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小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成
第36回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2022/12
高解像度の風況解析は、スマートシティ設計に活用できるなど非常に重要である。都市部は高層ビルが密集した複雑な形状をしており、それらにより風の流れが乱流状態となるため、都市街区全域から細かな路地までを捉えた大規模計算が必要である。それらの課題に対して、本研究グループは、メソスケール気象データを境界条件として利用したマルチスケールの汚染物質拡散手法CityLBMコードの開発を進めている。CityLBMは、計算領域周辺の境界条件をメソスケール気象データに同化させるナッジング法を導入することで、現実の風況を反映した解析が可能である。しかしながら、従来のナッジング法では、ナッジング係数が一定のため、大気状態が変化するような長時間解析の乱流強度を再現できない問題点が挙げられる。本研究では、アンサンブルカルマンフィルタを用いた動的なナッジング・パラメータの最適化手法を提案する。CityLBMの検証として、米国オクラホマシティの風況実験に対する解析を実施した。シミュレーションと観測のそれぞれで得られる乱流強度の誤差を低減するようにナッジング係数を更新した結果、一定のナッジング係数の結果と比較して10%ほど予測精度を向上することを確認した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成
第35回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2021/12
高解像度の風況解析は、スマートシティ設計に活用できるなど非常に重要である。都市部は高層ビルが密集した複雑な形状をしており、それらにより風の流れが乱流状態となるため、都市街区全域から細かな路地までを捉えた大規模計算が必要である。本研究グループでは、GPUおよび適合細分化格子(AMR)法を用いた格子ボルツマン法(LBM)に基づく解析手法CityLBMを開発している。現実の風況を再現するためにメソスケール気象予測モデルの風況および地表面温度が境界条件として必要となる。本研究では、それらの境界条件の高度化として、Monin-Obukhov相似則に基づく熱流束を求める物理モデルを導入した。物理モデルの検証として、米国オクラホマシティの野外観測実験に対して解析を実施し、観測値を良く再現できていることを確認した。
斎藤 公明
東京電力福島第一原子力発電所事故による環境汚染の研究調査の進展と課題(インターネット), p.8 - 10, 2020/07
福島第一原子力発電所事故3ヶ月後に開始され長期にわたって継続された大規模環境モニタリングの結果に基づき、地表面沈着量と空間線量率の地理的分布の特徴、検出された放射性核種と線量への寄与割合、放射性セシウムの総沈着量と土地利用別の沈着量比率等の情報をまとめた。さらに、2016年における生活圏での空間線量率は物理減衰により予想される線量率に比べファクター23小さいこと、この原因として、放射性セシウムの地中への浸透、水平方向への移行,除染が考えられること、また各原因の平均的な寄与割合について記載した。
小松 輝久; 安達 武雄
Journal of Applied Meteorology, 42(9), p.1330 - 1334, 2003/09
土壌からの水分の蒸発過程は、地球上の水循環にとって重要なプロセスの一つである。この過程を正しく捉えることは、環境アセスメント等の応用にとっても重要であるとともに、粉体集団の静的な一特性として理学的にも興味深い。これまでの研究では、応用の側面が強く意識されているため、あまり普遍的な性質等については議論されてこなかった。しかしながら、普遍的な性質を認識することが可能であれば、それは理学的に非常に興味深いことであるとともに、応用面への発展も十分に期待できる。そこで、われわれは、さまざまな土壌表面からの水分の蒸発過程に対して、より統一的なモデルを与えることを目指した実験的研究を行った。実験は、風速を制御した室内で行った。土壌水分の蒸発速度は、上面の開放された容器に湿らせた土を入れ、重量の時間変化をモニタリングすることによって測定した。また同時に、空気の温度,湿度,土壌表面の温度を測定した。土壌の素材としては、砂,土等を使用し、初期条件としては、表面に水が溢れるくらい十分に水を含んだ状態を使用した。土壌の種類,厚みを変えて行った一連の実験結果を水面からの蒸発速度との比,蒸発効率、という形式でまとめた結果、土壌の厚みが十分に薄い条件で
が土壌水分含有率
の関数として書けること、
の関数形が土や砂で共通で普遍的な関数で表し得ること、土壌の特徴付けるのに必要なパラメタは一つであることがわかった。また、このパラメタには風速依存性があること、そしてその依存性は水面の蒸発抵抗を用いて簡単な関係に書き表せることがわかった。
天野 光
Fusion Science and Technology, 41(3), p.488 - 492, 2002/05
原子力施設周辺の汚染地表面からのトリチウム放出と環境中分布について調査した結果を解析した。調査を行った場所はカナダチョークリバー研究所敷地内の放射性廃棄物処分場の湿地と、ピッカリング原子力発電所の敷地境界にある草地である。トリチウムはチョークリバーでは地下水経由で、ピッカリング原子力発電所では定常的な大気放出により、ともに地表面の濃度が高められている。今回、地表からのトリチウムフラックスにつき、土壌からの蒸発と植物葉からの蒸散を分けて評価することにより、トリチウムフラックスの特徴を解析した。地表単位面積あたりの蒸散によるトリチウムフラックスは蒸発によるそれを約1桁ほど上回り、午後2-3時に最大となったが、総量は最大値を挟み前半部が後半部の約2倍であった。一方、蒸発によるトリチウムフラックスは午後4-5時頃最大となり、蒸散と異なり、後半部が前半部の約2倍であった。トリチウムの植物中自由水に対する有機物中濃度の比は0.2-0.8であった。植物中トリチウム濃度は大気及び土壌中濃度と相対湿度から予測でき、実測値と一致した。
小嵐 淳; 天野 光; 安藤 麻里子; 飯田 孝夫*; 駒 知孝*
Radiation Protection Dosimetry, 93(3), p.237 - 243, 2001/00
被引用回数:9 パーセンタイル:55.19(Environmental Sciences)土壌へのHT沈着速度を測定するためだけでなく、どの環境因子が土壌へのHT拡散及び土壌中での微生物活動によるHTOへの化学形転換の2つの沈着過程に影響を及ぼすかを調査するために新しい手法を開発した。チェンバーと2台のトリチウムサンプラーを用いる本手法によって、大規模な野外実験やトリチウムソースを用いることなしに野外環境でHT沈着速度を測定することができる。本手法で評価された原研・東海研におけるHTの沈着速度は1.2610
~3.73
10
m.s
の範囲であった。HT沈着速度はおもに土壌の含水率及び気相率に依存してきた。含水率の増加に伴うHT沈着速度の増大から、本サイトの条件下では物理的なガス拡散よりも微生物による化学形転換がHT沈着速度に支配的に影響を及ぼしていることが示された。HT沈着速度と大気温度、大気湿度、土壌温度の間には明確な関連性は見いだせなかった。微生物活動に強く影響を及ぼすであろう土壌温度について、HT沈着速度を制御する要因としての重要性は副次的なものであった。
鈴木 敬一*
JNC TJ7420 2000-007, 28 Pages, 2000/03
連続波レーダー実験機を用いて,反射係数を測定しインピーダンスを求める実験を実施した。測定対象は,空気,水,地面である。測定の結果,アンテナの接触する媒質により,インピーダンスの値が異なることがわかった。本実験結果で得られた知見を詳細に解析することにより,電磁ACROSS(Accurately Controlled Routine Operated Signal System)(またはACROSSレーダ)のハードウェアへの発展が期待される。
小嵐 淳*; 天野 光; 安藤 麻里子; 飯田 孝夫*
Radiation Protection Dosimetry, 87(2), p.121 - 131, 2000/01
被引用回数:26 パーセンタイル:81.96(Environmental Sciences)放射性ガスであるラドンの地表からの湧出を評価するため、アクリル製のチェンバーを土壌に埋設し、チェンバー内のラドン濃度をはじめ主な環境因子を連続的に測定した。チェンバー内のラドンの濃度変動を、ラドン濃度勾配に起因する拡散フラックスと、チェンバー内の気圧の時間変化に起因する移流フラックスとを仮定することで解決できた。この解析により、チェンバー内のラドン濃度変動を表すことができ、土壌から大気へのラドンフラックスが推定できた。同時に、拡散フラックスパラメーター、移流フラックスパラメーターがそれぞれ1.7110
ms
,1.62
10
mhPa
という値で得られた。これらのパラメーターは、拡散及び気圧変化による土壌からのラドンフラックスに及ぼす影響の大きさを表す指標になるのみならず、土壌-大気間のガス交換に関する基礎的な知見を与える。
兼清 豊比古*
JNC TJ1440 99-005, 41 Pages, 1999/12
本研究では、核燃料サイクル開発機構が深地層研究所(仮称)の候補地としてあげている北海道天塩郡幌延町およびその周辺地域において民間の会社がこれまでに行ってきている諸調査を取りまとめ、整理し、新規図面類として作成した。取りまとめたデータは、地表地質調査、重力探鉱、反射法地震探鉱および試錘孔の4種類のものである。コンパイルした地質図は国土地理院刊行の50,000分の1地形図「豊富」および「雄信内」に示される地域で、これまでに実施された調査結果をまとめたものである。本地域内には増幌層、稚内層、声問層および勇知層の各地層が分布している。地域内には数条の背斜系列が北北西一南南東トレンドで位置し、豊富背斜-大曲背斜-雄興背斜の西側には豊富断層-大曲断層が逆断層として併行している。この断層群を境にして東側では声問層より下位の地層が多くの断層でいくつものブロックに分断されて分布しているのに対し、断層群の西側では声問層より上位の地層が比較的緩い傾斜で分布している。重力探鉱データは、国土地理院刊行の50,000分の1地形図「豊富」、「雄信内」、「稚咲内」および「天塩」の地域のものである。上記断層の西側では、地表の背斜位置は重力値の低い所となっており、通常とは逆の現象である。反射法地震探鉱データも、重力データと同じ地域のものを取りまとめた。地域全域にわたって追跡が可能であった増幌層基底部の地下溝造図を作成した。上記断層群の東側の地域では構造が複雑なためか、反射波があまりとらえられていない。試錘孔のデータは、川口背斜の極隆部付近に掘削された孔井のものであり、掘止深度4,505mまでの連続した諸データを取りまとめた。本井を掘削した結果、深度800mから掘止深度までは異常高圧層となっていることが判明した。特に泥岩を主体とする鬼志別層が本背斜頂部で極端に層厚を増していることは、塑性流動によるダイアピル状の変形をしたためであろうと結論づけられよう。重力値との関係もこれにより説明が可能である。
斎藤 茂幸*
JNC TJ1400 99-014, 173 Pages, 1999/03
本委託研究は、ニアフィールド岩盤中の物質移行経路のモデル化の基礎となるデータを、実際の岩盤性状を把握することにより収集し、ニアフィールドにおける天然バリア性能の定量化に資することを目的として平成5年より実施されてきた。本年度においては、これまで本研究において取得してきた移行経路調査及び岩石試料を用いたミクロな空隙構造調査のデータの取りまとめを行った。西暦2000年に核燃料サイクル開発機構(JNC)が報告する予定の「地層処分研究開発第2次取りまとめ」では、天然バリアの安全評価に関わる水理解析及び核種移行解析において亀裂ネットワークモデル及びチャンネルネットワークモデルが採用されることになっている。本委託研究の本年度の取りまとめは、その亀裂ネットワークモデルヘのデータの提供を念頭に置き、必要なパラメータや考慮事項となる特性に関するデータの整理を行い、以下の事項に関する整理結果を示した。(1)物質移行経路となる地質的特徴の種類(2)亀裂の分布に関する特性(亀裂の方向性、亀裂のトレース長、亀裂の発達頻度)(3)亀裂の内部及び周辺の構造(亀裂の幅、亀裂充填物、亀裂周辺の変質部)(4)マトリクス部分の特性(マトリクスの異方性に影響を与える構造、マトリクス部分からの湧水)(5)断層・破砕帯の特性(内部構造、分布)(6)マトリクス拡散の場となりうる移行経路の特性 上記の検討結果をもとに移行経路となる地質構造モデルのパターン化を行い、さらに現場観察に基づく物質移行概念モデルの不確実性に関する検討を行った。
山澤 弘実; 永井 晴康
JAERI-Conf 99-001, p.151 - 160, 1999/03
植物を含む地表面での熱、水及び物質の循環を動的に表すモデルの開発を実施し、現在までに媒体である空気及び水の動きを記述するモデルを完成した。大気部分は、運動方程式、熱保存式、乱流クロジャーモデル等から構成される。土壌部分は、液体水、水蒸気及び熱の保存式から構成される。植生は、熱容量のない物体として取り扱われているが、葉面水滴の形成と蒸発、気孔からの蒸散、日射・放射の遮断は考慮されている。このモデルは、地表面物理過程の枠組みを提供するものであり、直ちに物質循環評価に用いるには不完全であるが、通常の気象観測データからの水・熱収支解析、大気モデルの地表面サブモデルとしての利用等、現時点でもその有用性は高い。また、HTO拡散評価例で示したとおり、物質の輸送過程サブモデルを組み込むための土台としての活用が可能である。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
JNC TJ1400 99-028, 62 Pages, 1999/02
前半部では、非結晶性鉄酸化物コロイド粒子へのNpO/SUB2/SUP+の吸着拳動に関して吸着平衡と吸着速度という2つの観点から検討を加えた。その結果、吸着挙動はバルク溶液とコロイド粒子外表面間の遠い吸着と、コロイド粒子内のマイクロポアに拡散し吸着する遅い吸着の2つのステップから構成されることを明らかにした。また、外表面へのNpO/SUB2/SUP+の吸着が内圏型吸着であること、マイクロポア内の表面拡散係数が2.010/SUP-13cm/SUP2/Sであることを示した。後半部では、ab initio計算法を用い、数種類のウラニル錯体の振動数を評価しラマン分光などの実測結果と比較するとともにウラニルイオンの水和の影響について考察を行った。また、銀コロイド粒子へのウラニルイオンの吸着挙動の解析を行い、ラマン分光法の実験結果とも合わせて、内圏型での吸着の可能性が高くそのときの銀-ウラン原子間距離が3A○であると評価した。
房枝 茂樹*
JNC TJ1400 99-022, 19 Pages, 1999/02
第二次取りまとめにおける地層処分システムの性能評価では、ニアフィールド性能の定量化を大きな目標としており、ここでは、評価モデルの妥当性および性能評価用データの信頼性と品質保証が技術的課題として重要視されている。この課題を達成するためには、データ、モデルおよび解折コードという個々の品質を保証するとともに、解析作業やデータ取得作業についても十分な信頼性を持たせ、それらの品質を総合して評価結果の信頼性を保証していくことが重要である。本研究では、性能評価に係わる品質情報を総合的に管理し活用できる計算機環境を整備し、第二次取りまとめ報告書における解析結果の信頼性を示すための総合的な品質保証システムの構築を目的として以下の研究を実施した。(1)品質保証フレームワークに関する検討:MESHNOTEの信頼性確保を目的として、室内試験データや原位置データに基づく碓証解析の実施ならびに計画を実施した。また、実務に適用すべく品質保証要領書の改訂を実施した。・鉄含有ベントナイト中における拡散試験データに基づく確証解析を行い、MESHNOTEが妥当であることを確認し、知識ベースについて整理した。・解析報告書の管理に関する事項を品質保証要領書に追加した。(2)品質保証システムの構築:解析結果の信頼性の向上および品質保証プログラムの効率的な運用を目的として、解析管理システム「CAPASA」を基盤とした品質保証システムに係わる以下の拡張を実施した。・人工バリア幾何形状、ガラス溶解に係わるデータおよび被ばく線量換算係数を管理するための核種移行解析用データベースを構築した。また、これらデータを、CAPASAで利用可能とするためのインタフェースプログラムを構築した。・亀裂媒体中の核種移行解析コードTlGERおよび地球化学コードPHREEQCを、CAPASAに搭載した。また、人工バリア中の核種移行解析コードMESHNOTEの改良版を対象として、核種移行解析用データベースとのインタフェースプログラムを構築した。
房枝 茂樹*
JNC TJ1400 99-021, 86 Pages, 1999/02
第二次取りまとめにおける地層処分システムの性能評価では、ニアフィールド性能の定量化を大きな目標としており、ここでは、評価モデルの妥当性および性能評価用データの信頼性と品質保証が技術的課題として重要視されている。この課題を達成するためには、データ、モデルおよび解析コードという個々の品質を保証するとともに、解析作業やデータ取得作業についても十分な信頼性を持たせ、それらの品質を総合して評価結果の信頼性を保証していくことが重要である。本研究では、性能評価に係わる品質情報を総合的に管理し活用できる計算機環境を整備し、第二次取りまとめ報告書における解析結果の信頼性を示すための総合的な品質保証システムの構築を目的として以下の研究を実施した。(1)品質保証フレームワークに関する検討:MESHNOTEの信頼性確保を目的として、室内試験データや原位置データに基づく確証解析の実施ならびに計画を実施した。また、実務に適用すべく品質保証要領書の改訂を実施した。・鉄含有ベントナイト中における拡散試験データに基づく確証解析を行い、MESHNOTEが妥当であることを確認し、知識ベースについて整理した。・解析報告書の管理に関する事項を品質保証要領書に追加した。(2)品質保証システムの構築:解析結果の信頼性の向上および品質保証プログラムの効率的な運用を目的として、解析管理システム「CAPASA」を基盤とした品質保証システムに係わる以下の拡張を実施した。・人工バリア幾何形状、ガラス溶解に係わるデータおよび被ばく線量換算係数を管理するための核種移行解析用データベースを構築した。また、これらデータを、CAPASAで利用可能とするためのインタフェースプログラムを構築した。・亀裂媒体中の核種移行解析コードTlGERおよび地球化学コードPHREEQCを、CAPASAに搭載した。また、人工バリア中の核種移行解析コードMESHNOTEの改良版を対象として、核種移行解析用データベースとのインタフェースプログラムを構築した。
中島 研吾*
JNC TJ1400 99-016, 24 Pages, 1999/02
連続体モデルを用いたニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価は以下のような手順によって実施されている:・三次元飽和・不飽和浸透流解析コード「TAGSAC」により三次元不均質多孔質岩盤中の地下水流れを解く・核種移行経路抽出コード「TR3D」により流れ場の中から流線に沿った核種移行経路とその経路上の情報を抽出する・一次元核種移行解析コード「CRYSTAL」により抽出した各経路での核種移行を解析する 本研究では,一連の核種移行評価体系を整備・統合化し,各解析コード間でのデータ受け渡しを自動化するとともに,不均質場や移行経路等の可視化のためのプリ・ポスト環境の整備を実施した。また,第2次取りまとめに向けた多孔質岩盤中の核種移行計算を実施した。
山澤 弘実; 永井 晴康
JAERI-Data/Code 97-041, 56 Pages, 1997/10
大気-植生-土壌複合系内の放射性核種移行の媒体である空気及び水の動的挙動を表す数値モデル構築の第一段階として、大気と裸地土壌を対象とした1次元モデルを開発した。大気部分は、既存の1次元気象モデルPHYD1V3を基礎として作成し、水平風速成分、温位、比湿、霧水量等を予報的に解く。土壌部分は、温度、体積含水率及び土壌空気中比湿に関する予報方程式で構成される。大気-土壌間は、地表面熱収支式及び水収支式を用いて統合されている。大気及び土壌は多相に分割して記述されており、数値解法としては差分法を用いた。
天野 光; 松永 武; 上野 隆; 小沼 義一*; 渡辺 美紀*; 柳瀬 信之; 長尾 誠也; Sukhoruchkin, A. K.*
Proceedings of 5th International Scientific and Technical Conference on the Problems of Liquidation of Chernobyl Accident Consequences, P. 74, 1996/00
チェルノブイル事故炉周辺30km圏内の地表面環境における放射性核種の2次的移行に関するRIAPとJAERIとの5年間の共同研究が1995年4月より開始した。本研究は超ウラン元素を含めた長半減期放射性核種の地表面環境における存在状態とそれらの移動性の解析に焦点をあてる。特に地表腐植物質や土壌中に含まれる放射性核種の化学的存在形態とそれれの移動性、河川による流出や再浮遊による移行の特徴、それらの定量的把握を目的とするものである。これまでの選択的抽出法を用いた測定及び解析から、地表有機物と土壌について、フミン酸やフルボ酸の成分にはPuやAmが存在すること、Sr-90の主要部分はイオン交換成分として存在すること、AmはPuより溶出されやすいこと、等が分かった。また、河川水中溶存放射性核種の大部分はSr-90で、Cs-137については懸濁態での流出が支配的であった。
永井 晴康; 山澤 弘実
JAERI-Research 95-016, 22 Pages, 1995/03
本報告は、高精度大気拡散評価モデルPHYSICのうち、気象場計算を行うメソスケール大気力学モデルの改良についてまとめたものである。メソスケール大気力学モデルに広域の気象変動を詳細に導入するために、気象庁の総観規模数値気象予報モデルの出力GPVを用いた初期条件及び境界条件の設定が必要である。そこで、GPVデータからPHYSIC用に総観規模気象データファイルを作成するプログラムの開発と、それに対応した気象データの入力、空間内挿及び時間内挿方法の改良を行った。さらに、雲量と地表面湿潤度をGPVデータから計算する方法を開発し、モデルの計算コードに追加した。
山澤 弘実
保健物理, 29(4), p.437 - 440, 1994/12
筆者は1993年3月から1年間、科学技術庁の原子力留学制度によりドイツ・カールスルーエ原子力研究所、気象・気候研究部門に滞在する機会を得た。留学先では、原子力研究所としての枠を越えて、環境関連の基礎から応用までの幅広い研究が進められている。筆者は「大気汚染物質・トリチウムの大気拡散及び地表面相互作用モデル化に関する研究」のテーマのもとで、モデルの相互比較、数値解法の開発、トリチウム拡散モデルの開発を行った。
向井 雅之; 武部 愼一; 古宮 友和
JAERI-Research 94-014, 25 Pages, 1994/09
低レベル放射性廃棄物処分施設より漏出した核種の環境中移行経路の一つである地表水流に伴う核種の移行を実証的に解明するため、放射性水溶液が凝灰岩斜面を流下する状況を模擬した地表面核種移行試験を実施した。流出液中の核種濃度は流下時間によらずほぼ一定で、流量が小さいほど減少し、土壌吸着濃度分布は流入口から流出口に向かって緩やかな減少を示した。鉛直流速分布を有する1次元の移流と2次元の拡散で表した地表流に1次吸着反応式を取り入れた移行モデルで解析を行い、吸着及び水の流動に関する移行パラメータ値を得た。これらをローム質土壌で得た値と比較した結果、Co及び
Srについてはパラメータ値は両地質でほぼ同じであった。
Csについては、凝灰岩層に対する吸着速度係数が大きなことを反映し、地表を流れる放射性水溶液の長距離の流下による濃度の減少効果はローム質土壌に比べ大きくなることが予測できた。