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古立 直也; 湊 太志; 岩本 修
no journal, ,
長寿命核分裂生成物(LLFP)核変換システムの実現可能性を研究するには、核変換システムの効率を見積もるシミュレーション計算が必要不可欠である。シミュレーション計算の精度は、計算で用いられる核データに大きく依存している。シミュレーション計算の精度を向上するには、LLFPだけでなくシミュレーション計算に関わる全ての核種について核データを整備することが望まれる。核破砕反応のような核反応を用いる核変換システムを研究する場合、実験が存在しない、あるいは非常に乏しい不安定核を含む広い範囲の原子核が生成されることが予想される。実験データの欠乏は、共鳴領域の核データ評価において特に問題となる、なぜなら共鳴構造を理論的に正確に予測することは難しいからである。この問題を緩和する方法の一つは、統計的性質からランダムに決定した共鳴パラメータを用いる方法である。このアプローチはTENDL核データライブラリで既に適用されている。しかしながら、そのような方法で計算された断面積は、原理的に共鳴パラメータの統計的揺らぎに起因する大きな不確かさが存在すると思われる。この不確かさは、先行研究では議論されていない。本研究では、共鳴領域における核反応データ予測に用いる統計的手法を、その統計的不確かさに注目して研究した。具体的には、Se-79, Zr-93, Pd-107, Cs-135の核変換で生成されることが予想される核種の中性子捕獲断面積を議論する。