Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
濱田 崇; 竹内 航太*; 長谷川 伸; 前川 康成
no journal, ,
燃料電池用電解質膜の開発において、放射線グラフト重合では、イオンチャンネルを形成するグラフト鎖の分子量分布やブロック構造などを精密に制御することはできない。そこで、最適なイオンチャンネルの形成と性能の向上を目指し、リビングラジカル重合法の一つである原子移動ラジカル重合(ATRP)を放射線グラフト重合と組み合わせた"リビンググラフト重合"で、グラフト鎖構造の精密制御を検討した。これまでのリビンググラフト重合を用いた電解質膜の合成では、重合時の温度が高く、熱重合との区別を含めリビング性を証明した例はなく、上記の精密構造制御はできていなかった。本研究では、ATRP触媒の配位子、溶媒とその濃度を最適化することで、熱重合を伴わない低温でのグラフト高分子鎖の精密合成に成功するとともに、逐次的なモノマー添加/構造同定によりリビング重合性を初めて証明した。このリビング性を示す重合条件を利用することで、分子量分布のそろったグラフト鎖からなる電解質膜を合成し、放射線グラフト重合で作製した電解質膜と比較したところ、高湿度条件で導電率に優れるものの、含水率増加による膜変形を起こす欠点があることを明らかにした。