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高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 功刀 資彰*
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.421 - 428, 2002/12
被引用回数:20 パーセンタイル:76.03(Nuclear Science & Technology)核融合炉で真空容器内冷却材侵入事象を生じた場合の圧力上昇を低減するために、サプレッションタンクやリリーフ配管からなる圧力抑制システムが考えられている。冷却材侵入時に真空容器内に発生する蒸気はリリーフ配管を介してサプレッションタンクに送られ、タンク内に蓄積された低温水との直接接触によって凝縮する。その結果、系統内の温度が低下し圧力上昇が抑制される。蒸気凝縮に関する従来の研究は軽水炉が対象であるため、サプレッションタンクの初期圧力が大気圧よりも十分に低い核融合炉条件とは異なる。そこで、低圧下における蒸気凝縮に関する現象解明を目的として数値解析による検討を行った。本研究では温度回復法をもとに考案した水-蒸気系凝縮モデルを二相流直接解析手法に適用した。解析結果は可視実験で観察された蒸気凝縮時の気泡の消滅や流動挙動を数値的に良く再現できることがわかった。今後はモデル実験結果との定量的評価を通して相変化を含む混相流体系下での直接解析手法の開発を行う考えである。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 柴田 光彦; 秋本 肇
第38回日本伝熱シンポジウム講演論文集, p.641 - 642, 2001/00
核融合実験炉ITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)で真空容器内冷却材侵入事象ICE(Ingress of Coolant Event)が起きた場合の安全システムの妥当性を評価するために、ITER構成要素を約1/1600で模擬したICE統合試験装置を製作した。本報はICE統合試験装置で得られた試験結果、TRACコードによる二相流解析結果及び蒸気凝縮可視実験の結果について述べる。一連のICE統合試験結果はTRAC-PF1コードを使って十分予測可能であることを確認した。また、サプレッションタンク内での蒸気凝縮に関しては蒸気はリリーフ配管からジェット流で放出されて低温水と直接接触することによって凝縮し、大きな気泡が多数の微小気泡に分割されながら凝縮が促進されることが明らかになった。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 秋本 肇
日本機械学会流体工学部門講演会2000講演論文集 (CD-ROM), 4 Pages, 2000/09
核融合実験炉ITERで真空容器内に冷却材が侵入する事象(ICE事象)が起きた場合の水-蒸気二相流挙動やサプレッションタンクによる安全システムの妥当性を定量的に把握するために、著者らはITERの構成要素を約1/1600の縮尺で簡略モデル化したICE統合試験装置を製作した。本報はICE統合試験装置で得られた結果とTRAC-PF1コードによる検証計算の結果について述べる。TRAC-PF1は軽水炉の安全性評価を目的として開発された熱流動解析コードであり、ITER用安全性評価解析コートの1つとして利用されている。ICE統合試験装置を使って一連のICE事象模擬実験を行い、サプレッションタンク方式による圧力上昇抑制機構がITER安全システムとして有効であることを実験的に明らかにした。また、ICE事象時の真空容器内沸騰二相流挙動はTRAC-PF1コードを使って十分に予測できることがわかった。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 秋本 肇
第37回日本伝熱シンポジウム講演論文集, p.703 - 704, 2000/05
国際熱核融合実験炉(ITER)で真空容器内冷却材侵入事象(ICE)が発生すると水の沸騰・蒸発に伴って圧力が急上昇して容器破損を引き起こすことが考えられるため、圧力上昇を抑制するための安全系としてサプレッションタンクシステムが検討されている。これは沸騰蒸気をサプレッションタンク内で凝縮させて系統内の圧力を低下させるシステムである。本研究ではサプレッションタンクシステムの有効性をICE統合試験装置を使って実験的に確認した。ICE統合試験装置はITERの構造を約1/2000で簡略模擬した試験装置で、プラズマチャンバー、真空容器、ダイバータ、サプレッションタンク及びリリーフ配管から構成される。また、TRAC-PF1コードを使って試験データ解析を行い、解析結果は試験結果を十分予測できることを確認した。
小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 秋本 肇
日本機械学会2000年度年次大会講演論文集, 1, p.609 - 610, 2000/00
核融合実験炉ITERで真空容器内に冷却材が侵入する事象(ICE事象)が起きた場合の水-蒸気二相流挙動やサプレッションタンクによる安全システムの妥当性を定量的に把握するために、著者らはコンパクトITERの大きさを約1/1600の縮尺で簡略モデル化したICE統合試験装置を制作した。本報はICE統合試験装置で得られた結果をTRAC-PF1コードを使って検証した結果について述べる。TRAC-PF1は軽水炉の安全性評価を目的として開発された熱流動解析コードであり、核融合実験炉の安全評価解析コードとしての利用が期待されている。本研究ではTRAC-PF1の予測精度を実験データをもとに明らかにするとともに今後目指す核融合実験炉用解析コードとしての改良項目等を特定化することを目的とする。一連のICE事象解析を行い、真空容器内の圧力変動やボイド率分布を数値的に十分予測できることを確認した。また、サプレッションタンク方式による圧力上昇抑制機構がICE事象時の安全システムとして有効であることを解析的に示した。今後は凝縮等の解析モデルを改良することによって計算精度の向上を図る考えである。
高瀬 和之; 功刀 資彰; 関 泰
Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 3, p.1321 - 1327, 1997/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の安全性研究として、真空容器内冷却材侵入事象(Ingress of Coolant Event)及び真空境界破断事象(Loss of Vacuum Event)下における真空容器内の圧力上昇速度等を実験的に調べた。冷却材侵入事象予備実験では、容器内温度250C、注入水温度200Cの条件で35気圧の水を10秒間注入したところ、容器内圧力は最高7気圧まで上昇したが、ITERで計画されているサプレッションタンクを使用することにより最高到達圧を目標とする値に低減できることを実験的に確認した。今後は広範な温度条件に対してサプレッションタンクの減圧性能を調べる計画である。真空境界破断事象予備実験では、破断後に容器内が真空から大気圧になるまでの置換時間は破断口サイズが1mm径の場合には約1時間、100mm径の場合には約0.5秒になり、これら置換時間と破断口サイズの関係は対数グラフ上でほぼ整理できることがわかった。この結果から、ITERにおける真空境界破断の置換時間を推定することが可能となった。