジェネレータから得られる無担体の
Reを用いて、Re-MDP標識化合物の合成条件の検討を行った。還元剤としては、塩化スズを用いた。Re-MDPの収率に影響を及ぼす種々の要因(塩化スズの濃度、反応時間、酸化防止剤、温度、pH、イオン強度および担体)について調べた。さらに得られたRe-MDP錯体のpH変化に対する安定性についても検討を加えた。
上沖 寛
Radioisotopes, 44(2), p.151 - 152, 1995/00
モノクロナール抗体の標識などに注目されている高比放射能のReを発生させる
Wの製造と
W-
Reジェネレータの開発状況についてレビューを行った。その結果について報告する。
山林 尚道
Japan-Russia Seminar on Utilization of Radiation and Radioisotopes for Medical Purposes, 0, p.1 - 12, 1994/00
原研では、放射線源として、がん治療のためのLDR(低線量率)用Ir小線源7種類、及び
Au小線源7種類並びにHDR(高線量率)用
IrRALS(遠隔操作式治療装置)用の新しい治療用
Ir線源及び骨密度診断用
Gd線源の製造・開発を行っている。一方、がん治療用核医学薬品の原料として高比放射能
Cu,
Moの他、近い将来疼痛軽減、治療にその利用が期待される
Sr,
Re及び
W/
Reジェネレーターの製造・開発も進めている。これらの製造には、研究炉JRR-2(10MW),JRR-3M(20MW),JRR-4(3.5MW)及び材料試験炉JMTR(50MW)を利用している。
上沖 寛; S.Mirzadeh*; Lambrecht, R. M.*; R.Knapp*; K.Dadachova*
Radiochimica Acta, 65, p.39 - 46, 1994/00
アルミナカラムにWを吸着させた
W
Reゼネレータを調整し、種々の溶離液を用いて
Reの溶離収率、
Wのブレークスルおよび放射性核種的不純物等の諸特性について3ヶ月間にわたり調べた。また、溶離液量を減少させるとともに高純度の
Re溶液を得るために、アルミナカラムに陰イオン交換樹脂カラムを連結したタンデム型ゼネレータについて検討を加えた。アルミナに対するタングステンの分配係数は0.05M硝酸アンモニウム溶液中で~8400であり、この液性において強くアルミナに保持されるのが認められた。ゼネレータからの
Reの溶離収率はタングステン量の影響をほとんど受けないことがわかった。これらの検討の結果、生体医用として本ゼネレータが有用であることが明らかになった。