検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 18 件中 1件目~18件目を表示
  • 1

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける純炭素フォイルによる荷電変換への挑戦

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.937 - 941, 2023/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速している。これまでRCSでは、HBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)とカネカ社製のグラフェン薄膜(GTF: Graphene Thin Film)の2種類を荷電変換フォイルとして使用してきた。HBCフォイルとは100$$mu$$g/cm$$^{2}$$以上の厚い炭素フォイルを安定的に作製するために高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発された手法である。当初はKEKで作製されたフォイルを使用してきたが、2017年からは原子力機構でHBCフォイルの作製を開始し、以来これを使用している。近年、アーク蒸着法では作製が困難と言われてきた厚い純炭素フォイルの成膜に成功した。新たな試みとして、この純炭素フォイルを2023年3月からの利用運転で使用した。結果、HBCフォイルとGTFでは使用時間の経過とともに、荷電変換されずにビームダンプに廃棄されるビーム量の増加傾向が観察されたが、純炭素フォイルではこの傾向がなく、安定的に荷電変換が可能であった。本発表ではこれら3種類の荷電変換フォイルの使用状況について報告する。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける荷電変換フォイルの最近の使用状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.629 - 633, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速させている。RCSで主に使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としてアーク蒸着法により作製したHBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。2017年から原子力機構でフォイルの内作を開始し、2018年以降これを利用運転で使用している。これまでのところフォイルを起因とする大きな問題は生じていない。一方でこの間、RCSのビームパワーは500kWから830kWへと段階的に上昇してきた。出力上昇に伴い、フォイルを支えているSiCファイバーの破断が顕著になってきた。SiCファイバーの破断はビームロスを増やしたり、フォイル回収時の汚染源となる可能性がある。この課題の対策としてより高強度な特性を持つSiCファイバーの使用やSiCファイバーパターンの変更などの対策を検討した。本発表では近年のJ-PARC利用運転でのフォイルの使用状況と課題とその対策ついて報告する。

論文

Analysis of J-HBC stripper foil for the J-PARC RCS

吉本 政弘; 仲野谷 孝充; 山崎 良雄; Saha, P. K.; 金正 倫計; 山本 春也*; 岡崎 宏之*; 田口 富嗣*; 山田 尚人*; 山縣 諒平*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011019_1 - 011019_7, 2021/03

BB2019-1209.pdf:0.86MB

荷電変換フォイルを用いたH$$^{-}$$ビーム多重入射方式はMW級の大強度陽子ビームを実現するための重要な技術である。大強度陽子加速器施設(Japan Proton Accelerator Research Complex: J-PARC)3GeVシンクロトロン加速器(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発され耐ビーム寿命が大幅に更新した、ホウ素添付炭素薄(Hybrid type Boron-doped Carbon: HBC)フォイルを採用している。これまで、RCSの利用運転時に使用しており、大強度ビーム照射に対して優れた長寿命性能を有することを確認した。HBCフォイルの性能評価のために、RCSにおいて長期間照射に対する形状観察や荷電変換効率測定を実施してきた。また量子科学技術研究機構(Quantum and Radiological Science and Technology: QST)高崎量子応用研究所(高崎研)のイオン加速器(Takasaki Ion Accelerators for Advanced Radiation Application: TIARA)においてイオンビーム照射試験を実施し、組成分析や不純物同定などの物性解析や電子顕微鏡によるミクロ観察を行ってきた。その結果、フォイル破損に至るメカニズムとして、照射欠陥による密度変化とピンホールの成長、温度上昇にともなうガス化などが重要な鍵ではないかとの兆候を得た。近年、HBCフォイルの蒸着装置をJAEA東海サイトに移設し、フォイル製作を開始した。(以降のフォイルをJ-HBCフォイルと称する。)J-HBCフォイルの性能評価をこれまで同様にQST高崎研のTIARAで実施してきた。さらに、蒸着パラメータを変えてHBCフォイルの耐ビーム性能について試験を行った。その結果、これまで重要なパラメータと考えられていたカソード・アノード電極の消費比率よりも、ボロンの混入率がより重要なパラメータであることが分かった。

論文

Progress status in fabrication of HBC stripper foil for 3-GeV RCS at J-PARC in Tokai site

吉本 政弘; 山崎 良雄; 仲野谷 孝充; Saha, P. K.; 金正 倫計

EPJ Web of Conferences, 229, p.01001_1 - 01001_7, 2020/02

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、ハイブリッドボロン添加カーボンフォイル(HBCフォイル)を用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発されたHBC荷電変換フォイルはビーム照射に対する寿命を飛躍的に向上させることに成功した。これまで荷電変換フォイルの準備作業は、第1段階としてKEKつくばサイトでフォイルの蒸着作業を実施し、次に原子力機構(JAEA)東海サイトでフォイルの調整作業を実施するという2段階に分けて行ってきた。フォイル準備作業を効率的に進めるためには同一場所での作業が望ましく、そのためにHBCフォイル用の蒸着装置をつくばサイトから東海サイトに移設した。蒸着装置の修理及び再立ち上げを行った後に、製作したHBCフォイルの性能評価試験を高崎量子応用研究所TIARAにおいて実施した。Ar照射試験による寿命評価、RBS法を用いた組成分析、$$mu$$PIXEによる不純物評価の結果、これまでのHBCフォイルと同等の性能を有することを確認した。そして実際にRCSにおけるビーム照射試験を実施し、10日間の利用運転に問題なく使えることを実証した。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイルの作製状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.545 - 549, 2019/07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では大強度陽子ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。RCSで使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としたアーク蒸着法により作製したフォイル(HBCフォイル: Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。このHBCフォイルはビーム照射による損傷に対して強い耐久性を持つことが大きな特徴である。これまでHBCフォイルの作製は、成膜工程(蒸着,アニール,剥離)を高エネルギー加速器研究機構(KEK)つくばで実施し、原子力機構(JAEA)東海でフォイルの調製工程(サイズ調整,フレームマウント,マガジンラックへの装填)を実施する分業体制で行ってきた。2017年より、フォイル蒸着装置をKEKつくばからJAEA東海に移設し、作製工程を統合した。移設後に新しく作製したHBCフォイルの健全性を評価するために、量子科学技術研究開発機構(QST)高崎研TIARAにおいて照射試験及び性能分析を実施し、実機でのビーム照射試験を経て、利用運転での使用を開始した。結果、新しく作成したHBCフォイルのみで1年間の利用運転を達成することができた。

論文

Maintenance of radio-activated stripper foils in the 3 GeV RCS of J-PARC

吉本 政弘; 山崎 良雄; Saha, P. K.; 金正 倫計; 菅井 勲*; 入江 吉郎*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 305(3), p.865 - 873, 2015/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、H-荷電変換ビーム多重入射のためにHBCフォイルを採用している。HBCフォイルは大強度ビーム照射に対して寿命が長いという利点を持っている。これまでのところ、6か月以上の加速器利用運転期間ではフォイルは破損したことがない。しかしながら、入射部には高い残留線量が存在する。特に、フォイル直下流の真空容器のフランジに最も高い残留線量が観測されている。またこの残留線量はリニアックの181MeVから400MeVまでのエネルギー増強に伴い増加している。この入射部での高い残留線量の主な原因はフォイルで起こっている核反応によって生じた2次陽子や中性子であることが分かった。このフォイル自体の放射化は根源的な問題であり、それゆえに高線量場でのフォイルメンテナンスシナリオは大強度加速器における重要な課題の一つである。J-PARC RCSでは、作業員の放射線被ばくを可能な限り低減させ、放射化したフォイルが破損・飛散するリスクを抑えることを実現できる新しいメンテナンスシナリオに則ってフォイル交換機構の改造を行った。加えて、照射済みフォイルの分析を可能とするために、フォイル単体を破損させずにトンネルから回収できるようにした。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイル温度分布計算

倉持 勝也*; 金正 倫計; 入江 吉郎*; 菅井 勲*; 五十嵐 進*; 荒木田 是夫*; 武田 泰弘*

第14回加速器科学研究発表会報告集, p.637 - 639, 2003/00

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、3種類の荷電変換フォイルを使用する。1つは、リニアックからのH$$^{-}$$ビームをH$$^{+}$$に変換し、RCSへのビーム入射に利用し、他の2つはH$$^{+}$$に変換されなかったビームをビームダンプへと導くために利用する。ACCSIMで計算された粒子分布をもとにANSYSにより荷電変換フォイルの温度分布を計算したので報告する。

論文

An Optimization study of the LUCE method

鈴木 康夫*

Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00

次世代中性子源のための陽子蓄積リングについて報告する。このスキームでは、周期的磁場(アンジュレーター)とレーザー光(大出力レーザー)をフォイルの代わりに用いる。この装置は蓄積リングの直線部におかれ、中性化部とイオン化部から構成される。イオン化部は、光学系とレーザー、それとアンジュレーターからなり、中性化用アンジュレーターから出てきた中性水素ガスを励起、イオン化する。レーザー光は、アンジュレーターの磁場によりイオン化しやすいように、n=3レベルへ励起するために用いる。この方法により、放射化を少なくし、ビームエミッタンスを小さくできる。以上の要素機器はすべて実用レベルの技術で実現可能である。

論文

Development of a beam pulse monitor for the JAERI AVF cyclotron

奥村 進; 福田 光宏; 石堀 郁夫; 上松 敬; 横田 渉; 奈良 孝幸; 中村 義輝; 荒川 和夫

JAERI-Conf 95-021, 0, p.150 - 152, 1995/10

サイクロトロンで加速されたパルスビームは飛行時間測定実験や時間分析実験に使用されている。このパルスビームの時間幅や間隔を調整するためにはパルスビームを直接検出する必要がある。また、パルスビームのトリガー信号は各実験で必要とされている。このため、ワイヤとフォイルをビーム中へ挿入して生成された二次電子や光子をマイクロチャンネルプレートで増幅してパルスビームを検出するモニターを開発し、45MeV H$$^{+}$$及び260MeV Ne$$^{7+}$$ビームを用いてテストを行った。その結果、パルスビームに対応した高速トリガー信号が生成でき、1n秒以下の時間分解能でパルスビームの時間スペクトルが得られた。

論文

Measurements of beam-foil spectra of highly ionized chlorine ions in the region of 160-260 AA

左高 正雄; 小沢 国夫*; 川面 澄; 大塚 昭夫*; 小牧 研一郎*; 楢本 洋; 藤本 文範*; 中井 洋太; 石井 慶之*

Journal of the Physical Society of Japan, 57(10), p.3352 - 3356, 1988/10

高エネルギー高電離塩素イオンを用いてビーム・フォイル分光の研究を行った。160$$sim$$260A゜の領域で発光スペクトルを斜入射分光器で測定した。

論文

Energy and lifetime measurements in highly ionized chlorine

川面 澄; 左高 正雄; 大塚 昭夫*; 小牧 研一郎*; 楢本 洋; 小沢 国夫; 中井 洋太; 藤本 文範*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 262, p.150 - 155, 1987/00

 被引用回数:8 パーセンタイル:69.75(Instruments & Instrumentation)

原研タンデム加速器を用いて行われた、ビーム・フォイル分光、X線分光及びドップラ変調分光の研究成果を紹介する。特に120MeV Clイオンを用いた実験結果を中心とする、H$$^{-}$$,He$$^{-}$$,Li$$^{-}$$様イオンの発光線の同定や励起寿命に関して得られた新しい知見について述べる。

報告書

第2回原子衝突と重イオン核反応合同研究会報告書

原田 吉之助*; 小沢 国夫; 上坪 宏道*; 野村 亨*; 栗屋 容子*; 渡部 力*

JAERI-M 82-159, 184 Pages, 1982/11

JAERI-M-82-159.pdf:5.71MB

「原子衝突と重イオン核反応」の第2回合同研究会が1982年の春に東京で開催された。この合同研究会は、大型加速器の進歩と整備に伴い、加速器を利用する原子衝突と重イオン核反応の2大研究分野に横たわる共通の物理的問題点を明確にし、研究推進のための今後の展望を得る事を目的とした。研究会は両分野の研究者約50名が参加し、16編の発表とその討論が行われた。本報告書は、これを取りまとめ編集したものである。内容は、総合報告2編と、最近目覚しい進歩を遂げている。14のトピックスに就いての包括的研究で構成されている。

論文

A Preparation method of long-lived carbon stripper foils for heavy ions

竹内 末広; 小林 千明; 佐藤 豊; 吉田 忠; 竹腰 英子; 丸山 倫夫

Nuclear Instruments and Methods, 158(2-3), p.333 - 338, 1979/00

従来の方法で作られるカーボン・ストリッパー・フォイルをタンデム加速器などで重イオン用ストリッパー・フォイルとして用いたとき、その寿命は短い。そこで我々は長寿命カーボン・ストリッパー・フォイルの製造を追求してきた結果、3.5MeV(1$$mu$$A/13mm$$^{2}$$)のAr$$^{+}$$ビームに対して5時間~10時間の寿命を持つ長寿命カーボン・ストリッパー・フォイルの調整方法を見い出した。このフォイルは、カーボン蒸発源としてアーク放電を、剥離剤としてNiCl$$_{2}$$を、蒸着基板としてある特定の処理をしたガラス基板を用い、300$$^{circ}$$Cに加熱された蒸着基板の上にNiCl$$_{2}$$とカーボン膜(10$$mu$$g/cm$$^{2}$$)を真空蒸着することによって作られた。Ar$$^{+}$$照射による従来のカーボン・フォイルは照射部分が急速に縮み破れる(約十分)のに対し、長寿命フォイルは照射部分の縮みが極めて緩慢であり、かつ照射部分の周辺はその縮みに対し大きな伸びを供給している様子であった。

口頭

J-PARC RCSにおける荷電変換薄膜からの二次粒子による放射化核種評価

吉本 政弘; 岡部 晃大; 原田 寛之; 金正 倫計; 加藤 新一*

no journal, , 

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では1MWの大強度陽子ビームを実現するために、荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。従来のセプタム・バンプ電磁石のみを使ったビーム多重入射方式に比べてセプタム境界面でのビーム損失はほとんど起こらないため、原理的には多重入射する回数に制限は存在しない。しかし、詳細な残留線量測定の結果、荷電変換フォイルの周辺に非常に強い残留線量があることが分かった。PHITSシミュレーションの結果は、この強い放射化の原因が荷電変換方式ビーム多重入射時に、入射ビーム及び周回ビームが荷電変換フォイルに衝突することで起こる核反応による2次粒子によって引き起こされていることを強く示唆していた。このことを明らかにするために、フォイルからの2次粒子計測が重要になってくる。しかし、RCSの入射部は様々な機器が配置されている複雑な系になっているため、純粋にフォイルからの2次粒子を実験的に観測することは困難である。そこで、100度ダンプラインに新たにフォイル導入装置を設置し、2次粒子計測に必要な単純な実験系を構築した。ここでは、2次粒子の直接計測と金属薄膜を用いた放射化法による計測の2種類を計画している。まずは金属薄膜による放射化法で2次粒子種及びエネルギー分布の同定に向けた検討についてPHITSコードを用いて行った。この放射化法の有効性に関する評価結果について詳細に報告する。

口頭

J-PARC RCSにおける荷電変換薄膜からの2次粒子計測の開発状況

吉本 政弘; 岡部 晃大; 金正 倫計

no journal, , 

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では、1MWの大強度陽子ビームを実現するために、炭素薄膜を用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。この荷電変換薄膜の周辺には高い残留線量が測定されており、その原因は荷電変換薄膜と入射及び周回ビームとの相互作用により生成された2次粒子(陽子及び中性子)によるものと考えられる。現在、JSP科研費JP16K05027を受け、2次粒子を直接計測するための新しい放射線計測器を開発中である。この計測器は、スチルベン結晶を用いた有機シンチレータと通常のプラスチックシンチレータを組み合わせたもので、2次粒子である陽子・中性子・$$gamma$$線を弁別することを目的としている。開発の第1段階としてのスチルベンシンチレータの組み立てと中性子・$$gamma$$線弁別の性能試験を実施した。RCSのサブトンネル内では、中性子及び$$gamma$$線のみが存在することが分かっている。この環境下で開発中のスチルベンシンチレータを用いた放射線計測を実施し、中性子と$$gamma$$線の弁別ができることを確かめた。本発表では、このサブトンネル内で実施した性能試験について報告する。

口頭

Development of secondary particles detection system with stilbene organic scintillator in J-PARC RCS

吉本 政弘; 岡部 晃大; 金正 倫計

no journal, , 

J-PARC RCSでは、リニアックから400MeVのH$$^{-}$$ビームを入射し、荷電変換薄膜で陽子に変換する。ビーム入射期間中において、荷電変換薄膜は入射されるH$$^{-}$$ビームだけでなく周回するビームとも衝突する。高エネルギー大強度ビームを薄膜に照射すると核反応が生じ、二次粒子である陽子及び中性子が発生する。この二次粒子が薄膜周辺に強い放射化を引き起こし問題となっている。そこで発生した二次粒子の計測を計画しており、そのためには陽子・中性子・$$gamma$$線を区別できる粒子検出器の開発が必須となる。そこで、われわれはスチルベン有機シンチレータとプラスチックシンチレータを組み合わせた粒子検出器の開発を進めている。スチルベンシンチレータはパルス波形弁別(PSD)手法を用いることで$$gamma$$線と中性子・陽子とを弁別することができる。一方、中性子にほとんど反応しないプラスチックシンチレータをスチルベンシンチレータの前に設置することで、陽子と中性子との区別する仕組みが構築できる。本発表では、特に開発中のスチルベンシンチレータのPSD性能試験について報告する。

口頭

J-PARC RCSにおける荷電変換薄膜からの二次粒子測定

吉本 政弘; 岡部 晃大; 原田 寛之; 金正 倫計

no journal, , 

炭素薄膜を用いた荷電変換ビーム入射方法は、J-PARC 3GeVシンクロトロンにおいて大強度陽子ビームを実現させるための重要な要素である。従来の多重入射法に比べてビーム損失の少ない荷電変換入射法は、一方で高エネルギービーム照射に伴う荷電変換炭素薄膜内での核反応により大量の二次粒子を生成・放出させる。この二次粒子が、荷電変換炭素薄膜の周辺に非常に強い残留線量を発生させる原因であると、実験及びシミュレーションは強く示唆している。そこで、さらなる安定運転を達成するために、炭素薄膜からの二次粒子を直接計測し、かつ放射化への影響を調べるための測定系を入射ビームライン途中にあるビーム調整用の100度ダンプラインに構築した。この系は炭素薄膜導入装置と放射線計測のための真空容器からなる単純な構造をしており、周辺に余計な磁場や放射線を発生させるものはないようにした。二次粒子は陽子, 中性子, $$gamma$$線等複数の粒子が生成放出されるため、直接計測にはこれらの粒子を弁別することが重要な課題となる。そこで薄型プラスチックシンチレータとスチルベンシンチレータを組合わせた二次粒子検出器を考案し用いた。本発表では、線源を用いた二次粒子弁別測定の結果について詳細に報告する。

口頭

J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイルの性能評価

吉本 政弘; 仲野谷 孝充; 山崎 良雄; Saha, P. K.; 金正 倫計; 山本 春也*; 岡崎 宏之*; 田口 富嗣*; 山田 尚人*; 山縣 諒平*

no journal, , 

荷電変換フォイルを用いたH$$^{-}$$ビーム多重入射方式はMW級の大強度陽子ビームを実現するための重要な技術である。大強度陽子加速器施設(Japan Proton Accelerator Research Complex: J-PARC)3GeVシンクロトロン加速器(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発され耐ビーム寿命を大幅に更新した、ホウ素添加炭素(Hybrid type Boron-doped Carbon: HBC)フォイルを採用している。これまで、RCSの利用運転時に使用しており、数百kWのビーム照射に対して優れた長寿命性能を有することを確認したが、設計出力である1MWでの長期安定性は未だ不明である。そこで、HBCフォイルの性能評価のために、RCSにおける長期間照射に対する形状観察や荷電変換効率測定の実施に加えて、量子科学技術研究機構(Quantum and Radiological Science and Technology: QST)高崎量子応用研究所(高崎研)のイオン加速器(Takasaki Ion Accelerators for Advanced Radiation Application: TIARA)におけるイオンビーム照射試験や組成分析等を実施してきた。これまでに、フォイル破損に至るメカニズムとして、照射欠陥による密度変化とピンホールの成長、温度上昇にともなうガス化などの兆候を得た。現在、HBCフォイル蒸着時にカソード電極またはアノード電極のどちらかを純炭素電極に代えて製膜したHBCフォイルの照射試験を進めている。その結果、アノード電極由来のホウ素がビーム照射の耐久性能に重要な役割を果たしている可能性を示唆するデータを取得することができ、大強度ビームの安定供給に必須の、HBCフォイルの長寿命化に向けた新たな知見を得た。

18 件中 1件目~18件目を表示
  • 1