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朝倉 伸幸; 櫻井 真治; 嶋田 道也; 小出 芳彦; 細金 延幸; 伊丹 潔
Physical Review Letters, 84(14), p.3093 - 3096, 2000/04
被引用回数:65 パーセンタイル:87.70(Physics, Multidisciplinary)ダイバータ・トカマクJT-60Uにおいて、プラズマ分布と磁力線方向のプラズマ流をスクレイプ・オフ層(SOL)の2か所(赤道面、X点付近)において、可動静電プローブ(マッハ・プローブ)で計測した。プラズマ密度とプラズマ電流/トロイダル磁場の方向を変えた実験を行った結果、トロイダル磁場が順方向(イオン磁場勾配ドリフトがダイバータ方向)の場合のみ、主プラズマ周辺部でプラズマ流が逆流する現象を観測した。実験データ解析の結果、これまで考えられていたプラズマ流モデルと異なり、プラズマ・ドリフトにより発生する磁気面上での圧力差を均等化するために、磁力線方向に逆流が発生する(Pfirsh-Schluter flow)モデルで説明できることを初めて示した。このイオン・ドリフトによるSOL流への効果は、これまでシミュレーション等に取り入れられておらず、SOL/ダイバータ領域における粒子輸送解析やダイバータ設計の最適化に重要であることを指摘した。
朝倉 伸幸; 櫻井 真治; 細金 延幸; 嶋田 道也; 伊丹 潔; 小出 芳彦; 内藤 磨
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1983 - 1994, 1999/00
JT-60Uで、デタッチ・ダイバータ生成機構やプラズマ流の発生機構を研究するために、SOL/ダイバータ領域の4ヶ所(赤道面、X点付近、内外ダイバータ板上)で静電プローブ計測を行った。特に、赤道面とX点付近に取り付けたマッハ・プローブで、磁力線に沿うプラズマ流を評価した。2ヶ所での流速計測のデータベースは少なく、大型トカマクでは初めてである。結果:(1)W型ダイバータでは、中性粒子をストライク点付近に効率的に集め、ダイバータ・デタッチメントがW型の方が開放型ダイバータより20%低い主プラズマ密度で発生する。(2)トロイダル磁場が順方向の場合、主プラズマ周辺部でプラズマ流が逆流する現象を観測し、解析の結果、磁気面上での圧力を均等化にするために逆流が発生するモデルを示した。(3)ダイバータX点付近で、プラズマ流がトロイダル磁場の方向により逆流することを観測した。これまでシミュレーション等には取り入れてなかったプラズマのイオン・ドリフトによる効果が、SOL/ダイバータ領域における粒子輸送に関係することを指摘した。