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有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 90(4), p.193 - 197, 2002/05
被引用回数:15 パーセンタイル:66.70(Chemistry, Inorganic & Nuclear)塩化リチウム-メタノール水混合溶媒を用いる陰イオン交換分離系におけるEu(III)とCm(III)の樹脂相での存在状態を解明するために、時間分解レーザー誘起発光分光法を適用した。発光寿命測定により決定した内部水和数及び発光スペクトルの解析からイオンの存在状態を評価し、(1)Eu(III)とCm(III)の内圏型クロロ錯形成は塩化リチウム及びメタノール濃度の増加により促進されること、(2)両イオンともに溶存種に比べて吸着種の方がより高次の内圏型クロロ錯体であること、(3)Eu(III)に比べCm(III)の方がより高次の内圏型クロロ錯体を形成しやすいことを明らかにした。以上の結果はそれらの分配係数()とも良い相関を示し、Eu(III)とCm(III)の
は(1)と(2)によって増加し(3)によってその相互分離が達成されることを見いだした。
木村 貴海; 永石 隆二; 加藤 義春; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 323-324(1-4), p.164 - 168, 2001/07
被引用回数:51 パーセンタイル:87.22(Chemistry, Physical)水-非水溶媒2成分混合系に溶解したEu(III)の第1配位圏内の溶媒組成を発光寿命の測定により研究した。ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミドまたはジメチルアセトアミドと水との混合系において、第1配位圏内の水分子数(内部水和数)を決定するとともに、非水溶媒分子がEu(III)に優先的に溶媒和することを明らかにした。一方、ピリジン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトンまたはアセトニトリルと水と混合系では溶媒和に比べて水和が強く、溶媒分子自身による消光なども影響するため、内部水和数の直接決定は困難であった。各混合系において、溶媒和の強さはバルク溶媒組成とともに大きく変化した。溶媒和の強さは溶媒のドナー数(電子供与性)及び双極子モーメント(静電的相互作用)の順序にほぼ一値したが、一部、溶媒分子の立体的障害も影響することを明らかにした。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 275-277, p.806 - 810, 1998/00
被引用回数:118 パーセンタイル:96.77(Chemistry, Physical)ランタノイド[Ln](III)イオンの内部水和数Nと発光寿命との相関を調べるために、一連のポリアミノポリカルボン酸を配位子とするLn(III)錯体[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の水和状態を詳細に研究した。D
O-H
O溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したH
O中でのN
から、錯体中のN
を評価した。各錯体中のEu(III)とTb(III)の平均のN
は文献値とよく一致した。Sm(III)とDy(III)の最低励起状態と基底状態のエネルギー差はほぼ等しいため同様な消光挙動が期待できるが、測定したSm(III)のN
はDy(III)のそれより大きな値を示した。また、D
O中の錯体の発光寿命の測定では、これらの配位子によるLn(III)の消光はみられなかった。これらの結果は、Sm(III)の総配位数はEu(III),Tb(III)及びDy(III)よりも約1大きいことを示唆する。Ln(III)のN
決定のための相関関係の導出を検討した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 278, p.92 - 97, 1998/00
被引用回数:73 パーセンタイル:92.96(Chemistry, Physical)時間分解蛍光法を用いて、流動(室温)及び凍結(液体窒素温度)状態にある高濃度塩溶液(NaCl,NaNo及びNaClO
)中のランタノイド[Ln](III)イオン[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の内部水和数N
を発光寿命測定により研究した。凍結溶液中のLn(III)の消光挙動は、流動溶液と同様にイオンの励起状態から水和水のOH振動へのエネルギー移動によることを明らかにした。各温度でのD
O-H
O溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したH
O中でのN
から塩溶液中のN
を評価した。流動溶液中でのLn(III)のN
から、NO
は内圏錯体を生成するがCl
とClO
は生成しないこと、ClO
は高濃度で水和水の消光効果を促進することを明らかにした。一方、凍結溶液中では、Cl
とNO
が内圏錯体を生成しN
が約1及び2~3減少すること、ClO
は高濃度でも水和に全く影響しないことを見出した。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; G.R.Choppin*
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.719 - 722, 1998/00
被引用回数:48 パーセンタイル:88.28(Chemistry, Physical)III価アクチノイド、ランタノイドの分離は、高濃度塩素系での陽イオン交換で可能であるが、硝酸系や過塩素酸系では不可能である。媒質中での分離機構の違いは、吸着種の分子レベルでは明らかではない。これまで、時間分解蛍光法によるCm(III)及びEu(III)の内部水和数Nの決定法を報告してきた。本報では、この方法を固液界面でのこれらイオンの水和状態の研究に適用した。陽イオン交換樹脂AGWX8を試用し、トレーサーによる分配計数K
,ならびに酸溶液及び樹脂/溶液界面におけるN
を測定した。5M以上の塩酸溶液中でCm(III)とEu(III)のK
及びN
に違いがみられた:K
(Eu)
K
(Cm),N
(Eu)
N
(Cm)。これは、Eu(III)よりCm(III)がクロロ錯体形成が強いことによる。高濃度塩酸中で樹脂上のイオンの内圏から約3-4の水分子が排除されていた。硝酸、過塩素酸溶液での結果も併せて報告する。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.867 - 871, 1998/00
被引用回数:69 パーセンタイル:92.44(Chemistry, Physical)金属イオンの内部水和数N、すなわち第1水和圏にある水分子数は、化学種の配位環境に関する重要な情報を提供する。励起状態の寿命からIII価アクチノイド及びランタノイドのN
を決定するために、蛍光寿命とN
との相関を研究してきた。本報では、ナノ秒オーダーの寿命を持つAm(III)及びNd(III)を対象に、この相関を検討した。D
O-H
O溶液及び一連のポリアミノポリカルボン酸錯体中のAm(III)とNd(III)の寿命をそれぞれ692nm及び890nmにおいて測定した。D
O-H
O溶液中での結果から、Am
とNd
の励起エネルギーはともに配位水のOH振動へのエネルギー移動で緩和されることを明らかにした。一連の錯体中のN
の結果はいずれもEu(III),Tb(III)などよりも大きく、Am(III)とNd(III)がより大きな総配位数を持つことが示唆された。これらを基に、蛍光寿命とN
との相関を報告する。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Radiochimica Acta, 82, p.227 - 232, 1998/00
固液界面での反応の研究では直接的な分光法による化学種の分析が不可欠である。本報では、水溶液中のモンモリロナイト、アエロシル上のEu(III)吸着種のキャラクタリゼーションにレーザー誘起蛍光法を適用した。モンモリロナイト系では、pH6でEu(III)の水和イオンが吸着した。このpH範囲でモンモリロナイト表面の水層によると思われる励起Eu(III)の消光が見られた。8
pH
13では5~7の内部水和水を失ったEu(III)が吸着した。この化学種は炭酸錯体などの無機錯体と考えられる。またpH
9ではEu(III)沈殿によると考えられる短寿命(
100
s)成分がみられた。アエロシル系では、pH
6でEu(III)は吸着した。Eu(III)の発光寿命はきわめて長く、8
pH
11で吸着種の内部水和数は0.5~2であった。pH=7におけるこの値は4.5から2へと経時変化した。これから、吸着したEu(III)はアエロシルのSiO
に取り込まれると考えられる。