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日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 119, p.405 - 411, 1995/00
被引用回数:12 パーセンタイル:48.26(Chemistry, Inorganic & Nuclear)4価プラセオジムペロブスカイトBaPrO、BaCePrO、SrBaPrOを合成し、その磁化率を4.2Kから室温まで測定した。BaPrOで見られる磁気的秩序(転移温度11.6K)は、BaサイトをSrで置換するよりも、PrをCeで置換する方がはるかに弱まることがわかった。いずれの化合物でも4.5Kでヒステリシスが見られた。転移温度以上の磁化率は、Prの小さな磁気モーメントと、大きな温度に依存しない常磁性で特徴付けられることがわかった。SrBaPrOの有効磁気モーメントはSr置換が進むにつれ、大きくなることもわかり、この結果はSrBaCeO中にドープしたPrの常磁性共鳴吸収の結果に一致した。
日夏 幸雄
Journal of Alloys and Compounds, 215, p.161 - 167, 1994/00
被引用回数:9 パーセンタイル:59.93(Chemistry, Physical)秩序化ペロブスカイト構造を持つウラン-遷移金属複合酸化物BaMUO(M=Fe,Co,Ni)を合成し、磁化率と常磁性共鳴(EPR)吸収スペクトルの測定を通して、結晶中のUとMの電子状態を検討した。BaFeUOは120Kでフェリ磁性転移することを見い出した。EPRスペクトルを室温で測定し、g値は2.00だった。化合物中での鉄は+3価の酸化状態にあり、ウランは+5価の酸化状態にあることを明らかにした。BaCoUOとBaNiUOは、9K,25Kで強磁性転移することを見い出した。BaNiUOでは5Kで、10000G以上の磁場で、磁化の完全な飽和を見い出した。EPRスペクトルを室温で測定し、g値は2.17だった。これらの化合物中では、コバルトとニッケルは+2価、ウランは+6価の酸化状態にあることを明らかにした。
日夏 幸雄; Edelstein, N.*
Journal of Solid State Chemistry, 112, p.53 - 57, 1994/00
被引用回数:46 パーセンタイル:89.22(Chemistry, Inorganic & Nuclear)BaCeOにドープしたPrの常磁性共鳴吸収スペクトルを8.5Kで測定した。Prの核スピンとの相互作用による非常に大きな超微細相互作用を測定した。許容遷移に加えて、禁制遷移も観測できた。結果をBreit-Rabi式で解析し、|g|=0.745、超微細結合定数|A|=0.0606cmを得た。得られたパラメータから、BaCeO中のPrのエネルギーレベルを計算した。
日夏 幸雄
日本原子力学会誌, 36(8), p.714 - 726, 1994/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.84(Nuclear Science & Technology)螢石型構造またはペロブスカイト型構造を持つウラン複合酸化物の磁気的性質をまとめ、固体中での5f電子の挙動を議論した。螢石型構造を持つMyUO(M=希土類、アルカリ土類金属)の磁化率をレビューし、CeUO固溶体で見い出した電荷移動を議論した。MUO(M=アルカリ金属)、秩序化ペロブスカイトBaMUO(M=希土類、遷移金属、アルカリ土類金属)の磁化率と常磁性共鳴吸収(EPR)をレビューした。低温で見い出されるウランイオン間の磁気的相互作用のEPRのg値を議論した。また、磁気的相互作用の臨界U-U距離を導いた。
日夏 幸雄
日本原子力学会誌, 35(8), p.701 - 717, 1993/08
被引用回数:0 パーセンタイル:3.85(Nuclear Science & Technology)アクチノイドイオンと化合物の磁気的性質についてレビューした。アクチノイドイオンの磁気的性質は、アクチノイド系列を体系化している5f電子のスピン角運動量と軌道角運動量による。このレビューでは、対象を、固体中のアクチノイドイオンと化合物中で5f電子が局在した、いわゆる結晶場理論が適用される系に限った。主に磁化率と常磁性共鳴吸収の結果について、レビューし、論じた。
日夏 幸雄
Journal of Alloys and Compounds, 193, p.113 - 115, 1993/00
被引用回数:14 パーセンタイル:72.74(Chemistry, Physical)ペロブスカイト型化合物、BaUO,BaPrO,BaTbOを合成し、磁化率、常磁性共鳴吸収スペクトルを測定した。X線回折からBaUOは理想的なペロブスカイト構造を、またBaPrO,BaTbOでは斜方晶に歪んだ擬ペロブスカイト構造をとることがわかった。BaUOは温度に依存しない常磁性を、またBaPrO,BaTbOでは11.5,32.7Kで磁気転移を起こすことがわかった。常磁性共鳴吸収スペクトルの測定では、BaPrOではPrに基づく超微細構造が測定され、BaTbOではg=2.00のスペクトルが測定できた。
日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 105, p.100 - 106, 1993/00
被引用回数:11 パーセンタイル:47.84(Chemistry, Inorganic & Nuclear)秩序化したペロブスカイト構造を持つウラン複合酸化物BaMUO(M=Sc,Y,Gd,Yb,Mn)を合成し、磁化率と常磁性共鳴吸収スペクトルを測定した。BaYUO,BaScUO中のUの有効磁気モーメントは異常に小さかった。BaGdUO,BaYbUOのモーメントは7.74,4.69でGd,Ybの理論値に近かった。BaGdUOの常磁性共鳴吸収スペクトルが測定でき、g値は1.92だった。BaMnUOでは、約50K以下でフェリ磁性が見られた。有効磁気モーメントは5.52、g値は2.00で、化合物中のマンガンイオンは高スピン状態にある2価であることがわかった。
日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 102, p.362 - 367, 1993/00
被引用回数:31 パーセンタイル:80.26(Chemistry, Inorganic & Nuclear)4価のプラセオジムのペロブスカイトBaPrOを合成し、磁化率を4.2Kから室温まで測定した。11.5Kで磁気的秩序を見出した。温度がこの転移点を超えると著しく磁化率は低下した。BaPrCeO固溶体の磁化率も測定した。Prの常磁性共鳴吸収はBaCeOに希釈した試料につき、4.2Kで測定できた。磁気的測定から、プラセオジムは+4価の酸化状態にあることがわかった。
日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 100, p.136 - 140, 1992/00
被引用回数:21 パーセンタイル:68.83(Chemistry, Inorganic & Nuclear)4価のテルビウムペロブスカイトBaTbOとSrTbOを合成し、磁化率と常磁性共鳴吸収(EPR)スペクトルを測定した。両化合物は、32.7,30.5Kで反強磁性転移を示した。有効磁気モーメントは7.96で、Tbの理論値に非常に近い。EPRスペクトルは室温で測定でき、g値は2.00,1.97だった。これらの結果から、テルビウムの酸化状態は3価でなく、4価であることがわかった。SrTbOのg値が2.00からずれるのは、テルビウムのオクタヘドラル対称結晶場が歪むためである。
日夏 幸雄; 藤野 威男*; Edelstein, N.*
Journal of Solid State Chemistry, 99, p.182 - 188, 1992/00
被引用回数:25 パーセンタイル:74.51(Chemistry, Inorganic & Nuclear)LiUOを合成し、その磁化率を4.2Kから室温まで測定した。磁気転移が16.9Kで起こり、この温度以下では磁化率の磁場依存性が見られた。LiUOの結晶場パラメータをLiNbOにドープしたUの吸収スペクトルから決定した。磁化率と常磁性共鳴吸収のg値を計算し、実験値と比較した。
日夏 幸雄; Edelstein, N.*
日本原子力学会誌, 33(10), p.994 - 1000, 1991/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)正方対称であるYPO単結晶にドープしたCmの常磁性共鳴吸収(EPR)測定を、室温、77K、4.2Kで行なった。Xバンドでは、EPRスペクトルは、Cmの基底項S7/2の全ての励起doubletで測定された。共鳴は室温でも測定できた。室温では、QバンドでもEPR測定を行ない、異なるdoublet間のEPR遷移を観測した。EPRスペクトルの角度依存性から、結晶場パラメータを決定した。bの符号は負で、また、b、bと比べ、b,bの方が結晶場エネルギーレベルに影響することがわかった。