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Do, V. K.; 古瀬 貴広; 村上 絵理奈; 相田 玲奈; 太田 祐貴; 佐藤 宗一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 327(1), p.543 - 553, 2021/01
被引用回数:5 パーセンタイル:56.19(Chemistry, Analytical)HClフリーな抽出クロマトグラフィーによるコンクリートマトリクスからのZrおよびMoの逐次分離手法を新たに開発するとともに、リアクションガスにアンモニアを用いたICP-MS/MSにてZrおよびMoを測定した。ICP-MS/MSによる測定条件は、コンクリートマトリクス中Zr, Moの安定同位体のテーリング、並びにNbの干渉を抑制できるように最適化した。これら測定干渉の除去能力については、非放射性コンクリートをマトリクスブランクとして測定することで評価した。コンクリートマトリクスにおける本手法のZrおよびMoの方法検出下限値は、それぞれ1.7mBq gと0.2Bq gとなった。また、Nbの除去係数(除染係数と同様な評価)およびアバンダンス感度はそれぞれ10オーダーと10オーダーになり、本手法が極微量のZrおよびMoを評価する分析法として十分な能力を有していることを確認した。以上の結果より、放射能インベントリ評価のためのコンクリートガレキ中Zr, Mo迅速分析手法としての本手法の有効性を確認することができた。
浅井 志保; 半澤 有希子; 今田 未来; 鈴木 大輔; 間柄 正明; 木村 貴海; 石原 量*; 斎藤 恭一*; 山田 伸介*; 廣田 英幸*
Talanta, 185, p.98 - 105, 2018/08
被引用回数:9 パーセンタイル:29.39(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物処分場における長寿命核分裂生成物(LLFP)の被ばくリスクを評価するためには、LLFPの分析が不可欠である。本研究では、マイクロ陰イオン交換カートリッジ(TEDAカートリッジ)を用い使用済燃料溶解液からZrを分離してLLFPの一つであるZrの存在量をICP-MSで定量した。TEDAカートリッジは、同等の分離に必要な従来分離材料(陰イオン交換樹脂)の1/10以下の体積(0.08cm)であっても優れたZr分離性能を維持し、使用済燃料中のほぼ全ての共存元素を迅速に除去できることを確認した。また、従来材料の約10倍の流速で処理が可能であるため、1.2分で分離が完了した。得られたZr定量値は、実測値による検証実績がなかった燃焼計算コードORIGEN2の正しさを実証する結果となり、ORIGEN2の信頼性も確認できた。
浅井 志保; 半澤 有希子; 今田 未来; 鈴木 大輔; 間柄 正明; 木村 貴海; 石原 量*; 斎藤 恭一*; 山田 伸介*; 廣田 英幸*
no journal, ,
使用済燃料や高レベル放射性廃棄物(HLW)中に存在する長寿命核種Zrは、HLW処分における長期安全性評価対象核種の1つであり、その放射能量の正確な積算が必要とされている。しかしながら、分析実績が希少であり、実測データ蓄積のためには効率的な分析法整備が不可欠である。我々は、透水性に優れた多孔性フィルタの細孔表面に、陰イオン交換基を高密度に結合することによって高吸着容量・迅速処理を実現する小型分離カートリッジを作製し、その分離性能を実証してきた。本研究では、このカートリッジをICP-MSによるZr測定前処理に適用するため、模擬試料を用いて、Zrおよび共存元素の溶出プロファイルを作成し、測定妨害核種(Nb, Mo等)を除去するための分離条件を決定した。さらに、作製したカートリッジを使用済燃料溶解液中のZr分離に適用したところ、Zrは共存元素から効率よく分離され、共存元素の干渉を受けることなく正確に測定できた。ICP-MS測定結果から算出した試料中Zr含有量は、98.25.1ngとなり、理論計算結果に概ね一致した。