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笹尾 英嗣; 大久保 誠介*
JNC TN7450 2000-019, 42 Pages, 2000/11
日本国内では、操業中の鉱山の減少が著しく、これに伴って鉱山技術者の数も減少している。このため、これまでに培われた鉱山開発に係わるノウハウなどの貴重な情報が次第に失われる懸念がある。そこで、技術者個人が有するノウハウや様々な情報を収集することを目的として、鉱山開発などの実務に携わる技術者を対象にしたアンケートを実施した。本報告書はこのアンケート結果をとりまとめたものである。アンケートの実施に当たっては、平成6年から平成9年に社団法人資源・素材学会に委託して実施した「採鉱設計支援システムの開発」に携わった鉱山技術者に依頼し、採鉱法、鉱山機械など鉱山開発に関することを題材として、知識、適用例、適用範囲などの情報の提供を受けた。提供された情報を次ページ以降に記すが、情報提供者の意向を最大限活かすために原文のまま掲載した。また、掲載にあたっては内容を問わず、記入年月日の順に掲載した。
小出 馨; 中野 勝志; 太田 久仁雄; 杉原 弘造; 天野 格; 齊藤 宏; 竹内 真司
JNC TN7410 2000-001, 56 Pages, 2000/04
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板本 昌治*; 田仲 正弘*; 丹野 剛男*
PNC TJ7592 98-001, 166 Pages, 1998/03
地下に空洞を施工した場合、空洞周辺の岩盤に種々の影響が生じることは良く知られており、中でも岩盤のひずみや応力場に与える影響は、空洞の設計・施工を行う上で重要かつ不可欠な問題である。動力炉・核燃料開発事業団では東濃鉱山北延NATM坑道において、坑道の機械掘削による影響評価試験の事前・事後調査の一環として、1994年に初期応力状態を、翌1995年1996年に掘削前・中・後の連続したひずみ挙動や応力変化および二次応力の測定・解析を応力解放法(電中研式8成分ひずみ計埋設法)により実施した。しかしながら、1996年の掘削直後のオーバーコアリング供試体において実施したひずみ感度試験で特異なひずみ挙動が確認され、その原因として掘削の衝撃によるマイクロクラックの発生等が考えられた。そこで今年度は掘削衝撃のない状態で坑道近傍における二次応力状態を応力解放法により測定・解析を行った。この報告書はその測定結果をまとめると共に、既往結果との比較により二次応力の値、解析方法の妥当性を検証し、軟岩地山における応力解析法の測定手法の適用性について評価したものである。測定の結果、二次応力は掘削坑道壁からの距離ごとに示すと、0.5m地点: X=-2.47, Y=-2.33, Z=-3.70, YZ=-0.18, ZX=0.26。1.0m地点: X=-2.32, Y=-2.15, Z=-3.28, YZ=-0.12, ZX=0.14。1.5m地点: X=-2.95, Y=-2.58, Z=-3.37, YZ=-0.06, ZX=0.33となった。また、測定条件により精度に差が生じるものの、軟岩地山における応力解放法による計測手法は充分適用できるものと判断された。
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PNC TJ1439 98-001, 69 Pages, 1998/03
釜石鉱山250mレベル坑道において、深部岩盤の掘削影響試験の一環として試験坑道周辺の水理学的影響領域を定量的に把握することを目的として、水理学的緩み領域計測装置を用いた透水試験を実施した。その結果、以下に示す知見を得た。1)調査用試錐孔の掘削された2つの断面では、間隙水圧の分布状況が異なった傾向を示した。2)今回の試験では、水平および鉛直下向きの試錐孔で試験を実施したが、試錐孔の掘削方向により、透水係数の分布に違いがみられた。3)鉛直下向きの試錐孔では、坑道底盤に最も近い測定区間で高い透水係数が得られたが、水平孔における試験では、坑壁からの距離によらずほぼ同程度の透水係数であった。4)掘削工法の違いによる透水性への影響の違いは、水平孔では認められなかったが、鉛直下向き孔ではスムースブラスティング区間に掘削された試錐孔の坑壁付近の透水係数が、普通発破区間の試錐孔のそれよりも大きくなった。
松岡 清幸*; 桜井 豊*
PNC TJ7586 98-002, 63 Pages, 1998/02
1.本資料は、岐阜県土岐市東濃鉱山で実施した孔内物理検層のデータをとりまとめたものである。2.物理検層は、電気・音波・密度・中性子検層の他、温度・孔径・ガンマー線検層の7種類を実施した。3.物理検層より、測定区間を大きく4つに分類し、それぞれの物性値について比較・検討した。
新宮 和喜*; 堀之口 賢治*; 中嶋 敏秀*
PNC TJ7187 97-001, 170 Pages, 1997/03
陸域地下構造フロンティア研究では、活断層の形成メカニズム(地震の発生メカニズム)を解明することを目的として、活断層(跡津川断層系)を横断する調査坑道を掘削している。本坑道および本坑道近傍では、活断層の力学特性、水理特性等を把握するための試錐孔が掘削されている。本資料は、これらの試錐孔のうち、調査ボーリングB孔、応力No.1孔および応力No.2孔で実施した孔内調査(検層等)の結果を取りまとめたものである。実施した調査は、以下の通りである。1.岩芯調査(調査ボーリングB孔、応力No.1孔、応力No.2孔)2.物理検層1)音波検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)2)PS検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)3)自然放射能検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)4)電気検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)5)温度検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)6)キャリパー検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)7)孔曲検層(調査ボーリングB孔)3.ボアホールスキャナー観測(調査ボーリングB孔、応力No.1孔、応力No.2孔)岩芯調査の結果、調査ボーリングB孔は主に砂岩、礫岩、頁岩層から構成されており、応力No.1孔および応力No.2孔は砂岩、頁岩から構成されている。ボアホールスキャナー観測および物理検層は、地層および岩盤の性状を定量的に表している。以上の調査結果は、活断層の力学特性、水理特性を把握するための一資料として供される。しかし、これらの特性を把握するためには、今回の資料だけでは不十分であり、今後様々な場所で多種多様な調査を行うことを提案する。
小原 欽一*
PNC TJ1676 97-001, 221 Pages, 1997/03
関東北部炭田地域を対象として地質、地下水データを収集、分析するとともに、地球化学的手法と水理シミュレーションによって深部地層中の地下水水質の起源や変遷について解析した。地球化学的手法による水質の解析では、常磐炭砿の坑内で記録されたデータにより、溶存イオン濃度分布などの特性を明らかにし、水質を区分した。また現在揚水中の温泉などから採取した地下水について環境同位体分析を行った。その結果、この地域における深部地下水のほとんどは、海水を水質の起源とする混合水であることが推定され、一部の地下水は数十年前の地表水の混合したものが見られる一方で、化石海水の特徴を示す地下水の存在も明らかとなった。数値シミュレーションによる水理解析では、大局的な地質構造および坑道掘削の形状を反映した広域モデルを作成し、坑道のない状態から坑道掘削時、そして閉山後の再冠水時にわたる約100年間の長期シミュレーションを行った。その結果、坑内湧水量や再冠水後の水位回復がおおむね再現でき、この広域モデルによる解析は人工改変による地下水流動系の変化を把握する手法として有効であることが認められた。さらに陸域から海域を含む大規模な地下水系について、海水面変動による塩淡境界の地質時代にわたる変化についても解析を試みた。
松岡 永憲*
PNC TJ1439 97-001, 39 Pages, 1997/03
釜石鉱山250mレベル坑道において坑道掘削影響試験の一部として、掘削坑道周辺の間隙水圧測定が実施されている。坑道掘削作業がこの間隙水圧測定システムに影響を与える可能性があるため、掘削作業前、作業中、作業後の3回、システムのメンテナンスを実施した。同時に問題がある間隙水圧計7台を交換した。交換前の間隙水圧計7台には、継続して初期ひずみの増加がみられた。メンテナンス作業中には、坑道掘削がシステム全体に影響を与えるような異常は認められなかった。
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PNC TY1569 98-001, 34 Pages, 1996/03
坑道掘削に伴い周辺岩盤の力学的、水理学的物性が変化すると考えられる。このような物性が変化した岩盤領域は、新たな物質の移行経路となる可能性があるとともに、坑道の力学的安定性に影響をもたらすと考えられる。このような観点から坑道掘削に伴う周辺岩盤の物性変化の範囲や程度を定量的に評価することが重要である。しかし、坑道掘削に伴う岩盤の物性変化を計測・評価する手法は確立されているとはいえない。このため、掘削に伴う物性変化に関する評価手法の開発を目的として、資環研との共同研究を開始した。共同研究においては、資環研が評価手法の開発に関する室内試験および原位置試験を実施し、動燃事業団が掘削に伴う物性変化を把握するために、東濃鉱山において掘削影響試験を実施するという分担とした。本研究期間での目的は、以下のようにまとめることができる。・室内規模での比抵抗計測実験により、計測手法の妥当性と精度の確認ならびに原位置計測への適用性の可能性について検討する。・東濃鉱山北延NATM坑道掘削予定位置周辺で採用した岩石コアを用いて室内試験を行い、当該岩盤を構成する岩石の基礎物性データと破壊特性を把握する。・坑道掘削の地山状態に対する影響を評価するための事前調査として、原位置比抵抗トモグラフィ調査を実施し、坑道掘削前の岩盤の比抵抗分布を把握する。
石田 章司*; 山内 政也*
PNC TJ7393 96-001, 88 Pages, 1996/03
東濃鉱山北延NATM坑道においては、機械掘削影響試験が実施されている。弾性波トモグラフィー調査も試験の一環であり、坑道掘削による岩盤の掘削影響領域を、弾性波速度分布を指標として把握しようとするものである。調査地では、すでに坑道掘削前に弾性波トモグラフィー調査が行われており、本調査の目的は、その事前調査の結果と比較するための試料を得ることである。そこで、掘削直後の坑道周辺の岩盤を対象として、弾性波トモグラフィー調査を実施し、坑道周辺の弾性波速度分布を求めた。なお、受振点・起振点配置は事前調査と同一とした。測定の結果、おおむね良好な波形記録を得ることができた。さらに、解析の結果、解析領域の全体的な速度分布を求めることができたほか、掘削した坑道の近傍では、一部で、その周囲に比べて速度の小さい領域が検出された。得られた速度値は、おおむね2.02.6KM/SEC 平均値は2.33km/secであった。また、解析結果の走時残差も十分小さな値となり、信頼性の高いものであるといえる。
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PNC TJ1449 96-004, 100 Pages, 1996/03
岩盤内に水平坑道や立坑を掘削することにより、空洞周辺では岩盤本来の力学・水理学的特性が変化することをが知られている。このような掘削によって発生する岩盤の特性変化を把握し、評価することは、地下施設の設計・建設や安全評価を行う上で重要な事項のひとつである。動力炉・核燃料開発事業団では昭和62年度以来、東濃鉱山において水平坑道および立坑を掘削し、それに伴い発生する掘削影響の範囲と特性の変化の程度に関する評価研究を実施してきた。これらの研究では、坑道掘削に発破工法を使用しており、掘削影響は主として発破に伴う岩盤の損傷により発生したことが明らかとなっている。これに対し、平成5年度から機械掘削による影響評価試験を実施し、発破による掘削影響との比較により工法の違いによる掘削影響の違いを考察する予定である。本研究では、機械掘削による影響評価を行うためのデータを取得する目的で、坑道を機械により掘削し、掘削中に坑道壁面の地質観察、変位測定および振動測定を行った。振動測定は、今回設けられた発破掘削区間でも行った。これらの調査結果を整理し、坑道掘削により明らかとなった地質構造、掘削に伴い発生する岩盤変位挙動についてとりまとめた。また、今回得られた測定データを平成6年度までに得られたデータと比較した。振動測定結果については、規格掘削と発破掘削とで振動特性を比較した。
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PNC TJ1449 96-003, 54 Pages, 1996/03
岩盤内に水平坑道や立坑を掘削することにより、空洞周辺では岩盤本来の力学・水理学的特性が変化することをが知られている。このような掘削によって発生する岩盤の特性変化を把握し、評価することは、地下施設の設計・建設や安全評価を行う上で重要な事項のひとつである。動力炉・核燃料開発事業団では昭和62年度以来、東濃鉱山において水平坑道および立坑を掘削し、それに伴い発生する掘削影響の範囲と特性の変化の程度に関する評価研究を実施してきた。これらの研究では、坑道掘削に発破工法を使用しており、掘削影響は主として発破に伴う岩盤の損傷により発生したことが明らかとなっている。これに対し、平成5年度から機械掘削による影響評価試験を実施し、発破による掘削影響との比較により工法の違いによる掘削影響の違いを考察する予定である。本研究では、機械掘削による影響評価を行うためのデータを取得する目的で、坑道を機械により掘削し、掘削中に坑道壁面の地質観察、変位測定および振動測定を行った。振動測定は、今回設けられた発破掘削区間でも行った。これらの調査結果を整理し、坑道掘削により明らかとなった地質構造、掘削に伴い発生する岩盤変位挙動についてとりまとめた。また、今回得られた測定データを平成6年度までに得られたデータを比較した。振動測定結果については、機械掘削と発破掘削とで振動特性を比較した。
茂呂 吉司*; Oanh, T.*; 雨宮 清*
PNC TJ1412 96-002, 237 Pages, 1996/03
放射性廃棄物の地層処分のおいては緩衝材とその周辺岩盤に、廃棄体から発生する熱による力学・透水特性の変化、地下水の侵入による伝熱・力学特性の変化、緩衝材の膨潤、岩盤の変形による伝熱・透水特性の変化等が相互に複合して生じる。このため、人工バリア及びその周辺岩盤の伝熱特性、力学的挙動、水理特性等を評価するためには、これらの熱-水-応力連成現象を解析するモデル、コードの開発・確証が必要である。特に、亀裂性結晶質岩における深地層を理解するために、白亜紀初期の花崗岩を母岩とする釜石鉱山における原位置試験が計画され、熱-水-応力連成概念モデルを確立し、数学モデルとコンピューターコードを確証するために釜石原位置試験の1つとして、原位置熱-水-応力連成試験が計画された。連成試験計画は、試験坑道掘削、岩の特性調査、試験ピット掘削、ベントナイトの埋設と連成試験の5段階に分かれている。試験坑道は幅5m、奥行10m、高さ7mで、掘削機と発破によって掘削され、各種計測機器を埋設するために14本の試錐が行なわれた。本年度は、14本の試錐、計測機器の埋設と試験ピットの掘削を実施したので報告する。
茂呂 吉司*; Oanh, T.*; 雨宮 清*
PNC TJ1412 96-001, 481 Pages, 1996/03
放射性廃棄物の地層処分のおいては緩衝材とその周辺岩盤に、廃棄体から発生する熱による力学・透水特性の変化、地下水の侵入による伝熱・力学特性の変化、緩衝材の膨潤、岩盤の変形による伝熱・透水特性の変化等が相互に複合して生じる。このため、人工バリア及びその周辺岩盤の伝熱特性、力学的挙動、水理特性等を評価するためには、これらの熱-水-応力連成現象を解析するモデル、コードの開発・確証が必要である。特に、亀裂性結晶質岩における深地層を理解するために、白亜紀初期の花崗岩を母岩とする釜石鉱山における原位置試験が計画され、熱-水-応力連成概念モデルを確立し、数学モデルとコンピューターコードを確証するために釜石原位置試験の1つとして、原位置熱-水-応力連成試験が計画された。連成試験計画は、試験坑道掘削、岩の特性調査、試験ピット掘削、ベントナイトの埋設と連成試験の5段階に分かれている。試験坑道は幅5m、奥行10m、高さ7mで、掘削機と発破によって掘削され、各種計測機器を埋設するために14本の試錐が行なわれた。本年度は、14本の試錐、計測機器の埋設と試験ピットの掘削を実施したので報告する。
千葉 保*; 稲垣 学*
PNC TJ1281 96-008, 46 Pages, 1996/03
坑道周辺母岩での地下水の酸化還元状態の予測に資するべく、掘削時に随伴した酸素及びその消費反応に寄与する二価鉄の挙動を解析するための手法を、解析ツールSPADEをベースとして提案した。解析手法の特徴は次の通りである。・坑道、ニアフィールド母岩を含む2次元領域・溶存酸素の移行メカニズムとして、亀裂中での移流分散及び岩マトリクスへのマトリクス拡散を考慮。・溶存酸素と二価鉄との一次の反応を考慮。また、提案した手法による試解析を行うとともに、今後の課題と問題点を抽出した。
妹尾 宗明*; 伊藤 賢治*; 安保 則明*; 深谷 正明*
PNC TJ1561 96-001, 367 Pages, 1996/02
本研究は、地層処分における性能評価事象との対比において、天然に存在する類似現象(ナチュラルアナログ)に関する研究の現状について国内外の事例を幅広く調査するとともに、今後の我が国における地層処分システムの性能評価への適用の可能性を検討することを目的とする。国内外のナチュラルアナログに関する文献の内容を検討し、ナチュラルアナログ研究の構造と現状を整理した。整理の視点は調査場所、対象性能評価事象、環境条件、研究成果及び成果の利用方法などである。また、抽出した性能評価事象を主体とした主要事象を対象として、性能評価への適用可能性を従来の考え方にこわらず広く検討した。合計75件のナチュラルアナログ文献を調査した結果を整理票に示した。また、性能評価への適用可能性を検討した結果を示した。
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PNC TJ1380 95-001, 82 Pages, 1995/05
釜石鉱山の550mL坑道の原位置試験場においては、平成5年度より人工バリアの評価に関する研究が実施されている。本年度はその一環として、新たに試験用の計測坑道の掘削を実施した。今回の調査では本坑道における割れ目特性を把握して、今後実施される各種試験の基礎データとして役立てる為に、以下の様な割れ目調査を実施した。1)ST掘削後の坑道の割れ目調査(長さ3m以上の割れ目を対象)2)追切り後の坑道の割れ目調査(長さ3m以上の割れ目を対象)3)掘削終了後の床面の割れ目調査(長さ50cm以上の割れ目を対象)調査結果はスケッチ図と割れ目記載表にまとめて示した。また、割れ目特性に関しては以下の様にまとめられる。1)本坑道においては、EW系・NSNE系の3方向の割れ目系が発達している。2)EW系の割れ目は連続性が良く、NSNE系の割れ目はそれらに挟まれて分布している事が多い。3)EW系とNSNE系の割れ目は坑道全体に分布するが、NW系の割れ目は一部に偏在して分布している。4)EW系は左横ズレ、NSNE系は右横ズレ成分の大きいセン断割れ目である。5)EW系の割れ目で5m以上のものは、ある地点を境にして、その走向が反時計回りの方向に徐々に変化していく傾向が認められる。6)EW系とNSNE系の割れ目の関係に関しては、a.共役、b.NSNE系がEW系の派生割れ目、c.両者は別の時期に形成の3つの可能性が推定された。
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PNC TJ1449 95-003, 117 Pages, 1995/03
岩盤内に水平坑道や立坑を掘削することにより、空洞周辺では岩盤本来の力学・水理学的特性が変化することが知られている。このような掘削によって発生する岩盤の特性変化を把握し、評価することは、地下施設の設計・建設や安全性評価を行う上で重要な事項のひとつである。動力炉・核燃料開発事業団では昭和62年度以来、東濃鉱山において水平坑道および立坑を掘削し、それに伴い発生する掘削影響の範囲と特性の変化の程度に関する評価研究を実施してきた。これらの研究では、坑道掘削に発破工法を使用しており、掘削影響は主として発破に伴う岩盤の損傷により発生したことが明らかになっている。これに対し、平成5年度から機械掘削による影響評価試験を実施し、発破による掘削影響との比較により工法の違いによる掘削影響の違いを考察する予定である。本研究では、平成5年度に引き続き機械掘削による影響評価試験の事前調査として、岩盤内変位を測定するためのボーリング孔の壁面観察、2種類の岩盤内変位計の設置と初期値の計測、および岩石の拘束圧と透水性の関係を評価するための室内透水試験を行った。さらに、平成5年度および6年度の調査により取得されたデータに基づき、5年度に用いた解析モデルの見直しを行い、坑道掘削時の岩盤挙動を予測するための事前解析を行った。事前解析では、初期応力、地質構造、坑道周辺の掘削影響領域を考慮した。これらの事前調査および事前解析の結果を、平成5年度に得られた結果と併せてとりまとめ、機械掘削を行う前の岩盤の状態を評価した。最後に、坑道掘削後の事後調査および事後解析の計画検討を行った。
平田 洋一*; 松岡 永憲*
PNC TJ1439 95-002, 105 Pages, 1995/03
坑道掘削に伴って発生する岩盤の緩みの領域の水理特性を把握するために、平成3年に間隙水圧と透水係数を測定する装置が開発された。同装置は坑道壁面から掘削された試錐坑内で低圧注水試験を行うものである。今回の業務で、低圧注水試験に加えて、非定常透水試験が行えるように装置に改良を加えた。また、前年度までに実施された適用試験の知見から遮水性能の確認を行って測定区間を決定できるようパッカーに改良を加えた。改良した装置を釜石鉱山250mレベル坑道の試錐孔に設置し、実施した適用試験により、非定常透水試験を緩み領域の透水試験に適用できることを確認した。また、パッカー構造の改良が確実な測定区間の設定に有効であることを確認した。ただし、測定区間が高透水性岩盤と低透水性のものに大きく分かれたために、低圧注水試験による透水係数の測定値に対する、非定常透水試験による測定値の偏差を十分に確認することができなかった。
牧野 憲一郎*
PNC TJ7586 95-004, 102 Pages, 1995/02
1.目的動力炉・核燃料開発事業団殿における地層科学研究の調査技術および機器開発の一環として、坑道周辺の掘削影響領域の特性を明らかにするために、坑道周辺に発達する割れ目の位置やその空間的広がりを詳細に把握可能な試錐孔用広帯域レーダーを製作した。なお、製作は動燃事業団契約業務成果報告書「試錐孔用広帯域レーダープローブの設計」PNCZJ7586 94-003 VOL.1およびVOL.2による。2.方法試錐孔近傍から割れ目を詳細に把握する目的のため、レーダーの中心周波数は花こう岩中で約200MHzとし、さらに割れ目の空間的広がりの方位を特定するために、指向性アンテナを有する孔内プローブとして製作した。制御・収録・解析は本プローブを動力炉・核燃料開発事業団殿所有のRAMACシステムの地上装置と組み合せて行う。3.結果製作した試錐孔用広帯域レーダープローブは、試験・検査仕様書に記載された各試験項目の試験基準を満足し、且つ、RAMACの地上装置と接続した状態で各部は正常に機能し、データが取得出来る事が確認できた。また、耐圧試験結果においても20Barの外圧の下で、プローブは正常に動作し、プローブ内に水の漏洩がないことが確認された。4.結論製作した試錐孔用広帯域レーダープローブは、各種の室内試験において装置各部の基本的な性能および機能が確保されていることが確認された。今後は花こう岩中に掘削された孔井内で適用試験を行い、実フィールドにおける性能および機能を検証する必要がある。
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PNC TJ7439 93-003, 81 Pages, 1993/03
坑道掘削時に発生する、坑道周辺岩盤の緩み領域を定量的に把握することは、地下施設の耐久性を評価する上で必要不可欠である。このため、平成3年度に緩み領域を透水係数の測定によって評価する装置を開発し、動力炉・核燃料開発事業団、中部事業所、東濃鉱山において適用性を確認した。本業務では、上述した開発過程において得られた情報や知見に基づいて、取得データの信頼性および作業の効率性を向上させるために既往装置を改良した。その内容は同一試錐孔内で深度方向に測定区間を5区間設定できる構造にしたことと、透水試験に影響を与える試験水中の溶存気体を事前に脱気できる構造にしたことである。改良した試験装置は間隙水圧を5区間同時に測定でき、さらに1区間毎の透水試験中に他の4区間の間隙水圧を同時に測定できる。本装置を用いて、上述した東濃鉱山において適用試験を実施し、パッカーの遮水性や間隙水圧の5区間同時測定および透水試験と他の4区間の間隙水圧の同時測定等、当初設定した性能を有することを確認した。