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能沢 正雄; 野本 昭二; 石川 寛
日本原子力学会誌, 4(7), p.463 - 480, 1962/00
増殖することなしには、UおよびTh資源は有効にその大部分を利用し得ない。このことはよく知られている。しかしいくら原子炉内で燃料の増殖が生じていようとも、そこでできた燃料がまたつぎに原子炉へ再投入され、増殖が循環的に行なわれてゆくことが実証されなければ全資源の有効化は望めない。このことはたんに原子炉内で増殖が確保されるのみでなく、この循環に必要な化学的、冶金学的再処理法が完成され全休として増殖比が1以上を確保されねばならないことを意味している。もちろん燃料再処理過程の効率の点からみても原子炉で生ずる増殖が高く、またしたがって燃料倍増期間の短くなるほどよいことも事実である。この観点からみて、原子炉内で増殖をいかに有利に生ぜしめるか、またその目標がそれを達成せしめる工学的視野からみて可能かどうかを広く論議することは大切なことといえよう。