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二神 敏; 山野 秀将; 栗坂 健一; 氏田 博士*
Proceedings of PSAM 2023 Topical Conference AI & Risk Analysis for Probabilistic Safety/Security Assessment & Management, 8 Pages, 2023/10
原子力発電所のPRAの効率的・効果的な社会実装を目指したイノベーションを創出するため、AI,デジタル化技術を活用して、運転時のPRAにおけるフォルトツリー(FT)作成、及び信頼性データベース構築に着目してAIツールを開発する。本報では、AIツールの開発計画とFT自動作成ツールの開発状況について報告する。
島田 太郎; 行川 正和*; 三輪 一爾; 武田 聖司
Proceedings of Waste Management Symposia 2023 (WM2023) (Internet), 8 Pages, 2023/02
廃止措置段階に発生する可能性のある事故においては、解体作業中にフィルタ等へ蓄積した粉じんが一挙に環境に放出され地表に沈着した放射性粉じんが降雨に伴う地表流とともに傾斜の下流へ移動し、窪地に蓄積することも想定される。降雨や地形、表面の被覆状態などの条件によって変動する核種の移動量と公衆の被ばく線量を評価するコードの開発を進めている。その評価にあたっては必要な評価パラメータの設定方法を整備する必要がある。そこで、地表面に沈着した粉じんの傾斜面上の流下を模擬した室内降雨試験を実施して、核種移動量評価に必要なパラメータ値を廃止措置段階で想定される劣化状態を含めて取得し、その設定方法を検討した。被覆表面と表面を流れる水との抵抗量を示す等価粗度係数が既知の平滑なアスファルトをもとに得られた劣化アスファルトと平滑なコンクリートの等価粗度係数は文献で得られた値の範囲に収まった。しかし劣化コンクリートの等価粗度係数は、想定と異なり平滑なアスファルトよりもやや低い値となった。これは本試験では地表流による浮遊と雨滴衝撃による浮遊を同時に評価しているため、雨滴衝撃による浮遊のばらつきの影響によるものと考えられる。また、3Dスキャナで各表面の凹凸を点群として取得し表面粗さを評価したところ、等価粗度係数との相関が示唆され、実際の適用の際に利用できる可能性が示された。
木下 貴博*; 岡村 茂樹*; 西野 裕之; 山野 秀将; 栗坂 健一; 二神 敏; 深沢 剛司*
Transactions of the 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 7 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR)で、原子炉容器のような重要な機器の地震評価は、地震リスク評価(S-PRA)において、原子炉容器のような重要な機器の破損を評価できる評価方法は必要である。疲労破損と機器に累積した振動エネルギーの関係は、過去の研究において確かめられている。また、振動エネルギーによる破損評価は検討されている。本研究では、地震時に機器に累積する振動エネルギーを評価した破損確率評価手法を開発する。
山口 義仁; Li, Y.
配管技術, 63(12), p.22 - 27, 2021/10
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、原子力発電所に対する地震を起因とした確率論的リスク評価(PRA: Probabilistic Risk Assessment)やリスク情報の活用が重要となっている。地震PRAでは、安全上重要な機器や配管などの地震による損傷確率を考慮して、炉心損傷頻度などが求められる。長期間使用された配管では、経年劣化による亀裂などの発生があり得る。亀裂が発生すれば、配管の破壊強度が低減され、地震時の損傷確率が上昇することとなる。そのため、長期間運転された原子炉を対象に地震PRAを実施する際には、経年劣化が機器の損傷確率に及ぼす影響を考慮することが重要である。著者らは、経年劣化の影響に加えて、地震による亀裂進展や破壊を考慮することで、長期間使用された原子炉配管の損傷確率を算出できる解析コードを開発し、妥当性の確認を経て公開した。また、地震による損傷確率を求めるための手順や推奨される手法やモデル,技術的根拠などを取りまとめた評価要領を世界に先駆けて整備し公開した。本論文では、開発した解析コード及び評価要領について説明する。
丸山 結; 喜多 利亘*; 倉本 孝弘*
日本原子力学会誌ATOMO, 62(6), p.328 - 333, 2020/06
発電用原子炉施設, 核燃料施設などの原子力関連施設の安全確保において、確率論的リスク評価(PRA)が重要な役割を担っている。PRAより得られる様々な知見や情報が原子力関連施設の運用に関する意思決定に有用であり、自主的安全性向上活動、新検査制度などにおいて、PRAより得られるリスクの活用もなされている。一方で、PRAの評価技術についても、日本原子力学会標準委員会において、PRA手法を中心とした標準(実施基準)の整備を行うなど段階的に進展している。こういった背景の中で、「よくわかるPRA; うまくリスクを使えるために」と題する連載講座を本稿から7回にわたって開講する。第1回は、原子炉施設及び核燃料施設を対象に、内的事象及び外的事象、レベル1, レベル2及びレベル3、各運転状態(通常運転時や停止時)に対するPRAについて、技術の現状及び応用例、今後の技術課題や研究・開発の方向性について概説する。
松田 航輔*; 村松 健*; 牟田 仁*; 佐藤 博之; 西田 明美; 大橋 弘史; 糸井 達哉*; 高田 毅士*; 肥田 剛典*; 田辺 雅幸*; et al.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/04
高温ガス炉における、地震起因による原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する配管の複数破断を含む事故シーケンス群の起因事象モデルについて、ソースタームの支配因子に着目した起因事象に対する階層イベントツリーを適用する場合と、個々の破断の組合せを考慮した多分岐イベントツリーを適用する場合を対象に地震時事故シーケンス頻度評価コードSECOM2-DQFMによる試計算を行った。評価結果から、高温ガス炉のための効率的かつ精度を維持できる起因事象の分類方法を構築できる見通しを得た。
佐藤 博之; 西田 明美; 大橋 弘史; 村松 健*; 牟田 仁*; 糸井 達哉*; 高田 毅士*; 肥田 剛典*; 田辺 雅幸*; 山本 剛*; et al.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/04
本報告では、高温ガス炉PRAの実施上の課題である、建屋や黒鉛構築物、配管など静的な系統、構築物及び機器の多重故障を考慮した地震PRA手法の確立に向け進めている、静的SSCの多重故障を考慮した事故シーケンス評価手法構築、建屋、黒鉛構築物の損傷を考慮したソースターム評価手法構築、地震時の具体的な事故シナリオ検討に資するフラジリティ評価手法構築及び実用高温ガス炉への適用性評価の概要について報告する。
高田 孝; 東 恵美子*
Proceedings of 13th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (PSAM-13) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
プラント状態の定量化を含めた総合的なリスク評価を行うことを目的に、連続マルコフ過程モンテカルロ法と動特性解析をカップリングした新たな手法を開発した。本論文では、開発した手法の適用性評価として、竜巻および強風ハザードにおけるループ型ナトリウム冷却高速炉プラントの安全性評価を実施した。その結果、本手法の適用性を確認するとともに、低頻度事象への適用として、重み付けを用いることで比較的少ないサンプル数で評価が可能な見通しを得た。
山野 秀将; 西野 裕之; 岡野 靖; 山元 孝広*; 高田 孝*
Earthquakes, Tsunamis and Nuclear Risks, p.111 - 121, 2016/01
本研究では、ナトリウム冷却高速炉のための積雪,竜巻,強風,火山噴火,森林火災に対する確率論的リスク評価(PRA)及びマージン評価手法を含むリスク評価手法を開発している。本論文では、これらの研究の全体概要と強風に対するリスク評価手法開発について述べる。強風PRAでは、気象データに基づきグンベル分布を用いてハザード曲線を推定し、強風による破損確率を求めたうえで、イベントツリーに基づき定量化を可能とする手法開発を行った。機器毎の破損評価も行い、機器損傷に至る風速をマージンとみなす機器別のマージン評価手法も開発した。
岡野 靖; 山野 秀将
Proceedings of International Topical Meeting on Probabilistic Safety Assessment and Analysis (PSA 2015) (USB Flash Drive), p.22 - 31, 2015/04
森林火災に対するハザード曲線をロジックツリーに基づく手法で評価した。ロジックツリーは、森林火災発生・延焼条件、天気条件、植生・地形条件から構成される。本研究では、日本における典型的な原子力発電所立地条件を設定した。当該地域における森林火災発生頻度は日本平均の約1/5程度である。森林火災の発生地点は日本における主要な発生原因を考慮して選定した。天気条件の出現頻度は、"気温-湿度"と"風速-風向"の2つの条件セットで表現可能であった。森林火災延焼シミュレーションを通じ、感度の高い条件(風速, 湿度)に対する森林火災強度の応答曲面を構築する一方、感度の低い条件(気温)に対してはロジックツリーから省略することで簡略化を行った。モンテカルロシミュレーションにより、ロジックツリーによるハザード曲線を導出した。火線強度は10/年頻度で200kW/m、1.310/年頻度で300kW/mと求められた。
高原 省五; 日高 昭秀; 荻野 隆*
JAEA-Data/Code 2015-001, 65 Pages, 2015/03
放射線に起因する晩発性健康影響を推定する計算コードHEINPUT-GUIは、確率論的事故影響評価コードOSCAARの前処理コードの一つであり、放射線被ばくに起因するがん罹患リスクと死亡リスク、並びに遺伝的影響を推定するための計算コードである。これまでにHEINPUT-GUIには、米国原子力規制委員会の提案したモデルと米国環境保護庁が1994年に提案したモデルが組み込まれており、これら2つのモデルを用いてリスクを推定できるように整備されている。本報告書ではこれらのモデルに加えて米国環境保護庁が2011年に提案した新しいリスク推定モデルを利用できるように改良した。また、ユーザーの負担を軽減するために、人口動態統計等の公開データを用いて3つのモデルに対する入力データを一括して作成するためのプログラムを開発した。
三枝 新*
JAERI-Review 2002-009, 43 Pages, 2002/03
放射線によって正常細胞ががん化細胞へと形質を転換させていく過程のメカニズムについては未だ明らかではなく、1990年代初頭までの放射線リスク評価においても、この過程は十分に考慮されるに至っていない。しかしながら1990年代以降の分子・細胞生物学的研究手法の発展によって細胞がん化のメカニズムが徐々に解明され、近年の放射線リスク研究においてはこれらがん化メカニズムの研究成果が取り込まれる方向にある。本報告は、1993年から97年にかけて公表された放射線誘発細胞発がん実験に関する論文を調査し、相互検証が可能なように主だった情報を抽出し一覧表としたものである。またこの間の、細胞がん化機構に関わる医・生物学的研究の進展を踏まえて、放射線リスク評価における細胞がん化機構解明の重要性についても記述した。
三枝 新*
RIST News, (32), p.2 - 11, 2001/10
日本原子力研究所は低線量放射線の安全性評価を検討するための科学的基盤を提供する目的で、放射線生物学,放射線リスク評価及び放射線防護に関する種々の情報を整理・解説し、その背景となる科学的データをまとめたデータベースDRESA(Database for Radiation Exposure and Safety Assessment)の開発を行った。本稿ではその登録データのタイトルと内容,データのファイル構成,データベースシステムの構造を解説した。さらに電子化データベース構築の可能性と問題点について検討を行い、WWW公開型データベースの利点及び欠点についても考察を行った。
水下 誠一
第39回原子力総合シンポジウム予稿集, p.33 - 41, 2001/04
日本をはじめ各国の放射線防護基準は、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告を取り入れている。ICRPの勧告し、基本となる放射線リスク評価から放射線防護の実際まで多岐に渡っており、全体の防護体系は非常に複雑なものになっている。このため、新しい要請等に応えることが困難になりつつあり、統一的で、かつわかりやすい新たな放射線防護体系の構築の必要性が認識されている。このような状況にあって、ICRPは放射線防護の新たな基本勧告の刊行を2005年に計画している。この防護原則の中心となる概念として、ICRP委員長のR. Clarkeが1999年にコントローラブル線量を提唱し、さらにICRPの2000年会合において、より具体的な新しい放射線防護体系を提案している。これまでのこれらの議論の状況について解説し討論する。
岡 努; 谷川 勉*; 戸室 和子*
JNC TN8200 2001-001, 42 Pages, 2001/01
平成12年12月14日、核燃料施設、環境放射能及び廃棄物処分を対象とした平成12年度安全研究成果発表会を核燃料サイクル開発機構(以下「サイクル機構」という。)アトムワールド(東海事業所)で開催した。本発表会は従来、職員相互の意見交換の場として、社内の発表会として開催されたが、平成8年より公開の発表会とし、社外(科技庁、大学、原研、電力、メーカ)からも多数の方々の参加をいただき、学識経験者等のご意見、ご要望を広く拝聴する方式で開催することとした。本発表会の発表課題は、サイクル機構が「安全研究基本計画」に基づいて実施している核燃料施設、環境放射能、廃棄物処分及び確率論的安全評価(核燃料施設に係るもの)分野の安全研究課題(全41課題)の中から、選定された13課題である。平成11年度の成果について各課題の発表を行った。本資料は、今後の安全研究の推進・評価に資するため、各発表における質疑応答、総括コメント等についてとりまとめたものである。なお、発表会で使用したOHP等はJNCTW1409 2000-004「平成12年度安全研究成果発表会資料(核燃料サイクル分野)」で取りまとめている。また、サイクル機構が実施している核燃料サイクル分野の安全研究の成果をJNCTN1400 2000-013「安全研究成果の概要(平成11年度-核燃料サイクル分野-)」でとりまとめている。
安全推進本部
JNC TN1400 2001-002, 172 Pages, 2001/01
平成平成12年ll月30日の内閣総理大臣官房原子力安全室(現内閣府原子力安全委員会事務局)からの依頼に基づき、安全研究年次計画(平成13年度平成17年度)に登録された研究課題(高速増殖炉;14件、核燃料施設;10件、耐震;1件、確率論的安全評価等;3件、環境放射能;6件、廃棄物処分;15件)についての安全研究計画調査票を作成した。また、社内研究課題についても年次計画に登録された研究課題と同等に扱うとの観点から、(高速増殖炉;1件、核燃料施設;3件、確率論的安全評価等;1件、環境放射能;1件、その他(「ふげん」の廃止措置);1件)についての安全研究計画調査票を作成した。本報告書は、これらの調査票を取りまとめたものであり、平成12年10月に策定した「安全研究基本計画(平成13年度平成17年度)」に基づき、研究の達成目標や研究の実施内容を具体的に示したものである。
日高 昭秀
RIST News, (30), p.2 - 14, 2000/10
ART Mod2コードは、シビアアクシデント時の原子炉冷却系及び格納容器内の放射性物質の移行・沈着挙動を解析するため、リスク評価解析用として原研のソースターム解析コードTHALES-2の1モジュールとして開発されている。特徴としては、比較的短い計算時間で気体状及びエアロゾル状放射性物質の自然沈着過程や工学的安全施設による除去過程、及び主要な化学反応を機構論的に扱えること、改良したモデルがソースタームに与える影響を容易に確認できることなどが挙げられる。ART Mod2の前身であるARTコードのマニュアルが1988年に公刊されて以来、数多くのモデルが改良・追加され、種々の実験解析によるコード検証が進んだことから、1998年には最新版であるART Mod2コードがOECD/NEAデータバンクに登録された。本稿では、ART Mod2コードの開発の経緯、解析モデルの概要、コード検証解析例及び今後の課題等について紹介する。
田村 一雄*; 入谷 佳一*
JNC TJ9440 2000-004, 22 Pages, 2000/03
確率論的安全評価において、事故シーケンスの発生頻度を求めるために、フォールトツリー/イベントツリー手法が広く使われている。しかし、従来の手法では、運転現場において実際に運転員が対峙している事象推移をダイナミックに取り扱うことができない。そこで、FBRを対象とした、緊急時運転手順操作とプラントの間のダイナミックな相互作用を扱う動的解析プログラム(DYANA)を作成した。これまでの開発の中で基本的な解析モデルは固まりつつあるが、計算時間の短縮が課題となっている。今回作業では計算時間を短縮するためにMPIを用いてDYANAの並列化を実施し、WSクラスタ上でほぼ理想値に近い並列化性能を実現した。
小山 和也*; 菱田 正彦*
JNC TJ9440 2000-002, 90 Pages, 2000/03
動的信頼性評価プログラムDYANAの開発に資するため、プラント動特性解析コードSuper-COPDを用いて、緊急時に想定される事故シーケンスの解析を行った。本作業では、昨年度作成の解析モデル及び入力データを使用して、DYANA整備に必要な事故シーケンスのうち昨年度未実施のPLOHS(Protected Loss of Heat Sink)シーケンス9ケースについて、入力データ作成及び解析を行い、その結果を整理した。
池田 孝夫*; 吉田 英爾*; 三木 崇史*
JNC TJ8400 2000-046, 264 Pages, 2000/02
本研究では、保守的アプローチに基づく生物圏評価パラメータ値の設定に関する方法論、生物圏評価における確率論的評価手法の適用性及び海洋を核種の放出域とした生物圏評価モデルについて検討した。保守的アプローチに基づくパラメータ設定に関する方法論の検討では、設定にあたり考慮すべき事項について検討を行い、生物圏評価におけるデータ選定プロトコルを作成した。確率論的評価手法の検討では、直接モンテカルロ法、及びラテンハイパーキューブ法が適していることがわかった。また、第2次取りまとめのレファレンスケースをベースに確率論的評価手法を適用し、各パラメータに対する感度分析を行った。海洋を核種の放出域とした生物圏評価モデルの検討では、地層処分で採用している海洋のモデルの適用性について検討し、マルチコンパートメントモデルが最も適していることが明らかになった。また、コンパートメントモデルを用いた評価をもとに、原子力施設で採用されている数値解析モデルによる結果と比較を行った。その結果、両者の結果の差は小さいことが確認された。