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福嶋 正巳*; 辰巳 憲司*; 長尾 誠也
Environmental Science & Technology, 35(18), p.3683 - 3690, 2001/09
被引用回数:138 パーセンタイル:93.06(Engineering, Environmental)陸域環境に存在する高分子電解質の有機物である腐植物質(フミン酸とフルボ酸)は、放射性核種や微量元素の土壌中での移行あるいは土壌から河川への移行動態を支配する要因の1つと考えられている。そのため、腐植物質の特性を把握し、微量元素との錯体特性あるいはその安定性を調べる必要がある。本研究では、光照射によるフミン酸の安定性及び分解されるフミン酸の構造特性を各種の分析法により検討した。なお、光照射の効果を促進させるために、鉄と少量の過酸化水素を添加した。5時間の光照射の間に、(1)フミン酸の有機炭素濃度と紫外域の吸光度は光フェントン反応により最大20%減少、(2)フミン酸の分子量が照射時間の増加にともなって低分子側へシフトした。また、光フェントン反応時において、添加した鉄はフミン酸の高分子部分と選択的に錯形成していることが明らかとなった。以上の結果は、フミン酸の高分子部分が鉄と錯形成することにより、光照射によるフミン酸の分解が高分子部分で選択的に進行したことが考えられる。
平出 哲也
no journal, ,
放射線によって水中ではイオン化、励起などが起こるが、イオン化で形成されたカチオンは水分子と反応してOHラジカルを形成する。OHラジカルは非常に反応性があり、DNA損傷や材料の腐食などに関与すると考えられている。陽電子消滅寿命(PAL)測定では水中における三重項ポジトロニウム(オルソーポジトロニウム;o-Ps)寿命が通常の液体中と異なり、高温ほど短寿命を示すようになる。これはo-Psが放射線誘起活性種との反応により寿命が短くなるためである。最近の研究でo-PsとOHラジカルのスピン交換反応が、陽電子消滅寿命-運動量相関(AMOC)測定で観測できることを示してきた。PALの結果から、低温ではo-Psと活性種の反応が起こらなくなっていると考えられるが、o-Ps中の電子とスピン相関をもつ電子を有するOHラジカルとの反応は10C以下の低温でも見られることがわかった。一見矛盾しているこのPALとAMOCの結果は、水の液体構造がOHラジカルの反応に重要に関与している可能性を示している。
平出 哲也
no journal, ,
水中における放射線誘起OHラジカルの反応は生体中や原子炉内の放射線影響において重要である。その水中における状態については、水分子との複合体を形成していると考えられる。OHラジカルと水分子の複合体の超微細結合定数は複合体を形成することで変化することが超音速ジェットによる測定で示されている。陽電子消滅法によりこの測定で得られた超微細結合定数、155.3MHzを示す複合体を水中で検出することを試み、よく一致した値を示す状態の測定に成功した。