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畑中 一男; 大枝 悦郎; 渡辺 正秋*
デコミッショニング技報, (28), p.47 - 53, 2003/10
むつ事業所内には、原子力船「むつ」の燃料取り出し時に使用した機器類で今後廃棄する予定の機器類が約200ton程度保管されている。これら不用機器類のうち、イオン交換塔及び体積制御系統の充てんポンプについて、解体計画策定の前提となる物量及び汚染放射能の実態を把握するため、調査を行った。今回の調査では、イオン交換塔及び充てんポンプの物量及び放射能の実態を把握できた。また、表面が平滑に仕上げられたイオン交換塔のような構造物については、拭き取り除染程度の簡単な除染法で、放射性廃棄物でない廃棄物として処分できる可能性のあることが確認できた。
高橋 博樹; 狩野 忠*; 高橋 照雄*; 京谷 正彦; 島崎 潤也*
JAERI-Tech 2001-068, 78 Pages, 2001/10
原研は、将来の原子力船の動力源として、軽量・コンパクトで受動的安全設備を備えた一体型炉(改良舶用炉)について設計研究を実施し、工学設計を完了した。この一体型炉の設計性能及び運転性能を確認するとともに、一体型炉の運転操作の自動化研究に使用するために、一体型炉シミュレータを開発した。これは、今後、革新的小型炉等の研究開発にも利用が可能である。しかしながら研究開発に利用するにあたって、ハードウェアの性能向上及びソフトウェアのヒューマン・マシン・インターフェース向上が必要となり、ハードウェアの更新とソフトウェアの改良を行った。これにより、一体型炉シミュレータの操作性が向上した。また、市販のハードウェア及びソフトウェアを使用して、システムの改良を行ったことにより、汎用性が向上したとともに、保守性、拡張性及び移植性が向上した。本報告書は、一体型炉シミュレータのハードウェア更新及びインターフェース改良について、ヒューマン・マシン・インターフェース向上の内容を重点に報告する。
楠 剛; 藤本 博巳*; 永田 豊*; 高橋 照雄*; 石田 紀久
海洋調査技術, 12(2), p.1 - 10, 2000/09
地球温暖化等に代表される全球的な気候変動現象の解明のためには、地球の大気・海洋の相互作用による気候システムの理解が不可欠と考えられる。気候システムにおいて、気候変動の影響は、特に北極域で強く現れると考えられており、気候変動現象を予測するためには、前兆現象として北極海での大気・海洋の観測か必要である。本報告は、北極域海洋の表・中層の海中構造を観測するための設備として、無酸素で燃料補給の必要がない原子力を動力源とする海中航行観測船をとりあげ、その概念及び搭載する超小型炉の概念を提案する。まず、観測環境・観測内容から、船体の基本仕様と性能を測定した。次に動力源として超小型炉への要求性能を導いた。超小型炉への要求事項は、安全性の確保、運転設備も含めた小型・軽量化、及び運転操作の自動化である。これらの要求事項を満たす超小型炉を採用した安全性の高い観測船の概念を確立した。
高橋 照雄; 島崎 潤也; 中澤 利雄; 藪内 典明; 福原 彬文*; 楠 剛; 落合 政昭
JAERI-Tech 2000-039, p.94 - 0, 2000/03
原子力船研究開発室は、将来の原子力船動力源として軽量・コンパクトで安全性の高い出力100MWtの一体型炉MRXの設計研究を実施し、工学設計を完了した。本一体型炉の設計性能及び運転性能を確認するとともに、一体型炉の運転操作の自動化研究に使用するため、リアルタイムのエンジニアリングシミュレータを開発した。本シミュレータは、原子力船「むつ」の実験航海データにより精度検証された「むつ」シミュレータと同様のモデル化手法を用い開発した。事故事象等のプラント全体の挙動については、安全解析コードによる解析結果と照合し、整合していることを確認した。今後実機の運転結果あるいは実験結果との照合による検証が必要であるが、リアルタイムのエンジニアリングシミュレータとして利用可能である見通しが得られた。
中沢 利雄; 綿引 正行*; 高橋 博樹; 京谷 正彦
JAERI-Data/Code 99-010, 61 Pages, 1999/03
これまで原子力船「むつ」の実験データの保管・管理については、原子力船データベースを中心に整備を進めてきた。原子力船データベースは、出力上昇試験、実験航海等で実施した試験及び実験時のデータをデータベース化したものであるが、原子力船の運航全体を通じて試験及び実験時以外の船及び原子炉の運転記録等が磁気テープに収録された。これらのデータは「むつ」研究開発の貴重なデータであるが、膨大であり、これまでデータベースに登録されず利用が不便であった。そのため、これらのデータを収録密度の高いディジタルオーディオテープに格納するとともにテキスト形式に変換するプログラムとデータリストを作成した。これにより、これらのデータは、データベースで容易に利用できるとともに市販のパソコン等のソフトウェアでの利用も容易になった。なお、データの保管スペースの減容化も図られた。
中沢 利雄; 藪内 典明; 高橋 博樹; 島崎 潤也
JAERI-Tech 99-008, 45 Pages, 1999/02
実用原子力船においては、経済性向上の面から運転の省力化を図るとともに、陸上からの運転支援が困難であることから、原子炉運転の完全自動化と異常の予知等の運転支援システムの整備が重要である。本自動化システムの開発は、原子炉起動から出力上昇及び原子炉停止までの一連の通常時の運転操作の完全自動化を目的に、手動操作が主体であった原子力船「むつ」プラントの通常運転をモデルに、「むつ」の運転経験をもとに通常運転時の完全自動化を検討したものである。本報告書は、通常時の全自動化システムについて、開発したシステム構成と原力船エンジニアリング・シミュレータを用いた検証の結果についてまとめたものである。
藪内 典明; 中沢 利雄; 高橋 博樹; 島崎 潤也; 星 蔦雄
JAERI-Tech 97-057, 54 Pages, 1997/11
舶用炉において、原子炉運転操作の自動化範囲の拡大を進めている。原子炉通常運転操作の全自動化に引続き、異常時対応操作の中で、スクラム後の対応操作の自動化を行った。作製した自動化システムは、(1)スクラム関連作動設備の動作確認機能、(2)スクラム後対応操作の自動化、(3)主要パラメータの選定・維持操作の自動化で構成され、スクラムによって引き起こされる過渡変化の早期収束とその後の主要パラメータの選定・維持を図るものである。手動操作の自動化では、運転員の経験に基づく運転員知識を取り込み自動化を行った。その結果原子力船シミュレータでの検証では、原子力船「むつ」のスクラム時データと比較して、原子炉蒸気の早期遮断が可能となり、プラント状態の早期の安定的収束を得ることができた。
井上 彰一郎
原子力年鑑'97, p.207 - 219, 1997/00
原子力船「むつ」の研究開発は、国の基本計画等に基づき日本原子力研究所において実施した。「むつ」の実験航海は、平成3年2月から12月にかけて実施し、原子力を動力とした船舶の実現性を実証するとともに、原子力の優位性を数々証明した。その後、引続き行った解役工事では、原子炉一括撤去方式を採用し、平成7年6月に船舶としての解役を無事終了させた。原子炉室は、むつ事業所内の保管建屋に安全に保管展示し、一般の見学に供している。改良舶用炉の研究開発については、「むつ」の成果を生かしつつ、小型で計量かつ経済性にも優れた舶用炉の開発を目指し、大型船舶用原子炉(MRX)及び深海船用原子炉(DRX)の工学設計研究を受動的安全システムを採用した一体型原子炉として、新しい要素技術の開発を行うための実験解析研究等を行いつつ実施している。
松尾 龍介
日本分析センター広報, 0(28), p.2 - 15, 1996/01
原子力船「むつ」は、平成7年6月下旬に原子炉を撤去し同月末に海洋科学技術センターへ譲渡された。本論文では、「むつ」の概要と歴史を紹介するとともに、平成4年2月の実験航海終了後の約4年間にわたる解役工事並びに保管建屋の建設、関根浜港の浚渫工事等の付帯工事について解説する。また、環境モニタリングを含む安全管理についても併せて紹介する。
井上 彰一郎; 松尾 龍介; 星 蔦雄; 岡本 拓也*
原子力工業, 42(2), p.14 - 55, 1996/00
原子力船「むつ」は、国の基本計画に沿って出力上昇試験、海上試運転により性能を確認した後、海洋環境下における振動、動揺、負荷変動等が原子炉に与える影響等に関する知見を得るため平成3年2月から約1年をかけて計4回の実験航海を行った。実験終了後直ちに「むつ」の解役工事に着手し、平成7年6月に「むつ」から原子炉室を撤去し陸上の保管建屋に設置した。原子炉撤去後の船体は同年6月30日に海洋科学技術センターへ引き渡された。本稿では、これまでの「むつ」の研究開発の背景を概説し、実験航海の成果、解役工事の状況、今後の原子力船研究開発と将来展望等について紹介するとともに、「むつ」の後利用についても触れる。
松尾 龍介
港湾, 72(812), 42 Pages, 1995/08
原子力船「むつ」の原子炉室の一括撤去、移送作業が6月22日に無事完了した。「むつ」は原子力船として、貴重なデータを蓄積し、国産技術による原子力船の諸性能を実証し、今後の新型舶用炉の研究開発等に活用されている。「むつ」の船体は海洋科学技術センターに渡され、大型海洋観測研究船として地球規模の海洋研究に活躍する予定である。原子炉を収納した保管建屋は7年度末完工予定また8年度中にはむつ科学技術館(仮称)として開館し一般公開される。6月30日には「むつの任務完了と再出発を祝う会」が催され、これまでの「むつ」の活躍に感謝するとともに今後の活躍に対する期待が寄せられた。
林 光二; 島崎 潤也; 鍋島 邦彦; 篠原 慶邦; 井上 公夫*; 落合 政昭
JAERI-Research 95-015, 172 Pages, 1995/03
原子力船「むつ」の原子炉プラント動特性を評価する目的で、疑似不規則2値信号(PRBS)を用いた3回目の炉雑音実験を第3次実験航海中の1991年9月16日に実施した。第3回実験は、前2回の実験と異なる海象・炉出力条件下のデータ測定を目的に、炉出力70%、通常海域の条件下で制御棒または主蒸気弁の手動操作によりPRBSを印加する反応度外乱実験ならびに負荷外乱実験を実施し、プラント反応信号や船体加速度信号を測定した。本報告は、実験計画、実験の実施要領書と実験の記録、データ収録条件、収録したデータの信号波形ならびにパワースペクトル解析の結果をまとめたものである。
京谷 正彦; 橋立 晃司*; 落合 政昭
JAERI-Data/Code 95-003, 49 Pages, 1995/03
原子力船「むつ」の実験航海等において、操船、波浪等による船体運動、負荷変動等が原子炉プラントに及ぼす影響に関する実験データを取得した。また、建造、運航等の「むつ」研究開発の各段階において、原子力船開発に関する技術、知見等が蓄積された。これらは、我が国初の原子力船の実船実験データ及び設計、建造、運航等の経験の集積であり、当面、我が国では原子力船建造計画がないことから、「むつ」の成果を整理、保存し、舶用炉の改良研究等に有効に活用することが重要である。そのため、改良舶用炉設計研究への「むつ」の成果の反映を効率的に行うことを図り、平成3年度より、原子力船データベースの開発・整備を実施している。実験データベースは既に供用を開始しており、その概要について報告する。なお、文書データベースについては現在、開発・整備中である。
楠 剛; 京谷 正彦; 石田 紀久; 伊藤 章雄*; 落合 政昭
関西造船協会誌, 0(223), p.161 - 167, 1995/03
原子力船においては、海洋環境が船体のみならず原子炉プラントへも固有の影響を及ぼす。波浪が直接的・間接的に原子炉に及ぼす影響を明らかにするという観点から、「むつ」が荒海域を航行した時の計測データを整理し波向きによる船体運動性能や原子炉への影響について調べた。主軸回転数一定制御を行った場合、有義波高約5.8mの海域を炉出力約70%で航行すると、炉出力変動幅は追波で向波の約5倍となったが、軸馬力変動幅はあまり変わらなかった。主機タービンの操縦弁開度を一定とした場合、軸馬力の変動幅は追波で向波の約4倍となったが、炉出力の変動幅はあまり変わらなかった。蒸気発生器の水位変動は加圧器に比べて波向きの影響は小さかった。
林 光二
統計数理研究所共同研究リポート68, 0, p.31 - 41, 1995/03
原子力船「むつ」で行った不規則外乱による動特性同定実験の解析に関するものである。反応度外乱、負荷外乱時及び自然状態の炉雑音データに対して自己回帰モデルを用いた解析を行った。静穏海域での実験データから、海洋波のプラント動特性に及ぼす影響としては、波周期20秒及び6秒の支配的な成分が船体振動、原子炉プラント構造物の振動をへて、各蒸気発生器の圧力、水位等に現われることがわかった。さらに、2基の蒸気発生器と1基の加圧器間で強いフィードバック経路が存在し、波の影響は各圧力信号や水位信号の特定の周波数上にピークを作っていることも明らかになった。しかし、これらのピーク成分は中性子動特性上重要な周波数帯域より上側にあるため、炉出力変動そのものにはほとんど影響を与えてないことがわかった。
林 光二; 島崎 潤也; 鍋島 邦彦; 篠原 慶邦; 井上 公夫*; 落合 政昭
JAERI-Research 95-004, 178 Pages, 1995/01
原子力船「むつ」の原子炉プラント動特性を評価する目的で、第3次実験航海中の1991年8月30日に、類似不規則2値信号を用いた第2回炉雑音実験を実施した。第2回実験は炉出力50%、静穏海域のプラント運転条件下で、制御棒または主蒸気弁の手動操作により類似不規則2値信号を印加する反応度外乱実験ならびに負荷外乱実験を実施し、プラント応答信号や船体加速度信号を測定した。さらに、各疑似不規則外乱の効果を評価するために、各実験後に、自然状態下でのプラント雑音信号を測定した。本報告は、実験の計画、実施要領書と実験の記録、データ収録条件、収録したデータの信号波形ならびにパワースペクトル解析の結果をまとめたものである。
藪内 典明
保健物理, 30, p.272 - 279, 1995/00
本稿は、原子力船「むつ」の解役における解役工事中の船内で行われた放射線管理を中心にまとめたものである。また、付随して「むつ」の概要及び解役の現状について概説している。記載内容は、「むつ」の概要、解役の現状については、「解役の基本計画」、「解役の概要」、解役工事の放射線管理については、「被ばく管理及び被ばく低減対策」、「放射線作業管理」等である。
佐藤 和男*
日本造船学会誌, 0(782), p.6 - 10, 1994/08
舶用原子力に特に関心を持っていない読者(主に、造船・海運関係者)を対象に、舶用動力としてみた原子力の持つ可能性について解説したものである。原子力は在来舶用機関に比べて、大出力で連続長時間航行が可能、水中での使用に有利、CO・SOx・NOxを排出しない等の特長を持つ。海運や海洋開発の高度化のニーズの中で、これらの特長を有する原子力の利用範囲は広がると予想される。代表的な使用対象として、コンテナ船、超高速コンテナ船、極地観測船、深海調査船を、その他の舶用炉の利用方法として、プラントバージ、水中動力ステーションを例示した。このようなニーズに応えるため原研で概念設計を進めている新型舶用炉MRX及びDRXを紹介した。また、原子力船及び舶用炉が実用化されるために、今後どのような課題があるかについても言及した。
落合 政昭; 京谷 正彦; 高橋 照雄*; 楠 剛
11 Annual Simulators Conf., Simulation Series,Vol. 26,No. 3, 0, p.454 - 459, 1994/00
原子力船エンジニアリング・シミュレーションシステムは、第1期計画として原子力船「むつ」を対象としたシミュレータとして開発してきたが、その開発は完了し、「むつ」の実験データにより、そのシミュレーション性能は十分であることを確認した。すなわち、本シミュレータの基本計等モデルの妥当性が証明された。今後は、第2期計画として、改良型舶用炉MRXを対象としたモデルの開発をすすめる。特に、設計支援ツールであることから、プラント構成の変更を容易に行えるようグラフィック入力システムについても開発する。発表に当たっては、設計支援ツールとしてのシミュレータの活用方法に重点を置くこととする。
林 光二; 島崎 潤也; 鍋島 邦彦; 篠原 慶邦; 井上 公夫*; 落合 政昭
JAERI-M 93-194, 163 Pages, 1993/10
原子力船「むつ」の原子炉プラント動特性を評価する目的で、疑似不規則2値信号(PRBS)を用いた炉雑音実験を計画し、実験法や実験条件の調査確認を目的とする第1回実験を第1次実験航海中の1991年3月4日に実施した。炉出力70%、静穏海域下で、制御棒または主蒸気弁の手動操作によりPRBSを印加する反応度外乱実験ならびに負荷外乱実験を行い、プラント応答信号や船体加速度信号を測定した。この結果、(1)事前に検討した実験方法と条件が妥当であること,(2)PRBS外乱を印加してもプラント状態は安定であること,(3)測定データの質も解析に十分である、などが確認できた。本報告は実験の計画、準備、実験の記録、データ収録条件ならびに信号波形とパワー・スペクトル解析の結果をまとめたものである。