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大澤 英昭
技術士"ちゅうぶ", (15), p.40 - 47, 2025/03
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおいて行われてきた、1986年から開始された地質環境特性の研究の一つとして、ボーリング孔を利用した地質環境調査技術の開発を取り上げて、その歩みを紹介する。
青柳 和平; 尾崎 裕介; 大野 宏和; 石井 英一
第16回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), p.269 - 274, 2025/01
幌延深地層研究センターでは、実際の処分事業を想定し、実規模大の緩衝材や炭素鋼製の模擬オーバーパックで構成される人工バリアを底盤に掘削した模擬処分孔に定置したうえで坑道の一部を埋め戻し、人工バリア及び周辺岩盤の長期的な挙動をモニタリングしている。本研究では、模擬処分孔を掘削した際の掘削損傷領域の発達を、ボアホールテレビ観察、弾性波・比抵抗トモグラフィ調査により検討するとともに、三次元逐次掘削解析により評価した。結果として、模擬処分孔の浅い深度では、坑道底盤部の掘削の影響を受けて壁面から0.8mから1.6m程度の範囲で割れ目が発達し、深度が深くなるにつれて、割れ目の発達領域が徐々に小さくなり、最深部では最大でも0.3m程度の発達であることを示した。
三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 國分 陽子; 松崎 浩之*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 31(2), p.96 - 110, 2024/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、その処分システムが持つべき隔離機能が数万年間は自然現象で損なわれる恐れのないサイト選定をすることが前提であるとともに、サイト固有の地質環境やその長期的変化を見込んだ上で合理的な処分システムを構築する必要がある。近年、日本国の地質環境の長期安定性を評価する目的で、本邦の地下流体(深部地下水、温泉水、油田や天然ガス田に付随する鹹水など)の元素・同位体組成の研究が進められており、ヨウ素およびその放射性同位体であるヨウ素129(I: 半減期1,570万年)もその研究対象に含まれている。本総説では、地球表層の様々な天然物質のヨウ素含有量およびヨウ素129/127同位体比(
I/
I比)に関する知見、試料の前処理・測定法、日本国内の地下流体の
I/
I比データについて概説し、さらに、そのデータの解釈・問題点および不確実性、そして地質環境長期安定性評価に向けた示唆について述べる。
丹生屋 純夫*; 畑 浩二*; 青柳 和平; 松井 裕哉
トンネル工学報告集(CD-ROM), 34, p.IV-1_1 - IV-1_6, 2024/12
幌延深地層研究センターの350m東連絡坑道において、底盤から3本の鉛直ボーリング孔を掘削し、深度350370m間に光ファイバ式AEセンサ、間隙水圧計および温度計で構成されたマルチ光計測プローブを設置し、東立坑の周辺において生じる掘削影響領域の把握や間隙水圧の変化を継続的に確認している。本報告では、東立坑深度380m掘削完了後の維持管理期間における計測データの推移を整理し、掘削損傷領域(EDZ)の進展状況を確認するとともに、地震が発生した時点の波形データを分析し、地震動が立坑周辺のEDZに及ぼす影響を調べた。その結果、地震の影響によりAEや間隙水圧が僅かながら変動することを確認したが、センター周辺で観測した震度1
4程度の地震による立坑周辺のEDZの拡大の可能性はほとんど無いと推察された。
武田 匡樹; 石井 英一
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 31(1), p.3 - 10, 2024/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価では、処分坑道やアクセス坑道における掘削損傷領域内の核種移行特性の把握が重要な課題となる。岩盤中の核種移行特性を評価する上でトレーサー試験が有効であるものの、堆積岩中の掘削損傷領域を対象としたトレーサー試験の事例は著者らの知る限りではない。著者らは幌延深地層研究センターの地下施設において珪質泥岩中の掘削損傷領域の割れ目を対象とした孔間トレーサー試験を実施し、縦方向分散長の評価を行った。トレーサー試験データに基づき、一次元移流分散解析を行った結果、破過曲線を概ね再現でき、4.2mの試験スケールに対し縦方向分散長として0.12mが導出された。これは、試験スケールの100分の110分の1に相当し、天然の割れ目や岩盤基質部で経験的に知られる試験スケールと縦方向分散長との関係と同様であった。今回の試験により、天然の割れ目や岩盤基質部と同様な移流分散効果を堆積岩中の掘削損傷領域内でも想定できると考えられた。また、従来の原位置トレーサー試験手法により堆積岩中の掘削損傷領域内の移流分散効果を評価できることが確認できた。
青柳 和平; 菅原 健太郎*; 亀村 勝美*; 名合 牧人*
International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences, 178, p.105776_1 - 105776_11, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Geological)高レベル放射性廃棄物の地層処分場の設計や建設に際しては、初期地圧の情報を建設しながら行進していく方法を開発することが有効である。これまでの方法では、水圧破砕法や応力解放法といった手法により地圧状態の評価が行われてきた。しかしながら、特に堆積岩では、岩盤の不均質性や地形の影響によるばらつきが大きく、評価が難しい状況であった。本研究では、幌延深地層研究センターの深度350mに掘削した周回坑道で計測した掘削初期の弾性変形の情報を基に地圧状態を推定する手法を新たに開発した。推定の結果、最大水平応力、最小水平応力はそれぞれ11.25MPa、6.25MPaとなり、施設建設前の計測により得られた地圧値に整合的であった。この手法は掘削後の地圧状態を推定するものであるが、坑道周辺の数百メートル四方の広域的な地圧の状態を信頼性高く予測できるものであることが分かった。また、地層処分場のように広大な地下施設の設計や施工、安全評価の高度化や最適化に資する情報を提供できる手法であることもわかった。
三ツ井 誠一郎
NUMO-TR-24-02; 2023年度ナチュラルアナログ研究ワークショップ開催報告, p.29 - 31, 2024/06
動力炉・核燃料開発事業団(平成10年に核燃料サイクル開発機構に改組後、日本原子力研究所と統合し、平成17年より日本原子力研究開発機構)では、昭和61年度(1986年度)に天然バリアと人工バリアを対象としたナチュラルアナログ研究が開始された。ここでは、我々がこれまで取り組んできた人工バリアの長期挙動に関するナチュラルアナログ研究の概要を紹介する。
高橋 里栄子*; 谷口 直樹
材料と環境, 73(6), p.153 - 163, 2024/06
地層処分環境での地下水中の炭酸塩濃度上限と想定される0.1-0.5mol/dmの条件を対象に温度をパラメータとしてNaHCO
水溶液中で炭素鋼のSSRT試験を行った。伸び比など機械的特性への温度の影響は見られなかったが、破面率では303、323Kの低温でSCC感受性が高くなると判断された。その要因として低温での再不動態化の抑制が示唆された。また、低温で粒界型、高温で粒内型のSCCが支配的になる傾向がみられた。
山口 正秋; 鈴木 祐二*; 樺沢 さつき; 加藤 智子
JAEA-Data/Code 2024-001, 21 Pages, 2024/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の生活圏評価において、地形や水系、土地利用等の具体的な表層環境条件を考慮できる評価手法の検討に資することを目的として、モデル集水域を作成した。ここでは、地形の特徴の異なる3種類のモデル集水域(Type13、流域面積:約730
770km
)を作成した。Type1
3の各モデル集水域は、既存のツール(地形・処分場深度変遷解析ツール)を用いて作成した集水域の地形データ(標高、陰影)と、地形データから作成した土地被覆データ(傾斜、水系・集水域、土地利用、人口分布)、および地形データと土地被覆データを用いて計算した河川流量・土砂移動データの地理情報からなる。本報告書では、これらの地理情報を地理情報システム(GIS)ソフトウェアなどで利用可能なデータ集としてとりまとめた。作成したモデル集水域は、わが国の表層環境の主要な特徴を可能な限り反映して仮想的に作成したものであることから、地形はもとよりさまざまな環境条件をパラメータとしたGBIやコンパートメントモデルの設定に係る水理・物質移行解析等を試行するテストベッドとして活用することが可能である。
熊谷 友多
放射線(インターネット), 49(1), p.15 - 17, 2024/03
水の放射線分解による反応はウラン酸化物の表面を酸化し、ウランの溶解を引き起こす。この反応過程の理解は、使用済み燃料の深地層処分場の安全性評価の化学的基礎であり、また過酷事故後の燃料デブリの取り出しと保管に知見を提供する。これまでにも使用済核燃料からの放射性核種の溶出速度を評価するために、いくつかの化学反応速度モデルが開発されてきた。しかし、最近の実験研究で得られた新たな知見から、UO表面での反応過程は従来の反応モデルよりも相当に複雑であること分かってきている。そのため、ウランの表面酸化と溶解の反応機構を再検討するべく基礎研究が進められている。本稿では、その反応機構に関する最近の研究例を紹介する。
青柳 和平; 石井 英一
Environmental Earth Sciences, 83(3), p.98_1 - 98_15, 2024/02
被引用回数:2 パーセンタイル:65.56(Environmental Sciences)高レベル放射性廃棄物の地層処分において、坑道掘削損傷領域の透水性の経時変化の予測が、掘削損傷領域内部の割れ目を介した放射性核種の移行特性の評価の信頼性向上において重要となる。特に人工バリア定置後の緩衝材の膨潤圧発生に伴う割れ目の透水性の変化を検討することを目的として、幌延深地層研究センターにおいて実施している実規模の人工バリア性能確認試験領域付近で4年間透水試験を実施した。試験の結果、透水性は時間とともに低下し、膨潤から4年経過した時点で、試験開始時よりも透水性が41%に低下することが確認された。さらに、Barton-Bandisのモデルを適用することにより、膨潤圧の変化に伴う透水性の低下挙動を定量的に再現することができた。割れ目の閉塞の妥当性については、人工バリア性能確認試験実施領域で実施した弾性波トモグラフィ調査において、特に底盤部分の弾性波速度の増大が見られたことから確認することができた。これらの結果から、人工バリアの膨潤に伴う掘削損傷割れ目の閉塞について、実証することができた。また、地層処分事業において、廃棄体定置後の緩衝材の膨潤による掘削損傷割れ目の透水性の事前予測に際してBarton-Bandisモデルの適用可能性が示された。
松枝 誠
知能と情報, 35(4), P. 88, 2023/11
放射性廃棄物とは、原子力産業、医療、研究開発などを通じて発生する放射性物質を含む廃棄物であり、放射性廃棄物の処理・処分は人類が抱える重要な課題の一つである。本解説では、放射性廃棄物の分類や処分の課題と現在の取り組みなどを述べた。
舘 幸男
化学と教育, 71(10), p.420 - 423, 2023/10
高レベル放射性廃棄物の地層処分概念と処分事業の現状を概観したうえで、地層処分の安全評価の方法と、その評価における化学の役割を紹介する。
佐藤 久*; 高山 裕介; 鈴木 英明*; 佐藤 大介*
JAEA-Data/Code 2023-010, 47 Pages, 2023/09
高レベル放射性廃棄物の処分場を沿岸部に建設した場合、沿岸部の地下水は海水の影響を受けて塩濃度が高くなるため、海水系の地下水が緩衝材を含む人工バリアに与える影響を十分に考慮して評価する必要がある。本報告では、緩衝材が飽和に至るまでの過渡的な期間において、海水系の地下水が緩衝材中での水分や溶質の移行現象に与える影響を評価することを目的として、異なる乾燥密度の圧縮ベントナイト試料を対象に、浸潤水のNaCl濃度を変えた一次元の塩水浸潤試験を実施し、浸潤水のNaCl濃度と浸潤速度の関係や浸潤試験後の圧縮ベントナイト試料中の含水比分布データを取得した。また、浸潤試験後の試料中の塩化物イオンの濃度分布を分析することにより、不飽和な圧縮ベントナイト中での溶質の移行挙動の理解に資するデータを取得した。その結果、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い浸潤は速くなり、乾燥密度1.4Mg/mから1.8Mg/m
、浸潤水のNaCl濃度が0(蒸留水)から4.0mol/dm
までの範囲において、浸潤時間と浸潤量の関係は浸潤水の拡散現象とみなして評価できることが確認された。また、浸潤水が蒸留水の場合、含水比は給水側から浸潤距離に応じてなだらかに低下する分布となるが、浸潤水がNaCl水溶液の場合、含水比は給水側から浸潤の先端近くまで比較的高い状態を保ちながら浸潤の先端で低下する分布となり、NaCl濃度が高くなるに従いその傾向が強くなることが確認された。浸潤試験後試料の塩化物イオン濃度の分析結果から、給水側よりも浸潤方向側の領域で給水側より塩化物イオンの濃度が部分的に高くなる現象(塩化物イオンの濃縮)が起きており、この傾向は供試体の乾燥密度が低くなるに従い強くなることや、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い強くなることが確認された。また、浸潤に伴い塩化物イオンが濃縮する現象は供試体の初期含水比に依存することが確認されており、浸潤に伴う塩化物イオンの濃縮が生じない条件を設定可能な見通しが得られた。
大澤 英昭
技術士"ちゅうぶ", (12), p.34 - 41, 2023/09
日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所の現況を紹介する。
三ツ井 誠一郎
金属, 93(3), p.211 - 218, 2023/03
地層処分研究開発の一環として、地層処分で想定される現象に類似した、天然類似現象(ナチュラルアナログ)を対象とする研究、「ナチュラルアナログ研究」が実施され、地層処分で想定される現象の予測モデルの概念や評価手法の妥当性の検証に利用されている。日本原子力研究開発機構が実施してきた金属製遺物を対象としたナチュラルアナログ研究の成果を通じ、出土金属製遺物から得られる知見を地層処分研究開発にどのように活用しているかを紹介する。
柳田 明進*; 浦 蓉子*; 三ツ井 誠一郎; 石寺 孝充; 川喜田 竜平
奈良文化財研究所創立70周年記念論文集; 文化財論叢,5, p.843 - 856, 2023/03
鉄製遺物内部への塩化物塩の集積の有無とその要因を検討するため、平城宮・京より出土した3点の鉄製遺物に対して、蛍光X線分析による元素マップ、微小部X線回折分析、X線CTによる非破壊分析を実施した。さらに、既報の平城宮跡の環境調査結果に基づき、鉄製遺物の埋蔵環境を推定した。その結果、3点は、(1)酸化的な環境に埋没していたと推定され、針鉄鉱/磁鉄鉱の腐食層を有し、内部に赤金鉱が生成した鉄製遺物、(2)酸化的な環境に埋没していたと推定され、内部の金属鉄が溶出し、針鉄鉱のみの腐食層が形成された鉄製遺物、(3)還元的な環境に埋没していたと推定され、菱鉄鉱を含む腐食層が形成された鉄製遺物、であることが認められた。このうち、塩化物塩の集積が確認された鉄製遺物は(1)のみであった。平城宮跡の水質観測孔におけるCl濃度は観測点によって顕著な差異は認められないことから、Cl
濃度以外の環境因子が塩化物塩の集積に影響を及ぼしていることが認められた。塩化物塩の集積は、針鉄鉱/磁鉄鉱からなる腐食層が形成されたことでアノードとカソードが分離し、局部腐食が生じたことが要因である可能性が考えられた。
地層処分研究開発推進部
JAEA-Evaluation 2022-007, 81 Pages, 2022/11
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)及び「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成29年4月1日文部科学大臣決定)、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」(平成17年10月1日制定)等に基づき、令和3年8月23日に「地層処分技術に関する研究開発」に関する事後評価及び事前評価について地層処分研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、地層処分研究開発・評価委員会は、原子力機構で定められた評価手順に従い、原子力機構から提出された第3期中長期目標期間における研究開発の実施状況及び第4期中長期目標期間における研究開発の計画について評価を行った。本報告書は、地層処分研究開発・評価委員会より提出された事後評価及び事前評価結果(答申書)を取りまとめるとともに、本委員会での説明資料、及び評価結果に対する原子力機構の措置を添付したものである。
牧野 仁史; 仙波 毅; 柴田 雅博
NEA/RWM/R(2018)7 (Internet), p.315 - 322, 2022/11
原子力機構(JAEA)による先進的なKMSの開発に係る挑戦について、JAEA KMSの開発の背景、開発のアプローチ、開発したプロトタイプの紹介を含めてまとめる。あわせて、JAEA KMSの導入と持続的なメンテナンス等の実施のための挑戦や実務的な課題についてまとめる。
山口 正秋
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(1), p.38 - 41, 2022/06
本講演では、1970年代から進められてきたわが国の地層処分研究の枠組みとその経緯について概説した。2020年には事業主体による文献調査が開始され、今後は地層処分の基盤技術として工学技術や長期安全性の評価により焦点があたると考えられる。そこで本講演では、研究開発分野のうち工学技術および地層処分システムの性能評価の研究開発の概要を中心に、具体的な評価手法を解説した。さらに、最近の研究事例として隆起・侵食影響評価の高度化にむけた取り組みについて紹介した。