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赤松 憲; 鹿園 直哉; 齊藤 毅*
Radiation Research, 183(1), p.105 - 113, 2015/01
被引用回数:19 パーセンタイル:63.99(Biology)DNAに生じた傷(DNA損傷)のほとんどは生物が有する損傷修復機構によって元通りに修復されるが、中には修復困難なタイプの傷があり、これが突然変異や発癌の原因になるといわれている。修復困難とされる損傷型のひとつに「クラスター損傷」(複数の損傷がDNA鎖上の狭い領域に集中的に生じている)がある。しかしながら、その化学構造・損傷局在性の程度・生成頻度等の実体はほとんど明らかになっていない。そこで我々は、クラスター損傷の実体、特に局在性を実験的に解明するために、蛍光共鳴エネルギー移動を利用した損傷位置局在性評価法(FRET法)の開発を行ってきた。検出対象の損傷には脱塩基部位(AP)を選び、FRET法を、種々の放射線(Co 線,ヘリウム・炭素イオンビーム)を照射した乾燥DNA試料に適用したところ、特に飛跡末端の炭素イオンビームでは、飛跡中でクラスター化した損傷が生じることが明らかとなった。
秋江 拓志; 奥村 啓介; 高野 秀機; 石黒 幸雄
JAERI-M 90-109, 49 Pages, 1990/07
高転換軽水炉の概念成立性の検討に必要とされる精度を持った核計算手法を確立するために、高転換軽水炉の核特性解析法の研究を行なった。ここでは特に、共鳴エネルギー領域の取り扱いと減速材ボイド反応度特性の評価、および燃焼特性の把握に重点が置かれた。また、実験解析やベンチマーク計算により、計算手法とデータの信頼性も評価した。これらの結果は原研の熱中性子炉設計解析コードシステムSRACに反映され、精度の高い核計算コードとして改良された。
中島 豊; 大久保 牧夫; 古田 悠*; 水本 元治; 杉本 昌義; 河原崎 雄紀
Annals of Nuclear Energy, 17(2), p.95 - 99, 1990/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.59(Nuclear Science & Technology)原研リニアックの190m測定室で92.20%に濃縮したSnの酸化物試料の中性子透過率を中性子飛行時間法により測定した。ブライト・ウイグナー多準位公式に基づいた形状解析コードにより1.5から30keVまでの21本の共鳴準位のエネルギーと中性子幅を決定した。S波中性子に対して、平均準位間隔D=1.17keV、S波強度関数S=0.30、ポテンシャル散乱半径R=5.600.05fmが得られた。このSnのS波中性子強度関数はDoor way state modelによる理解的推定値よりかなり大きい。
坪根 泉*; 中島 豊; 神田 幸則*
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(8), p.707 - 709, 1983/00
被引用回数:1 パーセンタイル:27.09(Nuclear Science & Technology)原研リニアックと中性子飛行時間測定装置を用いてタンタルの共鳴領域の中性子透過率を測定した。リニアックのパルス幅は30ns、タイムアナライザーのチャンネル幅は25ns、中性子検出器はLiガラス、飛行管は47mと190mで測定した。この測定条件は、タンタルの測定ではこれまでで最良の分解能での測定に相当する。試料の厚さは47mでの測定では1mmと10mmで、190mの測定では2mmと5mm、10mmである。測定した透過率をブライト・ウィグナーの多準位公式を用いた最小二乗法コードで解析し、100eVから3,720eVまでの632個の共鳴準位の共鳴エネルギーと中性子幅を決定した。得られた共鳴パラメータを使ってS波中性子強度関数を求めたところ、1.7keV以下では(1.660.13)10であり、1.7keV以上では(1.030.11)10で有意の差があることが分かった。
長谷川 明; 鶴田 新一郎; 石黒 幸雄
JAERI-M 6081, 54 Pages, 1975/03
従来の群定数セットの持つ不備を解消するために、軽中重核の共鳴領域における実効弾性除去断面積のより正確な取り扱いを行う一次元拡散臨界摂動計算コードEXPANDA-70DRAが開発された。計算対象領域の詳細スペクトルを均質化モデルにより、重心系非等方散乱を考慮したRecurrence Formulaで純数値計算的に求め、それを重率として実効弾性除去断面積を求め直して使うという手法をとっている。今回採られた手法と従来からの手法の差をみるためにNaのSample Worth、Na-Void係数ヘの効果が調べられた。その結果、両者の間には10~15%の程度の変動が見い出されたが、この変化量はこれら積分量への他の誤差要因、たとえば重い核種の主要断面積の評価による差、摂動領域における摂動fluxの近似精度の差による効果とほぼ同程度のものであることが判った。又実効増倍率への影響は0.05%以下であり現時点ではそれ程問題とならない。
赤松 憲; 鹿園 直哉
no journal, ,
高LET放射線の飛跡周辺や二次電子の飛跡末端で生じやすいとされているクラスター損傷は修復が困難とされているが、その化学構造、線質・エネルギーの違いとの関係についてはほとんど明らかになっていない。そこで、脱塩基部位(AP)を研究対象とし、コバルト60線やヘリウム線、炭素線を照射した乾燥DNAフィルムに対して蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用したDNA損傷局在性評価法による分析を行った。その結果、線とヘリウム線のFRET効率Eは、両者の有意差はなかったもののAP密度の増加に伴って大きくなる傾向が認められた。これは、線量が上がるにつれて近接したAPが増加していくことを示している。一方、炭素線のEは線、ヘリウム線より有意に大きく、また、AP密度がゼロに向かう(すなわち極低線量になる)につれE=0.10付近に近づくことが明らかとなった。これは、炭素線のトラック1本でAPクラスターが「一気に」生じることを意味している。
遠藤 駿典; 河村 しほり*; 土川 雄介; 三島 賢二*; 木村 敦; 中村 詔司; 岩本 修; 岩本 信之; Rovira Leveroni, G.
no journal, ,
中性子飛行時間法による中性子断面積の測定において、精度の高い共鳴エネルギーを得るためには中性子源と検出器間の実効的な飛行距離を正確に校正する必要がある。一般的にこの飛行距離は金(Au)などのよく調べられている共鳴エネルギーを用いて決定することが多い。本研究ではこの飛行距離を用いずに、中性子検出器の位置を変えることで共鳴エネルギーの絶対値を決定する手法の確立を目指している。J-PARC・MLF・ANNRIにてLi-glass中性子検出器の位置を変化させ、金の透過率の測定を行い、共鳴エネルギーの絶対値の測定を行った。